8 大型洋上貯炭設備に係る検討
8.1 大型洋上貯炭出荷設備の基礎設計(コンセプトデザイン)
図 8-1 大型洋上貯炭出荷設備の設置海域(案)
8.1.2
自然環境条件と設計条件Mahakam
河口(Samarinda 海域)の一般的な自然環境条件は巻末の資料2
の通りである。これまで得られたデータから概略的な自然条件は表 8-1 のとおりとしていたが、今回想定
された
Option 3
に対して表 8-2を採用することとした。
表 8-1自然条件(1)
項 目 ◎条件;1 条件;2 条件;3
最大有義波振幅;
ζ1/3 2.5m 3.0m 3.5m
最大平均風速;v 15.0 m/s 20.0 m/s 20.0 m/s
潮流速度;Cv 1.0
ノット1.5
ノット2.0
ノット※当然第
2
次の検討では環境条件のデータに基づいて再検討する必要がある。表 8-2 自然条件
(2)
外力 設計値 入射方向 備考
風速
12m/s 0°~360° 10
分間平均再現期間:50年 最大波高 4.0m
90°(左右方向)
再現期間:50年有義波高 2.5m
潮流
1.5 knots 45°
水深 40m
8.1.3
全体形状及び構造の検討種々の形状と構造形式が考えられるが、50 万トンの貯炭を確保しかつ混炭を可能とする ものとして、下記の
3
種類の貯炭方式が考えられる。8.1.3.1
フラットバージ型 (ストックパイル式)これは日本の火力発電所の陸上石炭ヤードからも類推できるもので、単純な構造形式で ある。図 8-2にその例を示す。また
Mahakam
川を行き来するバージもこのタイプである。大きい面積が確保し易く荷役作業の能率も上がるが、石炭が混合する可能性も大きいの で、品質確保に問題があると言える。また風による飛散対策が必要である。
図 8-2 フラットバージ型
8.1.3.2
貨物槽形式フラット式を採用しても積載した石炭の重量分は浮体が沈下するので、フラット式の浮 力体上部を部分的にえぐり石炭を格納する方式である。バルクキャリアを寄せ集めた感じ になるが、横強度や捩じり強度に対する検討が必要である。大貨物槽方式と小貨物槽方式 に分かれる。大貨物槽方式を 図
8-3
に示す。図 8-3 大貨物槽方式一般配置
また、小貨物槽方式は石炭の種類毎に貯蔵できるメリットがあるが、荷役効率は少し落 ちると思われる。また建造時のユニット分割が難しいと思われる。小貨物槽方式の一般 配置を図 8-4に示す。
図 8-4 小貨物槽方式一般配置
96
8.1.3.3
造船の建造能力も考慮した配置ユニット分割式前記の配置と似ているが、建造時のユニット分割も考慮した配置である。(図 8-5参照)
図 8-5 ユニット分割式
8.1.4
ホールドサイズ及び全体大きさの検討
長手方向船級協会のバージ規則による縦方向強度(必要断面係数)の計算結果から長手方向の 長さを
30m
とし, 区画数を4
とする。その場合、全体長さは
20m+130m+10m+130m+10m+130m+10m+130m+20m = 590m
となる。
幅方向建造時のユニット大きさは、造船所のドックに入渠できるサイズにする必要がある。
故にユニット幅の最大を
60m
とする。また、全体のホールド容積として石炭
50
万トンを貯蔵するため、石炭嵩比重を 仮に10
トン/m²、ホールド積込み深さを10m
とすると、必要なホールド面積は約
50,000 m²
となる。また必要なホールドの幅方向大きさは
50,000m²/130m /4= 96.2m
⇒ 100mこれを
3
列に配分する必要があるが、建造ユニット幅を考慮して、各々は30m + 40m + 30m = 100m、幅全体では 20m+30m+10m+40m+10m+30m+20m=160m
と配分する。
全体の大きさはL:590m、 B;160m
各ユニットの大きさ(建造ユニットサイズ)(表 8-3参照)ガーダとは上甲板まである深さ
15m
の垂直隔壁を指す。
表 8-3各ユニットの大きさ(案)
160m*60m
140m*60m 130m*60m 160m*60m
150m*40m
140m*40m 130m*40m 150m*40m
160m*60m 140m*60m 130m*60m 160m*60m
現状では
50
万トンの石炭貯蔵量を確保でき、且つ造船所の建造能力に合致することを目 標として表 8-4のサイズとした。但しあくまでも仮の案である。表 8-4 洋上貯炭・出荷設備主要な仕様(Principle
Particular)
主要目 ケース
1
ケース2
ケース3
項 目 満載状態 バラスト状態 空荷状態 長さ;L590m 590m 590m
幅; B160m 160m 160m
構造深さ;D15m 15m 15m
喫水;d
11.2m 6.2m 1.2m
乾舷;f3.8m 8.8m 13.8m
上甲板上石炭積高;h1.2m
水面上側面積
2,950m² 5,192m² 8,142m²
水中側面積6,608m² 3,658m² 708m²
8.1.5
バラストタンクの必要性図 8-6に示すように、バラストおよびバラストタンクが無いと、空荷の場合の乾舷が 大きくなるため荷役効率が悪くなる恐れがある。また貨物槽が完全に空になった場合の 浮体構造への荷重分布は構造強度への影響が大きいため、その影響を緩和して荷役効率 を落とさない工夫うが必要である。以上から現状ではバラストタンクが必要と思われる。
石炭貯蔵浮体の喫水。乾舷の検討 1)満載状態
・石炭積付高さ
底部圧力1 0トン/m2相当 乾舷4m
10m 石炭槽 ・仮定構造重量 1.0トン/m2
2)中間状態 喫水11m
石炭の積みつけ状態に合わせて 5m バラストタンク
構造と浮体傾斜を考慮してバラスト 調整を行う
3)空荷状態( バラスト状態)
乾舷9m
喫水6m
4)完全空荷状態(完成状態)
石炭槽 空 乾舷1 3.8m
バラストタンク 空 喫水1 .2m
図 8-6 バラストタンクの必要性を示す図