た。
症状の改善度に応じて複数回の投与を行った 1 症例では 2.5 mg/kg が追加投与された。
3. 全試験を通しての結果の比較と解析
3.3 部分集団における結果の比較
3.3.7 ダプソン投与による MetHb 血症患者
症例報告(海外文献: 29 報 33 名、国内文献: なし、 MB 投与前の MetHb 濃度の記載がない 4 名を含む)におけるダプソンに起因した MetHb 血症患者への投与量は体重 60 kg とした換算 値例を含めて 0.8~4.2 mg/kg であり、多くは 1~2 mg/kg の範囲であった(表 2.7.3.3.3-12)。こ のうち、20 名には MB が 2 回以上投与された。MB 投与前 MetHb 濃度は 6.5~88%であり、
MB の静脈内投与及び酸素吸入やアスコルビン酸の併用療法により全例の症状は改善したが、
MB 治療中又は治療後に MetHb 濃度の上昇及び再上昇が 13 名に、溶血性貧血が 5 名に、溶血 が 2 名に、貧血が 1 名に発症した。MB 投与後の有害事象を各表内【】内に示す。これらの原 因として、ダプソンのヒドロキシルアミン代謝物への過剰な曝露と MB の投与による酸化スト レスが関連していると考えられている(2.7.6.1.5.5)。
表 2.7.3.3.3-12 ダプソン投与 MetHb 血症患者における MB の治療効果
No. 年齢/性別 投与量及び併用治療* 有効性 添付資料番号
【海外症例】
1 14ヵ月齢女児
• 初回: 2 mg/kg 2~6回目: 0.5~1 mg/kg
以後1 mg/hを持続投 与
• 併用治療: なし
• 当初MetHb濃度: 高値
• MB初回投与1時間後MetHb濃度: 13.3%、
症状改善、チアノーゼ消失
翌朝MetHb濃度が20.9%に上昇、MB投与 を繰り返したが11.1~19.1%の間にとどま った。その後MBの持続静注を開始し、
48時間のMetHb濃度: 8.0~18.1%、その 24時間後のMetHb濃度: 5~6%
【MetHb濃度上昇】
5.3.5.2-260
2 16ヵ月齢女児
• 初回: 18 mg
4分かけて
2回目: 15 mg
• 併用治療: O2、GL、
AC、
• 当初MetHb濃度: 35.1%、チアノーゼ
• MB初回投与後MetHb濃度: 7.9%、チアノ ーゼ改善
その後MetHb濃度が上昇し、22時間後に
25%
2回目投与後MetHb濃度: 6.3%
【MetHb濃度上昇】
5.3.5.2-152
3 23ヵ月齢女児 • 20 mL、0.1%
• 併用治療: なし
• 当初MetHb濃度: 4.3 g/100 mL
• MB投与後MetHb濃度: 0.9 g/100 mL 5.3.5.2-265
4 1歳女児
• 1 mL、1%
× 4回
• 併用治療: AA、O2
• MB投与前: 号泣、全身の青黒い変色、嘔 吐、チアノーゼ
• MB投与4時間以内: 改善がみられ、食欲 回復、唇の青みがかった変色は3日目に改
善、5日後にはMetHb血症は認められな
かった。
5.3.5.2-263
5 3歳男児
• 16 mg(0.1 mL/kg、
1%)
× 4回
• 併用治療: AC、O2
• 当初MetHb濃度: 44%、
• MB投与後MetHb濃度: 29%、チアノーゼ 改善
MB2、3回投与後MetHb濃度: 6%、
その後の36時間でチアノーゼを発症、
MetHb濃度: 14.8%
4回目投与でチアノーゼ消失、MetHb濃度:
1.8%に低下
5.3.5.2-262
c: 体重60 kgと想定した換算値
* : O2, 酸素吸入; IB, 気管挿管; VL, 人工呼吸; AA, アスコルビン酸及びビタミンC; AC, 活性炭; TF, 輸血;
GL, 胃洗浄; other, その他
表 2.7.3.3.3-12 ダプソン投与 MetHb 血症患者における MB の治療効果 (続き)
No. 年齢/性別 投与量及び併用治療* 有効性 添付資料番号
6 3歳男児
• 初回: 2 mg/kg(30 mL、0.1%)
12分かけて
2回目: 20 mL(0.1%)
• 併用治療: O2、AA
• MB投与前: 口唇、爪、舌、頬及び口蓋粘 膜の不快青色への変色、心拍数上昇、中心 性チアノーゼ
• MB初回投与後: 皮膚色ピンク色に変化、
心拍数低下
30分後チアノーゼ再発
MB2回目投与2日後: 粘膜が通常のピン ク色に回復
【心臓障害を引き起こす程重篤なチアノ ーゼ、Hb値と白血球数の変動発現】
5.3.5.2-265
