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特別高圧架空電線と索道又はその支柱との離隔距離は,第1項第号の規定に準 ずること。

第126-1表

二 特別高圧架空電線と索道又はその支柱との離隔距離は,第1項第号の規定に準 ずること。

1.3.3 規定の制・改正の経緯

解釈第126条【特別高圧架空電線と索道との接近又は交さ】(第1項~第4項)の制・

改正の経緯について,電線がケーブルである場合の離隔緩和を規定した昭和47年の「電 気設備に関する技術基準を定める省令」改正時までさかのぼって整理したため,この 概要を以下に説明する。

昭和47年 ○ 使用電圧が35kV以下の場合について,特別高圧架空電線にケーブル使

用する場合の離隔距離が緩和された。

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昭和57年 ○ 使用電圧が35kV以下の場合について,特別高圧架空電線に特別高圧絶 縁電線を使用する場合の離隔距離が緩和された。

○ 「改正点解説付 電気設備技術基準(昭和57年2月20日 日本電気協会)」

第135条解説によれば, 「第1項第二号(第2項第二号,第3項第二号及び第 4項第二号に準用されている。 )については,第133条(特別高圧架空電線 と建造物の接近)と同様,35kV以下の特別高圧架空電線路の電線として 特別高圧絶縁電線を使用する場合の離隔距離が,1.0mとして新たに規定 された以外は表現方法を変更したのみで内容に変わりはない。(第133条 の解説参照) 」と記載されている。

平成 9年 ○ 使用電圧が35kVを超えるものについて,特別高圧架空電線にケーブル を使用する場合の離隔距離が緩和された。

○「解説 電気設備の技術基準(第8版) (平成10年10月23日 文一総合出版)」

解釈第126条解説によれば,「なお,電線にケーブルを使用した場合の離 隔距離の緩和は,従来は35kVに限っていたが,⑨解釈で35kVを超えるも のについても認められた。(→解釈第117条解説)」と記載されている。

○「解説 電気設備の技術基準(第8版) (平成10年10月23日 文一総合出版)」

解釈第117条解説によれば,「特別高圧架空電線にケーブルを使用する場

合は,併架する相手の低高圧架空電線が絶縁電線かケーブルの場合に限

り,相互の離隔距離を2mから1mまでに減ずることができる。これについ

ては,従来使用電圧が35kV以下の特別高圧架空電線についてのみ規定さ

れていたが,35kVを超える架空ケーブルであっても,それ以下のケーブ

ルと基本的特性は変わるものではなく,60kVを超える実績も既に出てき

ており,今後も運用の増加が見込まれることから,⑨解釈で追加した。 」

と記載されている。

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表1 特別高圧架空電線と索道との接近又は交さ(第 1 項~第 4 号)に関する規定の主な制・改正経緯

制・改正年 条 文 規定内容 備 考

昭和 47 年

「 電 気 設 備 に 関 する技術基準」

第 135 条

[電線がケーブルである場合の離隔距離の緩和]

○使用電圧が35kV以下で特別高圧架空電線がケ ーブルである場合に,索道又は索道用支柱との 離隔を緩和(50cm)

特 別 高 圧 架 空 電 線 と 索 道 が 第 1 次接近す る 場 合 の 離 隔 緩和を規定 昭和 57 年

「 電 気 設 備 に 関 する技術基準」

第 135 条

[電線が特別高圧絶縁電線である場合の離隔距離 の緩和]

○使用電圧が35kV以下で特別高圧架空電線が特 別高圧絶縁電線である場合に,索道又は索道用 支柱との離隔を緩和(1m)

平成 9 年

「 電 気 設 備 に 関 す る 技 術 基 準 の 解釈」

第 126 条

[電線がケーブルである場合の離隔距離の緩和]

○使用電圧が35kVを超えるものについて,電線が ケーブルである場合の離隔を緩和(1m)

離 隔 緩 和 規 定 の 適 用 電 圧 を 拡大

詳細は,添付資料1「解釈第126条【特別高圧架空電線と索道との接近又は交さ】 (第 1項~第4項)制・改正の概要と理由」を参照のこと。

1.3.4 規定内容の根拠

解釈第126条【特別高圧架空電線と索道との接近又は交さ】 (第1項~第4項)の規定内 容の根拠に関して,概要を以下に説明する。

(1)使用電圧が35kV以下で電線がケーブルである場合の離隔距離(第1項第二号) 〔50cm〕

「35kV以下の架空電線路(ケーブル)に関する技術基準改正案(昭和45年9月 電気 技術基準調査委員会 配電専門委員会) 」によれば,改正理由で「架空ケーブルの電圧 は技術的には,100kVまで十分可能であるが,現時点における実績,必要性などから今 回は実用度の高い35kV以下を主体に改正案を作成しており,35kV超過の場合について は将来必要となった時点であらためて検討することにしている。」と記載されており,

第135条【特別高圧架空電線と索道との接近または交さ】の改正理由には, 「第133条と 同一主旨による条文の組替えならびに架空ケーブルの規定を追加している。」と記載さ れている。

