5 石炭輸送効率化と大型洋上貯炭出荷設備導入の検討に係る資料収集
5.1 Pusher Barge System 及び類似システムに関する資料
(三協産業㈱Webサイト)
図 5-3 船底全開式ホールドバージ
(タイセイエンジニアリング㈱Webサイト)
図 5-4 外洋を航海可能な
PBS
(Seabey社
Web
サイト)図 5-5 タンカータイプ
PBS
5.1.2 Multi Barge System
の概要PBS
も航行が困難な、十分な水深喫水比(UKC:Under Keel Clearance)を確保できない 場所を航行する場合には、バージを小型化することが有効である。但し、単純にバージを小 型化してしまうと、多くのタグが必要となり、効率の低下と輸送コストの上昇を招いてしま う。そこで、考え出されたのがMulti-Barge System(以下、MBS
という)である。MBS
は小型のバージで水深の浅い河川の上流部や支流部において貨物を積載した後、十 分な幅を持つ流域で他のバージとホーサーなどで結束・連結し、1
つの大きな浮体(バージ)に姿を変える。これを流域や河口部の港湾まで、または沖合いの積替え地まで輸送するのは、
比較的大型のタグ(Pusher)が担うこととなる(図 5-6参照)。
MBS
のメリットは、小型のバージを小型のタグで上流部から下流部などまで輸送する1
対1
の関係で輸送する方式と比べて、小型バージを複数連結することにより、必要とするタ グの隻数を1
隻にまで減少できることにある。日々の貨物輸送においては、タグの燃料費と 乗組員の人件費が運航コストの大半を占めることから、タグの隻数を大きく削減できること はバージ輸送会社にとっては大きなメリットとなる。一方、デメリットは上流部で船団を組む際の時間調整が挙げられる。複数の小型バージを 一度に輸送する
MBS
では、船団を組むことに意義があるものの、船団を組むためには他の 小型バージの到着まで少なからず時間を要することから、輸送時間の効率性という点では劣 る。図 5-6
Multi-Barge System
5.1.3
サイクルオペレーションの概要通常、PBS が導入される場合には、河川内などの積み地と港湾などの揚げ地との間を往 復輸送することが多い。通常はタグとバージを
1
対1
で運用する。その場合、タグは積み地または揚げ地において、バージの荷役を待つことを余議なくされる。
その待機時間を最小化するために考え出されたのが、1隻のタグが複数(通常、2~3隻)
のバージを操るバージのサイクルオペレーションである(図 5-7参照)。サイクルオペレー ションにおいて、タグは、積み地において貨物を満載したバージと結合し、揚げ地まで輸送 する。タグはバージを着桟させた後、バージを切離し、今後は貨物を揚げ切ったバージを結 合し、揚げ地まで輸送する。これによりタグは、揚げ地または積み地での待機時間を大幅に 削減することができ、輸送効率を大幅に高めることが可能となる。但し、タグは常に運航す ることが強いられるため、乗組員のやり繰りには工夫が必要となる。
なお、サイクルオペレーションは
TBS
でも実施可能であるものの、連結と離脱に牽引ロ ープの設置などが必要となることから、機械的に連結・離脱するPBS
の1
分程度という時 間には遠く及ばない。そのため、輸送効率を最大限に享受できるのはPBS
と言える。図 5-7 サイクルオペレーションのイメージ
5.1.4 Self Propeller Barge
の概要近年、
Mahakam
川流域では、バージ型の船体に推進機を有したSelf Propeller Barge
(以下、SPB
という)も散見されている(図 5-8 参照)。SPB の運航会社は、現在のところ、TOLLLOGISTICS ASIA LTD
(旧TOLL LOGISTICS ASIA LTD)や SK PELAYARAN INDONESIA
など数社に限られている。現地調査時に
Mahakam
川にて停泊していたTOLL LOGISTICS ASIA LTD
の運航するSPB
の主要目等を図 5-1に示す。SPB
はBatam
島やシンガポールの造船所にて建造されており、2,400
馬力程度の主機に操船性の優れたコルトノズル付きの
Z
ドライブ・プロペラシステムを搭載している。Mahakam
川においては、パイロット強制区間においてパイロットの嚮導が必要となるものの、自航船であることからアシスタントタグの配備が免除される場合もあるようである。
Loaded
Ballast Loading
Point
Unloading Point
図 5-8
Self Propeller Barge(KIMTRANS SPB 3208)
表 5-1