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アウトソーシング産業の展望

ドキュメント内 四川省の基礎調査と震災復興への取組み (ページ 188-191)

第三章 アウトソーシングサービス産業

第三節 アウトソーシング産業の展望

Mckinsey &amp 社の統計によれば、世界の潜在的なアウトソーシング需要は 5,000 億ドルを超えて おり、そのうちの 90%は未知の市場領域にあります。2020 年には 18,000 億ドルに膨れ上がり、うち 80%は現時点では掌握されていない新しい領域から生まれるとみられています。政府部門の外注、マ

スコミのアウトソーシング、中小企業からのアウトソーシング、中国を含んだ発展途上国からのアウ トソーシングなど、その市場規模は想像を絶します。

中国商務部では優位産業を育成して地域発展のエンジンとし、十分に内需を拡大し、大規模なアウ トソーシングプロジェクトへの多くの企業の参加を促し、人材のトレーニングに力を入れよう指導し ています。これは図らずも成都のアウトソーシングを発展戦略と一致しています。

成都市では電子情報産業を経済のバッファー、また安定成長のための基礎とすることを決めていま す。アウトソーシング産業を発展させるためには人材育成が最も重要な課題ですが、40 の大学の力を 動員するだけでなく、企業の即戦力になるような職業訓練体系を確立し、企業への人材輸送システム の構築を目指しています。

世界 50 の新興アウトソーシング都市に加え、全国の 11 のアウトソーシング模範都市として、2009 年には、国際金融危機の影響で発展が緩やかになりましたが、成都のアウトソーシングの土台となる ソフト及び情報サービス産業の売上高 650 億元になり、年初掲げたソフト・アウトソーシング輸出高 4億ドルという目標も実現しました。

綿陽市ではテレビのシェアを 30%誇っている長虹社が、政府の支援によりアウトソーシング専門の 子会社を設立し、IT アウトソーシング業界への参入を宣言しました。

2.四川省の企業誘致活動

他の産業の企業誘致は原材料、資源、土地、人件費、市場の優位性をアピールし、また企業誘致の ためのプロジェクトリストが作られています。しかし、アウトソーシング産業におけるニーズは顧客 により様々であることから、頼りになるのは人材とインターネット環境だけとなります。

成都は 1,000 万人の人口を有し、大学数も西部地域では最も多く、コンピュータ人材と日本語人材 に恵まれています。日本語科を設置している大学は四川大学、西南交通大学、成都理工大学、西華大 学、西南民族大学、四川外国語学院成都学院の 7 校、その他にも日本語学校がたくさんあります。

金融危機の影響のもとで、多くの国際企業がその業務をアウトソーシングの形で中国に移転させ、

コストを下げることで競争力を高めていますが、このことは成都のアウトソーシング産業に歴史的な チャンスをもたらしています。成都は既に人材育成や基地建設などに多くの資金を投下しており、ア ウトソーシング企業の発展のために広範囲のサポートを提供しています。成都は自身の優位性を有す る資源と産業発展レベルに応じて、情報技術、マルチメディアと金融の三大分野のアウトソーシング サービスの発展に重点を置くことを決定しています。

3.実施する上で注意すべき点

自社にアウトソーシングする必要がある業務については、IBM、SONY、Ubisoft、Microsoft、SAP、

ノキア社のように成都で業務処理センターを作ったほうが有利だと思われます。しかし、このような 子会社は親会社への依存が強く、他社からも敬遠されることが多いことから、積極的な進取の精神が 欠けがちです。国内企業が外資系企業よりも多くの契約を取っているのはこのためです。また、子会 社の経費予算が年を追って増えるのも頭痛の種です。

以上の理由により、当該産業で利益をあげるためには、中国の国内企業と提携したほうがより有利 といえるでしょう。まず、中国の国内企業はコストを下げる能力に優れ、そのコストが安定していま す。また、四川省には大きな奥行きがあり、人材さえ確保できれば、さらに奥地へ移転してコストを さげる余地があります。

日中両国では共通の言語である「漢字」が使用されており、中国の企業には日本語が分からなくて も、日本語入力ができるソフトの開発や高精度の OCR の整備などの経営努力がなされています。経済 の回復にしたがって、日本からのアウトソーシングの多量受注が期待されています。

第四章 外資企業が参入可能なプロジェクト

――共生の場としての四川省

第一節 中国経済の中の四川省経済の見方

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