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2.7.1 生物薬剤学及び関連する分析法の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー静注 50 mg 第一三共 目次 1. 背景及び概観 個々の試験結果の要約 陽イオン交換クロマトグラフィーとタンデム質量分析を組み合わせたメチレンブルー 定量法 ( 添付資料番号

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目次

1. 背景及び概観...4 2. 個々の試験結果の要約 ...4 2.1 陽イオン交換クロマトグラフィーとタンデム質量分析を組み合わせたメチレンブルー 定量法(添付資料番号 5.3.1.4-001) ... 4 2.2 メチレンブルー及びロイコメチレンブルー測定の紫外吸光光度法(添付資料番号 5.3.1.4-002)... 5 3. 全試験を通しての結果の比較と解析 ...8 4. 付録 ...8

(2)

略語一覧

略語 略していない表現(英) 略していない表現(日)

CO carbon monooxide 一酸化炭素

COHb carboxyhemoglobin カルボキシヘモグロビン

EMA European Medicines Agency 欧州医薬品庁

ESI electrospray ionisation エレクトロスプレーイオン化

HHb deoxyhemoglobin 還元ヘモグロビン

MB methylene blue メチレンブルー

MetHb methemoglobin メトヘモグロビン

MS/MS tandem mass spectrometry タンデム質量分析

NO nitric oxide 一酸化窒素

O2Hb oxyhemoglobin 酸化ヘモグロビン

SaO2 arterial oxygen saturation 動脈血酸素飽和度

SpO2 oxygen saturation by pulse oximetry 動脈血酸素飽和度(近似値)

(3)
(4)

1.

背景及び概観

DS-2207b 製剤は原薬を注射用水に溶解した静脈内投与用の注射剤であるため、生物薬剤学 に係る試験は実施していない。分析法については、本邦で新たな検討は実施しなかったが、公 表文献から MB 及びロイコメチレンブルー(leucomethyleneblue: LMB)に係る文献 2 報を本項 に示す。

2.

個々の試験結果の要約

2.1

陽イオン交換クロマトグラフィーとタンデム質量分析を組み合わせたメチ

レンブルー定量法(添付資料番号

5.3.1.4-001

全血、紙スポット(乾燥全血)、及び血漿という 3 種の生体基質中の MB の定量について、 タンデム質量分析を組み合わせた陽イオン交換クロマトグラフィーを用いて検討した。 【方法】 検討対象とした生体基質のうち、全血と血漿は健康人より採取した。EDTA 添加の全血サン プルは、採血後直ちに凍結し、−20°C で保管した。ヘパリン添加の血液サンプルは、採血後直 ちに遠心分離し、分離した血漿サンプルを−20°C で保管した。紙スポットのサンプルは、小児 マラリア患者の全血(100 μL)をろ紙上にスポットし、乾燥させて室温で暗所に保管した。

これら 3 種の生体基質中の MB を、エレクトロスプレーイオン化(electrospray ionisation: ESI) タンデム質量分析(tandem mass spectrometry: MS/MS)を組み合わせたタンパク沈殿陽イオン 交換クロマトグラフィーで定量分析した。また、本分析法のバリデーションは FDA の基準1) に基づき 3 バッチを用いて実施した。 全血及び血漿に対しては、アセトニトリルとトリフルオロ酢酸を用いた酸性タンパク沈殿法 を用いて MB を抽出した。紙スポットからの MB の抽出にはアセトニトリル水溶液を用いた。 サンプル抽出物は酢酸アンモニウム水溶液/アセトニトリルグラジエントを用いた混合モー ドカラム(陽イオン交換/逆相)のクロマトグラフで分離した。MB は ESI を用いた選択的反 応モニタモード中で MS/MS を用いて定量化し、内部標準にはメチレンバイオレット 3RAX を 用いた。 【結果】 バリデーションの結果を表 2.7.1.2.1-1に示す。各バッチ間の真度は全血、血漿、及び紙スポ ットでそれぞれ−4.5~+6.6%、−3.7~+7.5%、及び−5.8~+11.1%の範囲であった。全血及び血漿 で 250 μL、紙スポットで 100 μL のサンプル量で、本分析法の測定値は少なくとも 75~ 10000 ng/mL の間で線形であり、定量下限濃度はすべての基質で 75 ng/mL であった。対応する 精度は、変動係数が 3.8~11.8%の範囲であった。

(5)

表 2.7.1.2.1-1 3 種の異なる生体基質での MB 濃度測定のバリデーション結果

2.2

メチレンブルー及びロイコメチレンブルー測定の紫外吸光光度法(添付資料

番号

5.3.1.4-002

ヒトの尿中に含まれている LMB は、ある種の塩、複合体、又は結合型として安定化してい るため、尿中の MB と LMB を測定することが可能である。今回、全血、組織、並びに尿中の MB(未変化体)及び LMB を測定する紫外吸光光度法について検討した。 【方法】 ヒト全血、ヒト尿、及びラット組織の検体を、以下の方法で測定した。 1) ヒト全血: 全血サンプル 5 mL を遠心分離管(15 mL)に入れ、塩化ナトリウム 400~ 600 mg を加えて混合した。さらに 1, 2-ジクロロエタン 7 mL を加えて混合後、2500 rpm で 15 分間遠心分離した。上部の血液層を除去後、1, 2-ジクロロエタン抽出液を採取し、 その吸光度を 660 nm で測定した。 2) ヒト尿 i) 未変化体(MB)量の測定: 尿サンプル 5 mL を塩化ナトリウム(300 mg)を含む遠 心分離管に入れ、さらに 1, 2-ジクロロエタン 7 mL を加えて混合後、2000 rpm で 10 分間遠心分離した。上部の尿層を除去後、1, 2-ジクロロエタン抽出液の吸光度を 660 nm で測定した。 ii) 尿中総量(未変化体の MB 及び安定化 LMB)の測定: 遠心分離管に尿サンプル 5 mL を入れ、塩化ナトリウム 300 mg 及び 5N 塩酸 0.1 mL を加えて混合した後、2~3 分 間湯浴し、その後放冷した。さらに、1, 2-ジクロロエタン 7 mL を加えて混合後、 2000 rpm で 10 分間遠心分離し、分光光度法にて 660 nm で測定した。

iii) 安定化 LMB として尿中に排泄された MB 量は、ii)と i)の差から算出した。 3) ラット組織: MB 濃度を測定したい器官(組織)をラットから採取し、重量を測定した

(6)

20000 rpm、0~5°C で 1 時間遠心分離した。上清の 5 mL に塩化ナトリウム 600 mg と 1, 2-ジクロロエタン 7 mL を加えて混合後、2000 rpm で 10 分間遠心分離し、1, 2-ジクロ ロエタン抽出液の吸光度を 660 nm で測定した。また、ホモジネートの遠心分離 (20000 rpm)で生じたプラグについても 0.1N 塩酸を用いて再ホモジナイズした。この 再ホモジネートから得られた上清も 660 nm で測定した。 組織内に取り込まれた MB 量は以下の式を用いて算出した。 取り込まれた MB の総量 = 上清中の MB 量 + プラグ中の MB 量 【結果】 ヒト全血及びヒト尿を紫外吸光光度法で測定したときの吸光度と MB 濃度の関係を図 2.7.1.2.2-1及び図 2.7.1.2.2-2に示す。 全血、尿及び組織中の MB の定量感度は、いずれも 0.02 μg/mL であった。 図 2.7.1.2.2-1 ヒト全血での吸光度と MB 濃度との関係

(7)
(8)

3.

全試験を通しての結果の比較と解析

血液や尿の生体試料中 MB 濃度の測定には、2.7.1.2.2の DiSanto AR 1972(5.3.1.4-002)らの 報告や2.7.2.2.2.2の尿サンプルの測定に用いられているように、従来、吸光光度法や分光光度 法が使用されていた。現在では、2.7.1.2.1の Burhenne J 2008(5.3.1.4-001)らの報告並びに 2.7.2.2.1及び2.7.2.2.2.1で記載したとおり LC/MS/MS 法が用いられており、これらの測定法は、 FDA の基準1)に従ってバリデーションが実施されている。

4.

付録

該当なし

(9)

目次

1. 背景及び概観...4 1.1 ヒト生体試料を用いた in vitro 試験... 4 1.2 健康被験者における薬物動態 ... 5 2. 個々の試験結果の要約 ...5 2.1 ヒト生体試料を用いた in vitro 試験... 5 2.1.1 血漿タンパク結合試験(添付資料番号 5.3.2.1-001)... 5 2.1.2 ヒトのチトクローム P450 に対する阻害作用(添付資料番号 5.3.2.2-001)... 6 2.1.3 ヒト肝細胞を用いたチトクロム P450 酵素誘導(添付資料番号 5.3.2.2-001)... 7 2.1.4 ヒトのモノアミン酸化酵素に対する阻害作用(添付資料番号 5.3.2.2-002) ... 9 2.1.5 ヒト血小板でのセロトニン放出作用(添付資料番号 5.3.2.2-003)... 12 2.1.6 ヒト新鮮肝細胞を用いたメチレンブルーから Azure B へ代謝(添付資料番号 5.3.2.2-004) ... 15 2.1.7 グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損ヒト赤血球を用いたメトヘモグロビン産生 とメチレンブルーの効果... 16 2.1.8 種々の化学物質によるヒト赤血球でのメトヘモグロビン産生とメチレンブルー の薬理作用... 18 2.1.9 ヒト生体試料を用いたその他の in vitro 試験 ... 20 2.2 健康被験者における薬物動態 ... 21 2.2.1 第 I 相試験(単回静脈内投与試験)(添付資料番号 5.3.3.1-001)... 21 2.2.2 第 I 相試験(単回静脈内投与試験)(添付資料番号 5.3.3.1-002)... 22 2.2.3 第 I 相試験(単回静脈内投与試験)(添付資料番号 5.3.3.1-003)... 23 3. 全試験を通しての結果の比較と解析 ...25 3.1 ヒト生体試料を用いた試験の結果 ... 25 3.2 メチレンブルーの薬物動態的特性 ... 26 3.3 内因性要因及び外因性要因の影響 ... 26 4. 付録 ...27

