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第 1 章 序章

4. 研究対象

4.3 分析手順

接触式と非接触式の両方の測定器を用いて,形態測定と関節可動域測定の分析を行った手順は,

次のとおりである.

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Ⅰ.最初に「基本測定」として,工業用測定器具を対象にして,精度の測定を行った.これは「実験 室で使う機器としての精度」という位置づけであった.

Ⅱ.次に「応用測定」では,人体骨格モデル,障害者姿勢を擬似したマネキン,生体の3種類を対 象にして実用測定を行った.それらを用いた主な理由は以下に述べる.

①骨格モデルは,人体の測定点の定義が明確であるため,測定点の観察が容易であった.さ らにその表面は凹凸が多く硬質なため,接触式測定器の接触子が表面に触れても表面は変 形しなかった.この特長によって,応用時の測定器の精度と測定点の設定精度の両方が検 討できた.これは,「現場で使う機器としての精度」という位置づけであった.この測定に よって,「人骨測定法」への適用性が検討できた.

②マネキンは,椎骨と関節が柔軟なので自由姿勢の模擬が容易であった.そのため,部位は 自在に曲げられ,部位が形成した空間の測定分析が可能になった.この測定によって,障 害者姿勢に対する評価法への適用性が検討できた.

③生体は,表面に弾力性があり,輪郭が曖昧であり,表面性状と外観に個人差が大きい.そ のため実践上の問題点が検討できた.この測定によって,「生体計測法」への適用性が検討 できた.

■骨格モデルと生体の両測定では,測定点を視覚的に判断して,測定点は接触することなく 視覚的に検知した.

Ⅲ.最後に,接触式測定器と非接触式測定器で得たデータを比較し,測定項目ごとの相違を統計 的に分析した.しかしながら,形態測定と関節可動域測定とで得たデータ群は,比較しなか った.

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《 部分的考察としての解釈と検討 》

それぞれの測定結果には,そのつど, 解釈 または 検討 と称する「小さな考察」を述べた.こ れは測定の種類が非常に多かったため,章の最後で一括した考察を行うより適所で部分的に所見 するほうが,見解を反映しやすくなると考えたからである.そして,第3章の形態測定と第4章 の関節可動域測定の最後の節では,その章全体の「考察」を述べた.

《 統計処理 》

同一対象物を非接触式測定器と接触職式測定器の両方で測定した測定値の比較を,主として,

①「NC/C比」,②両群の平均値に差が有るか否かを「対応の無いStudent’sのt検定」の2つを使っ て統計的に分析した.NC/C 比とは,同一対象物における非接触式と接触式の測定値の対比であ り,両測定量の一致や乖離の程度を表すものである.

注:もし,同一部位を同じ非接触式測定器で,部位に外力や運動を加えて,その前後を 測定する場合であれば,「対応の有る t 検定」を採用することができた.しかし,本研究 での非接触式測定は,①部位に何ら侵襲を与えていない,②同一部位でも測定点の決定 は,視覚的判断により毎回行い,毎回独立した測定である等の理由から,「対応の無い t 検定」を採用した(ただし,第4章3.3.2節の3点測定法の補正前後の差には,「対応の有 るt検定」を採用した).

新しい測定器への評価には,詳しい統計分析が必要であり,そのためには多種類の測定値が必 要である.ところが,本研究では各測定標本数(sample size)はわずかに10個であった(生体測定 は3個).したがって,t検定の必要条件である標本分布の「正規性」と「等分散性」は,十分に吟味 する必要があった.そのために,各測定において以下の手続を踏んだ.

①「Shapilo–Wilks検定」と「正規確率プロット」で,非接触式測定と接触式測定の測定値分布の正規

性を確認した.もし,Shapilo–Wilks検定で正規性が棄却されたら,正規確率プロットを使って 測定値がその直線上にあるか否かで判断した.

②「Levene検定」で2つの測定間の等分散性を確認し,両方式による測定値の平均の差をt検定で

調べた.もし,Levene検定で等分散性が棄却されたら,「Welch検定」のp値を採用した.

■形態の生体測定では,NC/C 比の分布を「箱ヒゲ図」で表し,「ヒストグラム」と「箱ヒゲ図」で測 定値を視覚的に分析した.

■全ての分析は両側とし,有意水準は 0.05 とした.全ての統計分析は,Statistica™ (Ver 6.1;

StatSoft®)ソフトウエアパッケージを用いた.

第2章

測定原理と測定器の種類

2 章 測定原理と測定器の種類

ドキュメント内 非接触式可搬型人体測定器の開発と応用 (ページ 33-36)