6.2 第2段階:市民参加によるメディア制作を通じた「協働」の形成
6.2.4 第2段階プロジェクトの実施
6.2.3.3 サイネージ設置及び「オズ記者クラブ」によるコンテンツ制作の理由、
経緯について
ワンセグテレビによる情報発信は、ビジュアルなコンテンツにより市民に訴 える手段については肯定的な評価が得られたものの、電波の届く範囲が極小な こと、携帯電話におけるワンセグテレビの普及がまだ十分でないこと、チャン ネル設定が煩雑なこと等から、今後の展開については見送ることとした。
しかしながら、映像や写真等のコンテンツは訴求力があること、より多くの 地域の人に商店街を PR したいことから、2009(平成 21)年、平成 21 年度地 域商店街活性化事業に応募したところ助成が受けられることになり、2010(平 成 22)年3月、デジタルサイネージを設置することができた。
設置に際し、動画コンテンツについては慶應義塾大学メディアデザイン研究 科鈴木がワンセグの際に制作したものを元に新規コンテンツを加えて制作した。
個店情報など静止画コンテンツについては、株式会社キーライフ大川氏が制作 した。
コンテンツについては、持続的な更新、スキルの確保、予算削減の観点から、
公募により「オズ記者クラブ」として制作ボランティアを募ることとした。ワ ンセグ放映時のアンケート結果において、47%といった多くの市民がコンテン ツ制作への参加に関心を示したことに基づいている。ポスターやチラシ、メー ルマガジン等で募集したところ、6名の参加があった。内訳は、イラストレー ター、主婦、フリーライター、オズ通り商店街商店主がそれぞれ1人、大学生 が2人であった。サイネージ動画班2人、フリーペーパー班4人に分かれて、
それぞれ慶應義塾大学鈴木、株式会社キーライフ大川氏が担当となって制作に あたった。
デジタルサイネージは縦 2,230mm、横 940mm、奥行き 505mm のステン レス製で防塵・防水筐体となっている。外置きのため、内部に温度調整のため のエアコンが内蔵されている。日本電気株式会社による特別注文品であり、画 面サイズは 46 型、縦型で、タッチパネル機能があり、触れると個店紹介のメニ ューに切り替わる。インターネットに常時接続しており、遠隔操作でコンテン ツを更新する。画面に QR コードを表示し、また FeliCa リーダーを取り付けて、
携帯電話端末で個店のクーポンが取得できるようにしている。
稼動時間は 7:00-23:00、コンテンツの管理は株式会社キーライフがオズ通り 商店街の委託により行っている。
表示コンテンツについては、動画及び静止画から構成される。
動画については、サイネージ設置時は、ワンセグ放映の際に制作したものを 編集し直して使用した。「オズ記者クラブ」が立ち上がってから、新たに個店紹 介の動画コンテンツを追加している。また、「オズ記者クラブ」の中にイラスト レーターの方がおり、商店街ゆるキャラ「おずっちょ」が誕生、「おずっちょ」
の動く4コマ漫画も制作した。
静止画については、設置当時は 44 店について、2012(平成 24)年 12 月末 時では 115 店について画面タッチパネル操作で検索表示ができるほか、常時 10 店ほどを動画とともにリピート再生で案内表示している。2010 年(平成 12)
年には、慶應義塾大学商学部「地域との対話」受講生が、個店の紹介「オズの 逸品」として静止画コンテンツを制作した。
そのほか、川崎市、中原警察署からのお知らせ、イッツコム株式会社のコマ ーシャルを掲示している。
2011(平成 23)年からは、商店街公式ツイッター及び個店のツイッターの つぶやきも画面内に表示している。
※ 印 は 、 2 0 1 0 年 ( 平 成 1 2 ) 年 末 か ら 付 加
表6.8:デジタルサイネージのコンテンツ
なお、デジタルサイネージは、経済産業省による平成 21 年度地域商店街活性 化事業費補助金の採択を受け、設置した。防犯カメラの設置を併せて申請し、
採択を受けている。サイネージの設置費用は 5,197,500 円であり、国から 2/3 補助、川崎から 1/3 補助であった。
設置に際しては、2010(平成 22)年4月3日、川崎市副市長、川崎市議会 議長、川崎市商店街連合会長、中原警察署長、元住吉駅長を招いて除幕式を開 催した。
6.2.4.2 「オズ記者クラブ」実施内容
デジタルサイネージを設置したことに伴い、コンテンツの持続的な更新、制 作スキルの確保、予算削減の観点から、公募により「オズ記者クラブ」として 制作ボランティアを募り、動画コンテンツを制作することとした。
ポスターやチラシ、メールマガジン等で募集したところ、6名の参加があっ た。内訳は、イラストレーター、主婦、フリーライター、オズ通り商店街商店 主がそれぞれ1人、大学生が2人であった。「オズ記者クラブ」に応募した動機 は、普段買い物をしてお世話になっているから、といった消費者からの視点、
この商店街を盛り上げないことには自分の商店も盛り上がらない、といった商 店主からの視点等がうかがえた。大学生からは、専攻分野についてさらに勉学 を深めたいとの応募理由が聞かれた。
サイネージ動画班2人、フリーペーパー班4人に分かれて、それぞれ慶應義 塾大学鈴木、株式会社キーライフ大川氏が担当となって制作にあたった。
2010(平成 22)年 11 月6日に、キックオフとしてワークショップを開催し た。商店街やプロジェクトの紹介、今後のスケジューリングのほか、商店街ミ ニツアーを実施して、発見したことや気になったことを話し合って商店街に関 心をもってもらうとともに、ボランティア同士の交流を図った。
サイネージ動画班は、個店のレポートを制作ボランティア2人が務め、慶應 義塾大学の鈴木が撮影と編集を担当し、計6本の個店紹介ビデオを制作した。
図6.19:デジタルサイネージ設置の状況
図 6 . 1 9 . 1 : 除 幕 式 の よ う す
図 6 . 1 9 . 2 : デ ジ タ ル サ イ ネ ー ジ の よ う す
フリーペーパー班は、分担して個店を訪ね、A5版サイズ 12 ページの冊子を 発行した。
サイネージ動画班にイラストレーターの方がいて、作業を進める中で商店街 ゆるキャラ「おずっちょ」を生み出すこととなり、併せて動く4コマ漫画とし て漫画映像を2本制作した。
6.2.5 デジタルサイネージの設置、「オズ記者クラブ」の成果及び評価