特別高圧架空電線が他の特別高圧架空電線と接近状態に施設さ れ,又は交さして施設される場合は,第3項の場合を除き,次の各号 によらなければならない。
三 1の特別高圧架空電線と他の特別高圧架空電線との離隔距離 は,第135条〔特高と索道の接近〕第1項第2号本文の規定に準ず ること。ただし,それぞれの特別高圧架空電線がケーブルを使 用する使用電圧が35,000V以下のものである場合であって,相 互の離隔距離が50cm以上であるときは,この限りではない。
○「解説 電気設備の技術基準 昭和47年1月改正(昭和47年3月30日 総合図書)」によれば,第137条の解 説の改正点で「35kV以下の特別高圧架空電線にケーブルを使用する場合の相互の離隔距離を緩和した。」
と記載されている。
○「改正点解説付 電気設備技術基準(昭和47年2月20日 日本電気協会)」によれば,第137条の改正点の 解説で「旧条文第1項第三号を今回同項第三号と第四号に分け,第三号中ただし書きとして35kV以下の特 別高圧架空ケーブルの場合の特別高圧架空電線相互の離隔距離が新たに規定された。 」と記載されてい る。
○「改正点解説付 電気設備技術基準(昭和47年2月20日 日本電気協会)」によれば,第112条の2の解説で
「旧条文第113条の規定により,特別高圧架空電線(15kV以下の中性点接地方式のものは除く。)には裸 電線以外は使用できないこととなっていた。
しかしながら,最近の都市過密化の進展に伴い,特別高圧架空電線路の用地取得が困難化する一方,需 要の増大により大電力を需要地中心付近まで送り込む必要性が高まっている。この問題を地中電線で解 決するためには,経済性のほか,道路地下埋設物の輻輳化および交通量の増大等からかなりの制約を受 けるのが実情である。
このような地域において
① 従来の高圧配電線に代わり,配電線として35kV以下の特別高圧が採用され始めている。
② 電線の絶縁物の品質向上が著しい。
③ 電力の安定供給ならびに保安確保の面で効果ある施設が望まれる。
以上の理由により今回,裸電線以外にケーブルおよび絶縁電線の使用が認められた。
したがって,旧条文第1項第三号中ただし書きとして35kV以下の特別高圧架空ケーブルの場合の特別 高圧架空電線相互の離隔距離が新たに規定された
なお,絶縁電線を使用した場合の他工作物との離隔距離等については,植物との離隔を除いては,新し く規定することが見送られたので,裸線と同様の取扱いをうけることとなった」と記載されている。
○「35kV以下の架空電線路(ケーブル)に関する技術基準改正案(日本電気協会)」によれば,改正理由で
「架空ケーブルの電圧は技術的には,100kVまで十分可能であるが,現時点における実績,必要性などから
今回は実用度の高い35kV以下を主体に改正案を作成しており,35kV超過の場合については将来必要となっ
た時点であらためて検討することにしている。」と記載されている。また,第137条の改正理由では第135
条,第133条と同一主旨による改正と記載されており,第133条の改正理由で「ケーブルの離隔距離について
Ⅲ - 1 - 7 0
年月日 規 定 制・改正の概要 制・改正の理由
は,ケーブルは単独で必要な絶縁強度を有しており,さらに金属製のしゃへい層を接地することにしてい るので,あえて離隔距離を定めなくとも十分安全であるが,あまり接近すると接触による損傷,作業時の支 障などを生ずることが考えられるので,建造物に対して高圧架空ケーブルに準じた離隔距離を規定してい る。 」と記載されている。(本改正案では40cmと記載されている)
<参考>
◇「解説 電気設備の技術基準 昭和47年1月改正(昭和47年3月30日 総合図書)」によれば,第82条の解 説で「電線に絶縁電線を用いた場合について原則として,低圧の場合は電線に低圧絶縁電線または多心型 電線を用いたときは裸電線の場合の2/3,高圧絶縁電線またはケーブルを用いたときは裸電線の場合の1/3 まで離隔距離を短縮できることとし,また高圧の場合は電線に高圧絶縁電線を用いたときは裸電線の2/3, ケーブルを用いたときは裸電線の1/3に緩和している。しかし,建造物の造営材においては,あまり近づけ ることは一般に人が触れる危険性もあるので,ケーブルを用いた場合のみ裸電線の1/2に短縮できること になっている。 」と記載されている。
