第四章 東北経済区――天然ガスエネルギーと化学基地 6 都市
第五節 巴中市――「赤軍」の根拠地
設、堤防の修繕、都市の排水システムの整備など広範囲にわたっています。
近年の石炭の値上がりが達州市の鉱業関係者の収入を大きく改善し、達州市の内需拡大にも大きく 寄与しました。
タクシーは、営業ライセンスが安く取得できるため、現在車両数が 1,053 に上っています。政府が ほかの都市同様にタクシー産業から収入を得ようとして、これまでのライセンスを廃止し、ライセン ス取得の経済的なハードルを高くしようとしたところ、タクシー運転手のボイコットを招き、結局、
現状維持で決着するなど、大きなニュースになりました。
6.未来展望
達州市は地理的に成都重慶西安の三角形の真ん中にありますが、長い間、不便な交通に制約されて 経済発展が遅れていましたが、鉄道と高速道路が建設開通され、インフラが劇的に改善されました。
特に豊富な資源がますます注目を集めています。経済的には重慶市との関係がより緊密で、重要な石 炭と農産物の供給基地となっています。重慶市の経済発展に従い、達州市の経済も力強く牽引されま した。今後、成都重慶経済区の発展するにつれて、達州市も新しい発展が期待されています。
第五節 巴中市――「赤軍」の根拠地
表 4-5-1 巴中市の基本情況
市(州)政府所在地 巴中
URL
http://www.cnbz.gov.cn/
http://www.scinvest.cn/html/default.htm
招商局又は商務局 四川省招商引資局
公開電話 028-66469930
市街区域 巴中市街区域
市街区域面積 2566 平方キロメートル
所轄県(市) 通江県、南江県、平昌県
面積 1.2 万平方キロメートル
自然条件(降水量、平均気温、
日照時数)
年間降雨量 1093.4mm、年間平均気温 16.7℃、年間日照時間 1422.1 時間。
人口 381.0 万人
民族 漢民族を合わせて全部 35 民族
主要資源 土地資源、森林資源、水利資源、環境資源
資源産業 陸地農業、牧畜業、食用菌 、お茶、干し果物
観光資源 諾水河観光地、光霧観光地、空山国家森林公園、中峰洞
環境評価
環境保護関連産業 ゴミ処理、排気廃水処理、新型エネルギーの開発 アウトソーシング産業 IT
空路
水路
高速道路 高速道路が開通したばかりである。
交通
国道 山地だから、県道、村道の建設が急務。
(2009 年四川省統計年鑑、中国統計出版社 8 月)
2.基本情況
巴中市は四川省と陝西省の境目にあり、四川省の北部の門戸に当たります。劉邦がここの巴峪関と 牟陽城を根拠地にして中原を攻めていったことは有名な話です。後漢の時代には、漢昌県が置かれま した。劉備が四川省に入ったときには張飛の率いる一軍がここを通っています。唐の時代には 7,200 体の仏像が山に掘られ、仏教芸術の輝かしい歴史を垣間見させてくれます。中国十大石窟にも選ばれ
ています。
市内には秦嶺山脈の支脈である大巴山が数百里にわたって横たわり、雄大な景観をつくっています。
峡谷瀑布が多く、原生林が広がっています。光霧山原始森林、南陽森林公園、佛頭山森林公園、南江 大小蘭溝自然保護区が特に有名な観光名所になっています。
自生する 600 種類の樹木は、四川省の生物遺伝子の宝庫と称されています。
森林には熊、豹、カモシカ、鹿、山椒魚、山猫、竹ねずみなど 20 種類の国家保護動物が生息し、
四川盆地北縁山地の動物遺伝子の宝庫と言われています。
表 4-5-2 巴中市の経済情況
総額 213.95 億元
第一次産業 89.23 億元 第二次産業 51.19 億元 第三次産業 73.54 億元 GDP
一人当たりの GDP 6806 元
国営 18640 元
平均給料
民営 14255 元
住民一人当たり可処分所得 9570 元
住民一人当たり消費支出 7298 元
農民一人当たり純収入 3018.4 元
農民一人当たり生活消費支出 2739.6 元
年金加入者数 16.75 万人
年金収入総額 8.86 億元
就職者数 184.43 万人