7 3.5歳女児
• 初回: 1 mg/kg
5分かけて
2回目: 1 mg/kg
• 併用治療: O2、AC、
AA
• 当初MetHb濃度: 44.7%、チアノーゼ
• MB初回投与後: チアノーゼは改善したが
24時間で次第に悪化
MB 2回目投与後: チアノーゼ消失、続く
24時間でMetHb濃度上昇、チアノーゼ悪
化
治療せず退院後2~3日で回復、退院後3.5 週のMetHb濃度: 0.2%
【MetHb濃度上昇】
5.3.5.2-264
8 14歳女児
• 初回: 90 mg
その後48時間の間に
計約8 mg/kgを7回 に分けて投与
• 併用治療: VL、GL、
AC、O2、TF
• 当初MetHb濃度: 55%以上、意識低下、激
越、床を転がる、灰色がかったチアノーゼ 様の皮膚、頻脈、大発作
• MB投与1時間後MetHb濃度: 5.9%
MBの反復投与によりMetHb濃度と状態 が安定した。4~5日かけてMetHb濃度は 低下
【MetHb濃度上昇、血漿ビリルビン及び 乳酸脱水素酵素上昇、黄疸、溶血発現】
5.3.5.2-261
9 15歳女児
• 初回: 150 mgを3回 に分けて投与 以後0.1 mg/kg/hで持 続投与
• 併用治療: IB、VL、
AA、O2、GL、AC、
other
• 当初MetHb濃度: 46.8%
• MB投与後MetHb濃度: 9.9%
入院10時間後に18.7%まで上昇 併用治療によりMetHb濃度低下 入院後72時間でMetHb濃度は6.3%とな った
【MetHb濃度再上昇、貧血、網状赤血球 増加症発現】
5.3.5.2-259
10 18歳女性
• 1.7 mg/kg c(100 mg)
• 併用治療: O2、GL、
AC、other
• 当初MetHb濃度: 37%、頭痛、めまい、息
切れ、胸痛、動悸、重度の呼吸困難、チア ノーゼ、妄想、及び洞性頻脈
• MB投与4時間後MetHb濃度: 8.7%、その 後20時間後に17%、37時間後に24.8%に 上昇した後は徐々に低下。症状消失、7日 後に回復
【MetHb濃度上昇】
5.3.5.2-152
11 19歳男性
• 1.7 mg/kg c(100 mg、
2%、5 mL)4回/日 × 3日
• 併用治療: other
• 当初MetHb濃度: 51.5%
• MB投与3日目MetHb濃度: 11.5%
投与終了5日後MetHb濃度: 0.9%
【ビリルビン値上昇、LDH上昇】
5.3.5.2-140
c: 体重60 kgと想定した換算値
* : O2, 酸素吸入; IB, 気管挿管; VL, 人工呼吸; AA, アスコルビン酸及びビタミンC; AC, 活性炭; TF, 輸血;
GL, 胃洗浄; other, その他
表 2.7.3.3.3-12 ダプソン投与 MetHb 血症患者における MB の治療効果 (続き)
No. 年齢/性別 投与量及び併用治療* 有効性 添付資料番号
12 22歳男性
• 1.5 mg/kg(100 mg)×
5回(1日目に3回、
2日目に1回、及び3 日目に1回)
• 併用治療: なし
• 当初MetHb濃度: 41.5%、皮膚、口唇、舌 のチアノーゼ
• MB投与後: MetHb濃度低下
2回のMB投与後: 2日目には30%以上、3
日目には15%以上に上昇。その後6日目
に10%以下、14日目に回復。チアノーゼ
は最初の3回のMB投与で消失、3回目投 与の翌日再発、その後頭痛及び悪心を伴い 10日間継続。
【チアノーゼ持続、スルホへモグロビン血 症、溶血性貧血発現】
5.3.5.2-159
13 24歳男性
• 初回: 1.7 mg/kg c
(100 mg)
15分かけて
2回目: 1.7 mg/kg c
(100 mg)
その後7.5~10 mg/h で43時間持続注入
• 併用治療: O2、AC
• 当初MetHb濃度: 40.8%、頭痛、並びに中 心性及び末梢性チアノーゼ
• MB初回投与2時間後MetHb濃度: 10%、
チアノーゼ改善。初回投与日の夜、幻覚。
翌日チアノーゼ悪化、頭痛及び激越、
MetHb濃度は34%に上昇
2回目投与MetHb濃度: 14.4%、激越消失、
その後MetHb濃度を10%未満に維持する
ように用量設定して持続注入を行い、持続
注入終了4時間後にMetHb濃度の上昇な
し、16日後には正常化
【網状赤血球増加、MetHb濃度上昇、ハ インツ小体溶血性貧血及び溶血発現】
5.3.5.2-156
14 24歳男性 • 2 mg/kg
• 併用治療: O2、GL
