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科学技術コミュニケーション推進事業

第4章 外部支援による実地検証

8 検証のためのアウトリーチ活動

8.1 科学技術コミュニケーション推進事業

事業の概要 事業支援:

活動名:

支援期間:

支援額:

実施責任者:

主担当者:

副担当者:

企画兼講師:

独立行政法人 科学技術振興機構

「科学技術コミュニケーション推進事業」

デジタルセンサを使って,21世紀の課題に挑戦しよう

~化学の探求とコミュニケーションスキルを中心に~

2012年5月~2013年3月

約1,300,000円(間接経費込)

伊藤 成治(教育学部 学部長)

長南 幸安(教育学部 理科教育講座 教授)

島田 透(教育学部 理科教育講座 講師)

本間 正範(教育学研究科)

JST(科学技術振興機構)の科学技術コミュニケーション推進事業は,第 4 期科学 技術基本計画に基づき,国民の科学技術リテラシーを高めるとともに,国民の科学技術 に対する理解,信頼と支持を得ることができるように,多様な科学技術コミュニケーシ ョン活動を推進することを目的とした事業である。年々,予算規模と採択件数が縮小傾 向にあり,2010年度108件,2011年度103件,2012年度46件,2013年度19件の採 択状況となっている [科学技術振興機構, 2012]。

科学,産業関連の社会教育施設に恵まれない地方都市の市民,生徒にとって,大学 等組織を地域の中核として開催することのできる本推進事業の意義は大きく,また,実 施効果も高いことから今後の予算確保が望まれる。

以下に実施日程ごとの要点を示す。

表 8-2: 科学技術コミュニケーション推進事業 実施日程

回 実施日 学習テーマ(21世紀の課題)

第1回 2012年9月23日

地球の環境温度の変化と氷の融解の関係

温室効果ガスの増加により地球気温が上昇することを明ら かにするための実験を考え,それを実行する。他

第2回 2012年11月3日

気候変動や灌がいの水サイクルに及ぼす影響

気圧/温度の関係,また塩分濃度/電極電圧の関係を明らかに するための実験を考え,それを実行する。他

第3回 第4回

2012年12月16日 2013年1月13日

化石燃料消費と光化学スモッグ,酸性雨の関係 大気中や自動車の排気ガス中の窒素酸化物の濃度を測定す るための実験を考え,それを実行する。他

第5回 2013年2月2日

再生可能エネルギーの特性とその利用

太陽電池の出力電圧の特性(角度,照度,面積等の影響)を 調べる実験を考え,それを実行する。他

活動への参加対象者は,当初弘前市およびその近隣市町村の中学生としていたが,

第 3 回以降は高等学校からの参加要望を受けたことから,中学・高校生向けの実験講座 と改めた。参加生徒の募集に際しては,各学校を訪問または電話にて,活動の説明を行 い,参加を促した。学校行事としての参加形態であると,引率者をあてなければならな いということで,多くの学校では,生徒の自主的な参加という形態がとられた。

対象者: 弘前市/近隣市町村の中学・高校生

参加校: 弘前市立 第三中学校 / 第四中学校 / 第五中学校 黒石市立 黒石中学校

五所川原市立 第三中学校 弘前学院 聖愛中学高等学校

国立大学法人 弘前大学教育学部附属中学校

実施場所: 弘前大学 教育学部 実施時間: 午前3時間/午後2.5時間 URL: 事業説明

http://www.jst.go.jp/csc/sciencecommunication

外部支援実地検教科横断学習展社会的背景の調査教育リ投入議論と

活動報告

http://www.jst.go.jp/csc/sciencecommunication/pdf/2013/02/

240027.pdf

グループ構成: 生徒4人前後×5グループ 参加者構成:

中学校 高等学校 人数

1年 2年 3年 1年 2年 3年

男子生徒人数 12 10 23 5 7 0 57 女子生徒人数 0 3 12 15 3 1 34

(表示は延べ人数) 91

ファシリテータ:1グループに1人(大学学部生,院生)

学部,研究科 課程,専攻 人数

大学院 教育学研究科 教科教育専攻(理科教育,化学) 2

学校教育専攻(学校経営) 2

教育学部 教員養成課程(小,中学校教育) 4 〃 (教科教育 - 理科,化学,技術) 4

生涯教育課程(地域生活) 1

理工学部 地球環境学科 1

計 14

企画の全体構想

人間は五感を通じ,私たちが日々の生活を送るために必要な情報を瞬時に捉える能 力を持っている。より生活の質を高め,生産性の向上を図るために,この五感では捉え ることのできない現象を計測するためのデジタルセンサが開発されてきた。本企画は,