(10)

略語一覧

略語 略していない表現(英) 略していない表現(日)

ADP adenosine diphosphate アデノシン二リン酸

AUC area under the plasma concentration-time curve

血漿中濃度-時間曲線下面積 AUC0-inf area under the plasma concentration-time

curve up to infinity 無限大時間までの血漿中濃度-時間曲線下面

AUClast area under the plasma concentration-time

curve up to the last quantifiable time 定量可能な最終時点までの血漿中濃度-時間曲線下面積

Cmax maximum plasma concentration 最高血漿中濃度

CYP cytochrome P450 チトクロム P450

DFO Desferrioxamine, deferoxamin デスフェリオキサミン、デフェロキサミン

DMSO dimethyl sulfoxide ジメチルスルホキシド

ESI/MS/MS electrospray ionisation tandem mass

spectrometry エレクトロスプレーイオン化タンデム質量分

G6PD glucose-6-phosphate dehydrogenase グルコース-6-リン酸脱水素酵素

GSH reduced glutathione 還元型グルタチオン

Hb hemoglobin ヘモグロビン

HMPS hexose monophosphate shunt ヘキソース一リン酸経路

5-HT 5-hydroxytryptamine セロトニン

LMB leukomethylene blue ロイコメチレンブルー

MAO monoamine oxidase モノアミン酸化酵素

MAOI monoamine oxidase inhibitors モノアミン酸化酵素阻害薬

MB methylthioninium chloride, methylene blue メチルチオニニウム塩化物、メチレンブルー

mesna mercaptoethanesulfonate メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム

MetHb methemoglobin メトヘモグロビン

PMS phenazinemethosulfate フェナジンメトサルフェート

PRP platelet rich plasma 多血小板血漿

SSRI selective serotonin reuptake inhibitors 選択的セロトニン再取り込み阻害薬

t1/2 terminal elimination half-life 終末相の消失半減期

TLC thin layer chromatography 薄層クロマトグラフィー

tmax time to reach maximum plasma concentration 最高血漿中濃度到達時間

USAN United States Adopted Name 米国一般名

(11)
(12)

1.

背景及び概観

DS-2207b 製剤の臨床薬理を評価するにあたり、ヒト生体試料を用いた in vitro 試験として、 Provepharm 社が欧州での承認申請のために実施した血漿タンパク結合及びチトクロム P450 (cytochrome P450: CYP)の阻害・誘導に係る試験の成績を引用するとともに、公表文献から も情報を収集した。ヒトを対象とした臨床薬理試験は、本邦で健康成人を対象とする新たな臨 床試験は実施しなかったが、米国で実施された健康成人対象の第 I 相試験の成績及び公表文献 より評価した。

1.1

ヒト生体試料を用いた in vitro 試験

ヒト生体試料を用いた in vitro 試験に関して、本項で評価した試験の一覧を表 2.7.2.1.1-1に 示す。血漿タンパク結合とチトクロム P450(cytochrome P450: CYP)の阻害及び酵素誘導は、 Provepharm 社が実施した試験成績を、新鮮肝細胞を用いた MB の代謝は、第一三共株式会社 が実施した試験成績を用いて評価した。また、セロトニン(5-hydroxytryptamine: 5-HT)毒性 に関係するモノアミン酸化酵素(monoamine oxidase: MAO)の阻害及び血小板からの 5-HT 放 出メカニズムの検討、MB の効果発現に関係するグルコース-6-リン酸脱水素酵素

(glucose-6-phosphate dehydrogenase: G6PD)を欠損した赤血球での検討、並びにメトヘモグロ ビン(methemoglobin: MetHb)を産生する種々の化学物質に関する検討などについては公表文 献から情報を収集して評価した。

(13)

表 2.7.2.1.1-1 ヒト生体試料を用いた in vitro 試験の一覧 試験の種類 試験の内容 添付資料 番号 血漿タンパク結合 DS-2207b 製剤と MB USP 品のヒト血漿タンパク結 合率の測定 5.3.2.1-001 CYP の阻害及び酵素誘導 ヒトの CYP 分子種に対する DS-2207b 製剤と MB USP 品の阻害作用、及び酵素誘導の評価 5.3.2.2-001

MAO の阻害 MAO(MAO A 及び MAO B)に対する MB の阻害

作用の検討 5.3.2.2-002 血小板からの 5-HT 放出作用 血小板からの 5-HT 放出メカニズムの検討 5.3.2.2-003 新鮮肝細胞を用いた MB の代謝 ヒト新鮮肝細胞懸濁液に MB を添加したときの Azure B 生成量の測定 5.3.2.2-004 G6PD 欠損ヒト赤血球での MetHb 産生 と MB の効果 正常ヒト赤血球と G6PD 欠損ヒト赤血球での MetHb 産生と MB の効果の検討 5.3.2.3-001 正常ヒト赤血球、G6PD 欠損ヒト赤血球、及び両者 の混合物中の MetHb 還元の検討 5.3.2.3-002 種々の化学物質による MetHb 産生と MB の効果

一酸化窒素(nitric oxide: NO)による MetHb 産生と

MB の効果の検討 5.3.2.3-003 塩素酸塩による MetHb 産生と MB の効果の検討 5.3.2.3-004 塩素酸塩又は亜硝酸塩による MetHb 産生と MB の 効果の比較検討 5.3.2.3-005 デスフェリオキサミンによる MetHb 産生と MB の 効果の検討 5.3.2.3-006 MB による MetHb 産生、及び亜硝酸塩による MetHb 産生と MB の効果の検討 5.3.2.3-007 その他の薬理作用 MB による MetHb 還元に対する基質の影響の検討 5.3.2.3-008 MetHb 産生に対する一酸化炭素と MB の関係の検 討 5.3.2.3-009

1.2

健康被験者における薬物動態

ヒトでの薬物動態に関して、米国で実施された MB の第 I 相試験及び文献検索で得られた第 I 相試験(2 報)の成績で構成した。 • MB の 1 mg/kg 単回静脈内投与試験(米国で実施された第 I 相試験) • MB の 50 mg 単回静脈内投与と 500 mg 単回経口投与のクロスオーバー比較試験 • MB の 100 mg 単回静脈内投与と 100 mg 単回経口投与の無作為化試験

2.

個々の試験結果の要約

2.1

ヒト生体試料を用いた in vitro 試験

2.1.1

血漿タンパク結合試験(添付資料番号

5.3.2.1-001

平衡透析法を用いてメチルチオニニウム塩化物(methylthioninium chloride、USAN では methylene blue: 以下 MB と略す)の Proveblue(以下、DS-2207b 製剤と略す)と米国薬局方(United States Pharmacopeia: USP)品(濃度: 各 10 μM)のヒト血漿タンパク結合率を in vitro で測定し た。

(14)

【方法】 96 ウェル平衡透析装置(12-14 K MWCO 透析膜)を用いて、透析膜で隔離したウェルの一 方(透析液側)に 0.05M リン酸緩衝液 0.15 mL を、もう一方(試料側)に各被験化合物を添加 したヒト血漿 0.15 mL をそれぞれ加えた。その後、37°C で平衡に達するまでインキュベーシ ョンした。 18±2 時間のインキュベーション後、緩衝液側(透析液側)と血漿側(試料側)から同量ず つサンプリングし、HPLC-MS/MS の測定に供した。また、被験化合物を添加したヒト血漿サ ンプルを対照とした。 【結果】 血漿タンパク結合率の試験結果を表 2.7.2.2.1-1に示す。 DS-2207b 製剤及び USP 品は、検討した濃度(10 μM)でそれぞれ 94%及び 97%の高い血漿 タンパク結合率を示した。回収率は、それぞれ 50%及び 64%と中程度であった。結合率及び 回収率とも、両化合物間の差は有意ではなかった。 表 2.7.2.2.1-1 MB のヒト血漿タンパク結合率(n = 2)

2.1.2

ヒトのチトクローム P450 に対する阻害作用(添付資料番号

5.3.2.2-001

昆虫細胞のミクロソームを用いて、ヒトの主要な CYP 分子種(CYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、 CYP2C19、CYP2D6、及び CYP3A4)に対する DS-2207b 製剤と MB USP 品(Methylthioninium Chloride Injection USP 1%(w/v): MTC)の両化合物の阻害作用(IC50値)を評価した。

【方法】 両化合物の 0~100 μM の濃度範囲にある 9 つの希釈溶液を作成し、各々の溶液について、 個々の CYP 分子種と各 CYP 分子種に対する既知の蛍光プローブ基質とともに 37°C で 15~45 分間インキュベーションし、蛍光測定を行った。 【結果】 測定結果を表 2.7.2.2.1-2に示す。両化合物は、今回試験した 6 つの CYP 分子種に対して同 様の阻害作用を示し、CYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、及び CYP2C19 に対する阻害剤であった。

(15)

