た。
教科書の記載をベースに過量投与を累積投与量 7 mg/kg 以上として、海外及び国内の症例報
5.8 自動車運転及び機械操作に対する影響又は精神機能の障害
本項に該当する報告は、教科書、海外及び国内の公表文献にはなかった。
5.9 その他
DS-2207b 製剤は静脈内投与製剤であるが、海外及び国内の症例報告では MB を静脈内投与
以外の投与経路で使用した場合の有害事象が報告されていることから、その概略を以下にまと めた。
5.9.1 経口投与
MB 投与によるプロスペクティブ試験において、 MB-MMX
®錠剤を経口投与した報告が 1 報 あった。有害事象は 22 名中 7 名に認められ、臨床検査値異常、排尿障害、悪心、嘔吐等が認 められた(2.1.1.2.2.1)。
MB の経口投与で有害事象が報告された症例報告は 7 報あった。これらの報告では 2 名が死
亡し、その他溶血性貧血、ヘモグロビン低下等の有害事象が認められた(表 2.7.4.5.9-1)。
表 2.7.4.5.9-1 症例報告の有害事象(経口投与)
No. 年齢・性別
(その他) 投与量
MetHb 血症の 原因物質
投与
経路 安全性 添付資料
番号 海外症例報告
1
435名
(6~59 ヵ月齢)
総投与量36、54、
72 mg/kgを2 or 4回
/日投与(2.3%溶 液)
- 経口
マラリアの治療薬としてMB を投与した。MB 54 mg/kg投 与のうち、1名がMB投与24 時間以内に重度のマラリア へ進行し、1名が8日目に下 痢で死亡した。
MB 72 mg/kg投与のうち、投 与5日後に1名(G6PD欠損)
でHb値が8.7 g/dLから 4.7 g/dLへ低下し(鉄剤服用 で改善)、7名でHb値が 3 g/dLを超えて減少した(う ち3名がG6PD欠損)。
5.3.5.2-301
2 17歳女性 2 mg/kg(100 mg、12 時間ごと)
ニトロベ
ンゼン 経口
MB初回投与後いったん下が ったMetHb濃度は、投与24 時間後に47.7%、2日後に 76.5%と上昇し、意識は回復 せず、チアノーゼは悪化し、
4 cmの脾触知を発現し、入院 4日後に死亡した。
5.3.5.2-136
国内症例報告
3 1ヵ月齢
女児 4.3 mg/kg(20 mg) -
(下痢) 経口 MB投与2日後に溶血性貧血
の所見を認めた。 5.3.5.2-355
4 31歳男性
初回: 5 mg/kg 2回目(12時間後): 5 mg/kg
プロパニ ル
(アニリ ン系除草
剤)
経口
MB投与後MetHb濃度が再 上昇した。溶血性貧血を認め たが、他に後遺症を残さず退 院した。
5.3.5.2-315
5 42歳女性 5 mg/kg
プロパニ ル
(クサノ ンA)
経口
MB投与後に溶血性貧血の所 見が認められたが輸血にて 対処し、第74病日に退院し た。
5.3.5.2-309
6 54歳男性
5 mg/kg(350 mg)
蒸留水100 mLに溶 解し、2回に分けて 投与
アニリン 経口
MB投与1時間後頃から緑色 尿が出現し、12~24時間後に ピークとなり、以後徐々に消 退した。MetHb値の再上昇や その他の合併症の併発はな かった。
5.3.5.2-324
7 72歳女性 4.2 mg/kgc(250 mg)
× 3回
プロパニ ル
(クサノ ンA)
経口
第5、6病日に行ったMB投 与と同時期に溶血性貧血が みられ、第9、10病日に輸血 を必要とした。
5.3.5.2-320
c : 体重60 kgと想定した換算値
5.9.2 髄腔内投与
海外症例報告において、髄液鼻漏を確認するために MB を髄腔内投与した報告が 2 報 2 名あ った(表 2.7.4.5.9-2)。
これらの症例では、広汎性脊髄神経根障害による感覚減損、あるいは両側性視神経萎縮/無 嗅覚/四肢麻痺を示す重度な機能障害につながる有害事象が発現した。
表 2.7.4.5.9-2 症例報告の有害事象(髄腔内投与)
No. 年齢・性別
(その他) 投与量
MetHb 血症の 原因物質
投与
経路 安全性 添付資料
番号 海外症例報告
1 21歳女性 0.2 mg/kg c
(1 mL、1%) - 髄腔内
髄液鼻漏の確認のためMBを投与し た。MB投与15分後、下肢に痛みと チクチク感を感じ、呼吸亢進が見ら れた。手足痙縮、四肢麻痺、知覚麻 痺、複視、排尿障害が観察された。
報告時点で、両側性視神経萎縮、無 嗅覚、及び四肢麻痺があり、下肢は 重度の弛緩性麻痺であった。
5.3.5.2-216
2 32歳男性 0.2 mg/kg c
(1 mL、1%) - 髄腔内
髄液鼻漏の確認のためMBを投与し た。投与後意識を失い、広汎性脊髄 神経根障害により胸骨上部より下 の感覚が減損した。機能回復に2年 半を要した。
