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衝突  減衰  循環  交差  不明

@   子どもの電流概念類型

図6−15

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(6)手回し発電機課題における子どもの見方

    乾電池貯蔵庫説の克服をねらったのがこの課題である。乾電池を電気の貯蔵庫    だと考えている子ども達に、手回し発電器を回していない状態では豆電球はつか   ず、回すとつくという事象を観察・記述させる。もし、電気は貯められるもので、

  乾電池という容器の中に貯蔵されているのだと考えているならば、この現象をど    う説明するだろうか。もし概念的な葛藤が起これば、乾電池貯蔵庫説は克服され    るかもしれない。(資料16参照)

   子ども達の描いた描画を見てみると、特徴として次のようなことがわかった。

    ● そこに電気が貯められているのではなく、「発生する」という見方をする      子どもが多かった。

   ● 発生の要因としては、摩擦、モーターのようなものと関係、歯車のような      ものと関係、回ることと関係などの記述が多かった。特に摩擦については、

     静電気の発生と結びついているようである。

    ● 記述によって判断できない子どもも多くいた。

    「電気は貯められるものではなく、それが証拠に手回し発電機でも豆電球を点   灯させることができる。」指導の意図は、このことに気づかせることであった。

   子ども達の多くは、確かに「発生する」「生み出す」「起こる」などの言葉を使っ    ていることからわかるように、手回し発電機の中に最初から電気が貯められてい    ると言うよりも、発生させているのだという見方をしていた。(86名城59名)

    しかし、これが即乾電池の貯蔵庫説を捨て去る要因になったかというと疑問が   残る。子ども達は、乾電池と手回し発電機をそれぞれ特別の機能を持った全く別   物としてとらえている可能性があるからである。つまり、乾電池は電気の貯蔵庫    で、手回し発電機は電気の発電所というように。

   今回の調査では、子ども達の乾電池や手回し発電機のイメージを十分にとらえ    ることができなかったため、その辺りを詳しく調べる方法を今後考える必要があ    ると思う。

2電流モデル提示の局面

  ここまでの各事象の記述場面を終えて、子ども達の電流概念は多少なりとも科 学的なものに変容したきたと考えられる。子ども達には、最初にイメージした電 流(光のようなもの、粒のようなもの、水のようなものなど)を、各事象の説明 をするときも生かすように奨励した。つまり、電流が水のようなものだとしたら、

どのように振る舞うかを考えながら、各事象の記述をするように投げかけた。

  ここでは、そうして育ててきた自分の電流概念をもとに、実際に電流の振る舞 いを説明するモデルを作るとしたら、どのような物ができるか考えさせた。

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 次に、教師の用意したモデルを提示し、電流回路のよう外モデルの要素を写像 させることにした。

 まず、子どもにどのようなモデルを作ればよいのか考えさせたが、子ども達は 考えつかなかった。そもそもモデルとは何で、何のためにモデルがあるのかがよ

くわかっていなかった面がある。子ども達は、要素の写像の段階に至って、やっ とモデルとはどういう物なのかを理解したようであった。

 子ども達に実際にモデルを構成させる学習は、かなり高度で、電流回路の要素 を写像できる可能性を秘めたベースドメインを検索するのに、子どもの十分な経 験が必要である。また、ターゲットドメインとなる電流に関して十分な理解が必 要となる。モデルとは何かを理解した上で、このような条件も必要となってくる とあれば、子ども達がモデルを考えつかなかったのも無理はないかもしれない。

子ども達にモデルを提案させることは、以上の経緯からあきらめざるを得なかっ

た。

 次に行ったのは、実際のモデルの提示である。これらは、あくまでもモデルで あり、電流回路に写像できない部分である否定的アナロジーを当然含む。しかし、

科学的な電流概念の範囲を限定し、「電流が回路の中を一定方向に流れ、そして 一定に保たれる」ということをとらえる目的で使用するのは、意味があるように

思う。

 さらに、モデルは唐突に提示されると、子どもにとって理解不可能なものにな ってしまう。そうならないためにも、これまでの事象の記述の局面で、それぞれ の子どものメタファーを生かしながら説明するよう奨励してきた。そういう意味 で、このモデル提示は決して教え込みにはならないと考える。

 子ども達は事象の記述の局面で、自分が既に持っていた素朴な電流概念に関し て、Posnerのいう、dissatisfactionを感じてきている。そこで提示されたこの モデルは、子ども達にplausibleなものとして、受け入れられることを期待して

いる。

 実際子ども達は、次に示すモデルの各要素と電流回路の各要素との対応関係を 尋ねたときに、ほとんど正しく指摘することができた。これは、モデルの意味づ

けができていることを示している。使用したモデルは次に示すとおりである。

● 水流モデル

● 粒モデル

● カーテンレールモァル

● 電車モデル

● 自転車モデル

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図6・16水流モデル

翻灘灘・

図6・17粒モデル

図6・18 カーテンレールモデル 105

図6・19電車モデル

3電流のよる発熱に関する予測の局面

 モデル提示の次の時間に、電流による発熱に関する学習を行った。ここではま ず、モデルのはたらきとその限界について触れ、全てがモデルで説明できるわけ ではないことを話した。

 続いて電熱線で発泡スチロールが切れる様子を観察し電流を流すと電熱線が 発熱することをとらえさせた上で、「電流を強くすると発熱の程度がどうなる か」という学習問題を提示した。

 ここでモデルを通した予測を行う。モデルを通じて「もし電流が水の流れだと すると、水はこのように振る舞うはずだから、電流だとこうなるはずだ。」とい

う予測の仕方を奨励した。ここでの子ども達の予測の様相について見てみる。

 まず「電流を強くすると、電熱線はより熱くなる。」と答えた子どもは、86 名中70名であった。後の16名は、より冷たくなると答えた子どもは一人もお

らず、問題に正対して答えを描かなかった子ども達である。例えば、「速く電流 が流れる」とか「ビー玉が遅くなる」とかである。だいたいの子ども達は「電熱 線はより熱くなる。」と予測したようである。

 ここで問題となるのは、そうした予測を導き出す過程におけるモデルのはたら きである。子ども達は、ベースドメインとなるモデルの各要素を正しく関連づけ ているだろうか。また、ターゲットドメインである電流回路の各要素に写像して、

予測を妥当に導き出しているだろうか。

 例えば、「電流が水のようなものだとすると、電流が強くなるというのは、水 が速く回るということ。すると水車は速く回ることになる。電流回路に話を戻す

と、このことは電熱線画より熱くなるということである。」というような推論を 子ども達がどの程度できたかということである。

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 70人