12 相手国実施機関の能力
12.1 相手国実施機関の概要
洋上貯炭・出荷設備および
PBS
を国家間対応で実現するためには、インドネシア側の実 施機関が必要である。当初、日本側で想定した組織は、東Kalimantan
州政府、海運総局、エネルギー鉱物資源省の
3
機関であった。BAPPENAS
からの助言により現地セミナーを開催した。本設備が石炭を取り扱うコールターミナルであるという意見が大勢を占めたので、実施機関としては石炭公社(PTBA)が 最も適当であると判断した。今後、実施機関はインドネシア側でいずれ決定することにな るが、ここでは
PTBA
を相手国実施機関と想定して調査を行った。12.1.1 PTBA
の歴史PTBA
は1919
年オランダ統治政府のTanjung Enim
炭鉱開発により開始された。1950
年の 統治終了により、インドネシア政府により国営炭鉱としての承認を受けた。1993 年には国 家エネルギー安全保障開発計画により、政府によって石炭煉炭事業拡張が促進されたれた。2002
年12
月23
日に、インドネシアの証券取引所の上場会社になり今日に至る。12.1.2 PTBA
の現状現在の
PTBA
株式は、その65%をインドネシア国家が保有し、35%を上場している。生
産現場は、国内4
か所(Sumatra島3、Kalimantan
島1)に炭鉱を保有し、Sumatra
島に3
か 所の港湾設備を持つ。また、Sumatra島に鉄道輸送路を保有しており、新規に併設の鉄道輸 送路を計画中である。直轄4
炭鉱以外に、子会社として3
炭鉱を保有し合計7
炭鉱がPTBA
グループとなっている。各炭鉱および施設位置を図 12-1に、これらの炭鉱名および生産量 の推移を表 12-1に示す。これより生産量は、ここ数年間1,000
万トン/年で推移していたが、2010
年に増加し1,200
万トンに達している。その原因は、世界的な石炭価格の上昇による。炭量及び炭質の状況は表 12-2のとおりである。Tanjung Enim炭鉱における総資源量は
72.9
億トン、総可採炭量は、19.9 億トンであるが瀝青炭の比率は少なく、亜瀝青炭が中心であ る。これから製造できる銘柄は6
種類であり、瀝青炭の銘柄が2
種類、亜瀝青炭の銘柄が4
種類となっている。それぞれの名称および発熱量を表 12-3に示す。158
図 12-1
PTBA
炭鉱・設備位置図出展:PTBA ホームページ
表 12-1
PTBA
グループ石炭生産量の推移単位:トン
出典:PTBA ホームページ
表 12-2
PTBA
社製品の炭量・炭質単位:億トン 資源量 72.9 瀝青炭 2.0 可採炭量 19.9 瀝青炭 0.6
亜瀝青炭 35.8 亜瀝青炭 12.5
褐炭 35.1 褐炭 6.8
出典:PTBA ホームページ
2010 2009 2008 2007 2006
Tanjung Enim Mining Unit (UPT)
Air Laya 6,131,218 5,280,781 5,180,968 4,487,258 4,147,840 Muara Tiga Besar Utama 3,144,728 1,630,150 2,478,649 1,637,588 1,300,161
Muara Tiga Besar Selatan 508,501 784,472
Banko Barat 2,595,850 2,846,546 2,426,892 1,920,429 2,165,511 11,871,796 9,757,477 10,086,509 8,553,776 8,397,984
Ombilin Mining Unit 5,620 1,770 5,109 1,251 1,683
PT Batubara Bukit Kendi 76,971 783,243 712,199 722,586 840,843
Pt International Prima Coal 507,558 57,912 0 0 0
Total Others 590,149 842,925 717,308 723,837 842,526
12,461,945 10,600,402 10,803,817 9,277,613 9,240,510 Total Production
Others
炭鉱名 年 度
Total UPT
表 12-3
PTBA タンジュンエニム銘柄別品質
石炭銘柄 発熱量 全水分 内部水分 灰分 揮発分 固定炭素 全硫黄
名称 (Kcal/kg) (%, ar) (%, ar) (%、adb) (%、adb) (%、adb) (%、adb)
IPC 53 5,300 34.0 15.0 8.0 39.0 40.0 0.5
BA 55 5,500 30.0 14.7 7.3 39.0 39.0 0.6
BA 59 5,900 28.0 13.1 6.0 40.4 40.5 0.6
BA 63 6,300 21.0 11.3 5.0 41.2 42.5 0.6
BA 67 6,700 16.0 7.8 5.0 41.5 45.7 0.6
BA 70 7,000 14.0 6.1 5.0 41.9 47.0 0.7
炭種
亜瀝青炭
瀝青炭
出典:PTBA ホームページ
生産された石炭は、そのほとんどが
Tarahan
港、およびKerutapati
港に鉄道輸送されてい る。輸送された石炭は、輸出あるいは国内消費に向けられる。内訳に関しては図 12-2、図12-3
に示すとおりである。図 12-2 石炭輸出と国内向の比率 出典:PTBAホームページ
販売量
310万トン
輸出
100
万トン 国内210
万トン図 12-3 石炭輸出先内訳 出典:PTBAホームページ