同資料の133条【特別高圧架空電線と建造物との接近】の改正理由では, 「ケーブル

の離隔距離については,ケーブル単独で必要な絶縁強度を有しており,さらに金属製

のしゃへい層を接地することにしているので,あえて離隔距離を定めなくとも十分安

全であるが,あまり接近すると接触による損傷,作業時の支障などを生ずることが考

えられるので,(中略)高圧架空ケーブルに準じた離隔距離を規定している。」と記載

されている。 (本改正案では索道又は索道用支柱との離隔距離は40cmと記載されている

が,改正は50cmで行われた。 )

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上記数値についての根拠が明確に記載されている資料は見当たらないが,既に規定 されていた第83条【低高圧架空電線と道路等の接近または交さ】 (道路等には索道及び 索道用支柱を含む)の数値との整合性を考慮のうえ,この値に裕度を見込み決定した ものと推定される。

表2

35kV以下の

特別高圧 高圧 低圧

50cm 40cm 30cm

第83条の数値についても根拠が明確に記載されている資料は見当たらないが, 「解説 電気設備の技術基準(昭和43年10月25日 総合図書)」第82条【低高圧架空電線と建造 物との接近】の解説によれば, 「原則として,低圧の場合は電線に(中略)ケーブルを 用いたときは裸線の場合の1/3まで離隔距離を短縮できることとし,また高圧の場合は 電線に(中略)ケーブルを用いたときは裸線の場合の1/3としている」と記載されてお り,これを第83条に当てはめると,

表3

高圧 低圧

裸 線 1.2m 1.0m

ケーブル 40cm 30cm

となることから,第82条と同様の理由で決定したものと推定される。

(2)使用電圧が35kV以下で電線が特別高圧絶縁電線である場合の離隔距離

(第1項第二号)〔1m〕

「電気設備に電気設備に関する技術基準改正理由書(昭和54年6月 電気技術基準 調査委員会 配電専門委員会)」によれば,第135条【特別高圧架空電線と索道との 接近または交さ】の改正理由に「人が容易に近寄る箇所ではないので,特別高圧絶 縁電線と索道との離隔距離は1mとする。 」と記載されている。

上記数値の根拠については,同資料の参考資料3「特別高圧絶縁電線と他物との離 隔距離」の「特別高圧絶縁電線の離隔距離上の位置付け」で, 「(中略)絶縁電線は 被覆絶縁物により十分な絶縁性能を有しているので,万一,人が接触した場合にお いても感電事故となる危険性はない。しかし,絶縁物の損傷や劣化を考えた場合,

ケーブルと同等の評価をすることはできない。 (中略)絶縁電線の離隔距離を考える 場合は,裸線とケーブルとの中間的格付けで論ずることができると言えよう。 (中略)

人が通常近寄らない場所では,他物に接触しない距離だけ保っておけば,十分とい

える。」と記載されている。また,同資料の「人の近寄らない箇所の離隔距離」で「(中

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略)架空電線および対象物それぞれの揺れや,伸びがあっても確保されていなけれ ばならない値であるから,基準上は「接触しないこと」のみを規定しておけば十分 である。しかし,現行基準では,低高圧絶縁電線においても0.3m~0.8m程度の離隔 距離を定めているので,これとの整合性を考慮して設定することが好ましい。 (中略)

次の諸点を考慮して1.0mとするのが妥当と考えられる。

①ケーブルを用いた低圧架空電線,高圧架空電線,35kV以下の特別高圧架空電線 は,いずれも安全性について同等であるにもかかわらず,現行基準では0.3m(低 圧),0.4m(高圧),0.5m(特別高圧)と10cmずつの差を設けている。また,絶 縁電線についても0.6m(低圧),0.8m(高圧)と,電圧区分により20cmの離隔差 を設けている。

②上記の延長線上で考えると特別高圧絶縁電線の場合は1.0mとなり,これは端数 もなく,裸線の2.0mの1/2,ケーブルの0.5mの2倍と,管理上も極めて都合が良 い。」

表4

35kV以下の

特別高圧 高圧 低圧

裸 線 2.0m 1.2m 1.0m

絶縁電線 1.0m 0.8m 0.6m

ケーブル 0.5m 0.4m 0.3m

と記載されており,これらの考え方から,離隔距離1mを決定したと推定される。

(3)使用電圧が35kVを超え電線がケーブルである場合の離隔距離(第1項第二号)〔1m〕

「電気設備に関する技術基準改正理由書(平成8年9月 電気技術基準調査委員会 送電専門委員会) 」別冊-2「電線にケーブルを使用する特別高圧架空電線路の施設条 件の見直しについて」によれば, 「電圧上昇に伴う離隔拡大の考え方」で「電圧が大 きくなる程,万一の事故時における社会に与える影響は大きくなることから,電圧 上昇に応じて離隔を拡大するのが妥当と考える。」と記載されており,「離隔距離決 定の考え方」では「35kV以下の離隔をベースに電圧上昇に対しては裸電線に準じて 離隔を大きくする。」と記載されている。

第135条【特別高圧架空電線と索道との接近または交さ】の離隔距離決定の考え方 については,同資料に「第126条【特別高圧架空電線と低高圧架空電線との併架】の

(支持物に施設する機器に接続する低圧電線との離隔)に準ずる。」と記載されてお

り, (支持物に施設する機器に接続する低圧電線との離隔)には「裸電線の35kV~60kV

における規定値が(中略)2mであることから,ケーブルの場合これに対応する数値

として1mとする。60kV以上は裸電線と同様の方法により算定する。」

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