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号 5.3.2.2-004)

治療前と治療 2 日後の末梢赤血球の形態も類似していた。

また、 MB を投与された患児は、平均 4.8 回(範囲 2~8 回)の輸血を受けており、MB を投 与されなかった新生児の平均 2.3 回(範囲 0~7 回)に比べて多かった。

なお、 NICU 治療を受けた新生児の MetHb 血症の原因は複数あると考えられたが、保育器内 の加湿のために添加したクロルヘキシジンが分解して生じた微量のパラクロロアニリンの経 皮吸収及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(nicotinamide adenine dinucleotide: NADH)

リダクターゼ濃度レベルが新生児では低いことが主な原因と考察した。

*

:

具体的な投与人数、一人当たりの投与回数は不明

表 2.7.3.2.2-2 早産新生児への MB の投与量と MetHb 減少率

平均MetHb濃度(範囲)%

Dose (mg/kg bw)

(投与回数 n) before after % reduction 1.0~1.6 (n = 11) 23.2 ( 9.9~45.5) 7.2 (0.6~25) 69 (11~94) 0.1~0.2 (n = 7) 27.3 (12.7~34) 16.0 (4.5~28.7) 43 (12~65) 0.3~0.9 (n = 10) 22.3 (14.6~29.6) 7.3 (1.3~19.1) 69 (33~93)

2.2.2.2.3 妊婦及び胎児の MetHb 血症(原因: プリロカイン)への MB 投与(添付資料番

号 5.3.5.2-018)

【方法】

30 名の妊婦を 1 群 10 名の 3 群に分け、全員に分娩の際に硬膜外鎮痛剤として 300~1200 mg のプリロカインを単回又は間欠静脈内投与した。10 名には MetHb 血症に対する MB の治療効 果を調べるために、プリロカインの投与開始後(平均麻酔時間 212 分)、分娩直前に 2 mg/kg の MB を静脈内投与した。 MB 投与直前の母体の静脈血、出産時の母体の静脈血、臍帯静脈血、

及び動脈血を用いて MetHb 濃度を測定した。別の 2 群には MetHb 血症に対する MB 又はアス

コルビン酸の予防効果を調べるために、プリロカインの投与開始と同時に 2 mg/kg の MB 又は

1000 mg のアスコルビン酸をそれぞれ静脈内投与した。これらの群では出産時の母体の静脈血、

臍帯静脈血、及び動脈血を用いて MetHb 濃度を測定した。

【結果】

プリロカイン投与後の分娩直前に MB を投与した群では、母親及びその臍帯静脈血及び動脈

血の平均 MetHb 濃度は消失した。また、プリロカイン投与開始と同時に MB を投与した群で

も、母体並びにその臍帯静脈血及び動脈血の MetHb 濃度は低下した。

2.2.3 レトロスペクティブ研究

MetHb 血症に対する MB の有効性を評価したレトロスペクティブな文献が 2 報あった。そ

れらの概要を以下に記載する。

2.2.3.1 MetHb 血症(原因: 局所麻酔薬)への MB 投与(添付資料番号 5.3.5.2-007)

【方法】

米国メイヨークリニックで 1999~2006 年に経食道心エコー検査(transoesophageal

echocardiography: TEE)を実施した患者 28478 名のうち、 MetHb 血症を発症した患者 19 名(男 性 10 名/女性 9 名、平均年齢[標準偏差]: 62.8[16.0]歳

*

)を対象とした。診療記録、心エ コー検査、及び調剤のデータベースをレビューした。なお、TEE を受けた患者を無作為に 190 名を選び、コントロール群とした。

*: 具体的な年齢範囲は不明

【結果】

対象とした 19 名は TEE の前処置として 20%ベンゾカインスプレーを投与されており(投与 量の記録なし)、そのうち 17 名は 2%の粘性リドカインも同時に投与された。 19 名はチアノー ゼを呈し、またパルスオキシメーターの示す血液酸素飽和度(percutaneous oxygen saturation:

SpO

2

)が低値であり、動脈血ガスサンプリングの結果から MetHb 血症と診断された。19 名の MetHb 濃度の平均(標準偏差)は 32(15)%であった。 19 名中 18 名には 0.7~2 mg/kg の用量 で MB が静脈内投与された。このうち、 2 名には最初に 50 mg の MB が静脈内投与され、追加 投与も実施された。

MB 投与後、18 名の症状は投与 1 時間後に回復し、特に 20~30 分の間に回復した患者が多 かった。MB が投与されなかった 1 名は、対症療法のみで一晩で回復した。

2.2.3.2 MetHb 血症(原因: ダプソン)への MB 投与(添付資料番号 5.3.5.2-008)

【方法】

韓国 Wonju Christian 病院で 2003~2008 年に救急搬送されたダプソン中毒による MetHb 血症 患者 46 名(男性 14 名/女性 32 名、21~93 歳)を対象として、診療記録をレトロスペクティ ブに研究した。対象患者は 55 歳以下の若年者群と 56 歳以上の高齢者群の 2 群に分けて統計学 的に比較した。

