第2章 事案の概要等
第1節 認定事実
2 本件石けんの製造に至る経緯等
当時,オリジナル企画の取締役であったH及びIは,美肌効果を有する美 容製品として,茶の成分(カテキン)を配合した石けんを思いつき,優れた
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石けんづくりの技能を有する者を探したところ,平成13年頃,被告フェニ ックスにおいて石けんの研究開発に携わっていたMの存在を知り,同人に対 し,茶を素材とする石けんの製作について相談した。これを受けて,被告フ ェニックスにおいて,茶の成分を配合した石けんを製造することとなった。
その後,遅くとも本件石けんの販売が開始されるまでに,上記茶の成分の原
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料としては,H及びIが選定した鹿児島県産の無農薬栽培の茶葉を用いるこ ととされた。
被告フェニックスは,この当時,化粧品及び医薬部外品の製造業の許可(平 成17年4月1日以降は製造販売業の許可)を受けていた。
(甲A6,7,乙ロA45,48)
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M の石けんの保湿剤としてグルパール19Sを用いることにし,
平成13年8月以降,再び被告片山化学からグルパール19Sの提供を受け るようになった。
(乙ロA45,48,乙ハA5)
の石けんを開発し,同年10月
2日付けで,奈良県知事に対し,販売名を「フェイスソープP」とする化粧
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品の製造製品販売名の届出をした。その後,被告フェニックスは,茶のエキ スを抽出する溶剤を,フェイスソープPの製造に係るものとは別のものに変 更した石けんについて,平成16年2月16日付けで,販売名を「フェイス ソープW」とする化粧品の製造製品販売名の届出をした。これらは,茶のし ずく石鹸の商品名で販売されたものであり,フェイスソープPは,茶のしず
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く石鹸及び本件石けんの最初の販売名である。
被告フェニックスは,本件石けんを製造するに当たり,事前に,被告悠香 に対し,その配合成分表を送付した上,その内容について被告悠香から了解 を得ていた。また,被告悠香の指示により,上記の溶剤の変更を含めて3回 程度,本件石けんの原材料となる茶エキスの抽出溶剤の変更を行った。(な
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お,被告悠香はこれらの事実を否認しているが,これらを内容とするMの陳 述書〔乙ロA45〕及び鹿児島地方裁判所における証人尋問に係る証人調書
〔乙ロA48〕の各記載に特段不自然,不合理な点はなく,他方,これらに 反する証拠は全くないから,上記陳述書及び証人調書の各記載により,これ らの事実を認めることができる。)
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(乙イA1の1から1の4まで,2,乙ロA38,45,48)
H及びIらは,平成15年5月23日,茶のしずく石鹸を販売するために 被告悠香を設立してその取締役に就任し,平成16年3月,本件石けんの販 売を開始した。
(甲A6,7,乙ロA37,45)
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被告フェニックスは,平成16年4月16日付けで,本件石けんにつき,
申請区分2の医薬部外品として,製造の承認を申請し,平成17年6月7日 付けで,同承認がされた。医薬部外品として販売された本件石けんの販売名 は,平成22年3月30日以前に出荷されたものが「薬用フェイスソープP」
であり,同月31日以降に出荷されたものが「薬用悠香の石鹸」であった。
(乙イA1の5から1の20まで,乙ロA1)
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被告フェニックスは,医薬部外品として本件石けんを販売する前に,自社 において,15名の被験者(男性9名,女性6名)に対し,24時間クロー ズドパッチテストの方法によりパッチテストを実施したところ,いずれも塗 布部の紅斑,浮腫等の異常は確認できず,陰性の結果であった。
また,被告フェニックスは,平成17年7月13日,株式会社消費科学研
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究所に対し,本件石けんの検査,試験及び評価を依頼した。同社においては,
被験者(女性10名)について,本件石けんの使用開始後,初期,10日後,
20日後及び30日後の合計4回にわたり経時的に皮膚の状態を観察する方 法で試験が実施されたが,アレルギー反応を疑わせる皮膚症状等の異常は認 められなかった。なお,この試験における本件石けんの使用条件は,朝及び
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就寝前に各1回の使用頻度で,各回,本件石けんで2度洗顔を行う(ダブル 洗顔)というものであった。
(乙ロA7,8,45,48)
被告悠香は,平成21年3月19日,医薬部外品の製造販売業の許可を受 けた。また,被告悠香は,同日付けで,本件石けんにつき,医薬部外品の製
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造販売の承認を申請し,同年9月4日付けで,同承認がされた。
(乙イA18)
3 被告悠香と被告フェニックスとの関係
本件石けんの販売については,当初から,被告フェニックスが被告悠香か ら委託を受けて製造し,被告悠香のみに対して継続的に販売した上,被告悠
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香が,一般消費者に対し,独占的に販売するという形態をとっていた。
被告フェニックスと被告悠香との間の平成18年4月20日付けの売買基 本契約書及び平成20年8月29日付け継続的製造委託基本契約書では,そ れぞれ,上記の販売形態が規定されている。
(乙ロA20,22,48)
被告フェニックスは,本件石けんの販売後の安全管理に関する業務の全て
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を被告悠香に委託しており,平成17年4月1日には,被告悠香との間で化 粧品等の製造販売後安全管理業務委託契約を締結した。同契約は,本件石け んを含む製品について,適正かつ円滑に安全管理業務を実施し,その品質,
有効性及び安全性を確保することを目的として,被告フェニックスが,被告 悠香に対し,安全確保の措置の実施及び生産委託商品の安全確保に係る情報
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の収集と提供等の製造販売後安全管理に関する業務を委託するというもので ある。両社は,平成20年4月4日,契約の対象となる製品を追加した上で,
これと同内容の契約を締結した。
(乙ロA19,21,48)
被告フェニックスは,自社工場の3つの製造ライン全てを使用して本件石
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けんを製造していたところ,平成20年頃,被告悠香から,本件石けん(薬 用フェイスソープP)の生産体制の強化を求められたが,当時の被告フェニ ックスの工場の稼働率に照らし,速やかにこれに応じることは困難であった。
そこで,両社は,被告悠香が本件石けんの製造設備を新たに購入した上,そ れを被告フェニックスに貸与することで本件石けんの増産を行うこととし,
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平成20年12月12日付けで,「薬用フェイスソープP生産設備貸与契約 書」を作成した。これにより,本件石けんは,被告フェニックスの工場にお ける4つの製造ラインで製造されることとなった。
被告悠香が被告フェニックスに対して貸与した上記の製造設備は,メーカ ーから直接被告フェニックスの工場に搬入・設置されたものであり,被告フ
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ェニックスがその保守管理を行っていた。
(乙ロA39,45,48)