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今後の課題

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第 9 章 結論

9.3 今後の課題

最後に、本研究の今後の課題について述べる。それは以下の4点である。

第1に、本研究が行った日中両言語の逆接接続表現の文法化の通時的な分析は主に先行 研究の成果に基づいたものであったという点である。本来言語の通時的研究というものは 当該言語の実際の資料を詳細に検討することによって行われるべきものである。そのよう な観点から、今後は実際の歴史的資料を対象にしながら遂行すべきと考える。

第2に、本研究では、日中逆接表現が談話標識までの文法化過程について、共時的なデ ータに基づいて分析したが、今後、通時的な分析を通して、そのプロセスを検証する必要 がある。

第3に、本研究は自然会話に基づいて、逆接接続表現の談話標識的機能を明らかにした が、筆者の解釈の妥当性を確認する必要があったということである。そのために、今後は、

データを収集するだけではなく、協力者に対するフォローアップインタビューも欠かせな いだろう。また、データのレジスターの多様性および量を増やし、さらなる考察が必要で ある。

最後に、本研究は日本語と中国語の逆接接続表現の文法化についての比較対照分析であ

ったが、接続表現が談話標識的な機能を獲得する現象がみられるのは、日本語と中国語だ けではない。Matsumoto(1988)は、このような文法化現象はほかの言語にも存在する一般 的な言語変化であると述べている。例えば、英語の接続詞“but”(Schiffrin 1987)、また、「で も」に相当する韓国語の逆接接続詞“근데”にもみられる。“근데”は、韓国語の話し言葉でよ く使われ、「でも」のように逆接的な関係を示すほか、「ところで」のように話題の方向を 変える働きとしても用いられる。よって、将来的には、韓国語や英語など他の言語も視野 に入れて考察を進め、言語類型論の視点からの研究も展開していきたい。

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