第 2 章 測定原理と測定器の種類
2. 非接触式測定器
2.1 形態測定
2.1.3 機能と仕様
[2] 3次元測定法
3次元測定法とは,レーザスライド形測定器を用いて,対象物の2点間距離と3点間角度を測 定することである.
図2.12に示すように,2個のレーザマーカから発せられた2個の照射スポット光を,1個のス ポット光に合致させるように,レーザマーカをリニアスライドガイドに対して,垂直方向角度 α と水平方向角度βで回転させる.これによって,その点での3次元座標がわかる.図中で3点A, B,Cの座標が求まると,内角θが得られる.形成された△ABCの内角と辺は,三角法によって 計算で求まる.
図2.12 3次元測定法(Susato,2011)
レーザマーカA,Bをそれぞれリニアスライドガイド(Linear Slide Guide; SLG)に 対して,垂直方向角度α,水平方向角度βで回転させて,両者の照射スポット光 を対象物上のC点で合致させる.レーザマーカAに関する位置情報La・αa・βa
とレーザマーカBに関する位置情報Lb・αb・βbから,C点の3次元座標が決ま り,△ABCの内角と辺が求まる.同様にD点の3次元座標も求まる.したがっ て,C点とD点の3次元座標からCD間の距離Lが三角法で求まる.
■ロッドスライド形でも,既述したように,2 本のロッドの先端が対象物に届く範囲内であれば 可能である.
L A
B
C
D La
Lb Laser Marker
Laser Beam Linear Slide Guide
La, Lb αa, αb βa, βb
: position on LSG : vertical angle : horizontal angle
x
y z
Vertical Plane
Horizontal Plane Subject
θ
αa,βa α
b,β
b
[3] 奥行き測定法
奥行き測定とは,表面の一部分が他の部分よりも飛び出ているときの高低の差(凹凸の差,深 さ)を測定することである.スライド形測定器の奥行き測定は,前節の3次元測定の応用である.
図2.13(a)(b)に示すように,2個のレーザマーカから発せられた2本の光線間角度∠C (= θ)を一
定とし,∠A=90°とすると,∠B=90°-θとなる.焦点合致には次の2種類の方法がある.
①図2.13(a)に示すように,2個のスポット光が合致するまで,2個のレーザマーカAとBを対
象物の測定軸に対して垂直方向に移動させる.その結果,△ABCが形成される.合致時のレ ーザマーカ間の直線距離LABを測定する.同様にして,△ABFが形成される.
②図2.13(b)に示すように,2個のスポット光が合致するまで,レーザマーカBを対象物の測定
軸に対して平行方向に移動させる.その結果,△AB'Cが形成される.合致時のレーザマーカ 間の直線距離LAB'を測定する.同様にして,△AB'Fが形成される.
①または②の結果,焦点距離LCが二角夾辺(∠A,∠B,LABまたはLAB')により求まる.同様に して,焦点距離LFが求まる.したがって,奥行き量Ldは次式から求まる.
Ld = LF-LC (2.2)
(a) レーザマーカ(Laser Marker)AとBを一緒に移動させる
(b) レーザマーカ(Laser Marker)Bのみを移動させる 図2.13 奥行き測定
A
B
D E
C A
B
C
θ θ
Laser Marker
LE (LD) LC
F F
LAB LAB
LF
Subject Axis of
Measurement Axis of
Measurement Subject
Laser Beam
A B A B'
D E C
C θ
θ
Laser Marker
LAB LAB'
LC LF
F F
Axis of Measurement Subject
Axis of Measurement Subject
Laser Beam
(a) レーザマーカAとBの両方を対象物の測定軸(Axis of Measurement)に対して 垂直方向に移動させて,2つのレーザスポットD,EをC点で1つに合致させ る.△ABCからLCが求まり,同様にして,△ABFからLFが求まる.よって,
LF-LCが奥行き量となる.
(b) レーザマーカBのみを対象物の測定軸に対して平行方向に移動させて,2つ のレーザスポットD,EをC点で1つに合致させる.△AB'CからLCが求まる.
同様にして,△AB'FからLFが求まる.よって,LF-LCが奥行き量となる.