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6.1  第1段階:大学や行政がリードしたプロジェクトの実施

6.1.3  第1段階の進め方と役割分担、体制について

  オズ通り商店街中野副理事長から、商店街の情報発信をもっと強化したいと の要望を受け、区役所から鈴木がプロジェクトに参加することになった。 

  これまでオズ通り商店街ではホームページを立ち上げ、さらにメールマガジ ン「オズファミリークラブ」を 2005 年(平成 17)年から開始したところ、会 員数を約 2,500 人まで延ばしていた。さらに訴求力の高いコンテンツを、特に 来街者の高齢化により若い子育て世代に向けての情報発信について強化するこ とを希望していた。 

  プロジェクトのための会議は、商店街役員会議の場を活用して開催した。 

  出席者は、オズ商店街中野副理事長、中小企業診断士為崎氏、慶應義塾大学 商学部牛島教授、株式会社キーライフ大川氏、川崎市教育委員会学校教育部・

中原区教育担当(中原区役所こども支援室内に設置)鈴木、慶應義塾大学メデ ィアデザイン研究科鈴木である。区役所の立場は、地域の子育て世代に向けた 地域情報発信の強化のために、慶應義塾大学の立場は、導入するデジタルメデ ィアに関する企画・実施のためであった。為崎氏はオズ通り商店街のコンサル タント業務を担当している。牛島教授は、オズ通り商店街をフィールドにして、

商学部2年生対象の慶應義塾大学商学部総合教育セミナー「地域との対話」の 授業を実施されている。それまでは、商店街マップづくりや街頭アンケート調 査などを実施してきた。大川氏は、商店街ホームページの運営管理業務を受託 している。会議には必要に応じて、行政関係機関や企業にも出席いただいた。 

 

6.1.3.2  第1段階の役割分担について 

 第1段階は区役所としての鈴木が中心になって進めた。プロジェクトの企画、

会議資料作成、議事録作成などのほか、地域子育て世代に向けたコンテンツ制 作のために、地域子育てグループや子ども支援活動グループと取材協力のため の調整を行った。また、市役所内の関係機関、川崎市総合企画局施策推進担当 と連携を行い、「映像のまち・かわさき推進フォーラム」から事業予算の一部に

ついて支援を受けることにつなげた。さらに、慶應義塾大学放送研究会に声か けし、コンテンツ制作の一部を担ったり、会が担当していた FM かわさきラジ オ番組「ハナサク*かわさき」4 6内でプロジェクトを生中継するための企画調整 を行ったりもした。 

 慶應義塾大学としての鈴木は、コンテンツ制作、チラシ・パンフレット制作、

アンケート調査を主に行った。 

  オズ通り商店街は経費負担、個店への連絡・協力依頼、オズファミリークラ ブ会員への広報が主な役割であった。 

  中小企業診断士為崎氏には、商店街サポートを、慶應義塾大学商学部牛島教 授には商店街サポート及び研究の一環として、会議でのアドバイス、コメント をいただき、放映当日の運営にも協力をいただいた。 

  株式会社キーライフ大川氏は、会議でのアドバイス、商店街ホームページへ の掲載を行った。 

   

オ ズ 通 り 商 店 街   【 全 体 統 括 、 企 画 、 調 整 】   中 野 勝 久 副 理 事 長   ( 1 ) 会 議 出 席  

    ( 2 ) 商 店 街 内 連 絡 調 整  

    ( 3 ) 機 材 購 入 ( Felica) 

    ( 4 ) 広 報 ( オ ズ フ ァ ミ リ ー ク ラ ブ 、 マ ス コ ミ 対 応 )       ( 5 )放 送 時 経 費 負 担( ア ン ケ ー ト 景 品 、ア ル バ イ ト 、チ

ラ シ )  

    ( 6 ) 取 材 撮 影 協 力 ・ 調 整  

慶 應 義 塾 大 学 大 学 院   メ デ ィ ア デ ザ イ ン 研 究 科  

鈴 木 健 大  

【 研 究 】  

( 1 ) 会 議 出 席  

( 2 ) 映 像 コ ン テ ン ツ 制 作 (企 画 、 取 材 、 編 集 ) 

( 3 ) 放 送 時 手 伝 い 、 チ ラ シ ・ パ ン フ レ ッ ト 等 作 成  

( 4 ) ア ン ケ ー ト 作 成 ・ 集 計  

◎ ◯ 川 崎 市 教 育 委 員 会 学 校 教 育 部 中 原 区・教 育 担 当  

鈴 木 健 大  

【 地 域 子 育 て 協 力 】  

( 1 ) 会 議 出 席 ( 取 り ま と め )  

