3 基礎調査および問題点の抽出
3.3 プロジェクト対象セクターの概要
3.3.1.2
東Kalimantan
州(1) GDP
成長率と全国におけるウェート東
Kalimantan
州のGRDP
(地域内総生産)成長率は全国のGDP
成長率に比して概ね低い。全国の
GDP
平均成長率6%台に対し、この州の 2004~2010
年のGRDP
平均成長率がわずか3.3%に過ぎない。その結果として、全国 GDP
に占める同州の割合は2004
年の5.7%から
2010
年には5.0%に低下し、インドネシア経済における同州の地盤沈下が明らかである。
(図3-15
参照)出典:インドネシア中央統計局(
BPS
)図 3-15 全国
GDP
に占める東Kalimantan
州の割合と同州GRDP
成長率の推移(2)
一人当たり平均GDP
と平均収入同州一人当たり平均
GDP
は2000
年の3,390
万ルピアから2009
年には8,890
万ルピアに 上昇したが、石油・ガスセクターを除いた場合、2009年の平均GDP
は4,780
万ルピアにな り、石油・ガスの割合が半分に近い。同期間の一人当たり平均収入は1,290
万ルピアから3,420
万ルピアに上昇し、こちらにも石油・ガスの割合が半分に近く、同州の経済活動における石 油・ガスの重要な地位が明らかである。(図 3-16参照)5.6
5.4
5.2 5.2
5.0 5.0 5.7
3.2
2.8
1.8
4.9
2.1
4.9
4.6 4.8 5.0 5.2 5.4 5.6 5.8
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 GDPに占める割合 GRDPの成長率
出典:東
Kalimantan
州統計局図 3-16 東
Kalimantan
州一人当たりへいきんGDP
と平均収入の推移(3) Kalimantan
経済回廊の整備計画ジャカルタにあるアセアンと東アジア経済研究所(Economic Research Institute for ASEAN
and East Asia /ERIA)では、東アジアサミットで各国指導者が合意した「総合的なアジア開発
計画」(Comprehensive Asia Development Plan; CADP)の作成に向けての一連の研究を行い、その一環として、ロジスティックス(物流)の強化がもたらす経済効果に関する研究を実施 した。この研究成果によると、現在域内各国間の経済コリドー(経済回廊)は
6
本あるが、これら
6
本コリドーの開通が2011~2020
年の10
年間にもたらす国別、地域別累積経済効果(2010年の
GDP
に対する増加分で算出した増加率)では、東Kalimantan
地域は残念ながら マイナスの結果が見込まれている地域であり、既存経済コリドーの強化から恩恵を受けられ ない地域となりそうである。図 3-17に見るように、既存の経済コリドーは東Kalimantan
を バイパスする構図となり、この地域は取り残されることとなりかねない。0 20 40 60 80 100 120
一人当たり平均GDP 石油・ガス含み 33.9 35.7 35.4 39.1 48.3 62.4 67.5 73.6 101.5 88.9 一人当たり平均GDP 石油・ガス除外 12.4 14 15.6 17 19.4 23.6 27.8 32.4 43.2 47.8 一人当たり平均収入 石油・ガス含み 12.9 13.6 13.4 15 18.4 23.8 25.7 28.3 39.1 34.2
一人当たり平均収入 石油・ガス除外 4.5 5.1 5.7 6.2 7.1 8.7 10.3 12 16.1 17.9
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
Million Rupia
図 3-17 アセアン域内経済回廊と各地域に対する経済効果
一方、インドネシア政府は、自国内における「インドネシア加速・拡大経済発展マスター プラン(2011~2025 年)」を策定し、今後
15
年間に6
つの経済回廊の整備を中心に経済発 展を加速させる中長期計画を打ち出した。そのうちのKalimantan
経済回廊は「国家鉱物・エネルギー資源生産加工センター」として位置づけられ、石油・天然ガス、石炭、パームオ イル、鉄鋼、ボーキサイト、木材という
6