【第87条「低圧架空電線相互の接近または交さ」および第89条「高圧架空電線相互の接近または交さ」の 内容抜粋】
低圧架空電線相互の離隔距離
1m(いずれか一方の電線が,低圧絶縁電線また は多心型電線である場合は60cm,高圧絶縁電 線またはケーブルである場合は30cm)以上 高圧架空電線相互の離隔距離
1.2m(いずれか一方の電線が,高圧絶縁電線で ある場合は80cm,ケーブルである場合は40cm)
以上
◇「解説 電気設備の技術基準 第4版(昭和57年8月10日 総合図書)」によれば,第114条の解説で「特別 高圧架空電線でケーブルや絶縁電線を使用する場合の規定の基本的な考え方については低高圧架空電線 の場合と同様である。」と記載されている。
S48.10.17 改正「技術基準」
(通産省令第103号) 関連改正なし S51.10.16 改正「技術基準」
(通産省令第70号) 関連改正なし S52.1.21 改正「技術基準」
(通産省令第8号) 関連改正なし S52.12.9 改正「技術基準」
(通産省令第70号) 関連改正なし S56.7.21 改正「技術基準」
(通産省令第43号) 関連改正なし
S57.2.16 改正「技術基準」
(通産省令第3号)
【特別高圧架空電線相互の接近又は交さ】
第137条
特別高圧架空電線が他の特別高圧架空電線と接近状態に施設さ れ,又は交さして施設される場合は,第3項の場合を除き,次の各号 によらなければならない。
三 1の特別高圧架空電線と他の特別高圧架空電線との離隔距離 は,前条第1項第2号の規定に準ずること。ただし,それぞれの特 別高圧架空電線の使用電圧が35,000V以下であって,次のいず れかに該当する場合は,この限りではない。
イ 1の特別高圧架空電線がケーブルを使用するものであっ て,他の特別高圧架空電線が特別高圧絶縁電線又はケーブル を使用するもので,相互の離隔距離が50cm以上である場合。
○「改正点解説付 電気設備技術基準(昭和57年2月20日 日本電気協会) 」によれば,第137条の改正点の 解説で「特別高圧絶縁電線は,相互が混触しても絶縁破壊を起こさないだけの絶縁性能を有しているこ とが実験により確かめられているので,特別高圧絶縁電線とケーブルとの離隔距離をケーブル相互の場 合と同様50cmとし,特別高圧絶縁電線相互の離隔距離が,裸電線相互の2.0m,ケーブル相互の50cmとの整 合性を考慮し1.0mと規定された。」と記載されている。
○「解説 電気設備の技術基準 第4版(昭和57年8月10日 総合図書)」によれば,第137条の解説の改正点 で「特別高圧絶縁電線を使用する35kV以下の特別高圧架空電線と他の特別高圧架空電線との接近又は交 さの場合の施設方法について規定した。」と記載されている。
また,第137条の解説で「35kV以下の特別高圧架空電線に特別高圧絶縁電線又はケーブルを使用する場
合は,第136条と同趣旨により相互の離隔距離を緩和している。 」と記載されている。さらに第136条の解
説で「35kV以下の特別高圧架空電線に特別高圧絶縁電線又はケーブルを使用する場合の離隔距離の考え
方は第133条の場合と同様である。」と記載されている。第133条の解説で「特別高圧絶縁電線を使用す
Ⅲ - 1 - 7 1
年月日 規 定 制・改正の概要 制・改正の理由
ロ それぞれの特別高圧架空電線が特別高圧絶縁電線を使用 するものであって,相互の離隔距離が1m以上である場合。
る場合の離隔距離としては,人体計測結果,低高圧架空電線との整合性を考慮して規定した。」と記載さ れている。
