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?二

子どものメタファー

図6−2

 第2次授業前の子どものメタファー分類は、第1次授業とは様相を異にする。第 1次授業では、雷・粒・流体の大きく区三つに分類できたものが、それらのどこに も属さないか、むしろ他の側面を重視しているため、その三つ以外の項目を設けた。

 この結果から読みとることができる子どもの電流への見方は次のような点であ る。(図6−2,資料13参照)

 雷・流体・粒のようなものとして描いた子ども達は非常に多く、第1次授業と合 わせてみると、かなり一般的に見られる電流のイメージなのかもしれない。

 不可視の項目は、目に見えないものという側面を重視している記述が見られたと いう意味である。例えば、空気・風などのようなものにたとえたものである。電流

も確かに目に見えないものであり、そうした側面を表現したのであろうと考えられ

る。

 エネルギーという項目は、力・車など何らかエネルギーによって何か仕事をする ようなものを描いているものである。雷のようなものもエネルギー的な側面を意識 しているように思われるが、それよりもむしろはっきりとエネルギーのはたらきを 重視しているように思われる見方である。

 導管と分類されたものは、道を通るものとして電流を描いているように思われる 記述である。電流は、導線という道を移動するものであるという側面を重視してい

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るように思われる。

 粒や流体など、実態あるもので、なおかつ同質の物が大量に移動している図は、

前回と同じく「量や動きが増減するもの」として電気を見ていることを示している のではないだろうか。

 以上の諸点から、子ども達にとっての電流は、存在・導管・エネルギーなどのキ ーワードで表される未だ曖昧模糊としたものとしてとらえらるもののようである。

第3節  授業における子どもの電流概念

  アナロジーやモデルを概念の教授に利用する授業とは言っても、子どものメタフ   ァー生成を軽視するわけではない。子どもたちのメタファーを描画によって顕在化   させた後、電流に関わる各種の:事象を説明する活動を通して、メタファーの評価・

 修正を行い、水流モデルや粒モデルを構成する活動を経て、実際のモデルを提示、

 最後に応用的な課題に取り組む形を取る。第1次授業で、メタファーは子どもの概  念形成にある程度寄与できることがわかった。第2次授業では、メタファーのその   ような働きを生かしながら、モデルの理解を容易にするメタファーの働きを模索し  たい。

  授業の流れはおおよそ次のようである。

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

(6)

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(9)

子どものメタファーを絵に描かせる。

子どものメタファーを分類する。

電流に関する事象を、自分のメタファーを生かしつつ記述させ

る。(事象の記述の局面)

実際に電流のモデルを作るならどのような物を作ればいいか 考えさせる。(モデル構築の局面)

モデルを提示する。水流モデル→ビー玉のモデル→カーテンレ ールのモデル⇒自転車のチェーンモデル(モデル提示の局面)

それぞれのモデルの要素と、電気回路の要素を写像させ、指摘 させる。(モデル解釈の局面)

電流による発熱現象の体験(事象提示の局面)

電流が強くなると、発熱の程度はどうなるか、モデルを使って 予測させる。(予測の局面)

実験する。(実験の局面)

(10)応用的な課題をモデルを通して解決する。(応用の局面)

このうち、(3)の場面について詳しく調査し、考察を加えた。

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1事象の記述の局面における子どもの見方

 第2次授業の課題の一つは、科学的な電流概念への転換をどう図るかである。

ここでは、指導過程にそって、子どもの概念がどのように変容していったかを、

子どもの記述をもとに考察する。また、子どもの概念変容はどのような指導を行 ったことと関係があるのか考察することにする。

 事象の記述場面は次のような課題に取り組む形で進めた。

①スイッチを入れた状態と切った状態(回路の開閉課題)

②電池の向きを変えるとモーターの回転が逆になる現象(モーター課題)

③乾電池を直列に2個つないだら豆電球が明るくなる現象(乾電池直列課題)

④豆電球の前に設置した電流計と後に設置した電流計の針の振れが変わらない  現象(電流計課題)

⑤手回し発電機でも,豆電球が点灯する現象(手回し発電機課題)

(1)単純な電気回路への子どもの見方

   授業のはじめに、単純な電気回路における電流の振る舞いをイメージして下の   フォームに描き込ませた。

図6−3 課題1調査フォーム 91

ここでの子ども達の投げかけは次のようなものである。

 電気に関するいろいろな現象を、自分なりに説明してみよう。ポイントは、

「電流」を「水」のようなもの、「光」のようなもの、「粒」のようなものな ど、何かにたとえて絵に描いてみよう。電流がどのように動いて、そのよう な現象が起こるのか想像してみよう。

 この場面では、子どもの電流に関するメタファーがどのようなものかとらえる ことと、子どもに「どのような活動をしていけばよいのか」を知らせる意味があ

る。

 子ども達のこの時点でのメタファーを分類してみると次(図6−4)のようで あった。資料14参照

課題1における子どものメタファー

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