【結果】

46 名中 MB 投与前に死亡した 1 名を除き、45 名に MB(投与量不明)が 1 日 2 回静脈内投 与された。MB が投与された 45 名のうち、37 名は回復したが、8 名は死亡した。MB の総投 与量は若年者群及び高齢者群、並びに生存者群及び死亡者群間で大きな差はなかったが、ダプ ソンを摂取してから緊急治療部に到着するまでの時間が、生存者群に比較して死亡者群で長か った。また、死亡者群では生存者群に比べて入院 9 日目の MetHb 濃度が有意に高かった。ほ とんどの症例で MetHb 血症に続いて溶血が発現した。この溶血は、MB の存在で形成された

MetHb の酸化ストレスが原因で起こると考察していた。

2.2.4 レビュー文献

薬剤誘発性を含む後天性 MetHb 血症に対する MB の有効性に関するレビュー文献が 5 報あ った。それらの概要を以下に記載する。

2.2.4.1 MetHb 血症(原因: レクリエーショナルドラッグ)への MB 投与(添付資料番号

5.3.5.2-009)

【方法】

レクリエーショナルドラッグ(揮発性亜硝酸塩、コカイン等)の使用によって発症した MetHb 血症に関する症例報告の中で、MB の静脈内投与による有効性の記載についてまとめた。

Medline、EMBASE、CINAHL、及び Psychinfo の 4 データベース(検索期間については記載 なし)をもとに、 「methaemoglobinaemia OR methemoglobinemia AND nitrites OR isobutyl nitrite OR butyl nitrite OR amyl nitrite OR cocaine OR recreational drugs」をキーワードとして文献を検索し た。なお、検索結果から、フルテキストが得られなかった文献と重複した症例を除外した。

【結果】

検索の結果、レクリエーショナルドラッグに関連した MetHb 血症に関する文献 29 報を同定 した。うち 25 報は揮発性亜硝酸塩の使用に関する文献、4 報はコカインの使用に関する文献 であった。揮発性亜硝酸塩使用に関する文献では、生存例 20 名及び死亡例 3 名について詳細 の記述が認められた。コカイン使用に関する文献では、4 名(コカイン中の混合物であるフェ ナセチン又は局所麻酔剤によって MetHb 血症を発症した 3 名及び原因物質が未確認の 1 名)

の症例報告が得られた。揮発性亜硝酸塩に起因した MetHb 血症患者 23 名中、19 名(男性 13 名/女性 6 名、2~48 歳、MetHb 濃度 17.8~94%)に MB が投与された。なお、19 名のうち 10 名は MB の投与量が 1~2 mg/kg であった。FDA のガイドライン

1

に従って、成人の体重を 60 kg と仮定して算出した換算値(以下、 「mg/kg

c

」値)が 1~2 mg/kg

c

であった例を含めると 13 名に 1~2 mg/kg の MB が投与され、 6 名は MB の投与量が不明又は「mg/kg

c

」値が 1~2 mg/kg 以外であった。MB を投与された 19 名のうち、18 名は生存し、1 名は蘇生の段階で MB を 20 mg(0.3 mg/kg

c

)投与されたが死亡した。生存した 18 名の症例報告を表 2.7.3.2.2-3 に示す。

MB 投与時の併用療法として、人工呼吸及び酸素吸入が行われていた。コカイン使用による

MetHb 血症患者 4 名のうち、 MB を投与したのは 3 名(男性 2 名/女性 1 名、 24~34 歳、 MetHb

濃度 24~37%)で、2 名が MB 投与後回復し、1 名は死亡した。

表 2.7.3.2.2-3 揮発性亜硝酸塩で MetHb 血症を発症し、生存した患者の症例報告

症例報告 年齢 投与前

MetHb濃度 MB投与量 併用療法

Wason et al. (1980) 36歳/男性 48% 3.3 mg/kgc(20 mL, 1%) -

Shesser et al. (1981) 16歳/男性 不明 1.2 mg/kgc(70 mg) -

Guss et al. (1985) 21歳/男性 37% 1 mg/kg -

Forsyth &Moulden (1991) 2歳/女性 43% 1 mg/kg -

Sobey&Campbell (1992) 37歳/男性 17.8% 1 mg/kg(80 mg) -

Sutton&Jeffrey (1992) 29歳/男性 61% 1.7 mg/kgc(100 mg) -

Dudley&Solomon (1993) 20歳/男性 30% 不明 -

Machabert et al. (1994) 21歳/男性 41.6% 0.8 mg/kgc(50 mg) -

Edwards&Ujima (1995) 44歳/男性 94% 1 mg/kg IB

VL Stambach et al. (1997) 20代前半

/女性 83% 2 mg/kg -

Modarai et al (2002) 32歳/女性 59.9% 1.5 mg/kg -

Modarai et al (2002) 28歳/男性 63.3% 2 mg/kg -

Jansen et al (2003) 18歳/男性 85% 不明 O2

Lin et al.(2005) 31歳/男性 52.2% 2 mg/kg -

Beneteau-Burnat et al.

