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た。

急性腎不全を併発していた 1 名(46 歳男性)で溶血性貧血、腎機能低下者 1 名(69 歳女性)

で、MetHb 濃度の上昇が発現した。また慢性腎不全を併発していた男性 1 名は、G6PD 及び NADH チトクロム b5 レダクターゼ欠損患者であり、MB 投与後、意識レベルの低下、チアノ ーゼ、及び溶血が認められ、MetHb 血症の症状悪化が原因で死亡した。

表 2.7.4.5.1-4 腎機能障害を有する患者に発現した有害事象(静脈内投与)

No. 年齢・性別

(その他) 投与量 合併症 投与

経路 安全性 添付資料

番号 海外症例報告

1 46歳男性 1 mg/kg(70 mg) 急性

腎不全 静注

MetHb血症発症時に急性腎不全

を併発していた。MB投与後に溶 血性貧血が観察された。

5.3.5.2-127

2 69歳女性

1 mg/kg c

(60 mg)

× 2回

腎機能

低下 静注 MB投与後MetHb濃度が上昇し

た。 5.3.5.2-148

3 年齢不明

男性

初回: 1 mg/kgc

(60 mg)

2回目(2時間 後): 0.7 mg/kgc

(40 mg)

G6PD及び NADHチ トクロム b5レダク ターゼ欠 損症、慢性

腎不全

静注

MetHb血症発症時に慢性腎不全

を併発していた。MB初回投与後、

意識レベルが低下し、2回目の投 与後、症状は急速に悪化し、チア ノーゼ発症の12時間後に死亡。

死亡数時間前の血液検査では明 らかな溶血が認められた。

5.3.5.2-171

c : 体重60 kgと想定した換算値

5.1.4 肝機能障害を有する患者

海外及び国内の教科書には、肝機能障害患者へ MB 投与を投与する時の注意事項はなかった。

また、レビュー文献にも該当する報告はなかった。

MB の静脈内投与により肝機能障害を有する患者に発現した有害事象は、国内の症例報告で 1 報 1 名あり、海外の症例報告ではなかった(表 2.7.4.5.1-5)。

この患者は慢性 C 型肝炎を有しており、 MB の投与によって、低酸素血症の悪化、呼吸不全 等が発現し死亡した。

表 2.7.4.5.1-5 国内症例報告における肝機能障害を有する患者に発現した有害事象

No. 年齢・性別

(その他) 投与量 合併症 投与

経路 安全性 添付資料

番号 国内症例報告

1 56歳男性 2 mg/kg(1%)

慢性C型 肝炎、糖尿 病、狭心症

静注

MB投与前に糖尿病、狭心症、慢性 C型肝炎を併発していた。MB投与

後MetHb血症は一時的に改善した

が、意識障害は改善せず、頭部MRI では低酸素血症によると思われる 両側淡蒼球の壊死を示唆する所見 を認めた。徐々に呼吸不全の進行を 認め、入院4日目に死亡した。

5.3.5.2-322

c : 体重60 kgと想定した換算値

5.1.5 G6PD 欠損症患者

海外及び国内の教科書には、 G6PD 欠損症患者に MB を投与すると溶血性貧血のリスクが高 まることから、MB 投与を避けることが推奨されている。

レビュー文献では、 G6PD 欠損の疑いがある患者へ MB を投与した報告が 1 報 1 名あり、投 与 4 日後に重度の溶血性貧血が発現した(2.1.1.2.4.3)。

海外の症例報告では、 G6PD 欠損症患者に MB を静脈内投与した症例が 5 報 5 名あり、国内 の症例報告はなかった(表 2.7.4.5.1-6)。

これらの患者では、溶血性貧血(ハインツ小体性を含む)が 1 名に、溶血が 2 名に、赤血球 系パラメータの変化(ハインツ小体、血清ビリルビン値上昇、網赤血球数増加)が 1 名に観察 され、輸血による治療等が行われたが溶血が認められた 1 名は死亡した。