つの資源加工分野に発展のプライオリティが置か れている。この計画の実施は、前述した同州経済力の地盤沈下を食い止めるきっかけとして 期待されているが、新しい成長産業とビジネスモデルの創出がない限り、このような計画の 実現が難しいとも見られる。したがって、本プロジェクトで目指しているメガフロートの導 入による中小炭鉱石炭生産と流通の促進は同地域の新しい起爆剤になると見込まれる。3.3.1.3
日本インドネシアの関係インドネシアと日本の関係について、以下貿易、国内市場、投資3つの側面から概観する。
(1) 貿易関係
インドネシアの主要貿易相手国との関係において、日本はインドネシアの最大の輸出市場 であると同時に、二国間貿易総額についても日本は最大の貿易パートナーとなっている。も っとも、インドネシアの輸入品供給元においては、日本は中国、シンガポールに次いで第
3
位となっている。(表 3-13参照)表 3-13 インドネシアの主要貿易相手国との関係 (単位:百万ドル)
2008年 2009年 2010年 2008年 2009年 2010年
ASEAN 27,171 24,624 33,348 40,992 27,742 39,038
シンガポール 12,862 10,263 13,723 21,789 15,550 20,241
日本
27,744 18,575 25,782 15,128 9,844 16,966
中国
11,637 11,499 15,693 15,247 14,002 20,424
米国
13,037 10,850 14,267 7,880 7,084 9,399
EU(12) 14,376 12,583 15,923 8,575 7,174 8,102
その他 30,193 28,116 39,043 19,586 15,433 21,493 全体合計
137,020 116,510 157,779 129,197 96,829 135,663
地域・国家 輸出(FOB) 輸入(CIF)
出典:インドネシア中央統計局(
BPS
)(2) エネルギー貿易関係
インドネシアと日本との貿易関係の中、エネルギー貿易の位置づけが注目に値する。日本 のエネルギー消費に対するインドネシアのエネルギー供給が重要な役割を果たしていると いえる。以下、日本の
LNG、原油、石炭の輸入量におけるインドネシア分の割合を示す。
① LNG
2010
年にインドネシアから日本に輸入されたLNG
は181
億㎥で全体の18.3%である。
(表3-14
参照)表 3-14 日本の
LNG
輸入に占めるインドネシアの割合(単位:million m3
)項目
2008 2009 2010e (%)
輸入合計
95,391 92,812 98,787 (100.0)
マレーシア18,675 17,583 20,464 (20.7)
豪州
17,044 17,423 18,548 (18.8)
インドネシア
19,529 17,828 18,102 (18.3)
カタール11,333 11,206 10,809 (10.9)
ブルネイ
8,554 8,376 8,317 (8.4)
出典:
IEA
統計より作成 注:2010
年のデータは予測の結果である。② 原油
日本の原油輸入に関しては、中東諸国とロシアは重要な供給源となっているが、インド ネシアからも
2010
年には4
百万トン以上の原油が輸入され、中東諸国とロシアに次いで、全体の
2.4%を占め、第 9
位の原油輸入国となっている。(表 3-15参照)表 3-15 日本の原油輸入に占めるインドネシアの割合(単位:1,000t)
項目
2008 2009 2010e (%)
輸入合計
190,726 169,199 170,440 100.0
サウジアラビア58,033 54,813 52,063 30.5
UAE 45,757 38,575 37,971 22.3
イラン
20,993 16,988 14,980 8.8
カタール
16,474 13,925 13,579 8.0
ロシア
7,357 8,211 12,907 7.6
クウェート
18,492 15,736 12,771 7.5
イラク
2,635 4,089 5,974 3.5
オマン
4,322 6,179 4,933 2.9
インドネシア
5,213 3,363 4,159 2.4
出典:
IEA
統計より作成 注:2010
年のデータは予測の結果である。③ 石炭
石炭輸入を見ると、
