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むつ小川原地域プロジェクト支援事業

第4章 外部支援による実地検証

8 検証のためのアウトリーチ活動

8.2 むつ小川原地域プロジェクト支援事業

事業の概要

事業支援:

活動名:

助成期間:

助成額:

実施代表者:

実施責任者:

企画兼講師:

公益財団法人 むつ小川原地域・産業振興財団

「プロジェクト支援事業」

21世紀の課題を取り入れた中学校教員向け科学実験研修会 2013年4月~2014年3月

1,000,000円(事業総額1,250,000円の4/5)

伊藤 成治(教育学部 学部長)

長南 幸安(教育学部 理科教育講座 教授)

本間 正範(教育学研究科)

むつ小川原地域・産業振興財団は,青森県内の市町村,産業団体等が行う地域の活 性化や産業の育成,近代化に関する調査研究,プロジェクトの実施に必要な資金の助成

外部支援実地検教科横断学習展社会的背景の調査教育リ投入議論と

を行っている。2013 年度は140団体が支援を受け,その助成額はおおよそ40~300万 円の範囲におさまる。プロジェクトの対象となる事業は次の通りである。

表 8-3: プロジェクト支援事業の対象

1)人材育成 人材の企業体等への派遣,先進地視察研修,講師の招へいによる講習会 の開催等,地域活性化に貢献できる優れた人材の育成,確保に関する事業 2)技術開発 地域産業の振興に必要な栽培,採集,加工等の技術の開発,改良に関す

る事業

3)商品開発 地域内の未利用資源の活用や新たな素材等の導入による新商品の開発 と起業化に関する事業

4)市場・販路開拓 市場調査,PR 活動等地域特産物の需要拡大,販路の開拓,拡大に関す る事業

5)観光開発 自然景観,文化遺産,郷土料理,芸能等観光資源の発掘,広域的観光ル ートの開発および観光客の受入れ体制の整備等観光開発に関する事業 6)環境整備 まちなみの整備,シンボル施設の設置等快適な生活環境の創出と地域の

イメージアップにつながるアメニティ施設の整備に関する事業 7)スポーツ・文化交流 地域の活性化につながる国内外のスポーツ,文化交流に関する事業

8)その他 1)~7)以外で地域の活性化および産業の育成,近代化に寄与する事業

[むつ小川原地域・産業振興財団, 2012]

本活動では,前述のテーマのもと,1)人材育成事業の一環として支援を受けること になった。採択理由としては,各教育地区を管轄する教育委員会と連携を図りながら,

現場教員の研修を行うということで,その波及効果が期待できるということであった。

以下に実施日程ごとの概略を示す。

表 8-4: プロジェクト支援事業実施日程

実施日 学習テーマ(21世紀の課題)

2013年 7月22日 7月23日 8月5日 8月6日 12月26日 2014年 3月2日 3月14日

大規模農業による灌がいと水資源

【実験項目:塩分濃度と電極電圧の測定】

地球の気候変動と海面上昇

【実験項目:環境温度と物質の融点の測定】

森林面積の減少と化石燃料の消費

【実験項目:植物の呼吸と光合成速度の測定】

研修会の対象者は,県内中学校の教員という広い枠組みとし,理科担当に限定する ことはしなかった。それは,提案される学習展開は,メディアの利用を含めた教科横断 型の学習であるため,異なる教科の教員にも研修を受けてもらい,多様な意見を集約す ることで,精度の高い検証が可能であると思われたからである。

対象者: 青森県内中学校教員

所属先: 1)八戸市中学校理科教育研究会

2)八戸市中学校視聴覚教育研究会

3)弘前市中学校教育研究会(視聴覚部会)

4)弘前市中学校教育研究会(理科部会)

5)北五地域中学校教育研究会(理科部会)

6)青森市中学校教育研究会(理科部会)

7)十和田市中学校教育研究会

実施場所: 八戸市総合教育センター,八戸市立第一中学校,弘前大学教育 学部附属中学校,弘前大学教育学部,五所川原市立第一中学校,

青森市立古川中学校,十和田市立十和田湖中学校

実施時間: 2~5時間(但し,十和田市実施分は通常の授業時間を用いたため1時間のみ)

URL: 事業説明

http://www.jomon.ne.jp/~mozaidan/oubo.html

グループ構成: 1グループ2~3人 参加者構成:

担当 教科

理 科 技 術 家 庭

数 学 国 語 社 会 英 語 音 楽 美 術

保 健 体 育

不 明 計

人数 62 10 7 1 3 7 4 2 2 98

ファシリテータ:1会場につき1~2人(大学学部生) *複数回参加

学部,研究科 課程,専攻 人数

教育学部 教員養成課程

教科教育 – 理科教育(化学分野)