表 2.7.2.2.1-2 MB の CYP 分子種に対する阻害作用

2.1.3

ヒト肝細胞を用いたチトクロム P450 酵素誘導(添付資料番号

5.3.2.2-001

凍結保存ヒト培養肝細胞(ロット: AAS、SKD、及び TSD)を用いて、ヒトの 2 つの CYP 分子種(CYP1A2 及び CYP3A4)に対する DS-2207b 製剤と MB USP 品(MTC)の両化合物の 酵素誘導を評価した。 【方法】 凍結保存ヒト培養肝細胞を両化合物の 1 μM、10 μM、及び 100 μM の濃度で処理した。ヒト 肝細胞は被験化合物と 48 時間インキュベーションし、その後 CYP1A2 又は CYP3A4 のそれぞ れの基質として知られているフェナセチン(100 μM)又はテストステロン(125 μM)を添加 して CYP1A2 及び CYP3A4 の酵素活性を LC/MS/MS により測定した。 【結果】

ロット AAS のヒト肝細胞を用いた CYP1A2 及び CYP3A4 の酵素誘導の結果をそれぞれ図 2.7.2.2.1-1及び図 2.7.2.2.1-2に示す。両化合物はヒト肝細胞で CYP1A2 及び CYP3A4 を誘導し なかった。ロット SKD 及び TSD のヒト肝細胞についてもロット AAS と同様の結果が得られ た。

なお、本試験では両化合物とも 100 µM の濃度で細胞毒性効果を誘発し、その結果として細 胞生存率の低下が認められた。

(16)

図 2.7.2.2.1-1 ヒト肝細胞(ロット AAS)での 2 種類の MB による CYP1A2 活性の誘導

(17)

2.1.4

ヒトのモノアミン酸化酵素に対する阻害作用(添付資料番号

5.3.2.2-002

モノアミン酸化酵素阻害薬(monoamine oxidase inhibitors: MAOI)は、選択的セロトニン再 取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitors: SSRI)と併用したときにセロトニン毒性 を引き起こすことが知られている。MB は、SSRI を使用している患者でセロトニン毒性を誘 発することがこれまでに報告されている。そこで、MB の MAO 阻害とそれによってセロトニ ン毒性を誘発する可能性について検討した。

【方法】

1)MAO 阻害作用

遺伝子組み換えのヒト肝臓由来 MAO A 及び MAO B を用いた。MAO A(122 nM)に関して はキヌラミン(0.3 mM)を基質として分光光度法で 314 nm の波長で測定し、IC50値と Ki 値を 算出した。MAO B に関してはポーラログラフィーを用い、0.6 μM のベンジルアミン存在下、 MB 濃度 0~20 μM の範囲で測定した。 2)酸化的基質としての作用 嫌気性条件下で、MB(10 μM)と MAO A(8 μM)に過剰のキヌラミン(最終濃度 0.3 mM) を加え、スペクトルを 30 分おきに一晩測定した。 3)還元剤存在下での MAO A 還元作用 MAO A に対する Ki 値が 20 μM である阻害剤 D-アンフェタミン(60 μM)及び MB の還元 作用を有するジチオスレイトール(0.35 mM)の存在下、MAO A に嫌気性条件下で MB(30 μM) を加え、吸収スペクトルを測定した。 【結果】 1)2 種の MAO(MAO A 及び MAO B)に対する MB の阻害作用を図 2.7.2.2.1-3に示す。 MB の MAO A 阻害作用の IC50値は 164±8 nM(mean±SE)、Ki 値は 27±3 nM(mean±SD)

であった。MB は MAO A に対する強力な阻害剤であった。一方、MAO B 阻害作用は分 光光度法では 100 nM でも観察されなかったが、ポーラログラフィーにより IC50値は

(18)

図 2.7.2.2.1-3 MB の MAO A 及び MAO B の阻害に対する用量-反応曲線 2)試験開始時(0 時間)から 12 時間後までのスペクトル変化を図 2.7.2.2.1-4に、キヌラミ ン、MB、及びフラビンの各吸収スペクトルの経時変化を図 2.7.2.2.1-5に示す。フラビン は基質との混合時に、過剰の基質によって即座に還元されたが、3 時間で再酸化され、 開始時の値へ回復した(図 2.7.2.2.1-4中の左側の矢印)。MB の吸収は時間経過とともに 減少した(図 2.7.2.2.1-4中の右側の矢印)。図 2.7.2.2.1-5でフラビンの吸収が一定になっ た 4~12 時間後の定常状態での MB 還元速度は 0.35 nmol h-1であり、キヌラミンの酸化 速度は 0.39 nmol h-1であった。以上の結果から、MB が MAO A の酸化的基質としての作 用を有することが示された。

(19)

図 2.7.2.2.1-4 試験開始時(0 時間)から 12 時間後までのスペクトル変化 図 2.7.2.2.1-5 キヌラミン、MB、及びフラビンの各吸収スペクトルの経時変化 314 nm: キヌラミンの吸収スペクトル 665 nm: MB の吸収スペクトル 456 nm: フラビンの吸収スペクトル 3)D-アンフェタミン及びジチオスレイトール存在下での吸収スペクトルを図 2.7.2.2.1-6に 示す。MB を加えた後、MB の還元(665 nm の吸収の減少)が認められ、MAO A の陰イ オン性セミキノンの特徴(380 nm と 412 nm の吸収の増加、456 nm の吸収の減少)が出 現した。2 時間後には MAO A の一電子還元(MAO A からセミキノンへの変換)は完結 し、24 時間後ではさらなる変化は観察されなかった。以上の結果から、MB が一電子還 元剤としてフラビンに対して還元作用を有することが示された。

(20)

図 2.7.2.2.1-6 D-アンフェタミン及びジチオスレイトール存在下の吸収スペクトル

1) ~3) の結果から、MB は MAO A 及び MAO B の阻害作用を有し、特に MAO A の非常に 強い阻害剤(Ki 値: 27 ± 3 nM[mean ± SD])であり、MAO A の活性部位と結合して相互 作用することが示された。MB は MAO A を強く阻害することによりセロトニン代謝に影響を 及ぼすと予想される。したがって、SSRI の治療を受けている患者に MB を投与すると、セロ トニン毒性を発現する可能性がある。

2.1.5

ヒト血小板でのセロトニン放出作用(添付資料番号

5.3.2.2-003

MB は血小板からの 5-HT 放出を誘発すると報告されている。この現象の生化学的特徴につ いて検討し、5-HT 放出のメカニズムについて検討した。 【方法】

ヒト新鮮血より調整した多血小板血漿(platelet rich plasma: PRP)を 37°C で 20 分間、14C-5-HT (0.9 μg/mL PRP)で前処理し、ラベル化された PRP の 3.9 mL に MB 又はフェナジンメトサル フェート(phenazinemethosulfate: PMS)を加えた。反応混合物は穏やかに振とうさせ、氷浴中 で冷却することで 5-HT 放出を停止させた。

放出された14C-5-HT と推定分解産物を抽出、中和し、5-HT 標準品と 5-ヒドロキシインドー ル酢酸を加えて薄層クロマトグラフィー(thin layer chromatography: TLC)により分析した。そ の後、放射能をシンチレーションカウンターで測定した。

ろ液中に存在するアデノシン二リン酸(adenosine diphosphate: ADP)はホタルルシフェラー ゼ法により分析し、カリウムは原子吸光分析により測定した。細胞質の ADP の損失は、14C-ADP でラベル化したヒト血小板を用いて測定した。 【結果】 5-HT の血小板への取り込みと MB 濃度の関係を図 2.7.2.2.1-7に示す。血小板には外因性 14C-5-HT の 90%が取り込まれたが、MB は濃度依存的に 5-HT の取り込みを阻害し、2 × 10-4M 以上の濃度では顕著であった。血小板から放出された放射能活性の 95%が TLC によって単離

(21)

された 5-HT バンドから確認され、MB は 5-HT の分解を誘導しないことが明らかとなった。 図 2.7.2.2.1-7 5-HT の取り込みに対する MB の影響 ●: control、■: MB(5 × 10-5M)、○: MB(2 × 10-4M)、▲: MB(4 × 10-4M) 5-HT の放出量は MB の濃度に依存した。表 2.7.2.2.1-3に示すように 5 分のインキュベーシ ョンで、MB 濃度が 5 × 10-6M で 5-HT は放出され、2 × 10-4M でほぼ最大に達した。また、MB 誘導の 5-HT 放出の割合は pH にも依存的で、2 × 10-4M の MB は、pH8.4 では 53%の 5-HT を 放出したが、pH7.8 では 5-HT の放出は 18%に減少した。 表 2.7.2.2.1-3 5-HT 放出に対する MB 濃度と pH の影響 MB による 5-HT の放出割合と pH の関係を図 2.7.2.2.1-8に示す。pH8.4 での 5-HT の放出割 合は 2 相性を示した。すなわち、最初の 5 分間で 53%の 5-HT を放出したが、次の 10 分間で の放出は 18%にとどまった。pH7.8 では同濃度の MB による 5-HT 放出割合は線形的であり、 15 分間のインキュベーションで 48%の 5-HT を放出した。また、MB 存在下での 5-HT 放出に

(22)

対する温度の影響の実験で、pH8.4 での 2 × 10-4M の MB は、27°C のときに 5 分間で 29%の 5-HT を放出したが、4°C では 5-HT を放出しなかった。

図 2.7.2.2.1-8 MB による 5-HT の放出割合と pH の関係

MB の濃度: 2 × 10-4M

2 × 10-4M の MB は、pH8.4 での 5 分間のインキュベーションで、血小板から 53%の14C-5-HT 及び 4.6%の14C-ADP を放出し、5 × 108個の血小板あたりで 0.33 nmol の ADP を放出した。ま た、同条件の MB とのインキュベーションで、血小板中のカリウムは減少しなかった(図 2.7.2.2.1-9参照)。

