3. コンピタンス概念についての理解の深化
3.4. コンピタンスとユーザビリティ活動の構造モデル作成
3.4.7. 結果③コンピタンス/活動毎の詳細なモデル分析
えていることがわかる。
「ユーザーインタフェース(UI)に関する知識(#11)」や「製品、技術に関する知識(#14)」
については、多くの活動から得ることが出来る。すなわち、OJT で得やすい知識と考える ことができる。
また、「ユーザビリティテスト活動」は多くのコンピタンスに影響を与えており、OJT の 効果が高いユーザビリティ活動であると考えられる。
間接的活動を見ると、間接的活動が影響を与えるコンピタンスは、主にビジネス活動能力 とマネージメント能力である。
ユーザビリティ活動間の関係を見ていくと、特に「組織マネージメント活動」は様々なコ ンピタンスに影響を与えている。興味、関心、態度や活動理念の知識、基本能力の一部やビ ジネス活動能力、マネージメント能力などが影響を受けている。一方、ユーザビリティ関連 学問分野および調査、評価手法の知識や、ユーザビリティエンジニアリング能力には影響が さほどない。
コンピタンスでは、「コミュニケーション能力(#41)」、「プレゼンテーション能力(#42)」
が多くの活動から影響を受けている。
続いて、構造モデルに含まれないコンピタンスについて見ていく。
知識や基本能力の多くは構造モデルに含まれていない。これらのコンピタンスはユーザビ リティ活動の実施だけではなかなか身に付かないことが伺える。つまり、必要な知識につい ては別途 OJT とは異なる学習が必要であることが示唆される。また、基本能力についても、
一般的に採用時に重要視され、業務活動を開始する以前から有していることを期待される能 力であるように、やはり業務を通じて容易に身に付くものではないようだ。
また、ユーザビリティエンジニアリング能力の一部も構造モデルに含まれていない。具体 的には「リサーチデザイン能力(#44)」、「インタビュー実施能力(#45)」、「観察能力(#46)」
である。これらの能力は、上述のような知識や基本能力が元になっていると考えられる。
3.4.7 のコンピタンス/活動毎のモデル分析によって詳細に見てみると、これらのコンピタ ンスは、関連学問分野・手法の知識を中心に、知識や基本能力、「コミュニケーション能力」
などから影響を受けていることがわかる。
ピタンスという観点から考察を行うためである。いくつかのしきい値に対して検討を行い、
縮約によるモデルのわかりやすさとノード間の連結による情報の豊かさを勘案して、最終的 にしきい値を p=0.0200 とした。パスは原則破線で表し、関係性の強いパス(p=0.0290 以 上)については実線で、特に関係性の強いパス(p=0.0400 以上)については太線で示すこ ととした。
また、ユーザビリティ活動からコンピタンスへのパスについては、引き続き直接影響行列 を用いた。これは、ユーザビリティ活動はコンピタンス概念とは異なり具体的な活動を分類 したものであるため、それぞれの活動間の影響を通じた間接性を排除した方が、活動がコン ピタンスに与える影響について適切な考察が行えると判断したためである。いくつかのしき い値に対して検討を行い、縮約によるモデルのわかりやすさとノード間の連結による情報の 豊かさを勘案して、最終的にしきい値を p=0.0120 として構造モデルを作成した。同様に、
パスは原則破線で表し、関係性の強いパス(p=0.0150 以上)については実線で、特に関係 性の強いパス(p=0.0300 以上)については太線で示した。
それぞれの図では、ノードはコンピタンス/活動の番号で示されている。コンピタンス項 目は丸数字で、ユーザビリティ活動項目は反転数字で頭に A を付加して表現されている。
本項の分析から得られた知見は、既に 3.4.5、3.4.6 にて述べてあるため、ここでは 3.4.5、
3.4.6 で分析に用いられたノードのモデル図を示しておく。
9
10
49
図 3-8 社会学に関する知識(#9)
10 9
図 3-9 人類学や民族誌学に関する知識(#10)
15 A18
A19
図 3-10 法令や規格、基準に関する知識(#15)
20
図 3-11 倫理的態度に関する知識(#20)
22 11
1
A7
A19 7
26 21 A9 2
A10
A11
A19 A8
図 3-12 ユニバーサルデザインに関する知識(#22)
24
図 3-13 経営学に関する知識(#24)
29 4
A9
A19
図 3-14 機転能力(#29)
32
31
A7 A13
図 3-15 想像力(#32)
33 57 A13
A18
図 3-16 持久力(#33)
5
35
図 3-17 モチベーション(#35)
5 36
図 3-18 学習能力(#36)
37 3
4
51
A7 2
5
A7
A19
図 3-19 新しいもの・領域への積極性(#37)
39
55 54 53
A19
図 3-20 自律能力(#39)
43
42
A4 27
41
A19 A17
A18 A15
図 3-21 インタビュー実施能力(#45)
44 13
A13
A14 4
17 16
A2
A9 A1
19 18
26 23
48 27 A1
A19
図 3-22 リサーチデザイン能力(#44)
45 26
41
A1
A9 8
31
47
A19
図 3-23 インタビュー実施能力(#45)
46 1
6
13
26
31
A8
A9 A8
A19
47
図 3-24 観察能力(#46)