2

教員養成課程 教科教育 – 技術教育

1*

外部支援実地検教科横断学習展社会的背景の調査教育リ投入議論と

企画の全体構想

地域経済の活性化のためには,21世紀のグローバルな課題を常に意識し,その中で 地域社会がどのような立場におかれ,どのような方法によってそれらを解決することが できるか,自らの能力によって模索し導き出すことが求められている。その能力は,「創 造性」「協働性」「コミュニケーション」「情報リテラシー」「科学的思考スキル」といっ たキーコンピテンシーによって構成され,理科に限らず,学校教育での多くの教科にお いてこのような能力の習得によって次世代のイノベーションが促され,地域経済に貢献 できるという意識が高まりつつある。

特に青森は,農業,漁業,畜産業,工業,エネルギー業,情報通信業といったあら ゆる形態の産業が存在し,地域によってその分布割合が大きく異なる県であるといえる。

これら多様な産業を担う人材を育てるために,教育は,もはや教科書に沿った画一的な 知識詰め込み型ではなく,キーコンピテンシーを基に,日常生活から得られた知識を生 徒がいかに学習で活用することができるかに,焦点をおく必要がある。

このことを裏付けるように,すでに中学校において全面実施されている「文部科学 省 学習指導要領(理科)」においては,21世紀の社会経済を「知識,情報基盤型社会」

と位置付け,情報通信技術(ICT)を取り入れたコミュニケーション活動や協働作業を通 じた課題解決能力,そして知識活用の能力を重要視している。

学校現場に目を向けると,教員1人に対し生徒35~40人といったクラス規模の中で,

必然的に教育者中心型の授業が目立ち,課題解決や知識活用を促すためのコミュニケー ションや協働作業に費やす時間が限られている。この要因として,1)教員数の不足の他,

2)カリキュラム上の時間的制限,3)学習指導要領,教科書を越えた内容に関する専門 性,4)革新性のある指導方法の取込みへの躊躇,といった事項が挙げられる。

このような問題から生じる影響は,国際学力調査にも明瞭に現れている。日本は,

PISA や TIMSS といった学力調査で常に上位に入るにも関わらず,「科学の勉強は楽し

いか(興味,関心)」という問いに対し,国際平均を大きく下回る結果となっている。こ のような「成績順位と興味,関心の乖離」の要因として挙げられることは,教職経験が 比較的短い教員の中で,観察,実験を実施することに対し苦手意識を持つ教員が多いこ

とであると推測できる。

本人材育成事業では,今世紀いかなる社会,地域,産業分野においても影響を受け ることが避けられない共通のテーマ「21世紀の課題」を設定することで,学ぶことの目 的を確かに持たせ,実際の地域社会,グローバルな文脈の中で科学の意義を見い出すこ とのできる形の教員向け研修会を実施する。特に上記若手教員の,学習指導要領,教科 書を越えた内容に関する専門性,革新性のある指導方法の取り込み,といった問題領域 への対応として,本事業は研修会を通じ具体的な教材,教授法をパッケージとして提供 し,支援期間後も配属先学校において活用を促す。

目的と内容

本事業の主たる目的は,「青森県内の中学校教員向けに,21世紀の課題を取り入れた 科学実験研修会を行うことで,それぞれの配属先中学校における授業の活性化と生徒の 科学に対する興味,関心を引き出すこと」である。

現代の生徒を取り巻く環境は,情報化社会の中でめまぐるしく変化している状況に おいて,生徒は情報に自由にアクセスし,時に意図せずとも入ってくる地球規模の課題 を目にし,耳にし自身の知識として蓄積していく。つまり生徒は,教員が想像する以上 に,前知識を持った形で,授業に取り組んでいることが分かる。したがって,生徒の科 学に対する興味,関心を引き出すためには,今日の社会で市民が直面する課題を大きな テーマとし,そこに科学の果たす役割と可能性を関連付けて教えることが求められてい る。

5年,10年後に地域の社会,経済発展を担う生徒達にとって,学校で学んだことを 実社会でどのように活用することができるのかを自ら導き出すための能力は,上記の通 り,特に今後の地域活性化のために重要な要素になるものと確信する。それを促進する ための普及活動は継続的,持続的である必要があるため,本事業においては,研修会に 参加した各地域の中学校教員には,助成期間後,習得した内容をそれぞれの学校で実践 していただけるように,必要な機材の貸し出し等を通じ継続支援を行う。

通常,教育の効果を実施するための評価対象は生徒の能力レベルを測定することを