(23)

図 2.7.2.2.1-9 MB による 5-HT 及び ADP の血小板からの放出

TH: トロンビン(thrombin)、FT: 凍結融解(freezing and thawing)、MB の濃度: 2 × 10-4M

PMS は MB と構造的に類似した染料であるが、2.4 × 10-4M までの濃度では血小板から 5-HT を放出しなかった。6 × 10-5M の PMS 又は 2 × 10-4M の MB と血小板をインキュベーションし たとき、グルコース-1-14C からの14CO2産生をそれぞれ 3.2 倍、3.4 倍増加させたが、グルコー

ス-6-14C からの産生は 0.1 倍の増加にとどまり、どちらの物質もヘキソース一リン酸経路 (hexose monophosphate shunt: HMPS)を刺激し得ることが明らかとなった。しかし、PMS は 2.4 × 10-4M の濃度まで血小板の 5-HT 放出を誘導しなかったことから、MB による血小板から の 5-HT 放出は HMPS の刺激によるものではないことが示唆された。

2.1.6

ヒト新鮮肝細胞を用いたメチレンブルーから Azure B へ代謝(添付資料番

5.3.2.2-004

【方法】

William’s medium E に懸濁したヒト新鮮肝細胞(生細胞率: 72%、女性、1 名)4 × 106cells/2 mL を CO2インキュベーター内で 10 分間プレインキュベーション後、最終濃度 30μM 及び 100μM

MB で 2 時間処理した(n = 3)。同様な処理を培地に対しても行った。

インキュベーション 0 及び 2 時間後に 50 µL 細胞懸濁液を niflumic acid(1μM、IS)含む溶 出液(10% acetonitrile、10mM ammoniumacetate、0.1% formic acid 0.5 mL)に加え、LC-MS/MS で試料中の Azure B 量を測定した。

【結果】

ヒト新鮮肝細胞と 30µM MB とのインキュベーション 2 時間後の IS 比から、Azure B の生成 は確認できなかった。一方、100μM MB とのインキュベーション 2 時間後には、MB に含まれ ている Azure B の量は、開始時に比較して約 1.6 倍に増加した(図 2.7.2.2.1-10)。

(24)

図 2.7.2.2.1-10 30µM 又は 100µM MB をヒト新鮮肝細胞とインキュベーション後の Azure B 生成図

2.1.7

グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損ヒト赤血球を用いたメトヘモグロビ

ン産生とメチレンブルーの効果

G6PD 欠損ヒト赤血球を用いた MetHb 産生と MB の効果についての公表文献を、表 2.7.2.2.1-4 に要約した。

(25)

表 2.7.2.2.1-4 G6PD 欠損ヒト赤血球を用いた試験 試験方法 結果 添付資料 番号 1) 正常ヒト赤血球及び G6PD 欠損ヒト赤血 球をグルコース含有クレブス・リンゲル リン酸緩衝液に懸濁し、ヘムに対して 種々のモル比とした MB(MB : ヘム = 1 : 16, 64, 256, 1024, 4096, 及び∞。ヘム 濃度は常に 4.5 × 10-4~5 × 10-4M の範囲 に設定)を添加して 37°C でインキュベ ーションし、1 時間後の MetHb 産生及び 還 元 型 グ ル タ チ オ ン ( reduced glutathione: GSH)の枯渇度を測定した。 2) 亜硝酸塩処理により MetHb 濃度を 98% とした正常ヒト赤血球及び G6PD 欠損 ヒト赤血球に種々のモル比とした MB (MB : ヘム = 1 : 32, 64, 128, 256, 512, 1024, 及び∞)を添加して 37°C でイン キュベーションし、1 時間後の MetHb 還元量を測定した。 1) ヘムとのモル比で比較的低い濃度の MB は、正 常ヒト赤血球の MetHb 産生をほとんど引き起 こさなかったが、G6PD 欠損ヒト赤血球では MetHb が産生された。同様に、比較的低濃度の MB による GSH の枯渇度は、正常ヒト赤血球で はわずかであったのに対し、G6PD 欠損ヒト赤 血球では著しく高かった。 2) 正常ヒト赤血球では、単位時間での MetHb 還元 量と MB 濃度(対数値)の間に顕著な線形的関 係があったのに対して、G6PD 欠損ヒト赤血球 では線形性はなく、MB 濃度が高くなっても MetHb 還元量の変化はほとんどみられなかっ た。 5.3.2.3-001 1) 亜 硝 酸 塩 処 理 し た 正 常 ヒ ト 赤 血 球 、 G6PD 欠損ヒト赤血球、及びこれらの混 合物(1 : 1)の 40%の赤血球の懸濁液(各 3.9 mL)に、10-4M の MB(0.154M 塩化 ナトリウム溶液)0.6 mL と 0.167M グル コース(0.154M 塩化ナトリウム溶液) 0.9 mL を混合した。これを好気的条件 下に 37°C でインキュベーションし、4 時間後までの MetHb 濃度を測定した。 2) 1)で使用した 3 種の試料に、混合物から G6PD 欠損ヒト赤血球のみを分離した 試料を加えた 4 種類について同様の実 験を行い、4 時間後までの MetHb 濃度を 測定した。 3) MetHb 還元酵素を取り除き、結晶化され た Hb から、5 g%の MetHb 溶液を調整 した。MetHb(約 1.5 μE)を含む本溶液 の 0.5 mL に、ロイコメチレンブルー (leukomethylene blue: LMB)(約 2 μE) 0.1 mL を加えて短時間で混合し、MetHb 濃度を測定した。 1) 正常ヒト赤血球では MetHb は急速に還元され、 MetHb 濃度が全体の約 20%未満となるまでその 速度は線形であった。G6PD 欠損ヒト赤血球で は、正常ヒト赤血球に比べて還元速度ははるか に遅かった。2 つの赤血球の混合物に関しては、 両者間に相互作用がなければ、正常ヒト赤血球 がなくなるまでは速く、その後 G6PD 欠損ヒト 赤血球ではゆっくりと還元が進むという 2 相性 の結果を予測した。しかし、最初の相での速い 還元速度が、ほとんどすべての MetHb が還元さ れるまで持続した。G6PD 欠損ヒト赤血球内の MetHb は、正常ヒト赤血球を介して還元される 可能性が示唆された。 2) 3 種の試料については、1)と同様の結果であっ た。混合物から分離された G6PD 欠損ヒト赤血 球のみの試料における MetHb の還元速度は、正 常ヒト赤血球試料中のほとんどの MetHb が還 元される時点までは緩やかであったが、それ以 降に速度はより速くなり、正常ヒト赤血球での 還元速度と近似した。このことは、非特異的還 元物質に起因していると考えられた。 3) MetHb に LMB を混合すると速やかに、溶液中の MetHb の約 90%が還元された。その後数分以内 に MetHb 濃度は再度増加し始めた。これは、 Hb から MetHb への自動酸化を触媒した過剰の MB に起因していると考えられた。 5.3.2.3-002

(26)

2.1.8

種々の化学物質によるヒト赤血球でのメトヘモグロビン産生とメチレン

ブルーの薬理作用

種々の化学物質によってヒト赤血球で産生される MetHb と、それに対する MB の効果につ いての公表文献を表 2.7.2.2.1-5に要約した。 表 2.7.2.2.1-5 種々の化学物質による MetHb 産生と MB の効果 MetHb 産生誘導 の化学物質 試験方法 結果 添付資料番号 一酸化窒素 (nitric oxide: NO) 1) ヒト赤血球を 320 ppm の NO に約 90 分間、MetHb 濃度が総 Hb の 16~18%になるまで曝 露した。その後 0.1 μM、1 μM、 10 μM の MB を加えて MetHb 濃度を測定し、その平均半減 期を算出した。 2) 32 ppm の NO 曝露下で 0.1 μM、 1 μM、10 μM の MB と 3 時間 インキュベーションした場合 の赤血球中の MetHb 濃度を経 時的に測定した。 3) ヒト赤血球を 320 ppm の NO に、MetHb 濃度が総 Hb の 14 ~18%になるまで曝露した。 その後、80 ppm の NO への曝 露 を 継 続 す る と と も に 0.1 μM、1 μM、10 μM の MB を加えた。 1) MB はすべての濃度で MetHb 濃度の平均半減期を有意に短 縮させ、その作用は濃度依存 的であった。 2) 1 μM、10 μM の MB では MetHb 濃 度 が 有 意 に 低 下 し た が 、 0.1 μM の MB は効果がなかっ た。 3) NO(80 ppm)への曝露を継続 すると MetHb 濃度は上昇した が、1 μM、10 μM の MB を加 えた場合には低下し、対照と 比 較 し て 有 意 差 が 認 め ら れ た。0.1 μM の MB では低下は みられなかった。 5.3.2.3-003 塩素酸塩 ヒト赤血球を 30 mM の塩素酸ナ トリウムと 37°C でインキュベー ションして MetHb 産生を誘導し た。0 から 360 分後までの各時点 で採取したサンプルに 25 μM の MB を加え、180 分インキュベー ションした後の MetHb 濃度を測 定した。 塩素酸塩とのインキュベーショ ンにより、MetHb 産生はインキュ ベーション開始からやや遅れて 始まり、約 4 時間で最大に達し た。MB を添加すると、1 時間後 までは MetHb 濃度が約 8%の状態 で酸化還元平衡となったが、その 後、MetHb が産生されて同様に約 4 時間後で最大に達した。 5.3.2.3-004 塩素酸塩又は亜 硝酸塩 ヒト赤血球を 30 mM の塩素酸ナ トリウム又は 10 mM の亜硝酸ナ トリウムと 37°C でインキュベー ションして MetHb 産生を誘導し た。0 から 180 分後までの各時点 で採取したサンプルに 25 μM の MB を加え、インキュベーション した後の MetHb 濃度を測定した。 塩素酸塩による MetHb 産生は、 インキュベーション開始からや や遅れて始まり、その後徐々に増 加して約 150 分後にほぼ最大に 達した。MB を添加すると、最大 に達する以前では一部の MetHb は還元されたが、最大に達した以 降では還元されなかった。 一方、亜硝酸塩による MetHb 産 生はインキュベーション後直ち に始まり、速やかに最大に達し た。MB を添加すると、180 分後 までの各時点のサンプルでほぼ 同様に MetHb は完全に還元され た。 5.3.2.3-005