このようなデジタルセンサを活用し,科学実験において,コミュニケーションを重視し たプロジェクト,課題解決型の実験講座を行う。また,それぞれの活動では,協働性/創 造性スキルといった主要なキーコンピテンシーを21世紀型スキルと題し,デジタルセン サを主体としたICT機器を効果的に適用することで,生徒自身が独創的なアイデアを生 み出すための工夫がなされている。

目 的

本企画では,デジタルセンサを主体としたICT機器を活用し,弘前市およびその隣 接市町村の生徒が21世紀に求められるスキル(キーコンピテンシーや科学的リテラシー を軸としたスキル)を習得するための,生徒主体の科学コミュニケーション活動を行う ことを目的としている。

使用する主なデジタルセンサは,pHセンサ,温度センサ,電圧センサ,圧力センサ,

比色センサ,酸素センサ等である。これらの多くは,パソコン,冷蔵庫,洗濯機,掃除 機等の日用品から,自動ドア,エレベータ,自動改札,自動車,航空機といった産業製 品にいたるまで,あらゆる分野/環境において利用され,生徒は日頃から恩恵を受けてい るが,科学に関連付けた形でその役割や機能について学ぶ機会はほとんどない。

デジタルセンサとは「人間が,科学現象を体感し,より探求的になるために必要な,

五感の延長線にあるデバイス」,言い換えると「五感の限界を超え,より人間の体感領域 を広げることができるデバイス」と捉えることができる。即ち,学習指導要領で掲げら れている「体感する」という理念は,生徒の五感のみでは感じ取ることのできない現象 をデジタルセンサを用いてリアルタイムに体感し,観察することにより,より充実した 形で達成できるといえる。

また,近年,情報通信およびそれに関連した技術革新が急速に進む中,ICT 機器を 教育活動に関連付けることは,教育の近代化のみならず,探求型,課題解決型の実験と ともに,双方向のコミュニケーションを達成するためのツールとしてもその必要性が高 まってきている。本企画では,これら実情を踏まえ,人間が生まれながらに備え持つ五 感とともに生徒の体感領域を広げるためのデジタルセンサを用いて,課題解決型,コミ ュニケーション重視の実験講座を行う。

目 標

弘前市およびその隣接市町村の中学生が,最新のデジタルセンサを活用した探求型 実験を行うための技量を身に付けることで,地域独特の課題をコミュニケーションを通 じ解決し,21世紀型スキルを中心に据えた地域経済の発展に寄与するための能力を身に 付けることを,上位の目標とする。

外部支援実地検教科横断学習展社会的背景の調査教育リ投入議論と

高度情報化,知識基盤社会において,日常生活での体験を通して得られる潜在的知 識は,コミュニケーションと協働作業を通じ,議論/推論し,論理的にまとめ発表するこ とにより,実社会で応用の利くものに発展させる(価値を高める)ことができる。この ようなプロセスに必要な能力は,キーコンピテンシーとして4つのカテゴリーから成り,

21世紀型スキルを構成する。生徒主体の活動とコミュニケーションを通じ,具体的な課 題と文脈を設定した上で,このようなスキルをデジタルセンサおよびそれに関連した ICT機器を用いて,生徒が習得できることを目標としている。

期待される効果

21世紀型スキルを習得することは,将来,生徒が企業等での社会生産活動もしくは 大学や研究機関での研究活動に従事し,プロジェクトや課題に直面した場合,それらを 解決するために,単に手中の知識を適用するのではなく,グループ内でコミュニケーシ ョンを通じ新しく独創的なアイデアを創造していくためのプロセスを描くことにつなが る。このようにして生まれた独創的アイデアによって,イノベーションが生まれ,将来 の地域社会の持続的な経済成長を促進するともに,社会発展によって得られた利益(そ れは人的資本でも財的資本でもあり得る)は教育に還元(フィードバック)されること が望まれる。したがって,このプロセスにおける教育の意義,そして教育によって創造 される生徒の知識とアイデアは,継続した良い循環を生み出すための原動力(Driving

force)と位置付けることができる。

学校の科学実験においては,上記21世紀型スキルは,特に「自然に対する関心を高 め,目的意識をもって観察,実験等を行い,科学的に調べる能力と態度を育てるととも に自然の現象についての理解を深め,科学的な見方や考え方を養う」という学習指導要 領内での主要な目標達成のための一助となり,生徒の学習意欲向上にもつながる。

特 徴

実社会において求められる,21世紀型スキルの1つである「コミュニケーションス キル」は,多様な背景を持った人間間や異なる年齢間においても,自身の見方,考え方 を論理的に主張できることであるといえる。したがって,本企画におけるグループ活動 は,日頃の授業では体験することのできない,異なる地域,異なる学年層(1~3年生)

の生徒,そしてファシリテータ(大学生TA等)をグループとして編成することで,実社