表 2.7.4.5.1-6 海外 G6PD 欠損症患者に発現した有害事象

No. 年齢

性別 投与量 投与

経路 安全性 添付資料

番号

1 26ヵ月齢

男児 2 mg/kg × 2回 静注

MB投与後MetHb濃度は上昇し、無気力と運

動失調が進行し、酸素飽和度は70%であっ た。全血交換によりMetHb濃度は11.7%にな るが、7時間以内に31.7%に上昇した。11時 間後のMetHb濃度は31.8%であったが赤血球 交換により7%になり、チアノーゼが消失、

心機能は改善し、酸素飽和度も100%に回復 した。退院時のMetHb濃度は0.4%であった。

5.3.5.2-267

2 23歳

女性

0.8 mg/kg c

(50 mg、1%)

10分かけて投与

静注

MB投与後皮膚が薄鈍色に変色し3日間続い た。アニリン曝露及びMB投与後24時間以 内に溶血を示したため輸血を行ったところ、

72時間後に臨床及び血液ガスパラメータに 改善がみられ、14日目までにチアノーゼは消 失し、退院した。

5.3.5.2-108

3 25歳

男性 0.7 mg/kg (40 mg) 静注c

アニリン曝露4日に進行性の黄色がかった皮 膚変色、茶色尿、尿量減少に伴うめまいと吐 気を認め再入院した。理学的検査により顕著 な黄疸と結膜蒼白が示された。網赤血球とハ インツ小体が多数観察され(ハインツ小体性 溶血性貧血)、MetHb濃度は9.3%となった。

RBC輸血及びトコフェロールニコチン酸エ ステル投与によりアニリン曝露7日に溶血は 消失し退院した。

5.3.5.2-109

4 28歳

男性 1.3 mg/kg(75 mg) 静注c

入院2日目に黄疸が認められた。その後数日 間、ヘマトクリット低下、血清ビリルビン値 上昇、網赤血球数増加が、入院4日目にハイ ンツ小体形成がみられたが、輸血は行わなか った。

5.3.5.2-113

5 年齢不明

男性

初回: 1 mg/kgc

(60 mg)

2回目(2時間後): 0.7 mg/kgc

(40 mg)

静注

MetHb血症発症時に慢性腎不全を併発して

いた。MB初回投与後、意識レベルが低下し、

2回目の投与後、症状は急速に悪化し、チア ノーゼ発症の12時間後に死亡。死亡数時間 前の血液検査では明らかな溶血が認められ た。

5.3.5.2-171

c : 体重60 kgと想定した換算値

5.2 外因性要因

海外及び国内の症例報告では、 MB 静脈内投与後の光毒性に関連する有害事象が海外報告で 1 報 3 名(PSUR No.3, 4, 5 と同一症例)にあったが、国内の文献ではなかった(表 2.7.4.5.2-1)。

これらの患者では、MB 投与後に光にあたることにより紅斑が発現した。

表 2.7.4.5.2-1 光毒性に関する症例報告一覧

No. 年齢・性別

(その他) 投与量 投与

経路 安全性 添付資料

番号

1 44、52、73

歳女性 7.5 mg/kg 静注

副甲状腺摘出時に明視化のため MBを投与した。紅斑が首又は指 先に発現した。1~4週間で改善し たが、著者らはMBの光毒性に起 因したと結論づけた。

5.3.5.2-217

c : 体重60 kgと想定した換算値

5.3 薬物相互作用

海外及び国内の教科書では、MB は SSRI との併用で薬物相互作用により、セロトニン症候 群(神経系症状、精神症状)を発現するために、併用することを避けることを推奨している。

その他文献では、MB とセロトニン再取り込み阻害剤(serotonin reuptake inhibitor: SRIs)の 併用投与によってセロトニン症候群が発現した報告が 2 報あった(2.7.6.2.2.1、 2.7.6.2.2.2)。い ずれの文献でも MB がセロトニンやノルエピネフリン等のモノアミン作動性の神経伝達物質 を不活化する MAO A を競合的に阻害するために、セロトニン症候群を引き起こすリスクが高 くなることから、併用することを避けることを推奨している。

