9 ミキシング
9.11 ミキシングについてのアドバイス
9.11.1 ミキシングの前に
ミキシングに入る前の制作状況によって、ミキシング工程は大きく左右されます。どうぞ次のガイドラインをお役立てください。
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ミックスに取りかかる前に、ソングのアレンジを完成させておきます。パートの追加、削除、並べ替えを行うと、ソン グ内の各パート間の関係が変わってしまい、ミックスに影響します。•
ソングのどこか一部にでも問題があると、ミックスが上手くいかないことが多くなります。「ミキシングのときに修正す る」というアプローチをとると、たいていの場合、時間ばかりかかって良い結果が得られません。ミックスに入る前に、ソングのすべてのパートを満足のいく状態に仕上げておきましょう。
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アレンジで目指したサウンドや特徴を実現させるために、ソング内の一部のパートをミキシングとエフェクト処理で大き く変えようとすることがあります。この種の「ミキシング」は、知らないうちにソング全体のミキシングへとつながりが ちです。いつの間にか一度に多数のトラックを扱っているようであれば、それは特定のパートではなく、ソングをミック スしていることになります。•
ミキシングを始める時点でソングに個性や雰囲気、感情といったものが欠けている場合、ミックスダウンでこうした主 観的な特性を付け加えるのは困難です。この際、時間をかけていくつかのパートを録音し直すか、ソングをアレンジし 直すことをお勧めします。あるいは最初からやり直しましょう。9.11.2 ミキシングのワークフロー
ミキシングには多くのツールについての客観的な知識が必要ですが、ミキシングという工程自体は一種の芸術といえます。ある ソングのミックスを
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人のミキシングエンジニアに依頼すれば、サウンドの異なる10
とおりのミックスが生まれます。良い結果 を得るための、順を追った段階的な手引きというものは存在しません。次に説明する一般的な概念をミキシング工程にお役立て いただければ幸いです。9.11.3 バランス
ミキシングの大半はバランスを整える作業です。ミックス内のさまざまな要素の
1
つ1
つを明確に聴き取ることができ、各要素 がミックス全体に対して良い効果をもたらすようバランスを調整します。これにはフェーダーを使ってレベルを変化させ、サウン ドを均一にし、周波数成分の同じ要素どうしが互いに打ち消されることのないようにします。ミックスに使えるスペースは限られ ています。これは、可聴領域内スペクトルの各周波数のエネルギー準位や、ステレオフィールド内のサウンドの関係に基づきます。聴覚は
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次元的に機能するというのがミキシングにおける一般的な考え方です。3
次元空間では、ミキシングの原理を明確に視 覚化することができます。周波数、位相、反射、相対的振幅(レベル)などのさまざまな変数によって、人間がどのように位置 を感知しているかが特定されます。 そのためミキシングでは、フェーダー、イコライザー、アンビエントエフェクト、パンを使っ て3
次元の聴取空間内に各種の要素を配置し、ミックス全体のバランスを適正化することができます。拡張ビデオ再生内蔵インスト 内蔵エフェクト マスタリングControlLink オートメーション ミキシングアレンジブラウザー編集設定録音基本ページスタート
9.11.4 バス送り
バス送りによって特定の要素のサブミックスを作成すると、ミキシングがより簡単になります。たとえば、ドラムセットの生演奏 を
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つ以上の個別のチャンネルに録音するとします。この場合、まず個々のドラムチャンネルを専用のバスまたはステレオチャン ネルにまとめてサブミックスを作成し、このサブミックスをミックス全体に混ぜ合わせることができます。Studio One
でこれを 行う方法については、この章の「バス送り」および「グループ」セクションをご参照ください。バスは、個々のトラックを基に、より「大きな」サウンドを作成するためにも使われます。たとえば、
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つのボーカルトラックを、コー ラスエフェクトがインサートされているFX
チャンネルと、すべてのボーカルがミックスされリバーブに送られるバスの両方に送る ことができます。これらのさまざまな要素は個別のフェーダーを使ってすべてミックスされ、ミックス内のボーカルサウンド全体 に追加されます。バスを使えば、多様なサウンドを無限に創り出すことができます。バス送りという手法を試して、独自のサウンド作りにお役立て ください。