(27)

表 2.7.2.2.1-5 種々の化学物質による MetHb 産生と MB の効果 (続き) MetHb 産生誘導 の化学物質 試験方法 結果 添付資料番号 デスフェリオキ サミン (desferrioxamine: DFO) ヒト赤血球に DFO を添加して MetHb を産生させ、1 μM、10 μM、 100 μM の MB を加え、MetHb 濃 度を測定した。 DFO の添加により 20 分以内に MetHb 濃度が急激に上昇し、約 1/3 の Hb が MetHb に変換された。 MB は最低濃度(1 μM)でのみわ ずかに効果がみられたが、高濃度 (10 μM、100 μM)ではさらなる MetHb 産生を引き起こした。DFO による MetHb 産生の誘導に対し て MB は効果がなかった。 5.3.2.3-006 MB 又は 亜硝酸塩 ヘム濃度が 5.0±0.2 mM のヒト赤 血球の懸濁液又はその懸濁液を サポニンで溶血させたライセー トに 10 μM、100 μM の MB を加 えてインキュベーションし、4 時 間後までの MetHb 産生を測定す るとともに、光と気体(酸素又は 窒素)の影響を調べた。 ヒト赤血球の懸濁液と 10 μM の 亜硝酸ナトリウムをインキュベ ーションして MetHb 産生を誘導 し 、 洗 浄 後 に ヘ ム 濃 度 が 5.0±0.2 mM となるように再懸濁 した。10 μM、100 μM の MB を添 加し、4 時間後までの MetHb 濃度 を測定するとともに、光と気体の 影響を調べた。 10 μM 又は 100 μM の MB ととも にインキュベーションした結果、 4 時間後までに、MetHb 濃度は懸 濁液中ではそれぞれ約 3~6%、約 6~10%、ライセート中ではそれ ぞれ約 10~20%、約 30~40%とな った。MB による MetHb 産生は濃 度依存的であり、MetHb 産生に影 響する要因は高い順に、溶血、気 体(窒素存在下 > 酸素存在下)、 光照射であった。 亜硝酸ナトリウムにより産生さ れた MetHb を MB は濃度依存的 に還元した。光は MetHb 還元に 影響せず、窒素存在下のほうが酸 素存在下より還元が速かった。 5.3.2.3-007

(28)

2.1.9

ヒト生体試料を用いたその他の in vitro 試験

血液等のヒト生体試料を用いた代謝調節メカニズムや MetHb の還元率などの検討に関する 公表文献を表 2.7.2.2.1-6に要約した。 表 2.7.2.2.1-6 ヒト生体試料を用いたその他の in vitro 試験 試験方法 結果 資料番号 正常ヒト血液の血漿を 1%亜硝酸ナトリウ ムで置換して赤血球を亜硝酸塩に 20 分間 曝露させ MetHb を産生させた。MetHb の 還元に要する基質をグルコース又はガラ クトースとして、MB の存在下及び非存在 下での MetHb の還元を測定した。 MetHb の還元率は、基質がガラクトースの 場合は 0.5M の基質濃度まで濃度依存性で 高くなったが、グルコースが基質の場合に は基質濃度は MetHb の還元率に影響しなか った。また、基質がガラクトースの場合、 MB の添加は MetHb の還元率にほとんど影 響を及ぼさなかった。一方、グルコースが 基質の場合には、MB の添加は MetHb の還 元率を非添加と比べて 6 倍以上加速させ た。 5.3.2.3-008 ヒト成人及びヒト新生児の臍帯から血液 を採取し、亜硝酸ナトリウムを添加して MetHb を産生させた。MetHb 濃度が 20% に達した後、血液を一酸化炭素(CO)で 処理して平衡状態とし、以後の MetHb 濃 度を測定した(CO によって MetHb の産生 が抑えられるかどうかを評価)。また、CO で平衡状態に達したときに MB を添加し、 MB の効果を検討した。 CO により MetHb の産生は抑制され、MetHb 濃度の半減期は、ヒト成人: 162±13 分、ヒ ト新生児: 210±10 分(mean±SE)であった。 MB は、全血中の MetHb の還元速度に関す る一次速度定数を約 6 倍増加させたが、溶 血した血液での一次速度定数に対してはほ とんど影響を与えなかった。 5.3.2.3-009

(29)
(30)

であった。また、血漿中 Azure B のそれぞれは、85.858±26.5550 ng/mL、0.53(0.08~1.00)h、 504.05±169.490 ng·h/mL、717.99±203.939 ng·h/mL、及び 11.214±4.3056 h であった。全身クリア ランスは MB で 19.469±4.5264 L/h であった(Azure B は算出せず)。 表 2.7.2.2.2-1 単回静脈内投与後の薬物動態パラメータ

2.2.2

第 I 相試験(単回静脈内投与試験)(添付資料番号

5.3.3.1-002

本試験では、MB の絶対バイオアベイラビリティを評価する目的で単回静脈内投与と単回経 口投与をクロスオーバー法(休薬期間: 1 週間)にて比較検討している。本剤は静脈内投与の 注射剤であることから、単回静脈内投与の成績のみを選択し、以下に記載した。 【方法】 健康成人 16 名(男性 9 名、女性 7 名)に MB50 mg を単回静脈内投与した。MB は市販製剤 を使用した。 投与後 24 時間まで静脈血を採取し、各時点での血漿中及び全血中 MB 濃度をエレクトロス プレーイオン化タンデム質量分析(electrospray ionisation tandem mass spectrometry: ESI/MS/MS) 法で測定した(定量下限濃度: 75 ng/mL)。

【結果】

1) 血漿中 MB 濃度

単回静脈内投与での血漿中 MB 濃度推移を図 2.7.2.2.2-2に示す。薬物動態パラメータ(平均 値±標準偏差。n = 15)の AUC0-inf、Cmax、tmax、及び t1/2はそれぞれ 7639±3384 ng·h/mL、

(31)

図 2.7.2.2.2-2 単回静脈内投与後の血漿中 MB 濃度推移(平均値±標準誤差、n = 15) 2) 全血中 MB 濃度 単回静脈内投与時の全血中 MB の薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差。n = 10)は、AUC0-inf、 Cmax、tmax、及び t1/2がそれぞれ 6467±3311 ng·h/mL、1418±650 ng/mL、0.22±0.14 h、及び 13.6±3.7 h であった。 3) 全血中 MB 濃度と血漿中 MB 濃度の比 MB を単回静脈内投与した被験者のうち全血中濃度及び血漿中濃度の両者を測定できた被 験者(n = 10)の AUC0-infの比は 0.98±0.39 であった。

2.2.3

第 I 相試験(単回静脈内投与試験)(添付資料番号

5.3.3.1-003

本試験では、MB の薬物動態を検討する目的で被験者に対して少なくとも 1 週間の間隔をも って無作為の投与順序で単回静脈内投与又は単回経口投与を行っている。本剤は静脈内投与の 注射剤であることから、主に単回静脈内投与の成績について以下に記載した(一部では、単回 経口投与の成績も併記)。 【方法】 健康成人ボランティア 7 名(男性 4 名、女性 3 名、年齢: 19~53 歳)を対象に、少なくとも 1 週間の間隔を空けて無作為の投与順序で 3 つの投与法により MB を投与した。投与法の内訳 は、「MB 100 mg を溶解した生理食塩水(20 mg/mL)を 30 秒かけて静脈内投与」、「MB 50 mg を含むゼラチンカプセル 2 個(MB 100 mg)を経口投与」、及び「MB 100 mg を 800 mg のメル カプトエタンスルホン酸ナトリウム(mercaptoethanesulfonate: mesna)とともに経口投与」であ った。MB は病院薬局で調整した。 静脈血サンプルは投与前から投与後 240 分まで、尿サンプルは投与後 24 時間まで採取し、 全血中 MB 濃度及び尿中 MB 濃度をそれぞれ HPLC 法、分光光度法で測定した。

(32)
(33)

3.

