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項目内容の妥当性

は人によるという意見だった。支援としては、評価により、本人にどのような影響があ るか、自身の考えを真摯に本人に返すということに、より意識的であった。         

  このように、項目表をもとに得られた主観評価の結果を、量的に分析することで、こ れまで、部分的かつ質的に捉えられてきた、異なる立ち位置をとる著者が創作過程に対 して持つ意見の相違を、全体的かつ客観的な数値として把握し、比較検討できるように なると考える。また、量的分析により、特徴的な結果が出た項目に対し、インタビュー 調査の内容をあわせて分析することにより、意見の相違の要因をより深く分析できるこ とにもつながると考える。 

 

援者の側に注目することの方が多いので、障がい当事者の人たちがどうなのか、と いうことに、改めて考えることはあまりなかったので新鮮があった」(I)。 

  これらから、これまできちんと言語化されてこなかった論点を整理したことに対 し賛同し、項目に答えていくことで支援者としての核になる考え方が明確化してい く可能性が示唆された。項目の内容の細かさに対する指摘もあった。A 群は、日常 的に創作過程に触れる立場ではないことから、各項目の意味する内容に関し、詳細 な区別がしづらいといえる。また、項目表を 2 つに分けることで、支援をする視点 とは別の、障がいのある人自身への視点が得られたという新たな視点を促す効果も あると考えた。 

 

SA 群:  支援員(アート) 

  「全部網羅できているかは分からない」(L)(N)、「障がいがあろうと、健常者で あろうと、当たり前に、同じく考えることじゃないかなと思うこともポイントと して捉えられていたので、どうしてだろうと思った」(O)。 

  これらから、論点の全体像など体系的な理解は難しいことがいえる。また、項 目に対し、ものをつくることには障がいの有無は関係ないはずなのに、意図的に 分けていることの意味を問う意見があった。施設での創作支援を、障がいの有無 でなく、ものをつくるという視点から捉えていると考えた。 

 

SW 群:  支援員(福祉) 

  「現場にいるから客観的な見方ができなくなってきているので、自分のチェッ クになった」(T)「こういう視点もあるんだって逆に思った」(V)「実際の現場で関 わっている中では、大事なところだと感じた」(W)。 

  これらから、項目表に回答することで、客観的に自身の支援を振り返ることに 役立つ可能性があると考えた。また、V のようにアート関係のことがよくわから ないまま支援につき、経験も浅い支援員にとっては、逆に新たな視点を発見する ことにもつながっていた。また、実際の支援現場で大事な点であるという認識を 持っていた。よって、支援員にとって、自身が日々おこなっている支援の内容や、

気づいていなかった点、大事な点について、客観的に捉えることに効果があるこ とが示唆された。 

 

2)   項目の意図の理解 

  全ての群で、内容がわかりにくい項目があったという意見があった。その他、

下記のような意見があった。 

 

A 群:  アート関係者 

  「支援者の意味する範囲が広いかもというのが気になった」「福祉の立場の人、

美術指導の立場の人というように、項目によってイメージがばらけたが、実際、

現場も分けきれない。教えつつ、支援者もケアもやったりしてということなのか なとも思う」(I)「質問内容が伝わりにくいのではないかなという気がする」「はじ めてこういう質問表みたいなものを見せられると特に何を答えたらいいかわか らない」(J)。 

  これらから、各現場で実際に活用する際には、項目表をもとに現場にあわせて ツールとして使用する際は、支援者が示す内容を具体的に描写したり、抵抗感が 少なく取り組みやすいデザインにしたりするなどの工夫が必要だと考えた。 

 

SA 群:  支援員(アート) 

  「わかりやすく分けていると感じた」(N)、重視って表現でいいのかなって止ま ってしまう(M)。これらから、項目に対し、支援する上で考えていることが分けて あり、わかりやすいという意見もあった。また、重視するか?という言い回しに 違和感を感じる意見があった。 

  これらから、著者調査でも指摘のあった点であり、重視するかという表現は、

硬い印象もあるので、創作現場に関する意見としては違和感が生じやすいことが 推察され、異なる表現への改定が必要だと考えた。 

 

SW 群:  支援員(福祉) 

  「普段支援している中で、障がいのある人にとってどうかということ、自分が与 える影響について考えている・考えられていない場面がある。切り離して考えたと きに、自分自身が混同しているのを感じた」(U)「項目表より意識調査のほうが、難 しい」(X)という意見があった。 

  これらから、2 つに分かれた項目表に回答したことで、障がいのある人自身にむ けた視点と、支援するにあたっての視点の違いについて気づくきっかけとなったと いえる。意識調査は、活動に関係する目的などに関する内容であり、経験の浅い中 でその点の理解や考えに意識を向けることが難しいと考えた。 

