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本件アレルギー被害の内容

第2章 事案の概要等

第1節 認定事実

3 本件アレルギー被害の内容

まず,本件石けんによる洗顔時に局所の接触性蕁麻疹が誘発され,その後,

グルパール19Sと交叉反応性を有する小麦たん白が消化管又は口腔粘膜を 介して吸収され,眼瞼浮腫等の症状が発生したものと考えられている。

(甲B1,乙イA12,乙ロB16)

とが多い。本件アレルギー患者のうち899名について観察された症状及 びその割合は,次のとおりである。

本件石けんの使用中又は使用後に皮膚症状が発現した者は71%(眼 瞼の腫れが40%,蕁麻疹,痒み及びうっ血が31%)であり,皮膚症 状が発現しなかった者は27%である(不明が2%)。

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小麦製品摂取後の症状としては,①眼瞼の腫れが77%,②蕁麻疹が 60%,③呼吸困難が43%,④紅斑が38%,⑤痒みが31%,⑥ア ナフィラキシー・ショックが25%,⑦下痢が16%,⑧吐き気が14%,

⑨鼻汁が13%,⑩嘔吐が11%,⑪鼻詰まりが11%である。眼瞼及 び顔面の痒み及び腫れが,従来型小麦アレルギーの症状(主症状は蕁麻

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疹)と比較した場合の,本件アレルギー症状の特徴である。

エ 時間の経過とともに,症状の重症度にかかわらず,本件アレルギー患者 が小麦製品の摂取を再開していることが判明した。

(甲B22,24,甲総C21,22,乙イB22,乙ハB10,26)

また,平成24年9月30日時点で特別委員会に登録された本件症例70

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5例の問診票の統計結果には,次の各内容が含まれている。

ア 1人当たり使用した本件石けんの数は,10個が52例と最も多く,次 いで,20個が46例であった。最少は0.5個,最多は100個以上で あり,平均は18個であった。

イ 本件石けんの1日の使用回数は,1回が174例,2回が388例,3

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回が37例,4回が7例であり(記載なしが99例),平均は1.8回で あった。

ウ 本件石けんの使用部位は,顔のみが74%,顔及び体が22%,顔及び 首が2%,体のみ並びに顔,首及び体が各1%等であった。

(乙イ総C1)

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本件アレルギー被害の中には,極めて重篤なアナフィラキシーを起こし,

救急搬送された例もある。もっとも,ショックの頻度については,従来型小 麦アレルギーが「しばしば」というものであるのに対し,本件アレルギーで は「起こりうる」という程度であることが本アレルギーの臨床的特徴とされ ている。

また,厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会(以下「厚

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労省医薬品等安全対策部会」という。)の平成24年度第3回会合(平成2 5年3月22日開催)における本件アレルギーに関する報告では,「食物依 存性・運動誘発性アレルギー」(報告された副作用名を基にした分類)につ いて,医療機関からの報告数が136例(うち重篤なもの〔救急受診又は入 院が必要になったとされている症例〕が27例〔うち因果関係が否定できな

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いものが15例〕)であり,製造販売業者からの報告数が2510例(うち 重篤なものが254例〔うち因果関係が否定できないものが106例〕)と されている。

(甲A1,乙イB1の4,9,乙イ総C1,乙ハA15,乙ハB10)

また,本件アレルギーは,運動依存性が低く,従来の小麦依存性運動誘発

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アナフィラキシーでは,相当量の運動負荷をかけなければ症状が発現しない のに対し,本件アレルギー症状は,買い物,入浴,家事等の軽度な運動によ り発現したり,明らかな運動負荷がなくとも誘発されたりすることがある。

(甲B23の7,甲総C16,乙イB1の1・3,乙ロB3,8,乙ハA17)

なお,食物によるアナフィラキシー一般の臨床的重症度は,次のとおりと

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されている(グレード5が最も重症である。)。

ア グレード1が,皮膚症状として限局性掻痒感,蕁麻疹,血管浮腫等,消 化器症状として口腔内掻痒感,軽度口唇腫脹等である。

イ グレード2が,皮膚症状として全身性掻痒感,蕁麻疹,血管浮腫等,消 化器症状として前記アの症状に加え,悪心,嘔吐,呼吸器症状として鼻閉,

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くしゃみ,精神神経症状として活動性変化である。

ウ グレード3が,皮膚症状として前記イの症状,消化器症状として前記イ の症状に加え,繰り返す嘔吐,呼吸器症状として鼻汁,咽頭喉頭の掻痒感・

絞扼感等,循環器症状として頻脈(+15/分),精神神経症状として前 記イの症状に加え,不安である。

エ グレード4が,皮膚症状として前記イの症状,消化器症状として前記ウ

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の症状に加え,下痢,呼吸器症状として呼吸困難,喘鳴,チアノーゼ等,

循環器症状として前記ウの症状に加え,不整脈,軽度血圧低下,精神神経 症状として軽度頭痛,死の恐怖感である。

オ グレード5が,皮膚症状として前記イの症状,消化器症状として前記エ の症状に加え,腸管機能不全,呼吸器症状として呼吸停止,循環器症状と

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して重度徐脈,血圧低下,心拍停止,精神神経症状として意識消失である。

一般に,食物アレルギーは,呼吸困難や血圧低下等,生命に関わる重篤な 症状を惹起することも珍しくないとされている。

(甲総C9,11)