全試験を通しての結果の比較と解析

3.1

ヒト生体試料を用いた試験の結果

MB のヒト血漿タンパク結合率は 94%(DS-2207b 製剤)又は 97%(USP 品)と高かった (2.7.2.2.1.1項)。MB はいくつかの CYP 分子種(CYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、及び CYP2C19) に対して強い阻害作用を示したため(2.7.2.2.1.2項)、これらの CYP 分子種で代謝される他の 薬物と併用投与する場合には、薬物相互作用を引き起こす可能性があると考えられる。ただし、 今回の製造販売承認申請の効能・効果(案)である「中毒性メトヘモグロビン血症」に対する DS-2207b 製剤の治療期間は短いため、高い血漿タンパク結合率や薬物相互作用が安全性へ及 ぼす影響は限定的であると考える。 MB は、SSRI を使用している患者でセロトニン毒性を誘発することが報告されているが、 欧州の Proveblue の添付文書でも、「セロトニン作動性神経の信号伝達を亢進する SSRI 等を含 む医薬品を投与されている患者では、MB 使用を避けるべき」とされている。この毒性発現の メカニズムとして、MB の MAO(特に MAO A)阻害作用が関係していることが示唆された (2.7.2.2.1.4項)。また、MB には 5-HT の放出を促すという作用もあり(2.7.2.2.1.5項)、本毒 性に関与している可能性があると考える。 MetHb 血症での MetHb は、MB 投与により、MB から変換された LMB により還元される。 すなわち、MB を投与すると還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH) -フラビン還元酵素が活性化され、MB は還元されて LMB に変換される。そして、LMB が非 酵素的に MetHb を還元して Hb に復している。NADPH は、G6PD を介してブドウ糖の嫌気的 解糖系の一つであるペントースリン酸経路から供給されるため、MB の作用発現には G6PD が 重要な役割を担っている。したがって、G6PD を欠損している患者では MB の効果は期待でき ないとされている(欧州の添付文書でも G6PD 欠損患者は禁忌とされている)。G6PD 欠損ヒ ト赤血球の成績からも、MB による MetHb 還元は(正常赤血球に比べて)非常に遅いことが 示され(2.7.2.2.1.7項)、このことを裏付けていると考える。 NO、亜硝酸塩、塩素酸塩等による MetHb 産生と MB の効果について、ヒト赤血球を用いた 成績が報告されている(2.7.2.2.1.8項)。MB は、NO 及び亜硝酸塩で産生される MetHb に対し て還元作用を示したが、塩素酸塩による MetHb 産生には還元作用を示さなかった。塩素酸塩 により産生される MetHb は、赤血球外に出た Hb が酸化されたものであるが、MB は赤血球内 で作用を発揮するため、赤血球外での MetHb 産生に基づく塩素酸塩による MetHb 血症に対し て有効ではないとされている1。この知見はヒト赤血球での成績と整合するものであり、これ らの報告に合致するように、塩素酸塩による MetHb 血症は欧州の添付文書では禁忌とされて いる。また、DFO(別名: デフェロキサミン deferoxamine)による MetHb 産生にも MB は効果 を示さなかったと報告されている。DFO は、本邦でも鉄排泄剤としてデスフェラール®の販売 名で上市されており、その添付文書に MetHb 血症発現に係る注意喚起(副作用及び使用上の

(34)

注意等)は記載されていないが、有害事象として同血症が発現した場合には MB の投与は避け る必要があると考える。なお、DFO に関する同報告では、MetHb 血症にアスコルビン酸が有 効であったとされている。

3.2

メチレンブルーの薬物動態的特性

健康成人を対象に MB を静脈内投与した第 I 相試験として 3 報(米国で実施された臨床試験 の総括報告書 1 報及び公表文献の 2 報[「5.3.3.1-002」及び「5.3.3.1-003」])の成績を示した (2.7.2.2.2項)。なお、日本人を対象とした試験成績は報告されていない。 3 報のうち、米国臨床試験(MB の投与量: 1 mg/kg)と「5.3.3.1-002」(MB の投与量: 50 mg) では血漿中 MB 濃度について主要な薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)が算出され、

AUC0-inf、Cmax、及び t1/2はそれぞれ 3069.42±826.486 ng·h/mL、7639±3384 ng·h/mL、

492.333±198.1851 ng/mL、748±260 ng/mL、及び 17.468±8.4658 h、18.5±11.8 h であった。 「5.3.3.1-002」の対象被験者の体重は 67.1±10.4 kg(平均値±標準偏差)であったことから、体 重(kg)当たりの投与量は「5.3.3.1-002」の方が少ないにもかかわらず、AUC0-infと Cmaxは

「5.3.3.1-002」の方が高値であった。一方、t1/2は両者でほぼ同様の値であった。両試験での

MB 静脈内投与時の MB 溶液濃度及び投与に要した時間は、米国臨床試験ではそれぞれ 10 mg/mL、5 分間、「5.3.3.1-002」では 5 mg/mL、9.5 分間で同一ではなく、また、投与後の採 血ポイントにはいくつか相違している時点がみられた。しかし、AUC0-infと Cmaxの差の理由は

不明である。 今回の製造販売承認申請では、「1~2 mg/kg を 5 分以上かけて静脈内投与する」を推奨用法・ 用量として設定する計画であるため、MB の薬物動態としては米国臨床試験の成績が適切と考 える。 分布及び代謝に関する知見は報告されていない。 排泄に関しては、1 報(「5.3.3.1-003」)で静脈内投与後の尿中排泄の成績が示されている (2.7.2.2.2.3項)。MB と LMB を併せた総 MB として、静脈内投与 24 時間後までの尿中排泄率 は 28.6±3.0%(平均値±標準偏差)であった。なお、排泄経路については、MB の経口投与 120 時間後までの尿中排泄率は平均 74%と報告2されていることから、MB の主な排泄経路は尿中 であると考える。

3.3

内因性要因及び外因性要因の影響

静脈内投与後の MB の薬物動態に対する内因性要因及び外因性要因の影響を検討した公表 文献はない。ただし、2.7.2.3.1項で述べたように、MB はいくつかの CYP 分子種に対して阻害 作用を示し、また、セロトニン作動性神経を亢進させる薬剤との併用は避けるべきとされてい ることから、併用薬使用の影響を考慮する必要があると考える。欧州の添付文書では、中等度 から高度の腎機能障害患者に対して MB は注意して使用するべきで、より低用量の投与が必要 となる可能性があると記載されており、また2.7.2.3.2項で述べたように、MB の主な排泄経路 は尿中と考えられる。したがって、腎機能障害の影響についても考慮する必要があると考える。

(35)

4.

付録

該当なし

(36)

目次

1. 背景及び概観...5 2. 個々の試験結果の要約 ...6 2.1 DS-2207b 製剤第 III 相試験(添付資料番号 5.3.5.2-001-1、5.3.5.2-001-7) ... 6 2.2 国内外の公表文献及び教科書等から得られた有効性に関する知見... 8 2.2.1 MB の投与方法に関する無作為化比較試験... 8 2.2.1.1 小児 MetHb 血症(原因: ダプソン)への MB 投与 ―投与方法の無作為化比較試験(添付資料番号 5.3.5.2-002) ... 8 2.2.2 プロスペクティブ試験... 8 2.2.2.1 MetHb 血症(原因: プリロカイン)への MB 投与 (添付資料番号 5.3.5.2-003) ... 9 2.2.2.2 その他: プロスペクティブ試験 ... 10 2.2.3 レトロスペクティブ研究... 12 2.2.3.1 MetHb 血症(原因: 局所麻酔薬)への MB 投与 (添付資料番号 5.3.5.2-007) ... 12 2.2.3.2 MetHb 血症(原因: ダプソン)への MB 投与(添付資料番号 5.3.5.2-008).. 12 2.2.4 レビュー文献... 13 2.2.4.1 MetHb 血症(原因: レクリエーショナルドラッグ)への MB 投与 (添付資料番号 5.3.5.2-009) ... 13 2.2.4.2 MetHb 血症(原因: 職場環境にある化学物質)への MB 投与 (添付資料番号 5.3.5.2-010) ... 14 2.2.4.3 MetHb 血症(原因: 局所麻酔剤)への MB 投与 (添付資料番号 5.3.5.2-011) ... 15 2.2.4.4 MetHb 血症(原因: 局所麻酔薬)への MB 投与 (添付資料番号 5.3.5.2-012) ... 15 2.2.4.5 MetHb 血症(原因: ダプソン)への MB 投与(添付資料番号 5.3.5.2-013).. 16 2.2.5 海外及び国内教科書に記載されている「MetHb 血症に対する MB の標準的治療 方法」... 18 2.2.6 ガイドライン及びガイダンス... 24 2.2.7 米国及び欧州における MetHb 血症に対する MB の使用実態調査... 24 2.2.7.1 AAPCC の使用実態調査(添付資料番号 5.3.5.2-015) ... 24 2.2.7.2 欧州の中毒センターに対するアンケート調査(添付資料番号 5.3.5.2-357).. 26 2.2.8 症例報告の文献... 27 2.2.8.1 海外成人症例報告 ... 27 2.2.8.2 海外小児症例報告 ... 36 2.2.8.3 国内成人症例報告 ... 40

(37)

2.2.8.4 国内小児症例報告 ... 41 3. 全試験を通しての結果の比較と解析 ...42 3.1 試験対象集団 ... 42 3.2 全有効性試験の結果の比較検討 ... 43 3.3 部分集団における結果の比較 ... 46 3.3.1 新生児、乳児、幼児、小児及び青年期患者 ... 46 3.3.1.1 新生児(0~27 日齢)患者 ... 46 3.3.1.2 乳児(28 日齢~3 ヵ月齢)患者 ... 48 3.3.1.3 幼児(4~23 ヵ月齢)患者 ... 49 3.3.1.4 小児(2~11 歳)患者... 51 3.3.1.5 青年期(12~17 歳)患者 ... 54 3.3.2 高齢者... 54 3.3.3 妊婦・授乳婦... 58 3.3.4 腎機能障害を有する患者... 59 3.3.5 肝機能障害を有する患者... 61 3.3.6 先天性酵素欠損症患者... 62 3.3.6.1 G6PD 欠損症患者 ... 62 3.3.6.2 その他: 先天性酵素欠損症患者 ... 63 3.3.7 ダプソン投与による MetHb 血症患者... 64 4. 推奨用法・用量に関する臨床情報の解析 ...69 5. 効果の持続、耐薬性...72 6. 付録 ...72

(38)

略語一覧

略語 略していない表現(英) 略していない表現(日)

AAPCC American Association of Poison Control Centers

米国中毒センター

EMA European Medicines Agency 欧州医薬品庁

FDA Food and Drug Administration アメリカ食品医薬品局

G6PD Glucose-6-phosphate dehydrogenase グルコース 6 リン酸脱水素酵素

MB methylene blue メチレンブルー

MetHb methemoglobin メトヘモグロビン

NADH nicotinamide adenine dinucleotide ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド

NICU neonatal intensive care unit 新生児集中治療室

SpO2 percutaneous oxygen saturation 血液酸素飽和度

(39)
(40)

1.