• 当初MetHb濃度: 24.9%、チアノーゼ
• MB投与翌日MetHb濃度: 2.6%
チアノーゼ消失 2日後MetHb濃度: 1.4%
3日後MetHb濃度: 0.2%
5.3.5.2-146
15 25歳女性
• 初回: 2 mg/kg 2回目: 用量不明 その後0.1 mg/kg/hで 持続投与(5日間)
• 併用治療: AC、O2、 TF、other
• 当初MetHb濃度: 30%
• MB初回投与12時間後MetHb濃度: 34%
2回目投与及び持続投与24時間後MetHb 濃度: 1.7%
3日目MetHb濃度: <1%
5.3.5.2-145
16 25歳女性
• 2 mg/kg 10分かけて投与
• 併用治療: O2、other
• 当初MetHb濃度: 20%、不穏、乱暴、著明
な中心性チアノーゼ、洞察欠如、及び幻聴
• MB投与6時間後: チアノーゼ以外は回 復、精神病的症状消失
5.3.5.2-153
17 27歳女性
• 2 mg/kg 10分かけて投与
• 併用治療: O2、other
• 当初MetHb濃度: 56%、チアノーゼ、不穏
• MB投与3日後MetHb濃度: 約30%、7日
後に約20%、9日後に約10%。投与後6
時間でチアノーゼ以外は回復
5.3.5.2-153
18 28歳男性
• 初回: 2 mg/kg 以後2 mg/kg(1%)
を6~8時間ごとに3 日間、その後0.1 mg/kg/h(0.05%)で 持続注入
• 併用治療: AC、TF、
other
• 当初MetHb濃度: 不明
• MB初回投与後: 低酸素症の症状は消失し
たが、MetHb血症が再発、MetHb濃度は 30%超
MBの間欠的投与後: MetHb濃度は一時的 に低下するにとどまった
持続注入後MetHb濃度: 5~10%
5.3.5.2-158
c: 体重60 kgと想定した換算値
* : O2, 酸素吸入; IB, 気管挿管; VL, 人工呼吸; AA, アスコルビン酸及びビタミンC; AC, 活性炭; TF, 輸血;
GL, 胃洗浄; other, その他
表 2.7.3.3.3-12 ダプソン投与 MetHb 血症患者における MB の治療効果 (続き)
No. 年齢/性別 投与量及び併用治療* 有効性 添付資料番号
19 29歳男性
• 初回: 4.2 mg/kg c
(250 mg)2回に分け てbolus投与 2回目: 2.5 mg/kg c
(150 mg)をbolus 投与
以降2回bolus投与
(用量不明)
その後7 mg/h→
3 mg/h
計7日間持続投与を 行った。
• 併用治療: AA、TF
• 当初MetHb濃度: 36%、倦怠感、疲労、動
作時息切れ、チアノーゼ、錯乱、妄想
• MB初回投与後MetHb濃度: 2.3%、症状変
化なし20時間後に28%に上昇。
2回目投与投与後MetHb濃度: 6.7%、錯乱 及び激越継続、12時間後に39%、その後 45%に上昇。2回のbolus投与で有意な効 果なし
7 mg/hの持続注入で10~12%に低下し、
症状の改善が認められた。退院時には 1.3%であった。
【Hb低下、溶血、溶血性貧血発現】
5.3.5.2-147
20 29歳女性
• 初回: 1.1 mg/kg c
(65 mg)
2回目: 1.1 mg/kg c
(65 mg)
3回目: 2.2 mg/kg c
(130 mg)
4回目: 1.1 mg/kg c
(65 mg)
5回目: 1.1 mg/kg c
(65 mg)
6回目: 1.1 mg/kg c
(65 mg)
全用量は 7.7 mg/kg c
• 併用治療: AC、O2
• 当初MetHb濃度: 21.7%
• MB初回投与30分後MetHb濃度: 10.1%、
ダプソン摂取の5.5時間後には25.1%、息 切れ及び血清二酸化炭素異常
2回目投与14時間後MetHb濃度: 43.2%
3回目投与16.5時間後MetHb濃度: 15.9%、
21、36、55.5時間後には約30%、4、5、6 回目投与を行い、約16%となった。
6回目投与後MetHb濃度: 20%以内
【MetHb濃度上昇、溶血性貧血発現】
5.3.5.2-155
21 30歳男性
• 1.7 mg/kg c(100 mg)
bolus投与 0.125 mg/kg/h、
20時間後以降 0.0625 mg/kg/hで持 続投与
• 併用治療: AC、AA、
other
• 当初MetHb濃度: 48%、傾眠
• MB投与20時間後MetHb濃度: 8.5%、傾 眠減弱
5.3.5.2-150
