• 検索結果がありません。

「インドネシア石炭資源の有効利用に資する洋上出荷及び輸送効率化に係る調査」として インドネシアの東

Kalimantan

Mahakam

川流域での石炭輸送状況についての調査を実施し た。本地域での石炭輸送は主に

Mahakam

川を利用したバージを輸送が伝統的に実施されて きており、近年の世界的な石炭需要増を背景にその石炭輸送量は急速に伸びてきている。今 回の提案はこれまでのインドネシア特有の

TBS

方式から世界的に普及している

PBS

方式へ のバージ運搬方式の転換と洋上での大型貯炭出荷設備の導入である。よって今回の調査目的 はこれら

2

つのシステムが今後の増え続ける石炭輸送に対応できるかどうかを確認するこ とであった。調査ではまず、実際に東

Kalimantan

Samarinda

を訪問し、現在実施されてい る石炭輸送の問題点や課題について整理を行った。その後、ジャカルタの関係機関から情報 を収集しその結果を解析した。調査途中では

Samarinda

とジャカルタで中間報告会を開催し、

現場担当者の率直な意見を聞いた。また、今回の調査では経済的、財務的な、あるいは技術 的な課題を正確に判断するため、政府機関、民間会社などと会合を持ち最終結論に達してい る。その結果、以下の内容が結論づけられたことは大きな成果であった。

現地調査の結果、Mahakam 川を利用するバージ輸送は今後も確実に増え、それに対応 するためには新たな

TBS

方式でのタグボート、バージのセット数も増設する必要があ る。その結果、Mahakam川のバージ運航の混雑は今後激しくなり、また、Muara Jawa での外洋船での石炭積替状況もさらに悪化する。

 Mahakam

川での石炭輸送シミュレーションの結果、PBS方式は

TBS

方式に比べて

1.4

倍程度運搬効率が向上する。これは、PBS方式が

TBS

方式に比べバージの石炭積載量 が大きいこと、航行速度が速いことによる。また、Mahakam川の

Mahulu

橋と

Mahkota

橋の間はパイロット強制エリアの影響でバージ運航時間が制限されているが、PBS 方 式はその操船性能が

TBS

方式よりも優れているため、長時間の航行が許可され、トリ ップ数増が望めることもその

1

因である。

現 地 ヒ ア リ ン グ に よ り 洋 上 貯 炭 出 荷 設 備 の 設 置 場 所 は 現 状 の

Muara Jawa

近 傍

(OPTION3)での設置が可能であり、洋上構造物が起源となる自然的、また社会的環 境影響をクリアーできること確認できた。

洋上貯炭出荷設備の波浪の影響、海上固定システムの検討、浮体構造物としての部材 強度計算、造船の建造能力、貯炭出荷設備稼働時の環境対策など色々な角度からの基 礎設計を行った結果、石炭貯炭量

50

万トン、年間石炭取扱量

3,000

万トンの浮体構造 物が問題なく製造できることが確認できた。

洋上貯炭出荷設備の財務的、経済的実行可能性について、事業費(初期投資、運営費)、 売上高、収益性について検討した結果、ステップ円ローンを活用すれば収益性が十分 あることが確認できた。ただ、収益性については上下分離モデルを採用し、政府機関 が設備所有者となり、民間会社が設備の運営を行うということで解析している。今回 の設備投資には大型洋上貯炭出荷設備と

PBS

があるが、財務的内部収益率(FIRR)は 大型洋上貯炭出荷設備が

5.66%、PBS

17.1%、全体として 6.62%とかなり良い結果と

なっている。

今回の事業の経済波及効果としては直接投資が生む経済効果とバージ輸送効率化や滞 船の緩和効果などによるコールチェーンの効率化に伴う経済効果、さらには、輸出設 備ができることによる資源開発の促進効果による経済効果等が考えられる。これらの 経済効果を試算してみると数百億円にのぼり、インドネシアへの貢献度は小さくない。

これは

ERIA

(東アジア経済研究所)が実施した東

Kalimanatn

経済回廊でのマイナス結 果の解決策となるばかりではなく、現在インドネシア政府が進めているインドネシア 加速・拡大経済発展マスタープラン(MP3EI)に合致するものとなる。

環境面においては、本プロジェクト実施のメリットは何よりも

Mahakam Delta

地域にお けるインドネシア政府のマングローブ林回復計画の推進への支援効果であり、沿岸地 方で石炭ターミナルを建設する場合に発生するマングローブ林の破壊が回避できるか らである。

 PBS

導入により燃料消費量が節減されることは

CO2

排出量の削減につながり、PBS1 隻当たりの導入は年間

120t

CO2

の削減が予想される。これは決して大きな数字では ないが、グローバル的な気候温暖化対策への貢献として意味がある。

最後に、本調査にご協力いただいた東

Kalimantan

州政府、特に鉱山事務所、海事局

(Samarinda Port Authlity)、港湾公社(Pelindo)、運輸省港湾局、州営企業、民間バージ会社、

民間炭鉱を始め、Jakartaの

BPPT(研究開発応用庁)、エネルギー鉱物資源省、運輸省海運

総局、その他インドネシアの関係する皆様、また、JICA、JETRO、JBIC、日本企業の皆様 に賜ったご指導・ご助言に対して深くお礼申し上げたい。

巻末

参考資料