2. コンピタンスリストの作成
2.3. 質問紙調査による支持の確認と改定
2.3.4. コンピタンスリストの見直しと第2版への改定
中央上部に必要な基本能力・知識(大分類 A)、中央に重要な基本能力・考え方(大分類 D)、右下にユーザビリティ業務を遂行するための専門能力(大分類 C)、左にマネージメン ト業務を遂行するためのビジネス能力(大分類 E)、中央左部にあまり重要視されないコン ピタンス(大分類 B)が分布している。また、大分類 A は、A1.ヒューマンファクターに関 する知識、A2.UI やプロセスに関する知識、A3.経験、A4.動機・モチベーション、A5.デザ イン開発活動関連の5クラスターから構成される。
5大分類毎のコンピタンス、全体の三角形状の配置や、大分類 A 内のクラスター構成で A1 や A2 が右下に位置することなどから、基本能力や知識を基に、ユーザビリティ業務を 遂行するための専門能力と、マネージメント業務を遂行するためのビジネス能力が存在する ことが伺える。また、大分類 C と大分類 E を除いた中央近辺のコンピタンスには、重要度 の差が見て取れる。その他、コンピタンス単位で見ると、例えばユーザビリティ評価関連の コンピタンス(40、41)が最も専門性の高いものと捉えられていることが示唆されている。
表 2-15 コンピタンスリストの改定要件
表 2-16 コンピタンスリスト 第2版
ここに挙げられたコンピタンスのうち、A.考え方、B.知識、C.基本能力は、マネージャ ー/エンジニアを問わず(ただし、B4.はエンジニアの、B5.はマネージャーの知識である)、
根源的で広く要求されるコンピタンスであり、D.ユーザビリティエンジニアリング能力、
E.ユーザビリティマネージメント能力は、エンジニア、マネージャーにとってそれぞれ実際 の業務活動として求められるものにより近いコンピタンスとなっている。
また、それぞれのコンピタンス項目の概念説明は、表 2-17 に示すようにコンピタンスリ スト第1版の要約に対して、マネージャーおよびエンジニアそれぞれの重要度に関する記述 を追加したものとした。
表 2-17 第2版におけるコンピタンス概念の記述(抜粋)
コンピタンスリスト第1版から第2版への主な改定内容を表 2-18 に示す。
コンピタンスリスト第2版は、ユーザビリティエンジニアリング能力とユーザビリティマ ネージメント能力という分類を設定することにより、専門活動の位置付けがより明確になっ た。また、知識を中心に中分類を設定することで、根源的なコンピタンスから活動に近いコ ンピタンスまで、それぞれのコンピタンスの位置付けをより把握しやすいものとなった。そ こに重要度分類を付与することで、さらに各コンピタンスの重要性を示すことができた。
まとめると、コンピタンスリスト第2版は、コンピタンスそのものは第1版と変わらない ものの、それぞれのコンピタンスの位置付けをより的確に提示したリストであるといえる。
29.コミュニケーション能力
36.リサーチデザイン能力
表 2-18 コンピタンスリスト第2版への改定内容
図 2-7 コンピタンスリスト間の関係