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第 2 章 測定原理と測定器の種類

2. 非接触式測定器

2.1 形態測定

2.1.2 構造

[1] リードスクリュー形測定器

リードスクリュー形測定器本体の構造を図2.9に示す.

2.9 リードスクリュー形測定器の構造(Susato,2011) 測定範囲

x軸:100–600 mm,y軸:0–600 mm. 構造

アーム(Arm)X1,X2はリニアスライドガイド(Linear Slide Guide; LSG)上を動か され,各アームはディジタルスケールユニット(Digital Scale Unit; DSU)とボール ねじ(Ball Screw)に直結されている.ボールねじはDCモータ(DC Motor)によっ て駆動される.2本のアームの相対距離は,DSUの表示値によって求められる.

アーム上のレーザマーカ(Laser Marker)A,B から照射されるレーザ光線(Laser Beam)の2個のスポット光は,一定距離で合致するように調整されている.その

Subject

Arm X1 Arm X2

A

B Laser Marker

LED Buzzer

Probe

DC Motor Digital Scale Unit Ball Screw

Linear Slide Guide

L11 L L22

L0

Ruler

Limit Switch, LED, Buzzer

Base

x y

z

Dgital Scale Unitの表示部

アームには焦点合致を検知するフォトセンサ内蔵のプローブ(Probe)が設置され ている.その検知はLEDの光とブザー(Buzzer)の音で知らせる.LSG上のアー ムを移動制限させるために,各4個のリミットスイッチ(Limit Switch),LEDお よびブザーがLSG上に設置されている.直尺(Ruler)がLSGと平行に設置されて いるため,2本のアーム間の相対距離は,直尺上の目盛を直接読み取ることによ って求められる.ベース(Base)全体は三脚の雲台に乗せられている.

仕様

■リニアスライドガイド(600 mm;LU15,NSK)

■レーザマーカ(波長670 nm,スポット径1 mm,出力0.7 mW;LMC-D12-670-3, エフエムレーザーテック)

■ディジタルスケールユニット(最小表示量0.01 mm,器差0.04 mm;SD-30E, ミツトヨ)

■直尺(600 mm,JIS 1級,長さ許容差±0.20 mm;13269,シンワ)

■三脚の可動範囲:床から雲台までの高さ56–153 cm,雲台の前傾斜角度110°, 後傾斜角度40°,左傾斜角度90°,右傾斜角度20°,旋回角度0–360°

リードスクリュー形の測定原理は,2本のアームで対象物(Subject)を挟み込み,左右の各2 本 のレーザ光線(Laser Beam)で,それぞれが1点で合うまで,2本のアームを動かし,合致後にア ーム間の距離L0と2 個の焦点距離 L11L22を調べ,計算から対象物の距離を求めることにある.

検知するまでのアームの移動は手動式と半自動式で行う.

注:手動式を「アームの移動と値の読み取り等を全て人が行う方式」と定義する.

半自動式を「アームの移動だけはモータが行い,他の作業は人が行う方式」と定義する.

対象物の長さLは,その最外側にレーザ光線が照射されると,次の計算式で求まる.

L = L0L11L22 (2.1)

(ただし,図2.9の対象物と焦点合致点は,y軸に対して左右対称であるとする.) L11L22を求めるために,アームを焦点合致するまで移動させる必要がある.これには2種類 の方法がある.

①測定者が焦点合致を目視観察しながら,アームの移動は測定者自身で行う.

②測定者が焦点合致を知らせるLEDの光とブザーの音を知覚しながら,DCモータの正転と逆 転の方向切替え,つまりアームの左右方向への変換を,本体と分離されたコントロールボッ クスのON/OFFのスイッチ操作によって行い,アームの移動は DCモータの駆動で行わせ る.

このリードスクリュー形の開発器は,応用性を検討するために多機能性を持たせたが,過剰仕 様になった.実用器はより単純な構造に改造できる.その主要構造部品は,1 本のリニアスライ ドガイド,2本のアーム,2個または4個のレーザマーカ,ベース上の直尺だけで良い.

《 要点 》

■リードスクリュー形測定器は,投影直線距離が測定できる.

[2] スライド形測定器

スライド形測定器本体の構造を図2.10に示す.

2.10 スライド形測定器の構造(縦置き)(Susato,2011)

測定範囲

z軸:20–1880 mm. 構造

2個のスライドベース(Slide-base)が,リニアスライドガイド(Linear Slide Guide;

LSG)上に取り付けられている.そのスライドベース上にはロッド(Rod)とレーザ

マーカ(Laser Marker)が取り付けられ,着脱して交換ができる.前者を取り付け

た場合はロッドスライド形,後者を取り付けた場合はレーザスライド形と呼ぶ.

各スライドベースには分度器(Protractor)が2個ずつ設置され,水平方向と垂直方 向の回転角度が読み取れる.よって,ロッドとレーザマーカの両方向の回転角度 は設定できる.直尺(Ruler)がLSGと平行に設置されている.本体は三脚の雲台 に乗せられている.

仕様

■リニアスライドガイド(2 m;LU15,NSK)

■ロッド(炭素鋼の周りを合成ゴムで被覆,最大有効長400 mm,直径10 mm)

Rod

Laser Beam Laser Marker

Protractor

Protractor Ruler Linear Slide Guide

x

y z

Vertical Plane

Horizontal Plane

Slide Base

スライドベースに取り付けられたレーザマーカと分度器 (垂直角90°,水平角110°に設定)

■レーザマーカ(波長670 nm,スポット径1 mm,出力0.7 mW;LMC-D12-670-3, エフエムレーザーテック)

■分度器(直径90 mm,最小読取値1°,測定範囲180°;192-90,新潟精機)

■直尺(2 m,JIS 1級,長さ許容差±0.30 mm;14060,シンワ)

■三脚の可動範囲:床から雲台までの高さ60–130 cm,雲台の前傾斜角度100°, 後傾斜角度60°,左傾斜角度90°,右傾斜角度0°,旋回角度0–360°

スライド形の測定原理は,①対象物の一方の端点にロッドを接触させるか,あるいはレーザ光 線を照射させるかして,そのときの直尺上でのロッドあるいはレーザマーカの位置を読み取り,

②もう一方の端点に同様の操作処理を行ったときの位置を読み取り,③それらの読値量の差分か ら,対象物の距離を求めることにある.

スライド形の精度は,大部分がこの直尺の精度に依存していたので,本研究では精度測定は行 わなかった.

《 要点 》

■レーザスライド形測定器は,投影直線距離が測定できる.角度も測定できるが,レーザマーカ を2個装着した場合に限り可能である(次節の3次元測定法を使う).

■ロッドスライド形測定器は,直線距離が測定できる.角度も測定できるが,ロッドを2本装着 し,ロッドの先端が対象物に届く範囲内であれば可能である(次節の3次元測定法を使う).

ドキュメント内 非接触式可搬型人体測定器の開発と応用 (ページ 53-57)