22 33歳女性 • 1 mg/kg
• 併用治療: O2
• 当初MetHb濃度: 22.9%、息切れ、チアノ ーゼ、頭痛、及び洞性頻脈
• MB投与後: 回復
5.3.5.2-141
23 34歳男性
• 1 mg/kg
6時間ごとに3回 以降0.1 mg/kg/hを持 続投与
• 併用治療: O2、AC、
TF
• 当初MetHb濃度: 29.7%
• MBの各回投与数時間後MetHb濃度:
29%、31%、28%に再度上昇。持続静注を することにより改善。
【MetHb濃度上昇、溶血性貧血発現】
5.3.5.2-149
24 34歳男性
• 1 mg/kg(60 mg)
• 併用治療: O2、AC、
TF
• 当初MetHb濃度: 33%
• MB投与1時間後MetHb濃度: 9.7%
【溶血性貧血発現】
5.3.5.2-149
25 45歳女性
• 3 mg/kg 90分かけて投与
• 併用治療: AA
• 当初MetHb濃度: 40%
MB投与終了時MetHb濃度: 12%、1時間
後には8%に低下、翌朝18%に上昇。その
後正常値まで回復。
【MetHb濃度上昇、網状赤血球増加、ヘ マトクリット減少、脾触知】
5.3.5.2-160
c: 体重60 kgと想定した換算値
* : O2, 酸素吸入; IB, 気管挿管; VL, 人工呼吸; AA, アスコルビン酸及びビタミンC; AC, 活性炭; TF, 輸血;
GL, 胃洗浄; other, その他
表 2.7.3.3.3-12 ダプソン投与 MetHb 血症患者における MB の治療効果 (続き)
No. 年齢/性別 投与量及び併用治療* 有効性 添付資料番号
26 52歳男性 • 1 mg/kg
• 併用治療: O2
• 当初MetHb濃度: 10.4%、意識レベル低下 及び呼吸数増加
• MB投与15分後: 呼吸困難及び意識レベ ル回復
MB投与翌日MetHb濃度: 2.7%
5.3.5.2-142
27 53歳男性 • 1 mg/kg
• 併用治療: O2
• 当初MetHb濃度: 9.2%、呼吸困難、頻呼吸、
及び低酸素症
• MB投与後: 酸素化及び呼吸状態改善
5.3.5.2-138
28 60歳女性
• 1 mg/kg(50 mg、1%)
• 併用治療: IB、O2、 other
• 当初MetHb濃度: 10.6%
• MB投与10分後MetHb濃度: 8.7%、20分 後に3.3%、30分後に4.0%、40分後に 4.4%
5.3.5.2-154
29 66歳男性
• 1 mg/kg
10分かけて投与× 3 回
• 併用治療: なし
• 当初MetHb濃度: 17.5%、安静時疼痛、著 明な呼吸困難、及び中心性チアノーゼ
• MB投与後MetHb濃度: <1.5%、症状改善、
チアノーゼ消失
5.3.5.2-144
30 68歳女性
• 1 mg/kg 3分かけて投与
• 併用治療: VL、AA、
O2、IB、TF
• 当初MetHb濃度: 18.3%
• AA投与後MetHb濃度: 11.2%
• MB投与後MetHb濃度: 4.3%に低下し、最
終的に2 3%となった。
【副腎卒中発現】
5.3.5.2-139
31 69歳女性
• 1 mg/kg c(60 mg)× 2 回
• 併用治療: O2、AC
• 当初MetHb濃度: 15.9%、呼吸困難及び酸 素脱飽和、チアノーゼなし
• MB投与20分後MetHb濃度: 2%
MetHb濃度が4.8%に上昇
6時間後の2回目投与後MetHb濃度:
2.4%、2回目投与7 5時間後に4.2%。続く
3日間は2%から4%の範囲にあり、4日目
までに正常値に回復した。
【MetHb濃度上昇】
5.3.5.2-148
32 71歳女性
• 初回: 0.8 mg/kg c
(5 mL、1%)
その後: 0.8 mg/kg c
(5 mL、1%)ずつ × 4回
• 併用治療: TF
• 当初MetHb濃度: 6.5%
• MB初回投与後MetHb濃度: 4.3%
投与終了後MetHb濃度: 1.9%
【二波長指数の急激な減少、血圧上昇】
5.3.5.2-143
33 72歳男性 • 1 mg/kg
• 併用治療: IB、O2
• 当初MetHb濃度: 88%
• MB投与25分後にSpO2: 98% 5.3.5.2-151
c: 体重60 kgと想定した換算値
* : O2, 酸素吸入; IB, 気管挿管; VL, 人工呼吸; AA, アスコルビン酸及びビタミンC; AC, 活性炭; TF, 輸血;
GL, 胃洗浄; other, その他