2. コンピタンスリストの作成
2.2. コンピタンス概念の収集とコンピタンスリストの作成
2.2.2. 産業界へのインタビュー調査②
表 2-5 コンピタンスリスト ドラフト:インタビュー調査①
表 2-6 にインフォーマントの内訳を示す。
表 2-6 インフォーマント内訳
1 1
1 1
2
1 1
1 1 1
2 1
1 1 11
5
2.2.2.2. 調査方法
状況制約として短期間で多数のインタビューをこなす必要があったため、インタビュアー は、筆者を含む TC 協会「ユーザビリティ資格認定制度に関する調査研究」の活動メンバー 13 名(マネージャ7名、エンジニア6名)とした。活動メンバーは普段はそれぞれの会社 でユーザビリティ活動に従事している。インタビュアー毎に1〜2社を分担したが、担当イ ンタビュアーによるバイアスを軽減するため、半構造化インタビューの項目シートを提供し た上で、事前にインタビューの実施方法および、それを使ったインタビュー方法の実例を示 す、インタビュアーとインフォーマントが同業種となる組み合わせを避けるといった標準化 を図り、インタビュー手法やインタビュー項目をインタビュー調査①と同様のものとして各 インタビューを実施した。
また、情報コンサルティング1社については、スケジュールの都合から、インタビューで はなく、インタビューシートを調査票とした質問紙調査となった。
2.2.2.3. インタビューデータ
インタビュー記録を書き起こし、各社のインタビュー毎におよそ 4,000〜19,000 字のテ キストデータを生成した。分析には、このデータ(質問紙回答を含む)を用いた。
2.2.2.4. 分析
門能力」、より一般的にビジネス活動全般に必要と考えられるものを「ビジネス能力」、そし て残りのより根源的と考えられるものを「基本能力」として分類した。その他のコンピタン ス概念については、適性に含まれないものを「経験・実績」として「考え方」とは別の分類 とした。
2.2.2.5. 結果と考察
生成されたコンピタンス概念をそのままコンピタンス項目とし、表 2-7 にしめす、6分 類、38 項目からなるユーザビリティ担当者のコンピタンスリストを得た10。
インタビュー調査①と比べてデータ量が多く、また分析者(筆者)のコンピタンス概念に 対する理解の深化もあり、コンピタンスおよびカテゴリーがより細分化されている。本調査 では、インタビュアーの増加によって得られるコンピタンス概念が多様化した可能性も考え られるが、2.2.2.2 で示したようにインタビュアーによる差異を低減する努力をしており、
その可能性は最小に抑えられていると考えられる。
10 一部、ユーザビリティ活動に関連する専門用語について注釈する。3.および 34.の「UCD」とはユ ーザーセンタードデザイン User Centered Design の略である。人によって解釈の違いは多少ある が、一般的には ISO 13407 で定義されているヒューマンセンタードデザイン(HCD:人間中心設計)
とほぼ同義として扱われることが多い。27.のインスペクション inspection 評価は表 2-5 のヒュー リスティック評価(広義)とほぼ同様の意味である。ここではヒューリスティック評価の語弊(広 義と狭義がある)を避けるためにインスペクション評価へと改名した。29.の「要件 requirement」
は、ものづくりにおいて満たすべき条件、目標を意味し、HCD やユーザビリティの文脈において重 要視されることが多い。
表 2-7 コンピタンスリスト ドラフト:インタビュー調査②