4. 収斂と改定
4.3. ユーザビリティ活動リストの改定
4.3.3. 検討③ママネージャーへのユーザビリティ活動状況に関する実態調査
3.3.3 で触れたように、ユーザビリティマネージャーへの調査において、3.3 にて前述し た、コンピタンスとユーザビリティ活動との対応表を作成するための調査と共に、ユーザビ リティ活動の実態調査を行った。
4.3.3.1. 方法
2004 年 12 月 20 日から 2005 年 2 月 25 日にかけて、ユーザビリティ活動のマネージメ ントに従事する有識者 20 名に対して、郵送調査法による質問紙調査を行った。メールで調 査への協力を依頼し、承諾後に質問紙を郵送した。
調査概要については 3.3 を参照されたい。
4.3.3.2. 質問紙
質問紙は、全 50 ページからなる調査票に加え、回答に必要な「ユーザビリティ活動リス ト第1版」、「コンピタンスリスト第3版」が同封されている。
調査票では、所属部署や職位などの基礎情報の他、以下の質問を行っている。
1.ユーザビリティ活動状況について
19 のユーザビリティ活動項目に対して、所属組織におけるユーザビリティ活動を、5段 階の順序尺度に「わからない」を含む選択肢(5. 特に主要な活動である、4. 主要な活動で ある、3. 一般的な活動である、2. 実施しているが稀である、1. 実施していない、0. わか らない)から選択してもらった。また、ユーザビリティ活動リスト以外の活動についても自 由記入を求めた。
2.ユーザビリティ活動に必要なコンピタンスについて
コンピタンス毎に、各ユーザビリティ活動におけるコンピタンスの必要性について、5段 階の順序尺度に「わからない」を含む選択肢(5. 特に高度なコンピタンスが必要、4. 高度 なコンピタンスが必要、3. 標準的なコンピタンスが必要、2. 基礎的なコンピタンスがあれ ばよい、1. 必要ない、0. わからない)から選択してもらった。
本項では、1.ユーザビリティ活動状況についての結果を述べる。なお、2.ユーザビリティ 活動に必要なコンピタンスについては 3.3 にて詳述した。
4.3.3.3. 結果
度数分布および特徴パターン(上田, 2003)をそれぞれ表 4-38、表 4-39 に示す。なお、
特徴パターン作成に際しては、表 4-37 に示すコーディングを行っている。
表 4-37 特徴パターンコーディング対応
2.0 1.3 2.0 1/2.0 1/1.3
0 1/2.0
表 4-38 ユーザビリティ活動実施状況 度数分布
2 4 4 6 4 2 3.5 4
1 3 6 7 3 3 3.5 4
2 4 4 3 7 2 3.5 5
4 1 8 4 3 2.75 3 4
2 2 9 3 4 3 3 4
5 5 4 3 3 1.75 2.5 4
8 0 3 3 5 1 3 4.5
3 2 2 5 8 2.75 4 5
3 2 2 5 8 2.75 4 5
2 8 5 5 0 2 2.5 3.25
4 8 3 5 0 2 2 3.25
4 7 3 4 2 2 2 4
4 3 7 5 1 2 3 4
0 6 8 3 2 2 3 3.5
3 3 10 3 1 2 3 3
4 4 7 3 2 2 3 3.25
3 6 9 2 0 2 3 3
3 3 11 2 1 2 3 3
5 2 8 3 2 1.75 3 3.25
表 4-39 ユーザビリティ活動実施状況 特徴パターン
その他自由回答として、表 4-40 に挙げる回答が得られた。なお、表中のカテゴリー分類 は筆者が行ったものである。
表 4-40 その他ユーザビリティ活動の自由記入回答(抜粋)
これらの結果から得られる知見を述べる。
実施状況の調査結果をみると、ユーザビリティ活動リスト第1版に挙げられたユーザビリ ティ活動が実際にそれぞれの企業で行われていることがわかる。また、自由記入に極端にリ ストから外れた内容が含まれていないことから、全体的にはユーザビリティ活動リスト第1 版は、大きな過不足無く現在のユーザビリティ活動を表したものであると考えて良いであろ う。
ユーザビリティ活動の中では製品開発活動が中心であるようだ。また、調査活動、研究開 発活動がそれに続き、その他の活動は一般的ではあるがそれほど主要な活動ではないことも わかる。
4.3.3.4. ユーザビリティ活動リスト改定のための要件
本調査で得られた結果からは、表 4-41 に示す内容をユーザビリティ活動リストの改定要 件とすべきであると考えられる。
表 4-41 ユーザビリティ活動リスト第1版からの改定要件(検討③)