背景及び概観

本剤の臨床試験における有効性の評価に際し、Provepharm 社が実施した、後天性メトヘモ グロビン(methemoglobin: MetHb)血症治療のために Proveblue(以下: DS-2207b 製剤)を使用 した被験者の臨床データをレトロスペクティブに収集した第 III 相臨床試験(以下: DS-2207b 製剤第 III 相試験)、メチレンブルー(methylene blue: MB)の投与方法に関する無作為化比較 試験、プロスペクティブ試験、レトロスペクティブ研究、レビュー文献、教科書、ガイドライ ン、米国中毒センター(American Association of Poison Control Centers: AAPCC)の使用実態調 査と欧州における MB の使用実態アンケート調査、及び海外並びに国内の症例報告を精査した。 その結果、MB に関する多くの臨床情報が公表されていたことから、それらの試験・研究並び に文献を使用することで有効性評価が可能であると判断して、本邦では新たな臨床試験は実施 しなかった。

有効性評価に関しては、AAPCC の使用実態調査(「major effect と moderate effect の総和」で 有効性を評価)を利用した。また、その他の公表文献では「有効性」の判断基準や MB 治療後 の臨床経過等の記載に統一性がなかったことから、「MB 投与により『初診時 MetHb 濃度が低 下した』と記載された症例、あるいは『チアノーゼ等の MetHb 血症に特徴的な臨床症状が改 善/回復した』と記載された症例」について「改善」と定義して、以下の公表文献をまとめた (表 2.7.3.1-1)。 表 2.7.3.1-1 有効性評価に使用した試験・研究及び文献数 名称 文献 DS-2207b 製剤第 III 相試験 1 無作為化比較試験 1 プロスペクティブ試験 4 レトロスペクティブ研究 2 レビュー文献 5 【その他文献】 AAPCC の使用実態調査 1 欧州の使用実態調査 1 【症例報告】 海外症例報告: 成人 142 海外症例報告: 小児 51 国内症例報告: 成人 23 国内症例報告: 小児 7

(41)

2.

個々の試験結果の要約

2.1

DS-2207b 製剤第 III 相試験(添付資料番号

5.3.5.2-001-1、5.3.5.2-001-7

DS-2207b 製剤第 III 相試験は、Provepharm 社が で DS-2207b 製剤を申請するにあたり、 の要請に応じて行った、レトロス ペクティブに収集した臨床データをプロスペクティブにデザインした方法で実施した非盲検 試験である。 【方法】 で、後天性 MetHb 血症の緊急治療のた めに DS-2207b 製剤が静脈内投与された被験者 12 名より臨床データを収集した。性別は男性 7 名、女性 5 名であった。年齢は 6 日齢~54 歳(平均: 27.5 歳)であり、早産新生児 1 名、小児 2 名、成人 9 名であった。 被験者 12 名に 0.8~2 mg/kg の DS-2207b 製剤を 5 分間かけて静脈内投与した。8 名の被験者 には希釈せずに投与したが、4 名にはブドウ糖 5%溶液で希釈した DS-2207b 製剤を投与した。 通常、初回投与の 1 時間後に臨床症状並びに MetHb 濃度の回復程度等を確認し、追加投与の 要否を判断した。 なお、MetHb 血症の原因物質の内訳は、硝酸塩又は亜硝酸塩が 7 名、メサラジンが 1 名、 メトクロプラミドが 1 名、抗生物質が 1 名、サボテンの葉の可能性が 1 名、サヤマメの粉末が 1 名であった。 【結果】 被験者 12 名の DS-2207b 製剤による治療とその結果を表 2.7.3.2.1-1に、被験者別背景を表 2.7.3.2.1-2に示す。 被験者 12 名の DS-2207b 製剤の初回投与量は 0.8~2.0 mg/kg であり、うち 7 名の初回投与量 は 1.0 mg/kg であった。通常初回投与 1 時間後に追加投与の要否が判断され、臨床症状が改善 した 9 名には追加投与はされなかった。なお、10 名の治療期間中の累積投与量は 1.0~2.0 mg/kg であり、残る 2 名の累積投与量は 7 mg/kg 及び 13 mg/kg であった。 全被験者の初回投与時の MetHb 濃度は 10.6~75%であり、2.0 mg/kg が初回投与された被験 者 4 名の MetHb 濃度は 44~75%と高い傾向が認められた。DS-2207b 製剤投与後に全例回復し、 うち被験者 8 名は DS-2207b 製剤投与により最終 MetHb 濃度は 3%以下に低下した(4 名は報 告なし)。なお、15 件の有害事象が認められたが、死亡例はなかった。 この試験では併用療法として、酸素治療が 7 名に、活性炭、シアノキット、コーダロンが、 各 1 名に使用された。活性炭は DS-2207b 製剤の 2 回目の投与中に併用された。シアン化物に よる経口摂取中毒が疑われた患者にはシアノキットが用いられた。1 名は併用療法を受けてお らず、もう 1 名は報告がなかった。

(42)

表 2.7.3.2.1-1 DS-2207b 製剤による治療と結果 パラメータ 数値又は 平均値(標準偏差) 被験者数(名) 被験者数 - 12 ≤ 1 mg/kg 8 初回投与量 ≤ 2 mg/kg 12 1 mg/kg 7 ≤ 2 mg/kg 10 総投与量 > 2 mg/kg 2 1 回 9 ≤ 2 回 10 投与回数 ≤ 4 回 12 MB 初回投与時の MetHb 濃度 40.5 (18.5)% 12 治療後 MetHb 濃度 ≤ 3% 報告なし 8 4 表 2.7.3.2.1-2 被験者別背景 No. 年齢 性別 投与前 MetHb 濃度 (%) MB 初回 投与量 (mg/kg) 投与回数 (回) 総投与量 (mg/kg) 併用 療法 最終 MetHb 濃度 (%) 1 26 女性 43.7 2 4 7 O2therapy, active charcoal, hydrocortisone 0.7 2 28 女性 10.6 1 1 1 No 1.4 3 37 女性 75 2 3 13 Cyanokit Gastric lavage 0.9 4 0 女性 14 1 1 1 O2therapy 1.4 5 52 男性 32 1 1 1 O2high concentration, NaCl 0.9% NR 6 40 男性 29.6 1 1 1 O2 high concentration 2.8 7 37 男性 42 1 1 1 O2 high concentration NR 8 26 男性 63 1 1 1 O2 high concentration, cordarone NR 9 54 男性 43.9 1 1 1 No NR 10 25.8 男性 47 0.77 2 1.54 Vitamin C 0 11 1.8 男性 44.4 2 1 2 O2 supply, IV fluid supplement 0.8 12 2.2 女性 43.5 2 1 2 O2therapy 0.7 NR: 報告なし

(43)

2.2

国内外の公表文献及び教科書等から得られた有効性に関する知見

2.2.1

MB の投与方法に関する無作為化比較試験

MetHb 血症患者に対する MB の有効性を評価した無作為化比較試験として、MB の投与方法 を検討した文献が 1 報あった。その概要を以下に記載する。 2.2.1.1 小児 MetHb 血症(原因: ダプソン)への MB 投与―投与方法の無作為化比較試験 (添付資料番号5.3.5.2-002) 【方法】 2001~2006 年の間に、ネパールの 1 施設及びインドの 1 施設に来院した小児ダプソン中毒 患者 11 名(男性 5 名/女性 6 名、38~61 ヵ月齢)を対象とした。対象患者は無作為に 2 群に 分けられ、Group-1(5 名)には 2 mg/kg の MB を 6 時間ごとに bolus 投与(間欠静脈内投与) し、Group-2(6 名)には 2 mg/kg の MB を生理食塩水で希釈したものを 6 時間にわたり持続的 に投与(持続静脈内投与)した。両群の MB の総投与量は同じ量に調整した。 血中の MetHb 濃度は投与前及びその後 12 時間ごとに 72 時間後まで分光光度計により測定 した。 【結果】

Group-1 及び Group-2 の MB 投与前の MetHb 濃度の平均はそれぞれ 52.7%及び 52.8%であっ た。Group-1 及び Group-2 ともに MB の投与によって MetHb 濃度は低下し、MB 投与 12、24、 36、48、60、及び 72 時間後の MetHb 濃度の低下は Group-2 が Group-1 に比べて統計学的に有 意(P < 0.01)に大きかった(表 2.7.3.2.2-1)。また、試験期間中は、MB 静脈内投与とともに併 用療法(被験者全員に酸素吸入、一部の被験者に胃洗浄)がなされた。 表 2.7.3.2.2-1 MB 投与後の MetHb 濃度の経時的変化 投与後時間 (時間) Group-1 (Mean ± S.D.) Group-2 (Mean ± S.D.) P-value (student’s t 検定) 0 52.7 ± 2.522 52.8 ± 3.015 .945 12 44.76 ± 1.322 34.6 ± 2.809 0.001 24 37.50 ± 3.840 29.917 ± 1.695 0.002 36 34.040 ± 3.291 21.967 ± 0.898 0.001 48 29.260 ± 2.711 16.967 ± 1.236 0.001 60 24.820 ± 2.110 13.933 ± 1.150 0.001 72 20.060 ± 1.496 11.200 ± 1.414 0.001