 

5.2  追加すべき新たな項目に関する意見 

  全ての群で、特に追加すべき項目はないという意見があった。その他、下記のような 意見があった。 

 

A 群:  アート関係者 

  「支援者の立ち位置に関して未分化なこと:  支援者がなんの為にいるのか・障 がいのある人を支援するのはなんのためか、社会に馴染む為に支援者が必要なの か・かれ自身がかれ自身でいる為の自我の確立の為に我々がいるのか」(F)「自分 自身が関わる理由、目的、意味」(F)「あなたが障がいのある人の親だったら?」

(K)。 

  これらから、障がいのある人の創作活動に関わる目的や意味について支援者の 思考を深く問う項目や、支援者が他人事としてではなく、自分のことに置き換え て考えることを促す項目を求めていると考えた。 

 

SA 群:  支援員(アート) 

  「普通のこどもの発達過程はスタッフにも意識して欲しい」(L)「支援者が障が いのある人の日常やっている行為をどう見ているか」「障がいのある人の日常をど うおもしろいと思うか」(M)「お金、工賃のこと」(Q)「集団の中で、やっていく ってことと、アートをすることの相性の悪さは、一人がやりたいことを突き詰め ていけば、人に迷惑をかけるということを、項目として作るかはわからないけど よく考える」(Q)「言葉にならないことがすごく多い」「個別である。この人には こうだけど、この人にはこう、ということがどうしてもあるので、まとめたかた ちにするのは難しいと思う」(P)という意見があった。 

  これらから、障がいのある人に関わる上で、自身の思い込みによる判断ではな く、必要な知識を身につけた上で総合的な判断ができているかといういことに意 識があることがわかった。また、創作の時間だけでなく、障がいのある人の日常 の行為に対し興味を持って魅力を感じ取る感覚を持っているかということや、集 団生活とアートの相性について考えることに対する意識があった。 

  このように、支援者として、知識・感覚、日常の中の行為・行為の中のアート、

集団性・個性など、一見相反するようなことを、同時に、もしくは、行ったり来 たりしながら、考え・感じつづけることを意識しているといえる。また、創作行 為は言葉にならない部分もあることや、障がいのある人と共に、支援に対する意 識も非常に個別性が高いので、このような項目で捉えようとすること自体に対す

る懐疑的な視点も向けられていることがわかった。 

 

SW 群:  支援員(福祉) 

  もう少しご本人目線のものがあったらいいと思う」「ご本人にも聞いてもらいた い」「項目への回答は、勝手な思い込みで私が思って言っているだけなので、(障 がいのある人の思いは)ほんとうに未知な部分」(R)「支援員が、障がいのある人の アートを学ぶ場に参加したいと思っているか」「アートに関してわからないままき たので、こういう視点があることすらわかっておらず、どうしたら学べるのかと、

書いていて思った」「どういう支援員がいいのか、どういう視点を持っていたらい いのか、正解はないと思うが、このままでいいのか悪いのかもわかっていないと 思う」(V)「質問にもあったが、障がい特性を意識しているか。障がいも含めて個 性と思って関わっている」(W)。「障がいのある人についての項目は、ご本人の状 況も様々なので、どれだけ意思を伝えられるか、読み取れるかというのも難しい 中で日々やっている。それを質問に落とし込むのは大変難しいこと」(R)という意 見があった。 

  このように、支援者本位の問いとなっていないかを危惧し、障がいのある本人 の立場に立った思考を促せる項目について、また直接、障がいのある本人に問う ことの必要性についての意見があった。また、創作活動に対する支援員の関心の 有無自体を問うこと。自身の支援のあり方や視点について何か判断できる方法。

障がいの捉え方について、障がい者としての理解ではなく、人としての理解や関 わりをより強く意識できるようなことという意見があった。 

  これらから、障がいのある人を中心に置いた思考を、支援員に気づかせ、意識 させるため、より一層の工夫が必要であることが指摘された。また、創作活動を することありきではなく、支援者がそもそも関心を持っているのか、学ぼうとい う意思があるのかということも意見として上がったので、回答者の意識調査とあ わせ理解しやすいデザインが必要であると考えた。また、支援者(アート)でも意見 が出たが、障がいのある人も、その支援のあり方も、極めて個別性の高いものな ので、項目として取られること自体に懐疑的な考えが向けられていた。この点か らも項目表は、支援のあり方に正解を示すものではないことは、より強調する必 要があると考えた。 

 

5.3  指標作成の方針に関する意見