3. コンピタンス概念についての理解の深化
3.4. コンピタンスとユーザビリティ活動の構造モデル作成
3.4.6. 結果②ユーザビリティ活動からコンピタンスへの構造モデルの作成
ンピタンスを明示するためである。
併せて、図 3-5 に各ユーザビリティ活動を関連度と影響度でプロットしたグラフを示す。
ここで、関連度の高さは、他のコンピタンス/活動との関係の大きさを示す。影響度は、そ れが高いほど他のコンピタンス/活動へ影響を与えており、逆に影響度が低いほど他のコン ピタンス/活動から影響を受けていることを示す。
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A11
A2
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A13
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A14
A5 A15
A6 A16
A7 A17
A8 A18
A9 A19
A10
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1 21
14 43
38 41
42 2
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29 30 31 32 33
35 36 37 39 40
44 45 46
53 54 55 56 58 4
図 3-6 ユーザビリティ活動→コンピタンスの構造モデル p=0.0150
図 3-7 関連度および影響度のプロット
構造モデル(図 3-6)と、関連度と影響度のグラフ(図 3-7)からは、以下のような解釈 を行うことができる。
構造モデルは、3.4.5 と同様に、大きく捉えると、A.調査評価活動+B.設計デザイン活動 からなる直接的活動と、C.戦略的活動+D.センター活動からなる間接的活動の2つのクラ スターにわけて考えることができる。また、基本的には、3.4.5 のコンピタンス→活動の構 造モデルの裏返しとなっている。すなわち、ユーザビリティ活動の実施によって、そのユー ザビリティ活動に必要なコンピタンスも影響を受けるということである。これは、業務を通 じてその業務に必要な能力を得るという OJT(On the Job Training)の考えとも整合する。
直接的活動が影響を与えるコンピタンスは、主に興味・関心・態度、知識、ユーザビリテ ィエンジニアリング能力である。
直接的活動では、ユーザビリティ活動間のパスは複雑で相互の関連性が高いことが伺える。
ユーザビリティ活動間の関係を見ていくと、調査評価活動が、設計デザイン活動に影響を与
えていることがわかる。
「ユーザーインタフェース(UI)に関する知識(#11)」や「製品、技術に関する知識(#14)」
については、多くの活動から得ることが出来る。すなわち、OJT で得やすい知識と考える ことができる。
また、「ユーザビリティテスト活動」は多くのコンピタンスに影響を与えており、OJT の 効果が高いユーザビリティ活動であると考えられる。
間接的活動を見ると、間接的活動が影響を与えるコンピタンスは、主にビジネス活動能力 とマネージメント能力である。
ユーザビリティ活動間の関係を見ていくと、特に「組織マネージメント活動」は様々なコ ンピタンスに影響を与えている。興味、関心、態度や活動理念の知識、基本能力の一部やビ ジネス活動能力、マネージメント能力などが影響を受けている。一方、ユーザビリティ関連 学問分野および調査、評価手法の知識や、ユーザビリティエンジニアリング能力には影響が さほどない。
コンピタンスでは、「コミュニケーション能力(#41)」、「プレゼンテーション能力(#42)」
が多くの活動から影響を受けている。
続いて、構造モデルに含まれないコンピタンスについて見ていく。
知識や基本能力の多くは構造モデルに含まれていない。これらのコンピタンスはユーザビ リティ活動の実施だけではなかなか身に付かないことが伺える。つまり、必要な知識につい ては別途 OJT とは異なる学習が必要であることが示唆される。また、基本能力についても、
一般的に採用時に重要視され、業務活動を開始する以前から有していることを期待される能 力であるように、やはり業務を通じて容易に身に付くものではないようだ。
また、ユーザビリティエンジニアリング能力の一部も構造モデルに含まれていない。具体 的には「リサーチデザイン能力(#44)」、「インタビュー実施能力(#45)」、「観察能力(#46)」
である。これらの能力は、上述のような知識や基本能力が元になっていると考えられる。
3.4.7 のコンピタンス/活動毎のモデル分析によって詳細に見てみると、これらのコンピタ ンスは、関連学問分野・手法の知識を中心に、知識や基本能力、「コミュニケーション能力」
などから影響を受けていることがわかる。