2010
年の実績では、一般炭と原料炭の両方ともインドネシアが豪州 に次いで第2
位に入り、それぞれ16.7%、22.6%を占めている。(表 3-16
参照)表 3-16 日本の石炭輸入に占めるインドネシアの割合(単位:1,000t)
項目
2008 2009 2010e (%)
一般炭
輸入合計
126,818 111,537 128,957 (100.0)
豪州77,234 69,754 85,877 (66.6)
インドネシア23,276 21,733 21,480 (16.7)
ロシア6,656 6,176 10,155 (7.9)
中国9,295 4,487 6,288 (4.9)
カナダ6,872 6,253 2,654 (2.1)
原料炭
輸入合計
57,584 52,514 57,680 (100.0)
豪州36,144 3,386 32,703 (56.7)
インドネシア11,021 10,690 13,059 (22.6)
カナダ3,254 3,057 6,269 (10.9)
米国586 377 2,591 (4.5)
ロシア2,961 2,664 1,939 (3.4)
出典:IEA
統計より作成 注:2010
年のデータは予測の結果である。(3) インドネシアの国内市場における日本ブランドの地位
インドネシアは「親日的なマーケット」といえる。とりわけ耐久消費財においては日本ブ
ランドへの支持が圧倒的に高いことが以下のデータで明らかとなっている。(図 3-18参照)
出典:
JETRO
ジャカルタセンター図 3-18 インドネシア国内主要耐久消費財市場における日本ブランドのシェア
(4) 投資関係
インドネシアと日本の投資関係においては、日本がインドネシアへの民間投資が最大規模 の国家(累計ベース)であること、及びインドネシアは日本の最大の政府開発援助(ODA)
供与先(累計ベース)であることの
2
点が注目に値する。(表 3-17、表 3-18参照)表 3-17 インドネシアに対する国別民間投資実績 (1990~2010年
3
月)国名 投資額(百万ドル) 投資件数
日本
21,683.6 1,945
シンガポール
18,068.6 1,288
モーリシャス
11,035.6 57
英国
9,030.1 575
米国
7,966.9 458
出典:JETROジャカルタセンター(原資料出典:インドネシア投資調整庁)
表 3-18 インドネシアに対する日本の援助形態別
ODA
実績 (単位:億円)年度 円借款 無償資金協力 技術協力
2005 930.05 63.32 108.63
2006 1,252.34 53.71 104.04
2007 1,060.03 66.64 61.12
総合計
42,719.36 2,591.27 2,891.45
出典:
JETRO
ジャカルタセンター(原資料出典:日本外務省)ホンダ 47%
ヤマハ 45%
カワサキ 1%
その他 スズキ 0%
7%
バイク
トヨタ 36%
三菱 14%
スズキ 9%
その他 5%
ホンダ 8%
日産 5%
いすゞ 3%
日野 3%
マツダ 1%
ダイハツ 16%
自動車
シャープ 21%
パナソニック 14%
サンケン 3%
LG 25%
フジテック 3%
サムソン 10%
ポリトロン 3%
ゼネラル 2%
東芝 9%
サンヨー 10%
家電
日系シェア99.7% 日系シェア95.4% 日系シェア56.6%
ホンダ 47%
ヤマハ 45%
カワサキ 1%
その他 スズキ 0%
7%
バイク
トヨタ 36%
三菱 14%
スズキ 9%
その他 5%
ホンダ 8%
日産 5%
いすゞ 3%
日野 3%
マツダ 1%
ダイハツ 16%
自動車
シャープ 21%
パナソニック 14%
サンケン 3%
LG 25%
フジテック 3%
サムソン 10%
ポリトロン 3%
ゼネラル 2%
東芝 9%
サンヨー 10%
家電
ホンダ 47%
ヤマハ 45%
カワサキ 1%
その他 スズキ 0%
7%
バイク
トヨタ 36%
三菱 14%
スズキ 9%
その他 5%
ホンダ 8%
日産 5%
いすゞ 3%
日野 3%
マツダ 1%
ダイハツ 16%
自動車
シャープ 21%
パナソニック 14%
サンケン 3%
LG 25%
フジテック 3%
サムソン 10%
ポリトロン 3%
ゼネラル 2%
東芝 9%
サンヨー 10%
家電
日系シェア99.7% 日系シェア95.4% 日系シェア56.6%