○「改正点解説付 電気設備技術基準(昭和57年2月20日 日本電気協会)」によれば,第133条の改正点の 解説で「特別高圧絶縁電線は,万一,人が接触しても十分な安全性を有しているが,一般公衆の日常行動 範囲内に施設することは好ましくないことから,人が手を伸ばした状態で接触しない範囲を明確にする ために人体測定を行った。特別高圧絶縁電線を使用する場合の離隔距離として,この計測結果に若干の 裕度を加えて,建造物の上部造営材の上方で人が背伸びをしても手が届かない2.5m,側方においては人 が前方に体を伸ばしても手が届かない1.5mが規定された。これ以外の人が近寄るおそれのない部分との 離隔距離については,低高圧架空電線に絶縁電線を使用する場合の離隔距離(0.6m~0.8m)との整合性を 考慮し,1.0mと規定された。」と記載されている。
○「電気設備に関する技術基準改正案(昭和54年6月 電気技術基準調査委員会)」によれば,参考資料3「特 別高圧絶縁電線と他物との離隔距離」の特別高圧絶縁電線の離隔距離上の位置づけの記載で
「これまで特別高圧の架空電線としては,裸線が一般的であり,これに35kV以下の架空ケーブルが昭和47 年の基準改正においてつけ加えられ,それぞれの離隔距離規定を有している。
22(33)kV架空配電線路に用いられる特別高圧絶縁電線は,保安上,裸線ともケーブルとも異なる異種の 電線であり,これについての妥当な離隔距離規定を設ける必要があるので,以下,その検討を行った。
架空電線と建造物等の離隔距離を設定するにあたっては他物が接触した場合の影響から,保安上の基本 的な考え方を整理しておく必要がある。
すなわち,裸線については,接触した場合,必ず感電事故となるほか,至近距離では接触前にアーク線絡 を起こす場合もある。したがって,接触の可能性のあるような場所では十分な離隔を保っておく必要があ る。一方,ケーブルは外部にしゃへい層を有しているので,接触しても何等危険ではない。
これに対し絶縁電線は被覆絶縁物により十分な絶縁性能を有しているので,万一,人が接触した場合に おいても感電事故となる危険性はない。しかし,絶縁物の損傷や劣化を考えた場合,ケーブルと同等の評価 をすることはできない。
以上のことから,絶縁電線の離隔距離を考える場合は,裸線とケーブルとの中間的格付けで論ずること ができると言えよう。
すなわち,人(一般公衆)の常時近寄るような場所では,たとえそれが安全なものであっても,日常の行 動範囲(人が手を伸ばして届く範囲)の中に施設することは好ましくないから,人の行動範囲以上の離隔 距離を保っておくのが妥当である。しかし,人が通常近寄らないような場所では,他物に接触しない距離だ け保っておけば,十分といえる。」
と記載されている。また,人の近寄らない箇所の離隔距離の記載で
「一般公衆が近寄るおそれのない箇所(たとえば窓のない壁面や,建造物,道路以外の工作物)についての 架空電線の離隔距離の検討あたっては,上記のような人の体位から決定するべきものではなく,理論的に は接触する恐れがないように施設されていればよい。しかも基準で定める離隔距離は維持すべき値であ り,架空電線および対象物それぞれの揺れや,伸びがあっても確保されていなければならない値であるか ら,基準上は「接触しないこと」のみを規定しておけば十分である。しかし,現行基準では低高圧絶縁電線 においても0.3~0.8m程度の離隔距離を定めているので,これとの整合性を考慮して設定することが好ま しい。
高圧絶縁電線を高圧架空電線に用いた場合,人の近寄らない対象物との離隔距離は0.8mと定められてい る。特別高圧絶縁電線を用いた35kV以下の特別高圧架空電線は,他物接触時の安全性の点において,高圧絶 縁電線を用いた高圧絶縁電線と同等以上であるので,この場合の離隔距離は0.8mとして何らさしつかえな い。しかし既基準との整合性を考え,次の諸点を考慮して1.0mとすることが妥当と考えられる。
①ケーブルを用いた低圧架空電線,高圧架空電線,35kV以下の特別高圧架空電線は,いずれも安全性につ いて同等であるにもかかわらず,現行基準では0.3m(低圧),0.4m(高圧),0.5m(特別高圧)と10cm ずつの差を設けている。また絶縁電線についても0.6m(低圧),0.8m(高圧)と,電圧区分により20cm の離隔差を設けている。
②上記の延長線上で考えると特別高圧絶縁電線の場合は1.0mとなり,これは端数もなく,裸電線の2.0m
ドキュメント内
平成22年度電気設備技術基準関連規格等調査報告書
(ページ 100-103)