2.2.2

プロスペクティブ試験

MetHb 血症に対する MB の有効性を評価したプロスペクティブな文献が 1 報あり、その他 に、MetHb 還元効果に対する MB とトルイジンブルーとの比較、新生児 MetHb 血症に対する 効果、及び胎児 MetHb 血症に対する予防効果を検討した試験が 3 報あった。それらの概要を 以下に記載する。

(44)

2.2.2.1 MetHb 血症(原因: プリロカイン)への MB 投与(添付資料番号5.3.5.2-003) 【方法】 術前患者と健康成人ボランティアを A~D の 4 群に分けて薬剤投与により誘発された MetHb 血症に対する MB の効果を確認した。 A 群(術前患者 67 名、男性 54 名/女性 13 名、19~83 歳)にはプリロカインの 300 mg、600 mg、 900 mg、1200 mg、1600 mg を投与し、B 群(術前患者 14 名、男性 12 名/女性 2 名、19~82 歳)には 500 mg のリドカイン(文献中ではリグノカインと表記)を投与し、C 群(健康成人 ボランティア 9 名、男性 8 名/女性 1 名、22~30 歳)には 1200 mg のプリロカインを投与し て、MetHb 濃度を定期的に測定した。また、D 群(アスコルビン酸のみ投与された症例を除く 術前患者 6 名、性別年齢記載なし)のうち 5 名には 600 mg(1 名)、900 mg(1 名)、1200 mg (3 名)のプリロカインの投与直前に 1 mg/kg の MB を静脈内投与して 6~24 時間後の MetHb 濃度を測定した。残る 1 名には 1200 mg のプリロカインを投与して、3 時間後に 1 mg/kg の MB を静脈内投与して MetHb 濃度の経時変化を観察した。 【結果】 A 群の患者 67 名と C 群の健康成人ボランティア 9 名のすべてで、MetHb 血症とチアノーゼ が誘発された。MetHb 濃度は、多くの患者でプリロカイン投与 6 時間後にピークに達した。 なお、リドカイン 500 mg を投与した B 群では MetHb 血症とチアノーゼは観察されなかった。 D 群の MetHb 濃度の推移を図 2.7.3.2.2-1に示す。MB を事前投与した 5 名では、ピーク時 の MetHb 濃度はいずれも 5%以下であり、MB を事前投与しなかった A 群のピーク時の MetHb 濃度よりも低値であった。また、プリロカイン 1200 mg を投与し、3 時間後に 1 mg/kg の MB を投与した 1 名では、MB 投与前まで上昇し続けた MetHb 濃度が MB 投与後には急激に低下 し、3 時間後には消失した。

(45)

図 2.7.3.2.2-1 MetHb 濃度推移 ▲: プリロカイン 600 mg(1 mg/kg MB 直前投与, n = 1) ●: プリロカイン 900 mg(1 mg/kg MB 直前投与, n = 1) ■: プリロカイン 1200 mg(1 mg/kg MB 直前投与, n = 3) □: プリロカイン 1200 mg(1 mg/kg MB を矢印の時点で投与, n = 1) 2.2.2.2 その他: プロスペクティブ試験

2.2.2.2.1 MetHb 血症(原因: 4-dimethylaminophenol hydrochloride)への MB 投与(添付 資料番号5.3.5.2-005)

【方法】

健康成人ボランティア 31 名(男性 23 名/女性 8 名、20~47 歳)に 3.25 mg/kg の 4-dimethyl-aminophenol hydrochloride を静脈内投与し、MetHb 濃度を平均 32.7%に増加させた。10 分後に、 1 及び 2 mg/kg の 3%MB 水溶液(各 6 名)あるいは 1、2、4 mg/kg の 3%トルイジンブルー水 溶液(各 6 名)を静脈内投与して、MetHb の還元効果及び還元初速度の群間差を比較した。 【結果】 トルイジンブルー及び MB はどちらも MetHb 還元を触媒したが、トルイジンブルー2 mg/kg 群は、MB 2 mg/kg 群と比較して MetHb 還元促進効果が 80%高い結果であった。還元初速度の 比較では、MB 1 mg/kg 群は、トルイジンブルー1 mg/kg 群よりわずかに MetHb 還元初速度が 速い結果であったが、MB は投与量を 2 mg/kg に増加しても還元初速度は変化しなかった。一 方トルイジンブルーの投与量を 2 mg/kg に増加すると還元初速度も速くなり、トルイジンブル ー2 mg/kg 群の還元初速度は MB 2 mg/kg 群のほぼ 2 倍であった。 2.2.2.2.2 新生児 MetHb 血症への MB 投与(添付資料番号5.3.5.2-006) 【方法】

デンマークの Hvidovre 病院の新生児集中治療室(neonatal intensive care unit: NICU)内で治 療を受けた新生児 415 名を対象として、MetHb 血症の発現の有無を確認するために 8 ヵ月間 にわたり MetHb 濃度を測定した。MetHb 濃度が 6%以上の患者を MetHb 血症として登録し、

(46)

MB(0.1~1.6 mg/kg)を静脈内投与した後の臨床パラメータを集積した。MetHb 濃度は MB 投 与前後に測定し、MB 投与前と投与 2 日後には末梢血中の赤血球の形態を観察した。 【結果】 対象となった 415 名の新生児のうち 33 名(8%)が MetHb 血症で、そのうち 13 名が MB 投 与(総投与回数: 28 回)による治療を受けた。患児に MB を静脈内投与した結果、いずれも MetHb 血症は回復した。20 名には MB は投与されなかった。 患児の MetHb 濃度は平均 19%(範囲 6.5~45.5%)であった。文献で推奨された MB の用量 (1.0~1.6 mg/kg)を 11 回* 静脈内投与した結果、MetHb 濃度の平均 23.2%(範囲 9.9~45.5%) は投与 1~2 時間後に 7.2%(範囲 0.6~25%)に低下した。非常に迅速に効果が発現したため、 次に投与量を 0.1~0.2 mg/kg に下げて MB を 7 回*投与した結果、投与 1~2 時間後の MetHb 還元率は 43%であり、効果が不十分であった。その後、0.3~0.9 mg/kg の MB を 10 回*投与し た結果、投与 1~2 時間後の MetHb 還元率は 1.0~1.6 mg/kg 投与時とほぼ同じ値を示した(表 2.7.3.2.2-2)。なお、末梢赤血球の形態は MetHb 血症児と正常児では類似し、MetHb 血症児の 治療前と治療 2 日後の末梢赤血球の形態も類似していた。 また、MB を投与された患児は、平均 4.8 回(範囲 2~8 回)の輸血を受けており、MB を投 与されなかった新生児の平均 2.3 回(範囲 0~7 回)に比べて多かった。 なお、NICU 治療を受けた新生児の MetHb 血症の原因は複数あると考えられたが、保育器内 の加湿のために添加したクロルヘキシジンが分解して生じた微量のパラクロロアニリンの経 皮吸収及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(nicotinamide adenine dinucleotide: NADH) リダクターゼ濃度レベルが新生児では低いことが主な原因と考察した。 *: 具体的な投与人数、一人当たりの投与回数は不明 表 2.7.3.2.2-2 早産新生児への MB の投与量と MetHb 減少率 平均 MetHb 濃度(範囲)% Dose (mg/kg bw)

(投与回数 n) before after % reduction

1.0~1.6 (n = 11) 23.2 ( 9.9~45.5) 7.2 (0.6~25) 69 (11~94) 0.1~0.2 (n = 7) 27.3 (12.7~34) 16.0 (4.5~28.7) 43 (12~65) 0.3~0.9 (n = 10) 22.3 (14.6~29.6) 7.3 (1.3~19.1) 69 (33~93) 2.2.2.2.3 妊婦及び胎児の MetHb 血症(原因: プリロカイン)への MB 投与(添付資料番 号5.3.5.2-018) 【方法】 30 名の妊婦を 1 群 10 名の 3 群に分け、全員に分娩の際に硬膜外鎮痛剤として 300~1200 mg のプリロカインを単回又は間欠静脈内投与した。10 名には MetHb 血症に対する MB の治療効 果を調べるために、プリロカインの投与開始後(平均麻酔時間 212 分)、分娩直前に 2 mg/kg の MB を静脈内投与した。MB 投与直前の母体の静脈血、出産時の母体の静脈血、臍帯静脈血、 及び動脈血を用いて MetHb 濃度を測定した。別の 2 群には MetHb 血症に対する MB 又はアス コルビン酸の予防効果を調べるために、プリロカインの投与開始と同時に 2 mg/kg の MB 又は

図  2.7.1.2.2-2 ヒト尿での吸光度と MB 濃度との関係
表 2.7.2.1.1-1 ヒト生体試料を用いた in vitro 試験の一覧 試験の種類 試験の内容 添付資料 番号 血漿タンパク結合 DS-2207b 製剤と MB USP 品のヒト血漿タンパク結 合率の測定 5.3.2.1-001 CYP の阻害及び酵素誘導 ヒトの CYP 分子種に対する DS-2207b 製剤と MB  USP 品の阻害作用、及び酵素誘導の評価 5.3.2.2-001
表 2.7.2.2.1-2 MB の CYP 分子種に対する阻害作用
図 2.7.2.2.1-2 ヒト肝細胞(ロット AAS)での 2 種類の MB による CYP3A4 活性の誘導
+7

参照

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