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本件石けんの製造又は加工の一連の過程に対する被告悠香の関与の程度

第2章 事案の概要等

第2節 争点1(本件表示変更前の本件石けんについての被告悠香の法2条3項

1 本件石けんの製造又は加工の一連の過程に対する被告悠香の関与の程度

前 茶のしずく石鹸は,茶の成分(カ

テキン)を含有することを最大の特徴とするものといえるところ,このこと

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を発案したのは,当時,オリジナル企画の取締役であり,その後,被告悠香 の取締役となったH及びIであり,実際に販売された本件石けんに配合する 茶の成分の具体的な原材料を選択したのも両名である。また,H及びIは,

茶の成分を配合した石けんの開発に適した者を探す中でMの存在を知り,同 人に相談した上,同人が勤務する被告フェニックスに本件石けんの製造を委

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託したことにより,被告フェニックスにおいて本件石けんの製造(原材料の 加工,配合等)が行われるに至っている(同2 そして,被告悠香は,

H及びIらが,茶のしずく石鹸を販売するために設立した会社であり,当初 から一般消費者に対して独占的に本件石けんを販売していたところ

,このような経緯で設立された被告悠香が,引き続き本件石けんの製

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造を被告フェニックスに対して委託したことは,本件石けんの原材料の選択

への関与といえる上,被告フェニックスにおいて本件石けんの製造が行われ るに至った経緯に照らし,被告フェニックスにおいて行われていた本件石け んの製造過程全体への関与ということもできる。また,被告悠香は,その後 も,本件石けんの配合成分や茶エキスの抽出溶剤の決定に関与している(同

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平成20年頃には,本件石けんの生産態勢を強化するため,被告悠香が製 造設備を新たに購入し,それを被告フェニックスに貸与することで,本件石 けんの増産が可能となっており(同3 ,これは,被告悠香の原材料の加 工への間接的な関与ということができる。

また,本件石けんの包装には,本件表示変更前においても,文字の大きさ

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及び形状並びに付記された情報等の点で,製造元又は製造販売元としての被 告フェニックスの表示よりも目立つように,発売元として被告悠香が表示さ

のしずく」との名称について商標権を取得しており,これらは表示の付与に おける関与ということができる。そして,被告悠香は,本件石けんについて,

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著名女優を起用したテレビコマーシャルの展開等により需要を獲得して,本 件石けんは,平成20年までには薬用洗顔料の銘柄の中で最大のシェアを占 めるに至り,そのことが被告悠香の設立直後の売上高の急伸に寄与している ことから ,茶のしずく石鹸は,社会的に,被告悠香のブランド として認知されていたものと考えられる。このことは,氏名等の表示そのも

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のではないものの,上記の本件石けんの包装における被告悠香の表示の持つ 意味合いに影響を与えるものといえる。

さらに,被告悠香は,被告フェニックスから委託を受けて,自ら本件石け んの製造販売後の安全管理に関する業務を行うこととされていたから(同3 けんの使用時における安全性について,第一次的に情報を把握

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し,問題が生じた場合には対応を行うべき立場にあったといえる。

以上の諸事情に鑑みると,被告悠香は,本件石けんの最も顕著な特徴を決 定した点でその設計及び原材料の選定において極めて重要な役割を果たした といえるH及びIが,その販売のために設立した会社であり,その販売当初 から「茶のしずく」を自らのブランドとして確立させた上,それを維持,管 理しながら,反復継続して,一般消費者に対して本件石けんを独占的に販売

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することによって,大きな利益を上げており,他方で,被告フェニックスは,

茶の成分を配合した開発の適任者として同社のMの存在を知ったH及びIか ら委託を受けて本件石けんの製造を開始し,被告悠香の設立後は,引き続き 被告悠香から委託を受けて,いわゆるOEMの形態で,本件石けんを製造し て被告悠香に提供するという関係にあったものといえる。このような被告悠