(2005) 44歳/男性 38.7% 2 mg/kg -

Lindermann et al. (2006) 35歳/女性 75% 不明 O2

Ranchon et al. (2008) 48歳/男性 34% 1.7 mg/kgc(100 mg) -

Gentry Wilkerson (2010) 19歳/女性 72% 1.5 mg/kg -

c : 体重60 kgと想定した換算値

* : O2, 高圧酸素療法; IB, 気管挿管; VL, 人工呼吸

-; 原資料中に併用療法の記載なし

2.2.4.2 MetHb 血症(原因: 職場環境にある化学物質)への MB 投与(添付資料番号

5.3.5.2-010)

【方法】

職場環境にある化学物質によって発症した MetHb 血症に関する症例報告の中で、MB の静 脈内投与による有効性の記載についてまとめた。 Medline、 Toxline、 OSH-Rom の 3 つのデータ ベース(1964~2002 年)をもとに、「methaemoglobinemia」、「methemoglobinemia」、「chemical cyanosis」をキーワードとして文献を検索した。また National Poisons Information Service の蔵書 からも関連する文献を検索した。

【結果】

MetHb 血症に関する症例報告は 603 名であった。そのうち 278 名に MB が経口又は静脈内

投与された。MB 投与に関する情報が記載された 136 名のうち、133 名には MB が静脈内投与

された。静脈内投与された 133 名のうち 14 名の症例報告には静脈内投与の投与量が記載され

ており、その投与量は 1~4 mg/kg であった。残る 119 名については、著者が体重 70 kg と仮定

して計算しており約 0.6~7.14 mg/kg であった。MetHb 濃度の経過、回復期間等の記載はなか

ったが、MB を投与されたすべての患者で死亡はなかった。

20 名の症例報告には MB 投与前の MetHb 濃度が記載されており、20 名中 19 名の濃度は 8

~78%(うち 2 名は「20%未満」)の範囲であり、残る 1 名は「65%を超える」との記載であっ た。

MB を静脈内投与された 133 名のうち、 66 名にシアノコバラミンが、8 名にアスコルビン酸 及びチオ硫酸ナトリウムが、7 名にアスコルビン酸が併用投与された。

なお、MetHb 血症の原因はアニリン系物質、ニトロベンゼン系物質、及び他のベンゼン系 化合物等の曝露であった。

2.2.4.3 MetHb 血症(原因: 局所麻酔剤)への MB 投与(添付資料番号 5.3.5.2-011)

【方法】

局所麻酔剤使用によって発症した MetHb 血症に関する症例報告の中で、MB の静脈内投与 による有効性の記載についてまとめた。

PubMed に掲載された医学文献(1949~2007 年)をもとに、「methemoglobinemia」、「local anesthetic」をキーワードとして関連文献を検索した。

MetHb 血症の徴候及び症状をまとめるために、局所麻酔剤の累積投与量がリドカインの

10 mg/kg に相当する量より高用量であった症例を除外した(ベンゾカインはすべて含めた)。

また、先天性 MetHb 血症例、グルコース 6 リン酸脱水素酵素(Glucose-6-phosphate dehydrogenase:

G6PD)欠損症の症例、局所麻酔剤との関連が明らかでない症例、症状が疑わしい症例、英語 又はフランス語以外で書かれた症例、麻薬に混入した局所麻酔から発症した症例、傍子宮頚管 ブロック麻酔から発症した新生児の症例を除外した。

【結果】

MetHb 血症に関する症例報告は、233 名 242 件(18 歳未満 80 件、18 歳以上 152 件、妊婦 8 件、記載なし 2 件)であった。155 件に MB が静脈内投与され、2 件にチオニン、8 件にアス コルビン酸、14 件に MB の静脈内投与並びにアスコルビン酸が投与された。53 件には治療は 行われず、10 件については具体的な治療の記載がなかった。

MB の初回投与量は 0.5~5.5 mg/kg、累積投与量は 0.6~9.4 mg/kg であった。MetHb 濃度が

2.0%以下になるまでに要した時間は、無治療群で 15~36 時間であったのに対し、MB 又はチ

オニン治療群(アスコルビン酸併用例含む)で 0.33~36.2 時間であった。また、チアノーゼが 消失するまでに要した時間は、無治療群では 2~19.8 時間あったのに対して、MB 又はチオニ ン治療群では 0.25~9 時間であった。

2.2.4.4 MetHb 血症(原因: 局所麻酔薬)への MB 投与(添付資料番号 5.3.5.2-012)

【方法】

気管支鏡検査時に使用した局所麻酔薬によって発症した MetHb 血症に関する症例報告の中 で、MB の静脈内投与による有効性の記載についてまとめた。

PubMed、Cochrane Database、CINAHL、Medical Subject Headings database (MeSH)をもとに検

索(キーワード不明)し 1977~2013 年までの文献をレビューした。英語以外で公表された文

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