( 2 ) 会 議 資 料 作 成  

( 3 ) プ ロ ジ ェ ク ト 企 画  

( 4 ) 子 ど も 関 連 映 像 コ ン テ ン ツ 取 材 の た め の 連 絡 調 整  

( 5 ) 広 報 協 力  

4 6 平 成 20 年 度 川 崎 市 イ メ ー ジ ア ッ プ 認 定 事 業 の 一 つ 。 2005( 平 成 17) 年 度 か ら 始 ま り 、 認 定 さ れ た 事 業 に 対 し て 事 業 に か か る 直 接 経 費 の 2 分 の 1 ま で を 川 崎 市 が 助 成 す る ( 最 大 50 万 円 )。 2008( 平 成 20) 年 10 月 6 日 ( 月 ) か ら 2009( 平 成 21) 年 3 月 30 日 ( 月 ) ま で の 毎 週 月 曜 日 18:30-19:00、慶 應 義 塾 放 送 研 究 会 が 、か わ さ き FM( 79.1MHz)で パ ー ソ ナ リ テ ィ を 務 め る 番 組 を 実 施 し た 。

http://www.city.kawasaki.jp/miryoku/category/65 -4-0-0-0-0-0-0-0-0.html

表6.1:第1段階プロジェクト参加メンバーとそれぞれの役割   

 

中 小 企 業 診 断 士   為 崎 緑  

【 商 店 街 サ ポ ー ト 】  

( 1 ) 会 議 出 席 ( 企 画 、 ア ド バ イ ス 等 )  

( 2 ) 放 映 ・ イ ベ ン ト 時 の 運 営 協 力  

【 商 店 街 サ ポ ー ト ・ 研 究 】   慶 應 義 塾 大 学 商 学 部  

牛 島 利 明 教 授   ( 1 ) 会 議 出 席 ( 企 画 、 ア ド バ イ ス 等 )  

( 2 ) 放 映 ・ イ ベ ン ト 時 の 運 営 協 力   株 式 会 社 キ ー ラ イ フ  

大 川 雄 司  

【 商 店 街 サ ポ ー ト 】  

( 1 ) 会 議 出 席 ( 企 画 、 ア ド バ イ ス 等 )  

( 2 ) ホ ー ム ペ ー ジ 更 新  

㈱ NTT docomo  【 研 究 、 企 業 地 域 貢 献 】   神 奈 川 支 店 、   ( 1 ) 会 議 出 席  

富 士 通 (株 )  ( 2 ) 会 議 資 料 作 成  

    ( 3 ) シ ス テ ム 企 画 、 設 計 、 開 発 、 機 材 貸 出  

    ( 4 ) 放 送 時 の 運 営 補 助 、 パ ン フ レ ッ ト ・ パ ネ ル 等 作 成  

【 情 報 発 信 】  

※ 地 域 子 ど も・子 育 て 支

援 グ ル ー プ   ( 1 ) コ ン テ ン ツ 取 材 協 力 、 出 演  

【 FM 番 組 広 報 、 映 像 制 作 実 習 】  

( 1 ) コ ン テ ン ツ 取 材 、 出 演  

※ 慶 應 義 塾 放 送 研 究 会

「 ハ ナ サ ク * か わ さ き 」

グ ル ー プ    

【 映 像 の ま ち づ く り 推 進 】  

△ 川 崎 市 総 合 企 画 局  

施 策 推 進 担 当   ( 1 ) 映 像 の ま ち づ く り 推 進 の た め の 支 援  

△ 神 奈 川 県 商 工 労 働 部   商 業 観 光 流 通 課   商 業 振 興 班 

【 商 業 振 興 】  

( 1 ) 会 議 出 席  

                               

  図6.3:第1段階プロジェクト参加メンバー役割分担図   

◎ : プ ロ ジ ェ ク ト の 中 心 ◯ : プ ロ ジ ェ ク ト 会 議 の と り ま と め △ プ ロ ジ ェ ク ト 会 議 に 適 宜 出 席 ※ 分 科 会 の み

  プロジェクトでは、予算がほとんどないことから、関係する企業にモデル的・

実証実験を実社会の中で実施できること、パブリシティ効果が期待されること ということで協力を依頼した。その結果、株式会社 NTT  docomo 神奈川支店 は、研究・地域貢献として、会議出席のほか、システム構成の企画・設計、機 材貸出、放映時の運営補助の協力をいただいた。また、富士通株式会社からは ワンセグ放映機材の貸出をいただいた。 

  神奈川県商工労働部商業観光流通課商業振興班には、会議での助言をいただ いた。 

 