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香と被告フェニックスとの関係に加え,「茶のしずく」というブランドに対 する社会の認識の内容及び程度,本件石けんの販売の状況並びに本件石けん の売上によって被告悠香の受けた利益の程度等を考慮すると,製造及び加工 の一連の過程に対する被告悠香の関与の程度は大きいものといえる。このこ とは,被告悠香と被告フェニックスとの間に資本関係が存在せず,また,本

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件石けんの個々の製造過程において,被告悠香が,被告フェニックスに対し,

上記の関与を超える指示,命令等を行っていなかったとしても,そのことに よって直ちに左右されるものではない。

以上によれば,少なくとも,本件表示変更前の本件石けんの包装における 被告悠香の商号及びロゴマーク並びに「茶のしずく」との商標の表示(同4

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被告悠香が実質的な製造業者であると認めることができる氏名等の 表示に当たるというべきである。

2 被告悠香の主張について

被告悠香は,H及びIが行ったのは,単なる発案であって,製品の企画や 開発ではなく,また,被告悠香の設立よりも前に本件石けんは完成しており,

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被告悠香は本件石けんの開発から完成に至るまでの過程に何ら関与していな

いと主張する。

しかし,単なる発案であっても,当該発案に係る製品の製造の一連の過程 の一部をなすものといえ,当該発案の内容及び当該製品の性質における位置 づけによっては,当該製品の製造への重要な関与に当たり得るところ,茶の 成分(カテキン)を配合するということが本件石けんの最も顕著な特質を決

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定するものであったことは既に説示したとおりである(さらに,H及びIは,

上記成分の原材料となる茶葉の選定も行っている。)。そうすると,仮にH 及びIによる本件石けんの製造の過程に対する関与の内容が上記のものにと どまるとしても,そのことは直ちに前記1の判断を左右するものではない(な

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石けんの配合成分の決定にも関与している。)。

また,法にいう製造又は加工とは,ある種類の製品の開発をいうものでは なく,欠陥の有無が問題となっている当該製品(動産)の個別具体的な製造 又は加工をいうものであるところ,被告悠香は,その設立後に販売された本 件石けんの製造及び加工について,前記1で説示した内容及び程度で関与し

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ているものということができる。そうすると,本件石けんの商品としての開 発自体が被告悠香の設立よりも前に行われていたとしても,そのことから,

欠陥の有無が問題とされている個々の本件石けんの製造又は加工について,

被告悠香が関与していないことになるわけではない。

また,被告悠香は,本件表示変更前の本件石けんの包装には,被告悠香が

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「発売元」として表示されており,「製造元」又は「製造販売元」として被 告フェニックスの商号が併記されているため,被告悠香の氏名等の表示は,

被告悠香が本件石けんの製造業者であると誤認させ,又は実質的な製造業者 と認めることができるようなものではないと主張する。

しかしながら,薬事法上の医薬部外品等の製造業又は製造販売業は,医薬

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部外品等の品質,有効性及び安全性の確保等の観点から,行政的な規制を受

ける主体を画するものであるのに対し(同法1条,第4章,第13章等参照),

法の定める製造業者は,製造物の欠陥により人の生命,身体又は財産に係る 被害が生じた場合に損害賠償責任を負う主体を画するものであるから(法1 条,3条参照),医薬部外品等について薬事法上の製造業又は製造販売業の 許可を受けた者と,当該医薬部外品等の製造業者は必ずしも一致するもので

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はなく,前者に該当しないことが,直ちに後者にも当たらないことを意味す るものではないと解される。このことに加え,上記の被告悠香及び被告フェ ニックスの各氏名等の表示の態様並びに被告悠香による本件石けんの宣伝の 被告悠香が主張する上記の事情も,前 記1の判断を覆すに足りるものではないというべきである。

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被告悠香は,本件表示変更前における被告悠香の法2条3項各号非該当性 についてその他るる主張するが,いずれも前記1の判断を左右するに足りる ものではない。