第2章 事案の概要等
第1節 認定事実
1 化粧品及び医薬部外品の製造又は製造販売に係る規制
平成17年3月31日以前においては,医薬部外品又は化粧品の製造業の 許可を受けた者でなければ,それぞれ,業として,医薬部外品又は化粧品の
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製造をすることができないとされていた(平成14年法律第96号による改 正〔以下「平成14年改正」という。〕前の薬事法〔以下,単に薬事法とい うときは,同改正後の薬事法を指すものとする。〕12条1項,2項)。
平成14年改正後の薬事法が施行された平成17年4月1日以降は,医薬 部外品又は化粧品の製造販売業許可を受けた者でなければ,それぞれ,業と
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して,医薬部外品又は化粧品の製造販売をしてはならず(薬事法12条1項),
また,医薬部外品又は化粧品の製造業の許可を受けた者でなければ,それぞ れ,業として,医薬部外品又は化粧品を製造してはならないとされている(同 法13条1項)。なお,医薬部外品又は化粧品の製造販売とは,医薬部外品 又は化粧品の製造(他に委託して製造する場合を含み,他から委託を受けて
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製造する場合を除く。)をし,又は輸入をした医薬部外品又は化粧品を,そ れぞれ販売し,貸与し,若しくは授与することをいう(同法2条13項)。
平成17年3月31日以前においては,厚生労働大臣は,医薬部外品(厚 生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品を除く。)又は厚生労働大 臣の指定する成分を含有する化粧品の製造をしようとする者から申請があ
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った場合,品目ごとにその製造について承認を与えるものとされていた(平
成14年改正前薬事法14条1項)。なお,医薬部外品としての製造承認 がされる前の本件石けんは,製造について承認を要する化粧品に当たらな いものであった。
上記の承認を受けようとする者は,申請書に安全性に関する資料等の資 料(以下「添付資料」という。)を添付して申請をしなければならないが
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(同条3項,平成16年厚生労働省令第112号による改正前の同法施行 規則18条の3第1項2号),当該申請に係る事項が医学薬学上公知であ ると認められる場合その他資料の添付を必要としない合理的理由がある場 合においては,その資料を添付することを要しない(同条2項本文)。そ して,申請に係る医薬部外品又は化粧品の名称,成分,分量,構造,用法,
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用量,使用方法,効能,効果,副作用等を審査し,その結果,申請に係る 医薬部外品が,その効能若しくは効果に比して著しく有害な作用を有する ことにより,医薬部外品として使用価値がないと認められるとき又は申請 に係る医薬部外品若しくは化粧品の性状若しくは品質が保健衛生上著しく 不適当な場合には,上記の承認は与えられない(同法14条2項3号ロ,
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ハ,同規則18条の2)。
平成14年改正後の薬事法が施行された平成17年4月1日以降は,医 薬部外品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品を除く。)又 は厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品を製造販売しようとする 者が,品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなけ
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ればならないものとされている(薬事法14条1項)。
イ 厚生省は,添付資料の範囲等に関して,昭和55年5月30日付けで「医 薬部外品等の製造又は輸入の承認申請に際し添付すべき資料について」(薬 発第700号薬務局長通知。平成26年11月21日付けの改正通知によ り廃止。)を示した。同通知において,添付資料のうち安全性に関する資
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料としては,①単回投与毒性(急性毒性)に関する資料,②反復投与毒性
(亜急性毒性及び慢性毒性)に関する資料,③生殖発生毒性に関する資料,
④抗原性(皮膚感作性試験,光感作性試験等)に関する資料,⑤変異原性 に関する資料,⑥がん原性に関する資料,⑦局所刺激(皮膚刺激試験,粘 膜刺激試験等)に関する資料及び⑧吸収・分布・代謝・排泄に関する資料 が掲げられている。
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上記通知は,医薬部外品を,既に製造の承認を受けている医薬部外品と その有効成分又は適用方法等が明らかに異なる医薬部外品(申請区分1〔新 有効成分〕),既に製造の承認を受けている医薬部外品の承認内容と同一 性が認められる医薬部外品等(申請区分2〔承認前例あり〕),申請区分 1及び2以外の医薬部外品(申請区分3〔新添加物等〕)に区別し,製造
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承認申請時における上記の安全性に関する資料の添付の要否につき,申請 区分1については添付必要,申請区分2については添付不要,申請区分3 については内容に応じて添付を省略できる,との扱いを定めていた。申請 区分3について,上記の安全性に関する資料の添付を省略できるかどうか は,個別の申請の内容に基づき判断されていた。
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また,化粧品については,既に製造の承認を受けている化粧品とその成 分又は適用方法等が明らかに異なる化粧品の製造承認申請に当たっては,
安全性に関する資料の添付が必要であり,既に製造の承認を受けている化 粧品の承認内容と同一性が認められる化粧品の承認申請に当たっては,同 資料の添付は不要であるものとされている。
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ウ 医薬部外品又は化粧品の製造承認の申請者は,承認された前例(成分及 びその配合量等)がある場合には,その承認状況を把握することができる 資料も提出することとなっており,また,外原規等の公定書に収載されて いる物質の規格に適合する原料を用いる場合には,申請書に当該公定書の 名称及び成分名を記載することとされている。
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承認申請に係る医薬部外品又は化粧品の原料について,厚生労働省にお
いて承認前例(①配合する製品のカテゴリーにおいて当該原料を配合した 医薬部外品又は化粧品の製造を承認したことがあること,②配合する原料 の規格を承認したことがあること又は承認したことのある原料の規格と同 等の規格とみなすことができること及び③配合する原料の配合量を承認し たことがあること又は承認したことのある配合量を踏まえ,安全性に問題
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がない配合量であること。以下同じ。)が確認された場合,当該原料に係 る安全性に関する資料の提出は求められないのが通例であった。外原規等 に収載されている場合,上記②を満たすことになるが,そのことのみで,
安全性に関する資料の添付が不要になるわけではなかった。
他方,医薬部外品の製造販売承認の申請に当たり,外原規等を含む公定
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書に収載されていない成分を配合する場合には,当該成分に係る別紙規格 を添付する必要があるとされている。別紙規格には,①名称,②構造又は 示性式,③分子式又は分子量,④含量規格,⑤基原及び製造方法,⑥性状,
⑦確認試験,⑧示性値,⑨純度試験,⑩乾燥減量又は水分,⑪強熱減量,
⑫強熱残分並びに⑬定量法について規定することとされている。
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エ ある原料が粧配規(粧外規)に収載される過程は,厚生労働省が,収載 を希望する原料を募集し,応募のあった原料のうち,承認前例があること 等の要件を満たしたものを収載するというものであった。この際,当該原 料の安全性に関する資料の提出は求められず,安全性の確認は,承認前例 を確認することによって行われていた。粧配規に収載されていた原料の大
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部分は外原規に移行されたが,この際にも,安全性に関する資料の提出は 求められていない。
(乙ロA31,46,47,乙ハA48,122,152)
なお,平成14年改正後の薬事法の施行の際現に医薬部外品又は化粧品に ついて同改正前の薬事法による製造業の許可及び製造の承認を受けている者
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は,当該品目に係る同改正後の薬事法による製造販売業及び製造業の許可並
びに製造販売の承認を受けたものとみなされる(平成14年法律第96号附 則8条1項前段)。