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地球の環境温度の変化と氷の融解の関係

7 学習展開の具体例

7.1 地球の環境温度の変化と氷の融解の関係

■ 横断する教科 理科,社会,技術,家政

■ 学習・達成目標

1) 国際社会が抱える諸課題について関心を高め,様々な資料を適切に収集,選択して多面的,多角的 に考察し,その解決のための国際的な努力について理解する。(社)

2) インターネット,写真や統計資料等のメディアから,地球の環境温度の変化や氷の融解,その影響 等について読み取り,内容を把握する。(社,技家)

3) 産業発展に伴う経済活動が,人間生活の維持,向上のために欠かすことのできないものである一方 で,地球環境への負荷も同時に増すことに気付く。(社,技家)

4) 様々な物質に親しむとともに,観察や実験を通して,物質の性質や状態変化の特徴を見い出す。(理)

5) 酸素や二酸化炭素等,様々な気体の性質と特性を理解する。(理)

6) 物質の性質の調べ方の基礎を身に付けるとともに,物質には加熱したときの変化等,固有の性質と 共通の性質があることを見い出す。(理)

7) 化学反応式の書き方や,化学反応式が表している意味を理解する。(理)

8) 2種類の物質を化合させて,反応前とは異なる物質が生成することを見い出す。(理)

■ ナレッジウェブ

IPCC,京都議定書,人口移動,大気温,物質純度,状態変化,融解熱,融解温度,二酸化炭素,酸化 反応等

― ミッション1 ―

■ ステートメント

地球気温の上昇とそれに伴う海水温の上昇によって,北極圏の大陸(グリーンランド等)や南極大陸 の氷床が急速に海に融け出していることが,海面上昇の1つの要因と考えられている。このような融解 と海面上昇によって,私たちの生活に影響が及ぶことが予想される。

科学者やメディアが指摘する内容について,ビデオからその要点を読み取る。可能であれば,同一ト ピックを取り扱う複数のメディアを比較する。

コンピテンシーコード:

1. 創造性・イノベーションスキル 3. メディア・情報リテラシー

2. 協働性・コミュニケーションスキル 4. 科学的スキル

外部支援実地検教科横断学習展社会的背景の調査教育リ投入議論と

■ 学習展開(例)

実行1(It,Sw-3): 15分

1人3~5枚のカードを手にとって,ビデオの中からこれは大切ではないか,重要ではないだろうか,

と思う点を書き取る。例えば,「気温と海面推移は,密接な関係がある」「世界の多くの都市は海沿いに あり海面上昇によって,より大きな影響を受ける」「海水が温暖化で温まることで体積が膨張することを 考慮する必要がある」等。

http://www.nhk.or.jp/eco-channel/jp/history/theme/02.html [テーマから学ぶ環境問題 - NHK]

実行2(Tw-2): 15分

同じコメントや似たコメントのカードをグループにまとめ,シート上に貼り付け,枠で囲む。どの枠 内のコメントがより大切かを話し合い,上位3つを決める。その上位3グループについて,温室効果ガ スである二酸化炭素が増加し温暖化することで海水面が上昇することや,人間生活にどのような影響が 及ぶのか等について,それぞれのコメントを文章にまとめて記述する。

実行3(It): 5分

この100年間における,世界規模の気温変化の様子を示す(おおよそ1 ℃の温度上昇)。人口が多く,

産業化が進んだ北米,ヨーロッパ,アジアの気温上昇が高いことを知る。

http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/syr_spm.pdf [気候変動2007政策決定者向け要約 - 環境省]

実行4(It): 5分

氷床は,降り積もった雪が固まり,層を重ねることで形成され,その厚さは数千メートルにもなる(下 層部は非常に高い圧力にさらされる)。自らのその重みで,周辺へ徐々に押し出され,海に突き出た氷床 を特に棚氷という。この棚氷は,海に浮いている状態であるため,海水温変化の影響を受けやすい。

アクティビティコード:

It = 情報伝達

Sw = シングルワーク Pl = プランニング

Co = コミュニケーション Tw = チームワーク

― ミッション2 ―

■ ステートメント

過去の二酸化炭素濃度変化をみると,特に 19 世紀の産業革命以降その濃度は急速に伸びていること が,調査結果から明らかになっている。科学者によって指摘されるような,二酸化炭素濃度の上昇に伴 う温室効果の増大を裏付けるための実験の手順を考え,それを実行する。

■ 学習展開(例)

実行1(It): 10分

二酸化炭素の排出源としては,主に化石燃料の燃焼が挙げられる。二酸化炭素の排出量をみると,先 進国はほぼ横ばいであるにも関わらず,開発途上国における排出量は急速に上昇し続け,現在では,先 進国比でおよそ1.5倍であるものが,この後40年のうちに3倍近くにまで膨れ上がることが予想されて いる。

http://www.env.go.jp/earth/ondanka/stop2012 [STOP THE 温暖化2012 - 環境省]

