10 財務的・経済的実行可能性
10.1 事業費
事業費の算出にあたり、洋上貯炭出荷設備、及び
PBS
のそれぞれについて、初期投資費 と、操業費に分け、以下で述べる。10.1.1
洋上貯炭出荷設備の初期投資費洋上貯炭設備の初期投資費の内訳は表 10-1のとおりであり、総投資額は
680
億円(USD850 million 1
)となる。表 10-1 洋上貯炭出荷設備の初期投資費内訳
分類
JPY USD
備考費用項目
設備費
580
億円725 million
メガフロート製造費
500
億円625 million
メーカヒアリング 荷役設備機器費80
億円100 million
メーカヒアリング 建設工事費100
億円125 million
建設工事費 100 億円
125 million
専門家ヒアリング合計
680
億円850 million
10.1.2
洋上貯炭出荷設備の操業費設備のリースや減価償却費を除く、洋上貯炭出荷設備の年間操業費は表 10-2のとおりで ある。設備関係費を除く操業費は、0.9 USD/トンであり、うち
24%に相当する 0.22 USD/ト
ンがメンテナンス費、46%に相当する 0.41 USD/トン(kWh
あたり16 US cents)が自家発電
費用となっている。メンテナンス費と自家発電費用がコストの大部分を占めており、人件費 や販管費の占める割合は低い。なお、(自社で施設を保有しない場合の)施設リース費用、もしくは(自社で施設を保有 する場合の)減価償却費、利払いなどは、ビジネスモデルによって経費の発生具合が異なる ことから、10.2節において想定するビジネスモデルごとに個別に算出する。
1 80 円/USD
換算表 10-2 洋上貯炭出荷設備の年間操業費の内訳
分類 金額
費用項目 小計 備考
[USD]
単価
[USD/ト
ン
]
自家発電費用
9,984,000 0.41 kWh
あたり約16cent
程度に相当 うち燃料費8,760,000 0.365
①参照うちオペレーション費
1,224,000 0.051 kWh
あたり2 US cent
を想定 その他経費11,880,000 0.49
メンテナンス費
5,400,000 0.22
メガフロート本体投資額の年率0.4%
、マ テリアルハンドリング機器の年率3%
人件費
2,880,000 0.12
②参照諸経費(
corporate overhead
)3,600,000 0.15 Corporate overhead
はUSD 0.15/トンと設
定する合計
21,600,000 0.9
*
保守的なデューディリジェンスのため、80%のスループットを想定し、年間の取扱量は 24
百万トンを想 定。表 10-2のうち、特に算出根拠の説明が必要な①自家発電の燃料費、及び②人件費につい て、以下に算出根拠を述べる。
①自家発電の燃料費
一日あたりの重油消費量を
32
トンとし、トン当たりUSD 750
を想定すると、年間の燃料費は
USD 8,760,000
となり、トン当たりの燃料費はUSD 0.417/トンとなる(スループットは
24
百万トンを想定)。②人件費
メガフロート本体関連に
100
名、アンローディング・ローディングに300
名、合計400
名がオペレーションに携わるものとする。福利厚生費を含めた人件費を、一人当たり月USD 600
と想定すると、トンあたりの人件費単価はUSD 0.12/トンとなる(表 10-3
参照)。表 10-3 人件費 人数
[
人]
総人件費
[USD]
単価
[USD/
トン
]
備考
Megafloat 100 720,000 0.03 USD 600/month
を想定。福利厚生費込。Unloading, loading 300 2,160,000 0.09 USD 600/month
を想定。福利厚生費込。合計
400 2,880,000 0.12
10.1.3 PBS
の初期投資費従来型のバージ・タグシステム
1
セット分の新造費用と、PBSの1
セット分の新造費用 の比較を表 10-4 に示す。なお、PBS の輸送能力は10,000
トンを想定しており、一般的な 従来型バージは8,000
トンであるので、25%の能力増加となる。初期投資額は39%増とな
るが、輸送能力あたりの初期投資額は割高であるが、プッシャーバージではトリップ数の増 加が期待されるため、輸送量あたりの減価償却費はPBS
の方が割安となる。なお、本プロジェクトではバージ・タグを
15
セット、計US75
百万ドル導入する。表 10-4 バージ・タグシステムの新造価格(1セット分)
従来型バージ新造
(8,000
トン)[million USD]
PB
新造(10,000
トン)[million USD]
備考
バージ
1.8 2.5
従来型バージは9
社平均見積もり額。
タグ
1.8 2.5
従来型タグは9
社平均見積もり額。
合計
3.6 5.0
積載量あたり単価 450
[USD/トン] 500 [USD/トン]
10.1.4 PBS
の操業費設備のリースや減価償却費を除く、バージ輸送
1
回あたりの操業費は表 10-5とおりであ る。なお、Samarinda周辺からMuara Java
までのトン当たり輸送費は、1週間の借り上げでUSD 5/トン程度であるが、約半額が燃料費に費やされている状況である。従って、ディー
ゼル燃料価格の動向が、バージ輸送ビジネスの利益率に大きく影響を与えることが分かる。減価償却費を除く経費合計が
USD 3.2/トンであるから、残りの USD 1.8/トン(売上高の 32%)で投資額と利益を捻出している。このことから、バージ輸送業者各社は、中古バージ
の活用、減価償却済みのバージの活用、トリップ回数を増やすといった工夫を重ね、利益を 出している。MRIでは営業利益率は5%程度で運営しているものと想定している。
表 10-5 バージ輸送
1
回あたりの操業費(USD/トン)従来システム
[USD/
トン]
PB
システム[USD/
トン]
備考燃料費
2.4 2.4
現地ヒアリングより。Samarinda
周辺からの輸送時の燃料費。
人件費
0.4 0.32
現地ヒアリングより。PB システムは積載量が多いため相対 的に人件費が割安になる。
諸経費(corporate overhead)
0.4 0.32 MRI
推定。合計