海外及び国内の症例報告では、セロトニン系薬物を投与した患者に MB を静脈内投与した海 外報告が 1 報 1 名あったが、国内報告はなかった(表 2.7.4.5.3-1)。

この症例では、神経系症状(方向感覚喪失、激越)や精神障害(失語、反射亢進、無反応)

などが発現した。

表 2.7.4.5.3-1 海外症例報告における SSRI 併用に伴って発現した有害事象

No. 年齢・性別

(その他) 投与量 安全性 添付資料

番号 静脈内投与

1 66歳女性

(SSRI併用)

0.7 mg/kg(50 mg)

× 2回

5時間空けて投与

イホスファミド脳症に対し てMBを投与し、初回投与 直後に方向感覚喪失、激越、

失語、散瞳、反射亢進などの 症状が発生した。5時間後の MBの2回目投与で無反応、

頻呼吸、頻脈、アシドーシス が認められたため、SSRI及 びMBの投与を中止した。

63日後に症状は回復した。

5.3.5.2-225

5.4 妊娠及び授乳時の使用

5.4.1 妊婦への静脈内投与の影響

教科書では、妊婦に投与した場合、新生児の溶血性貧血の危険性があるとされている。

その他の文献では、分娩時の麻酔(プリロカイン)に誘導される母体及び胎児の MetHb 血 症に対する MB の予防効果及び治療効果について検討したレビュー文献が 1 報あったが、母体 及び胎児に対する有害事象は発現しなかった(2.7.6.2.3.1)。

海外及び国内の症例報告では、妊娠中の患者に MB を静脈内投与した報告は、海外で 2 報 2 名あったが、国内症例報告はなかった(表 2.7.4.5.4-1)。

2 名の妊婦のうち 1 名は胎児への MB 移行が認められ、出産時、新生児 1 名にうつ状態、及 び尿着色が認められた。

表 2.7.4.5.4-1 妊婦への投与例 有害事象一覧

No. 年齢・性別

(その他)

用法用量 投与量 投与濃度

投与

経路 安全性 添付資料

番号

1

22歳女性

(妊娠36 週)

1.5 mg/kg(1%) 静注 退院8日後に男児を普通分娩で無事出

産した。 5.3.5.2-184

2

年齢不明

(分娩前 の妊婦)

初回: 1.3 mg/kg c

(80 mg、1%)

5分かけて投与 2回目(20分後): 1.3 mg/kg c

(80 mg)

静注

MBの初回投与の1時間40分後に女児 が産まれた。出産時、新生児は軽度の うつ状態であった。新生児からは36 時間にわたり青緑色尿が観察された。

MBの胎児への移行が認められたが他 に副作用はなかった。出産5日後に母 親と新生児は良好な状態で退院した。

5.3.5.2-082

c : 体重60 kgと想定した換算値

5.4.2 母乳への影響

海外及び国内の教科書では、授乳中の患者に投与された MB が母乳に移行する程度は不明で あると記載されている。レビュー文献、海外及び国内の症例報告では、授乳中の患者に MB を投与した報告はなかった。

5.5 過量投与

海外及び国内の教科書では、MB の過量投与(7 mg/kg 以上)は MetHb 血症を引き起こすこ とが記載されている。また、アニリンによる MetHb 血症患者に対して MB の過量投与をする と、ハインツ小体を含む重篤な溶血性貧血が発現することがあり、過量投与により MetHb 濃 度の上昇あるいは溶血性貧血が引き起こされる可能性が高いとされている。

レビュー文献では、累積投与量の上限を規定したものはなかったが、G6PD 値が正常値であ

る小児 1 名に MB 10 mg/kg の偶発的過量投与が行われた結果、重篤なハインツ小体性溶血性

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