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本件アレルギー被害発生後の状況等

第2章 事案の概要等

第1節 認定事実

7 本件アレルギー被害発生後の状況等

7 本件アレルギー被害発生後の状況等

本件アレルギーに関する当時の知見等を記載した手紙を送付した。

(甲A5)

オ 被告悠香は,各原告に対し,別紙4見舞金等支払状況一覧表の「支払年 月日」欄,「見舞金(円)」欄及び「治療費等(円)」欄に各記載のとお り,本件見舞金を支払った。

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(乙イ個C7から206までの各3〔ただし,原告ら以外の者に関するもの を除く。〕)

行政の対応等

ア 厚生労働省は,本件アレルギーの症例が報告されたことを受け,平成2 2年10月以降,小麦加水分解物を含有する医薬部外品及び化粧品につい

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ての小麦アレルギーに関する注意喚起,副作用報告の徹底,茶のしずく石 鹸の自主回収の指導等の対応を執った。

(甲A1,3,乙イB9,乙イ総C1,乙ハA15,16)

イ 厚生労働省医薬食品局安全対策課長及び同局審査管理課長は,平成22 年10月15日付けで,「加水分解コムギ末を含有する医薬部外品・化粧

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品の使用上の注意事項等について」と題する通知を発した。その内容は,

のとおりである。

(甲A2)

ウ 平成22年11月29日に開催された厚労省医薬品等安全対策部会の会 合において,本件アレルギー被害の発生が取り上げられ,①本件石けん中

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の加水分解コムギ末により感作された可能性が否定できないため,加水分 解コムギ末を含有する製品については,小麦由来成分を含有する旨及び異 常があった場合には使用を控える旨の注意表示を徹底するよう求めている こと,②全身性のアレルギー発症の具体的情報を把握している製品につい ては,眼や鼻等の粘膜への使用を避け,異常が認められた場合には速やか

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に医師に相談する旨を追記するとともに,医薬部外品については,加水分

解コムギ末を除去し,又は他の成分に切り替えるための承認申請を行うよ う求めていることが説明された。

(乙ハA37)

エ 独立行政法人国民生活センターは,平成23年7月14日付けで本件報 道発表を行い,その時点における相談件数,本件アレルギー被害の状況,

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主な相談事例,D委員のコメント,事業者の対応,本件アレルギー被害の 問題点,消費者へのアドバイス,事業者及び行政への要望等を示した。上 記のうち,問題点としては,①相談件数が平成23年5月20日の自主回 収公表以降に激増していること,②極めて重篤なアレルギーを発症した人 もおり,アナフィラキシーを起こして救急搬送された事例もあること,③

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小麦や小麦以外の抗原に対するアレルギーの既往がなかった人が,本件石 けんの使用により,突然,アレルギーを発症していること及び④小麦製品 を食べられなくなり,生活に支障を来している人もいることが挙げられて いる。また,事業者に対する要望の一つとして,今回の被害は従前にない 例と予想されることから,被害者の健康の回復並びに類似の被害の拡大防

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止及び再発防止のために,積極的に原因究明に協力することを求めている。

(甲A1,乙イB9,乙ハA15)

オ 平成23年11月14日及び平成24年3月23日に開催された厚労省 医薬品等安全対策部会の各会合において,各時点における本件アレルギー 被害の状況等について報告がされた。なお,前者の会合においては,本件

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石けん以外の小麦加水分解物を含有する製品(ヘアトリートメント,シャ ンプー及び石けん)の使用者がアレルギーを発症したとの報告があったと の説明もされている。

(甲A3の1,乙ロA35,乙ハA38)

カ 平成25年3月22日に開催された厚労省医薬品等安全対策部会の会合

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において,A委員長を報告者とする報告資料が配付されたところ,同資料

には,「背景」として,概要,以下のとおりの記載がされている。

加水分解コムギ末は,香粧品原料として従来より汎用されてきたが,

近年,その一種であるグルパール19Sを含有した石けんの使用者に小 麦アレルギー患者が多発し,社会問題化した。

コムギ摂取で全身性のアレルギー症状を発症した例の約半数は,小麦

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製品摂取後にアナフィラキシー等で生命を脅かされた重症例であった。

眼瞼浮腫など特徴的な症状もあったが,従来の小麦依存性運動誘発ア ナフィラキシーとの類似性が高かった。

これまでにグルパール19S以外の加水分解コムギ末で大規模な有害 事例の報告はない。

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(乙イ総C1)