(2009 年四川省統計年鑑、中国統計出版社 8 月)
3.経済的実力
主要工業製品は鉄鉱石、石炭、電力、セメント、酒、シルク、アパレル、紡績、冷凍肉、精錬食用 油、飲料水などで、前年比 22.8%増の 28 億元の GDP を実現しました。
江口醇酒造工場と小角楼酒造工場はともに一億元以上の売り上げがあり、その優良な品質と手ごろ な価格で、全国に販売され、人気を博しています。
農業は国家の食糧貯蓄基地であり、輸出基地でもあります。経済作物では養蚕、タバコ、お茶、菜 種、果物、砂糖きび、生姜などがすでに規模的優位性を形成しており、「天崗銀芽」が最も有名なお 茶で、国際博覧会で金メダルに輝いています。「雲頂緑芽」、「雲頂茗蘭」、「光霧茗峰」なども四 川省のブランドです。
山地ですから、椎茸、木耳、胡桃、栗、銀杏、山羊、牛、わらびなどが特に有名です。
鉱物資源にも恵まれており、埋蔵量は、鉄鉱石が 8,355 万トン、石炭が 6,190 万トン、天然ガスが
1,100 立方メートル、御影石が 10 億立方メートルなどで、開発が期待されています。このほか、銅鉱、
金鉱、大理石なども豊富です。
四川省の市の中では経済的な実力がまだ弱い方ですが、革命根拠地だったことで中央政府が大きな 関心を有しており、西部大開発の重点農業開発地区にも指定されてあります。毎年、貧困地区扶助の 特別予算が交付され、近年はインフラ整備も大きく改善され、経済発展のテンポも速いです。
最近、赤軍の業績を偲ぶ観光が流行っています。巴中市には赤軍の革命遺跡がたくさんあることか ら、観光業の発展も期待されています。
4.交通運輸
巴中市は、交通が不便だったからこそ革命政権が早く誕生したと言えましょう。逆に平和な時代に なった今、成都から 400 キロメートル、西安から 650 キロメートルもある交通の不便さが経済発展の 妨げになっていたとも言えます。
西部開発で広元―巴中の高速道路が開通し、南充市や陝西省の桃園へ通じる高速道路も着工してい ます。達州への高速道路も計画中です。
これまで巴中市には鉄道が無く、宝鶏―成都線からも襄樊―重慶線からも 200 キロメートルほど離 れているなど、多量の物質の運輸が極めて不便でしたが、現在達州市への鉄道建設が着工しています。
また、巴中空港の建設も四川省政府で検討されています。
5.都市建設
山に囲まれた都市の中央部分を、巴川がアーチを描きながら静かに流れ、川沿いには堤防が整って おり、岸に沿って綺麗な遊歩道が作られています。整備された大通りも川に沿って延びています。
川には 3 つの大橋がかかり、両岸の森の中に建物が点在しています。
6.未来展望
四川省の最後の市ですが、地方還付などの方式で、均衡と調和の取れた発展を掲げた四川省から支 援を受けています。
投資環境の改善により、投資が巴中市に集まり、巴中市への産業移転も盛んです。以前は出稼ぎ労 働者の送り出していましたが、産業移転の受入により地元での雇用が増えることにより、生活品質の 向上と内需の拡大が期待されています。
交通が不便なために経済が立ち遅れていましたが、高速道路などの交通インフラの整備によって、
巴中市の経済は日増しに発展を続け、資源、環境、農業、観光などの分野における優位性が一層発揮
されることが期待されます。
表 4-5-3 巴中市のインフラ情況
道路キロ数(キロ) 192
道路面積(万平方メートル) 265
橋梁数(個所) 27
街灯(千個) 4
バス保有台数 101
タクシー保有台数(台) 324
公衆便所数(個所) 27
政府清掃道路面積(万平方メートル) 195
水道普及率(%) 83.67
都市ガス普及率(%) 61.67
一人当たり道路面積(平方メートル) 8.83
公園数(個所) 4
公園緑化面積(ヘクタール) 247
一人当たり公園緑地面積(平方メートル) 8.23
市街区域の緑化率(%) 28.25
下水排出量(万立方米) 1550
下水道の長さ(キロ) 176
下水処理率(%) 61.94
ごみ処理率(%) 71.91
(2009 年四川省統計年鑑、中国統計出版社 8 月)