第 4 章 関節可動域の測定
4. マネキン B の測定
4. マネキンBの測定
4.3 測定結果
マネキンBの測定結果を,表4.7に示す.測定点は4 個のため,三角形は4 種類,内角は 12 種類,線分は6種類が形成された.大部分の測定値は,空中での測定データであった.
表4.7 マネキンBの測定結果(Susato,2013)
頭部・体幹・上肢・下肢の部位上または空間内の測定点で形成された内角を非接 触式測定器(レーザ角度計)で測定した.各測定は10回行った(全測定において正 規性は確認された).1回の測定時間は30~60秒かかった.
この表から次のことがわかった.
①部位上と空間内の両領域において,角度と距離の両測定量がそれぞれ得られた.
検討
■このマネキンBの姿勢では,一つの測定点と他の測定点とを最短距離で一本線でつなぐことは できなかった.なぜなら,近傍の部位(擬似筋肉や擬似骨格)が邪魔しているため,貫通させな い限り不可能であった.計算によって得た角度と距離は,接触式の巻尺と関節角度計で大まか
始点 中心点 終点 平均値 標準偏差
頭部-体幹-上肢 角度(空間) おとがい点 肩峰点 手関節橈側 27.5 0.5 頭部-上肢-体幹 角度(空間) おとがい点 手関節橈側 肩峰点 40.4 0.6 頭部-上肢-上肢 角度(空間) おとがい点 手関節橈側 肘関節橈側 76.2 0.3 体幹-頭部-上肢 角度(空間) 肩峰点 おとがい点 肘関節橈側 60.0 0.2 体幹-頭部-上肢 角度(空間) 肩峰点 おとがい点 手関節橈側 112.1 0.6 体幹-上肢-頭部 角度(空間) 肩峰点 肘関節橈側 おとがい点 47.8 0.4 体幹-上肢-上肢 角度(部位) 肩峰点 肘関節橈側 手関節橈側 72.2 0.6 体幹-上肢-上肢 角度(空間) 肩峰点 手関節橈側 肘関節橈側 51.2 0.3 上肢-頭部-上肢 角度(空間) 手関節橈側 おとがい点 肘関節橈側 71.2 0.5 上肢-体幹-頭部 角度(空間) 肘関節橈側 肩峰点 おとがい点 72.2 0.4 上肢-体幹-上肢 角度(空間) 肘関節橈側 肩峰点 手関節橈側 56.5 0.3 上肢-上肢-頭部 角度(空間) 手関節橈側 肘関節橈側 おとがい点 32.6 0.6
頭部-体幹 距離(空間) おとがい点 - 肩峰点 226.4 1.3
頭部-上肢 距離(空間) おとがい点 - 肘関節橈側 291.1 0.6 頭部-上肢 距離(空間) おとがい点 - 手関節橈側 161.1 3.1
体幹-上肢 距離(部位) 肩峰点 - 肘関節橈側 264.8 0.9
体幹-上肢 距離(空間) 肩峰点 - 手関節橈側 323.4 2.1
上肢-上肢 距離(部位) 肘関節橈側 - 手関節橈側 283.7 0.6
部位 種類(領域)
角度 (º), 距離 (mm) 測定点
に測って確認せざるを得なかった.距離は,回り込んで測れる触覚計や曲アーム付き桿状計を 使えば,少しは可能性があるかもしれない.しかしながら,それらはもともと外径測定用であ るため,内径測定には不向きな構造である.
■特に角度に関しては,貫通の必要がない場合でも,通常の接触式角度計では極めて困難である.
なぜなら,2 本の線分で挟まれた角度を求めるには,その線分を含む三角形の平面を空中で認 識する必要があるからだ.つまり,3 点で形成される空中の「仮想平面」に,角度計を合わせる ことができなければならない.しかし,それは不可能に近い.
《 要点 》
■以上までの議論により,開発器は自由姿勢(本研究では障害者姿勢)のROM 測定に対応できる と判断した.
5. 生体Bの測定