キ 厚生労働省は,本件アレルギー被害発生後に国立医薬品食品衛生研究所 が行った加水分解コムギの感作能に関する研究において,感作の要因は,

加水分解の過程で生成した高分子量たん白質の混在によるものであり,分 子量が1万以下である場合には感作性リスクが低下することが示唆された

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こと等を踏まえ,平成29年3月30日,分子量が1万2400以下のた ん白質が75%以上になるように,外原規における加水分解コムギ末及び 加水分解コムギたん白液の各条を改正した。なお,これに先立ち,ヨーロ ッパ連合では,平成26年10月,アメリカ合衆国では,同年3月,それ ぞれ,最大分子量又は平均分子量が3500以下の加水分解コムギたん白

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は安全である旨が示された。

(乙ロB29,30)

学界の対応

ア 平成21年10月31日に開催された日本アレルギー学会のシンポジウ ムにおいて,本件石けん中の加水分解コムギに対する経皮,経粘膜的感作

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によるアレルギーが小麦製品の経口摂取によるアナフィラキシーに先行し

た小麦アナフィラキシー4例が報告され,一部の小麦アナフィラキシー症 例では,経皮,経粘膜的な小麦に対する感作が発症原因となっている可能 性が示唆されたとの見解が示された(その抄録は,同学会の雑誌アレルギ ー58巻8・9号〔同年9月30日〕に掲載された。)。

(甲A26)

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イ 日本アレルギー学会は,本件アレルギー被害が大きな社会的問題となっ ているとの認識の下,学会として責任ある立場で,本件に関して,患者向 け,医療従事者向け及び一般国民向けの正確な情報提供を行うとともに,

診療可能施設の適切な選定と情報提供,さらに,今後の同様な問題の発生 防止のための調査研究実施等を目的として特別委員会を発足させ,平成2

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3年7月17日から平成27年5月31日までの間,13回の会合を開催 しつつ,本件アレルギーに関する調査研究及び情報提供等を行った。

(甲B23,24)

ウ 本件アレルギーに関しては,既に摘示したとおり,特別委員会の委員で ない者も含む多数の研究者により調査研究が行われており,症例報告や感

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作要因等に関する論文等が発表されている。

加水分解たん白含有化粧品の障害実態の把握,茶のしずく石鹸の障害実 態の把握及びグルパール19Sの感作抗原性の分析と交叉反応性の検討に ついては,厚生労働科学研究事業として研究が行われており,その一環と して,症例登録用のウェブサイトが作成され,症例の把握が行われた。ま

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た,特別委員会においては,本件アレルギー被害の状況について,疫学調 査が実施され,経時的に状況が報告された。

(乙イ総C1)

業界団体の対応

粧工連は,平成23年8月26日付けで,会員に対し,「加水分解コムギ

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末を含有する化粧品(薬用化粧品等を含む)の安全性に関する問題とその対

応について」と題する文書を提示し,本件アレルギー被害の状況を踏まえ,

概要,以下の対応を執ることとした旨を通知した。

ア 加水分解コムギ末のうち,酸分解で製造したものであって,かつ,平均 分子量5万~6万程度のものを,今後化粧品及び薬用化粧品等の医薬部外 品に配合しないこと

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イ 化粧品に配合する成分の安全性に係る「企業責任」について今一度よく 考え,成分の安全性については万全を期すこと

ウ 粧工連の策定した自主基準等に基づき,化粧品等の注意表示が製品に明 瞭に記載されていることを確認し,また,石けん類及び薬用石けん(洗顔 料を含む。)についても,皮膚に適用する化粧品として注意表示を記載す

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ること

エ 厚生労働省の通知(「医薬部外品又は化粧品に係る研究報告について」)

を遵守するとともに,危害が拡大することを防止するための必要な対応を 執ること

(甲A19,乙ハA14)

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第5 本件石けん引渡し当時の科学又は技術に関する知見に関連する事情 (各項末尾に,証拠番号とともに出典を掲記したものがある。)

1 アレルゲン及び交叉反応性に関する一般的見解等

アレルゲン及び交叉反応性に関する一般的見解等としては,前提事実第5の 1に摘示したもののほか,以下のようなものが存在する。

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樹状細胞(抗原提示細胞)が,取り込んだ異物の情報をヘルパーT細胞に 伝えるのは,その異物のたん白質などの分子量が5000以上の分子に限ら れる。

(『アレルギーはなぜ起こるか ヒトを傷つける過剰な免疫反応のしくみ』〔平 成20年1月〕。乙イA9)

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一般に,抗原は,複雑で大きな分子であり,小さい分子(分子量1000