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レーザ角度計の検査

ドキュメント内 非接触式可搬型人体測定器の開発と応用 (ページ 137-142)

第 4 章 関節可動域の測定

1. レーザ角度計の検査

図 4.1(b)はレーザマーカが照射面に対して傾斜している場合,同図(c)はアームが照射面に対し て傾斜している場合である.もし,レーザ光線がアームの回転中に傾いて照射されれば,スポッ ト光は正規の円より縮小/拡大または歪んだ円弧を描く.そうなると,レーザマーカの位置とス ポット光の位置が1:1に対応できなくなる.この検査はアームの精度試験の前に行われる.

(2) 方法

①レーザマーカAを,アーム上の距離r=350 mm,アームと水平軸との角度θ=0°の位置に設 定した.

②アームを0°から180°まで30°ずつ回転させ,レーザマーカCと同Aの両スポット光の距離 LCAを測定した.

③両スポット光間の距離の最大ズレと,θ=0°のときのレーザマーカ C から照射面までの距離

300 mmとの比を求めた.それをここでは垂直度の指標とした.

(3) 結果

最大ズレは12.4mmになった.よって,垂直度は12.4 mm/300 mm=0.041となった.

1.2 レーザ光線の平行度の検査

(1) 意義

中心照射用レーザマーカCと主測定用レーザマーカAから照射される2本のレーザ光線が平行 であれば,図4.2に示すように2個のスポット光の距離 LCAは,照射面(壁)までの距離LSにかか わらず一定である.もし,傾いて照射されれば,照射面までの距離LSの増大/減少によって,両 スポット光間の距離 LCAには差が生じる.そうなると,実用時において,照射口から測定点まで の距離が毎回異なる測定点の測定では,誤差が大きくなる(例:遠近差のある測定点間距離).

(a) 側面図 (b) 正面図 図4.2 レーザ光線の平行度

中心照射用レーザマーカCと測定用レーザマーカAから照射されるレーザ光線 が平行であれば,照射面に当ったスポット光間の距離LCAは一定となる.

(2) 方法

①レーザマーカAを,アーム上の距離r=350 mm,アームと水平軸との角度θ=0°の位置に設 定した.

②三脚の雲台を前傾50°から後傾40°へ10°ずつ傾斜させ,両スポット光の距離LCAを測定した.

③レーザマーカCとレーザマーカAのスポット光間の距離の最大ズレと,θ=0°のときのレー ザマーカCから照射面までの距離300 mmとの比を求めた.それをここでは平行度の指標と した.

(3) 結果

最大ズレは3.5 mmになった.よって,平行度は3.5 mm/300 mm=0.012となった.

1

2

3

4

5

C A

Laser Spot

1

2

3

4

5

Ls LCA

Arm Base

Tripod Laser Marker

Laser Beam Base

Laser Spot

1.3 照射面の平面度の検査

(1) 意義

照射面が平面であれば,2 個の測定用のスポット光を1個に合致させた状態でアームを回転さ せても,両スポット光は合致したままで円弧を描く.もし,照射面に凹凸があれば,スポット光 は2個になる.図4.3は平らな照射面と凹凸のある曲面照射面の場合である.これは奥行き測定 の応用である.

4.3 照射面の平面度

2本の測定用のレーザ光線(Laser Beam)を,平らな照射面(Flat Surface)と凹凸の ある曲面照射面(Curved Surface)に当てる.平らであればレーザスポット光(Laser Spot)は1個に合致されるが,凹凸があればスポット光は2個に分かれる.

(2) 方法

①主測定用レーザマーカAを,アーム上の距離r=350 mm,アームと水平軸との角度θ=0°の 位置に設定した.副測定用レーザマーカBを照射面に60°傾けて照射させ,レーザマーカA のスポット光と合致するまで動かした.2個のレーザマーカ間の距離は,計算から173.2 mm となった(300 mm/tan 60°=173.2 mm).

②アームを0°から180°まで30°ずつ回転させ,両スポット光の距離LABを測定する.

③レーザマーカAとBのスポット光間の距離の最大ズレと,θ=0°のときの中心照射用レーザ マーカCから照射面までの距離300 mmとの比を求めた.それをここでは平面度の指標とし た.

(3) 結果

最大ズレは2 mmになった.よって,平面度は2 mm/300 mm=0.0067となった.

A4 A3

A2

A1 B1 B2 B3 B4

Laser Marker

Flat Surface

Curved Surface

A5 B5

(Main) (Sub.)

LAB

60°

Laser Spot

Laser Beam

検討

■検査用方眼紙を貼り付けた壁を,マルチレベル(精度±0.6°,最小読取値0.2°;A-150,シンワ) で測定したところ,床に対して89°であった.壁は床に対して建築上,理想的には角度90°であ るべきだが,89°のときには誤差がどの程度生じたかを調べた.アームの回転角度 θ=90°のと きのレーザマーカの移動範囲は,80~580 mmであった.照射スポットが,89°と90°の傾斜を もった壁に当ったときの両スポットのズレを計算で求めた.レーザマーカの位置を580 mmに 設定して,計算した結果,2つのスポット光間の距離は0.15 mmになった.これは無視できる 値であると判断した.したがって,このズレを測定値の補正には反映させなかった.

■レーザ角度計の検査を3種類行ったが,これらを1台の専用検査治具(Jig)で行うことができれ ば,非常に便利である.森本らは,多自由度関節用の角度計を考案したが,3 次元角度を規定 できる治具も製作し,それを使って角度計の特性を測定した(森本,1992).

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