5.3.5.2-215
c :体重60 kgと想定した換算値
5.9.3 腹腔内投与
海外症例報告において、診断を目的として MB を腹腔内投与した報告が 1 報 1 名あった。
この症例では、低血圧及び発汗を合併した反跳圧痛を伴う激しい腹痛が発現した(表 2.7.4.5.9-3)。
表 2.7.4.5.9-3 症例報告の有害事象(腹腔内投与)
No. 年齢・性別
(その他) 投与量
MetHb 血症の 原因物質
投与
経路 安全性 添付資料
番号 海外症例報告
1 56歳女性
0.8 mg/kg c
(5 mL、1%)
を2 Lの腹膜 透析液で薄め 10分間で注入
- 腹腔内
MB投与前にインスリン依存性糖 尿病、慢性閉塞性肺疾患、及び糖尿 病性腎症からくる末期腎疾患を発 症していた。腹膜炎の既往は多く、
腹腔カテーテルを3回経験してい た。診断薬としてMBを投与した。
MB投与2時間後、低血圧と発汗を 合併した反跳圧痛を伴う激しい腹 痛を訴えた(化学性腹膜炎例)。
5.3.5.2-214
c :体重60 kgと想定した換算値
5.9.4 妊婦羊膜内投与
双胎妊婦の羊膜内へ MB を注入して胎児死亡の関係を調査した文献(2.7.6.2.4.1)及び双胎 妊婦羊膜内への MB 注入と新生児空腸閉鎖症の関係を調査した文献(2.7.6.2.4.2)が各 1 報ず つあった。いずれの文献でも MB 投与に関連して、胎児の死亡率及び先天性奇形の発現が高く なった。
海外症例報告では、破水検査等のために MB を羊膜内投与した報告が 6 報あった。これらの 報告では、6 名中 5 名の新生児に高ビリルビン血症が、3 名の新生児に溶血が発現した(表 2.7.4.5.9-4)。
表 2.7.4.5.9-4 症例報告の有害事象(羊膜内投与)
No. 年齢・性別
(その他) 投与量
MetHb 血症の 原因物質
投与
経路 安全性 添付資料
番号 海外症例報告
1 17歳女性
と男児
0.33 mg/kg c
(1%、2 mL) - 羊膜内
早期破水の検査のためにMBを投 与した。MB投与直後に胎児の心拍 数が上昇したが、徐々に正常値に 回復した。新生児は高ビリルビン 血症や溶血が発生したが、ダブル ボリューム交換輸血及び光線治療 を行い、生後48日目に退院した。
5.3.5.2-228
2 27歳女性
と双生児
0.8 mg/kg c
(50 mg)未満 - 羊膜内
双子のうちの片方の肺成熟度を検 査するためMBを投与した。MBを 洋膜内に投与された新生児は顕著 な高ビリルビン血症やハインツ小 体貧血が発生したが、光線治療及 び赤血球輸血を実施し、生後24日 目に退院した。
5.3.5.2-227
3 29歳女性
と男児
0.2 mg/kg c
(1%、1 mL) - 羊膜内
早期破水の検査のためにMBを投 与した。新生児に高ビリルビン血 症や溶血が発生したが、交換輸血 を実施し、生後16日目に退院した。
5.3.5.2-231
4 30歳女性
と女児
1.2 mg/kg c
(1%、約7 mL) - 羊膜内
早期破水の検査のためにMBを投 与した。新生児は明るい青色に染 まっていたため酸素を吸引した。3 時間齢で軽度の呼吸ジストレスが 認められたが、6時間で改善した。
その後、高ビリルビン血症や溶血 性黄疸が発生したが、交換輸血及 び光線治療によって生後17日目に 退院した。
5.3.5.2-229
c :体重60 kgと想定した換算値
表 2.7.4.5.9-4 症例報告の有害事象(羊膜内投与) (続き)
No. 年齢・性別
(その他) 投与量
MetHb 血症の 原因物質
投与
経路 安全性 添付資料
番号
5
32歳女性 と双生女
児
0.2 mg/kg c
(10 mg) - 羊膜内
破水を検査するために片方の胎嚢 にMBを投与した。新生児の片方 は皮膚が青みを帯び、呼吸困難、
黄疸及び高ビリルビン血症を起こ したが、酸素吸引、光線治療など で回復した。もう片方の新生児に は副作用などはなかった。
5.3.5.2-230
6 34歳女性
と女児
1.7 mg/kg c
(1%、10 mL) - 羊膜内
破水を検査するためにMBを投与 した。新生児はMBの影響で皮膚 が青かったが、光線治療をしたエ リアは皮膚が赤く変色し、光毒性 反応が示唆され、回復まで3週間 かかった。新生児はダブルボリュ ーム交換輸血を2回行った(初回 はMetHb濃度が4.9%から7.8%に 上昇し、重度の溶血が認められた9 時間齢に、2回目は溶血進行及びビ リルビン上昇が認められた80時間 齢に行った)。
5.3.5.2-226
c :体重60 kgと想定した換算値