(2) 生活排水用の集中的な二次処理施設への支援においては、当該国の同セクターの全体 的な状況を把握したうえで、プライオリティに応じて実施していく(首都圏や既存地方
④ ラッカバン ICD(Inland Container Depot)
1.2.2 東部臨海開発計画の鉄道事業
東部臨海地域の鉄道網は、タイ国有鉄道(以下「SRT」)の鉄道網の東線に相当する。東部
臨海開発計画以前の東線は、バンコク以東を東西に結ぶバンコク・アランヤプラテート鉄 道のみであった。同計画により、シャム湾東沿岸部を南北に結ぶチャチェンサオ・サタヒ ップ鉄道(全長約
262km、タイ政府自己資金)
が東部臨海地域の幹線として建設された。更 に円借款の支援を受け、同幹線とレムチャバン商業港を結ぶシラチャ・レムチャバン鉄道(全長約
9km)、および同幹線とマプタプット工業団地・港とを結ぶサタヒップ・マプタプット
鉄道(全長約
24km)
1が計画された。円借款対象の2
事業は、それぞれ、新設のレムチャバ ン商業港の輸送需要2 、およびマプタプット工業港および工業団地の輸送需要に対応する ことを目的としている。また、東部臨海地域と他地域(東北タイ、北タイ、等)間の鉄道輸送は、全てバンコクを 通過することとなっていた。東部臨海地域の開発が進み輸送需要が増加するにつれて、バ ンコクにおける鉄道輸送の過密化と、踏み切り待ち時間の増加を通じた道路渋滞の悪化が 懸念された。そのため、かかる事態を回避し、東部臨海地域と他地域間の鉄道輸送需要に 円滑に対応するために、バンコクをバイパスして、東部臨海地域(国鉄東線)と他地域(国鉄 北東線および北線)とを結ぶクロン
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・ケンコイ鉄道(全長約82Km)が計画された。
更に、SRT は、レムチャバン港のコンテナ貨物取り扱いの利便性・効率性の向上のため、
バンコク近郊のラッカバンに、コンテナ貨物の内陸中継基地(以下「ラッカバン
ICD」 (Inland
Container Depot)
、タイ政府資金にて建設)を整備した。ラッカバンICD
は、国鉄東線上に位置しており、鉄道輸送と道路輸送(トラック)双方によりコンテナ貨物が搬出入される。
同
ICD
では通関手続きも可能であり、レムチャバン港で輸出入される貨物を、同ICD
に輸 送し、ここで通関・積み替えを行って、それぞれの仕向け地に搬送する。1.2.3 東部臨海地域の鉄道網と道路網の役割分担
タイの主要な輸送手段は道路である(1988 年貨物輸送シェア:道路
84%、鉄道 8.2%、海
運
7.8%)が、一般に長距離・大量輸送には鉄道が低コストであることから、レムチャバン
港の取り扱い貨物の一括大量輸送や、マプタプット工業団地の開発に伴う資源・エネルギ ー等のタイ北部・東北部への長距離・大量輸送に対応するために、レムチャバンとマプタ プットを含む東部臨海地域のシャム湾沿岸部に、国鉄東線の新路線が建設された。同地域 の道路網は、内陸部を含む東部臨海地域全域の開発に伴う陸上輸送増加一般に対応するた めに整備されたもので、域内外の旅客需要や、工業団地関連の原料搬入や製品搬出、レム チャバン港の取扱貨物の輸送(鉄道と分担)に対応するものである。
1 正確にはマプタプットとカオシチャン駅(チェチャンサオ・サタヒップ鉄道上のサタヒップ近郊の駅)を 結ぶ鉄道だが、円借款事業名に習い、ここではサタヒップ・マプタプット鉄道と呼ぶ。
2 シラチャ・レムチャバン鉄道は、主としてレムチャバン港の取扱貨物の陸上輸送に対応することを目的 としていた。付随的にレムチャバン工業団地の輸送需要に対応することも検討されてはいたが、アプレイ ザル時の貨物需要予測もレムチャバン港の取り扱い貨物のみを念頭に置いており、当初より同港に係わる 貨物需要への対応が主目的であったと言える。同鉄道には、現在レムチャバン港駅とレムチャバン駅の2 駅があるが、それぞれの駅はコンテナ、原油、砂糖専用の施設となっており、事実上、レムチャバン港の 取り扱い貨物(コンテナ、砂糖)の輸送とレムチャバンに立地する石油精製所への原油搬入にのみ利用され ている。
1.2.4 本事業の経緯
サタヒップ・マプタプット鉄道 クロン19・ケンコイ鉄道 1981年 4月 タイ政府、東部臨海開発計画を閣議承認、計画実施へ移行
1983年 6 月 東部臨海開発事業(E/S)(第 10 次借 款、本事業の D/D 含む)交換公文締 結
9月 同借款契約調印
11月JICAによるマプタプット工業港 F/S完成(本事業含む)
1986年 6月D/D完成
1987年 11月 イタリア政府無償によるF/S完成 1988年 9月 交換公文締結、借款契約調印
1989年 9月 イタリア政府無償によるD/D完成
1990年 2月 交換公文締結、借款契約調印
8月 事業開始(契約締結) 1992年 5月 事業開始(契約締結)
1995年 4月 事業完工
1997年 10月 事業完工
1.3 主要計画・実績比較 1.3.1 事業範囲
サタヒップ・マプタプット鉄道
事業範囲 計画 実績 差異
土木・軌道敷設工事1) カオシチャン駅〜マプタプ ット工業港・団地
24km 同左 変更なし
信号・通信施設 一式 一式(ただし設備増加) 踏み切り箇所の増加により 設備の増加
コンサルティング・サービス2) F 55 M/M L 187 M/M
F 72.5 M/M L 267.7 M/M
F 17.5 M/M増加 L 80.7M/M増加
クロン
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・ケンコイ鉄道事業範囲 計画 実績 差異
建設・保守用機器調達 土木・軌道敷設工事1) クロン19駅〜ケンコイ駅 信号・通信施設
コンサルティング・サービス 2) 土木・軌道敷設工事 信号・通信
一式 82.55 Km
一式
F 119 M/M L 85 M/M F 53.2 M/M L 128.5 M/M
一式(ただし一部削減) 82.42 Km
一式
F 107 M/M L 141 M/M F 56.2 M/M L 134.5 M/M
調達品目、数量を削減
△0.13 Km 変更無し
△8 M/M + 56 M/M + 3 M/M + 6 M/M 注 :1) 駅舎などの建設を含む。
2) コンサルティング・サービスの「F」は外国人コンサルタント、「L」はローカルコンサルタン トを表す。