実行2: 50分

▽ 実験のポイント(It,Tw-1,2)

1) 実験で使用する二酸化炭素をどのように発生させたら良いだろうか。大気中の二酸化炭素の多くは 化石燃料の燃焼の結果排出されるが,この実験では,実験室で簡単に,かつ安全に実行できる方法 で二酸化炭素を発生させたい。

2) 発生する二酸化炭素をどのように容器にためたら良いだろうか。二酸化炭素の性質(その重さ)を 考慮して,適切な気体置換法を導きたい。

3) 二酸化炭素の入った容器をどのように暖めたら良いだろうか。地球の大気は,太陽光によって暖め られている。それを,光源を使って実験室で再現したい。

4) 容器内の温度変化を測定するには,どのセンサをどのように使えば良いだろうか。

▽ 利用可能な実験器具・試薬

スタンド,クランプ,気体発生用試験管,フラスコ(1 L),ビニルチューブ,ゴム栓,白熱光源,ア ルコールランプ,マルチ化学センサ(温度測定),ステンレス温度プローブ,二酸化炭素センサ,試薬(炭 酸水素ナトリウム)

コンピテンシーコード:

1. 創造性・イノベーションスキル 3. メディア・情報リテラシー

2. 協働性・コミュニケーションスキル 4. 科学的スキル

外部支援実地検教科横断学習展社会的背景の調査教育リ投入議論と

▽ シナリオ作成(Tw,Pl-1,2)-上記各ポイントに対応(グループによって異なる)

1) 炭酸水素ナトリウムを試験管の中に入れ,それを外側からガスバーナーで加熱することで,二酸化 炭素を発生させる。

2) 水で満たしたフラスコを逆さにし,その中に二酸化炭素を送り込むことで蓄える(水上置換法)。 3) フラスコを固定し,5~10 cmほど離した位置に白熱光源を置き,フラスコを暖める。

4) 穴の開いたゴム栓に温度プローブを差し込み固定することで,フラスコ内部の温度を測定する。

▽ 二酸化炭素を発生させるいくつかの方法を伝達(It) 炭酸水素ナトリウム(加熱) → 炭酸ナトリウム+水+二酸化炭素 炭酸カルシウム(石灰石)+塩酸 → 塩化カルシウム+水+二酸化炭素 エタノール+酸素(燃焼) → 水+二酸化炭素

▽ 実験手順の実行(二酸化炭素の発生と採取)(Tw-2,4)(グループによって異なる)

1) 炭酸水素ナトリウムを試験管に入れる。

2) 試験管をスタンドのクランプに取り付ける。

3) 試験管にゴム栓とチューブを取り付ける。

4) アルコールランプを試験管の下に置く。

5) 容器に水をはり,その中でフラスコを水で充満させる。

6) 逆さにしたフラスコに試験管のチューブを差し込む。

7) アルコールランプに火をつけ,フラスコに二酸化炭素を送り込む。

8) 二酸化炭素が充満したら,チューブをフラスコから取り外す。

9) アルコールランプの火を消す。

10) 穴の開いていないゴム栓でフラスコをふさぐ。

アクティビティコード:

It = 情報伝達

Sw = シングルワーク Pl = プランニング

Co = コミュニケーション Tw = チームワーク

▽ 実験手順の実行(温室効果と温度上昇)(Tw-2,4)(グループによって異なる)

1) 穴の開いたゴム栓に温度プローブを差し込む。

2) 二酸化炭素の入ったフラスコの栓を外し,温度プローブを取り付ける。

3) フラスコをスタンドに取り付ける。

4) 白熱光源をフラスコから一定の距離に置く。

5) 穴の開いたゴム栓に温度プローブを差し込む。

6) 二酸化炭素の入ったフラスコの栓を外し,温度プローブを取り付ける。

7) フラスコをスタンドに取り付ける。

8) 白熱光源をフラスコから一定の距離に置く。

9) フラスコ内の温度変化のグラフを予想する。

10) 白熱光源のスイッチを入れ,フラスコを暖める。

11) 温度データの測定を開始する。

12) フラスコ内の温度変化を観察する(約5分間)。 13) 温度上昇が小さくなったら,測定を終了する。

14) 新しいフラスコを用い,通常の空気で,上記測定を繰り返す。

二酸化炭素充填時と通常の空気充填時のフラスコ内の温度変化

― ミッション3 ―

■ ステートメント

地球気温の上昇とそれに伴う海水温の上昇によって,氷床が急速に海に融け出していることを念頭に,

物体の融けたり,凍ったりする現象を実験を通じ捉える。ここでは,ラウリン酸,パルミチン酸,ステ アリン酸といった純物質を用いて,融解温度を特定するための実験の手順を考え,それを実行する。