9.11.5 マスタリングに備えたミックス
ミックスをマスタリング工程に引き継ぐ際、コンプレッサーやイコライザー、リミッターで処理されたミックスは、レベルを可能 な限り大きくした状態になっていることがよくあります。マスタリングを終えて公開した完成版の楽曲とマスタリング前のミック スを比較すると、たいていはこのような結果となります。たしかに、ミキシングではできるだけ音を大きくしたくなるものです。
しかし、本来、ミキシングではバランスを整えることが重要です。音を大きくすることが目的ではありません。特にマスタリング 後のミックスよりも大きくする必要はありません。マスタリングでは、ミキシングで定めたバランスに影響を与えずに、全体的な ラウドネスを上げることができます。ミキシングの時点で可能な限り音を大きくしてしまうと、ミキシングで定めたバランスをマ スタリングで活かすことが難しくなるだけでなく、アルバムにまとめる際に他のミックスとのバランスがとりづらくなります。
このため、リファレンス曲を聴くときは(この手順を経ることを強くお勧めします)、全体的なラウドネスは無視して、個々の要素 のバランスだけに注目してください。ミックスのマスターチャンネルにはコンプレッサーやリミッターを配置しないようにします。
ページスタート録音ミキシング内蔵エフェクト アレンジマスタリング拡張基本編集オートメーション 内蔵インスト 設定ブラウザーControlLink ビデオ再生
9.11.6 コンピュータの処理性能を最大限に発揮させる
ライブ演奏を録音しながら聴くのではなく、すでに録音されているトラックを再生して聴くだけであれば、入出力の遅延(オーディ オがコンピューターに入力されてから出力されるまでにかかる時間)を考慮する必要はありません。さらに
Studio One
の自動 ディレイ補正機能によって、プラグイン処理と関係なく、すべての再生トラックの同期が保たれます。このため、ミックスダウン 時には、ブロックサイズを増やして音が発生するまでの処理にかける時間を増やし、プラグインなどを使ってより多くの処理を 適用できます。ブロックサイズを調整するには、
[Studio One]>[
オプション]>[
オーディオ設定]
(Mac OS X
:[
環境設定]>[
オプション
]>[
オーディオ設 定]
)を開きます。Windows
では、お使いのオーディオインターフェースが対応していれば、大半のASIO
デバイスと同様、[
コントロールパネル]
ボタンをクリックしてから横向きのフェーダーをクリック&
ドラッグしてデバイ スのブロックサイズを調整します。フェーダーの横に、デバイスのブロックサイズの値が表示されます。Mac OS X
では、ブロッ クサイズを調整するためのポップアップメニューが表示されます。Studio One
のWindows
バージョンでは、デフォルトで内部ブロックサイズがデバイスのブロックサイズと同じ値になるようロックされています。
[
ロック]
チェックボックスをクリックしてオフにすると、内部ブロックサイズのロックが解除されます。[
内部ブロッ クサイズ]
の値をクリックすると、リストから使用可能な値を選択できます。Mac OS X
では、内部ブロックサイズとデバイスのブロックサイズに違いはありません。9.11.7 バーチャルインストゥルメントをレンダリングしておき使用停止にする
バーチャルインストゥルメントは多くのコンピューターリソースを必要とするので、他の処理に使えるコンピューターの処理能力 が制限されます。このため、インストゥルメントトラックのオーディオ出力をオーディオトラックにレンダリングしておき、バーチャ ルインストゥルメントを使用停止にすると便利な場合があります。最もフレキシブルなオプションは、「編集」の章で説明した、
トラック変換機能を使用してオーディオトラックとインストゥルメントトラックをレンダリングし、関連するバーチャルインストゥ ルメントやエフェクトを一時的に削除する方法です。また、次の方法でも実行できます。
•
オーディオにレンダリングするインストゥルメントトラックのすべてのインストゥルメントパートを選択します。• [
イベント]
メニューから[
選択をバウンス]
を選択するか、キーボードのCtrl/Cmd+B
キーを押します。各インストゥルメントパートがオーディオイベントとしてレンダリングされ、新しいオーディオトラックの正しい位置に配置されます。
•
インストゥルメントトラックの[
インストゥルメントエディター]
アイコンをクリックするとバーチャルインストゥルメント のユーザーインターフェースが開き、[
アクティベート]
ボタンをクリックするとそのバーチャルインストゥルメントが使用 停止になります。これにより、バーチャルインストゥルメントが使っていたコンピューターリソースが解放されます。この方法は、リソースを多く使用するオーディオエフェクトプラグインにも適用できます。