6.1.3.3  携帯電話ワンセグテレビを利用することの理由及び経緯 

  携帯電話のワンセグテレビを利活用することになった主な理由は次の3点で ある。 

  一点目は、写真や映像といった、訴えやすくわかりやすいコンテンツを制作 できることである。これまでのメルマガのテキスト情報だけでなく、映像によ る印象強いコンテンツで訴えることができる。コンテンツ内容は、商店街の PR のほか、これまで子育て世代を対象にサービスを行ったり、商店街で子ネット 通信を配布してきたりした商店街として、地域子育て情報の発信を考えた。テ レビコマーシャルとまではいかなくても、電車内の扉口に儲けられたデジタル サイネージのように商店街や地域活動のコマーシャルができないか、考えたの である。 

  二点目は、情報の受け手側の受信デバイスとして十分に普及している携帯電 話を活用することで、また普及しつつあったワンセグテレビを活用することで、

いつでもどこでも商店街の情報を届けられると考えたからである。 

  当時の携帯電話やインターネットの国内における利用状況は次の通りであっ た。 

 2008(平成 20)年4月 18 付発表総務省「平成 19 年通信利用動向調査」4 7に よると、2007(平成 19)年末時点において、インターネット利用者数は 8,811 万人、人口普及率は 69.0%であった。特に、インターネットを利用する際に使 用する端末については、携帯電話等の移動端末の利用者 201 万人増加(2.8%

増)して推計 7,287 万人となったのに対し、パソコンからの利用者は、推計 7,813 万人と 242 万人(3.0%)の減少であった。 

 「携帯電話・PHS」及び「パソコン」の世帯普及率は、それぞれ 95.0%、85.0%

と大半の世帯に普及している。「ワンセグ対応の携帯電話」は、前年と比べて

4 7 総務省「平成 19 年通信利用動向調査」、2008 年 4 月 18 日付発表

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/080418̲1.pdf

(閲覧日:2013 年 1 月 21 日)

20.65 ポイント増加し、26.5%の世帯が保有していた。 

  JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)の 2008(平成 20)年6月現 在における「移動電話国内出荷台数実績月次推移」4 8によると、携帯電話の出荷 台数は 5,085 万台、そのうちワンセグ対応製品は 3,738 万台と搭載率 73.5%、

前年同月比 254.6%を示していた。 

  インターネットの利用目的については、携帯電話では「電子メールの受発信」

(48.2%)、次いで「商品・サービスの購入・取引」(31.5%)、「デジタルコン テンツの入手・聴取」(19.2%)となり、パソコンでは「企業・政府等のホーム ページの閲覧」(54.4%)、次いで「電子メールの受発信」(47.2%)、「個人の ホームページの閲覧」(45.9%)と続く。ソーシャルネットワーキング(SNS)

への参加は、携帯電話からは 1.6%、パソコンからは 3.8%である。 

  これらのことから、十分に普及した携帯電話といったモバイル端末の利用に ついて私たちは着目したのである。 

  三点目は、パブリシティ効果が見込まれることから、商店街の広告につなが るだけでなく、企業等の協力も見込まれたからである。当該年度におけるこの プロジェクトのための予算は全くなかった。そのため、パブリシティ効果を見 込んでの企業等のボランティア参加や助成等が必要であった。従って、このオ ズ通り商店街を社会実験のフィールドとして位置づけることで、企業に協力を 仰げないか相談を行った。 

  当初ヒアリングを行った企業とは、WiFi のアンテナを商店街にいくつか設置 して、商店街の中であればインターネットを通じて商店街情報を見ることがで きることを考えた。しかし、アンテナをいくつも設置しなければならず、その ためには数百万円単位で費用がかかることや、そもそもまだインターネットに 接続できる携帯電話端末がまだほとんど販売されていなかった。無線 LAN によ りインターネット接続ができる携帯音楽プレーヤーiPod  touch は発売されて いたが、一般的に普及していないことには話題性はあっても PR 効果が望めな い。まだ iPhone が発売される前のことである。NTT docomo からの無線 LAN 経由でインターネット接続できる携帯電話の発売は、1機種のみの時代であっ た。 

  動画による情報発信について、NTT docomo に相談を持ちかけたところ、携

4 8 JEITA( 一 般 社 団 法 人 電 子 情 報 技 術 産 業 協 会 )「 移 動 電 話 国 内 出 荷 台 数 実 績 月 次 推 移 ( 2008 年 6 月 )」

http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/cellular/2008/comm/06.htm

( 閲 覧 日 : 2012 年 12 月 20 日 )