(2) 生活排水用の集中的な二次処理施設への支援においては、当該国の同セクターの全体 的な状況を把握したうえで、プライオリティに応じて実施していく(首都圏や既存地方
④ ラッカバン ICD(Inland Container Depot)
1.3.2 工期 1)
クロン
19
・ケンコイ鉄道建設事業1990年 1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年
I II III IV I II III I V I II III IV I II III IV I II III IV I II III IV I II III IV I II III IV 土木・軌道敷設工事
コンサルタント選定
コントラクター選定
土木工事
軌道敷設工事
信号・通信施設 コンサルタント選定
コントラクター選定
機器製造、裾え付け
計画 実績
1.3.3 事業費
単位:総事業費および外貨:百万円 内貨:百万バーツ
項目 計画(アプレイザル時) 実 績 差 額
外貨 内貨 外貨 内貨 外貨 内貨
サタヒップ・マプタプット鉄道 土木・建設工事
コンサルティング・サービス 予備費
2,704 163 135
273 13 14
2,645 178
-1,069 16
-△59 +15
△135
+796 +3
△13
合計 3,002 300 2,823 1,085 △179 +785
総事業費 4,501 6,946 +2,444
うち国際協力銀行分 3,002 2,823 △179
クロン19・ケンコイ鉄道 1) 土木・建設工事
コンサルティング・サービス 用地取得費
予備費
6,972 488
-698
1,026 13 115 115
6,978 392
-1,768 43 145
-+6
△96
-△698
+742 +30 +30
△115
合計 8,158 1,269 7,370 1,956 △876 +687
総事業費 15,265 14,998 △267
うち国際協力銀行分 8,158 7,370 △788
注 :1) クロン19・ケンコイ鉄道の実績は1999年8月末現在。
2) [換算レート]
アプレイザル時(年月):①サタヒップ・マプタプット鉄道、1バーツ = 5.0円(1988年6月)
②クロン19・ケンコイ鉄道、1バーツ = 5.6円(1989年8月) 完成時(年) :①サタヒップ・マプタプット鉄道、1バーツ = 3.8円(1995年IFS)
②クロン19・ケンコイ鉄道、1バーツ = 3.9円(1997年IFS)
2. 分析と評価
2.1 事業実施にかかる評価 2.1.1 事業範囲
サタヒップ・マプタプット鉄道
チャチャンサオ・サタヒップ鉄道上のカオシチャン駅(サタヒップ側)とマプタプット工 業港・団地を結ぶ軌道約
24km、操車場、駅舎、等が、当初計画どおり建設された。踏み
切り数増加により信号・通信施設は当初予定より若干増加した。工期が当初計画より
2
年間延長したことに伴いコンサルタントの業務量は増加した。クロン
19
・ケンコイ鉄道国鉄東線のクロン
19
駅と北東線のケンコイ駅を結ぶ軌道約82km、操車場、駅舎等が、
当初計画どおり建設された。信号・通信施設も当初計画どおり建設されている。建設・保 守用の機器は、大蔵省予算局の査定により、当初計画より一部削減された。
コンサルタントは、土木・軌道敷設工事と信号・通信施設工事に分けて雇用された。い ずれも、契約交渉の結果、若干、業務量が変動している。
2.1.2 工期
サタヒップ・マプタプット鉄道
本事業は、コントラクター選定および工事ともに約
2
年ずつ遅延しており、工事の完了 は当初計画と比較して4
年以上と大幅に遅れた。コントラクター選定に時間を要した主な理由は、SRT 側で工事発注の準備が遅延したこ とにある。これは、先行して建設が進められていたマプタプット工業港・工業団地(実施機 関:タイ工業団地公社、以下「IEAT」)や、運輸通信省道路局(以下「DOH」)により建設さ れる鉄道を跨ぐ道路橋との設計の調整の必要があり、調整結果を反映した入札書類の作成 に時間を要したためである。
また、工事遅延の主な理由は、事業費増加による内貨予算の追加手当てに時間を要した こと、および
DOH
の道路橋4
ヶ所の用地取得が困難なため平面交差に変更されたことに 伴い、鉄道側の信号・通信施設を追加設計・建設する必要が生じたこと、である。遅延の結果、サタヒップ・マプタプット鉄道の完成は
1995
年までずれ込むこととなり、この時期までには、マプタプット工業団地の入居企業の半分以上が、既に操業を開始して いた。運営状況の評価で詳述するとおり、同鉄道の予測需要の約
20%を占めていた同工業
団地製品の鉄道輸送が実現していないことの背景には、入居企業が操業開始時に物流網を 構築する際に、鉄道が未だ完成していなかったため、鉄道利用を検討しようにもできなか ったことがあると思われる。本事業の遅延には、上記のとおりやむを得ない事情があるが、コントラクター選定およ び工事ともに約
2
年ずつ、合計4
年の大幅な遅延が生じており、SRT に遅延短縮の努力の 余地はあったと思われる。また、大幅な工期の遅延が、マプタプット工業団地の入居企業 の鉄道利用を低く押さえる一因となった可能性があり、事業効果発現の観点からもSRT
は 遅延短縮に努力すべきであった。クロン
19
・ケンコイ鉄道本事業では、土木・軌道敷設工事と通信・信号施設工事を分けて発注しているが、土木 工事で約
2
年、通信・信号施設工事で約4
年の遅延が生じている。いずれの工事も工期事 体は当初計画と比べ僅かに遅れているのみであり、遅延の主な理由は、コンサルタントの 選定が当初計画より2
年以上遅れたことである。その結果、同鉄道の運用開始は当初計画より約
2
年遅れて1995
年からとなった3。同鉄 道の建設遅延により、バンコク経由の鉄道路線の混雑緩和と有効利用、および同鉄道によ り喚起された新しい輸送需要の発現が遅れており、工期遅延は事業効果発現を遅らせる結 果となった。コンサルタントの選定時には、付加価値税の導入(1992 年)により契約条件を変更する必 要があったことなどのやむを得ない事情もあるが、SRT 内部による事務手続きに時間を要 していることが主な原因であると思われる。事業の円滑な実施のため、および事業効果の 早期発現のため、SRT は事務能力向上の努力を払う必要がある。
2.1.3 事業費
サタヒップ・マプタプット鉄道
本事業では、計画に対し約
1.5
倍の事業費となっている。要因は、この時期のタイにお ける建設ブームによる建設単価上昇と、事業途中でDOH
の道路事業との調整結果による 軽微な設計変更(信号・通信施設の増加、道路拡幅による鉄道橋の規模拡大、等)によるもの である。外貨分の事業費は、当初計画内に抑えられ、費用増加分は内貨予算の追加手当て により賄われた。クロン
19
・ケンコイ鉄道本事業は、ほぼ当初計画どおりの総事業費で完成している。ただし、内貨費用について 当初計画より
687
百万バーツの増加が見られた。これは、詳細設計時の想定より軟弱地盤 が多かったために、実際の工事量が増加したことなどが原因である。2.1.4 実施体制 (1) 実施機関
東部臨海開発部(OESB)
東部臨海開発計画は、様々な実施機関による複数の個別事業から構成されていることか ら、首相を長とする東部臨海開発委員会が全体の政策決定に当り、同委員会事務局である 国家経済社会開発庁
(NESDB)
内の東部臨海部(Office of the Eastern Seaboard DevelopmentCommittee: OESB)
により個別事業の調整、推進、モニタリングが行われている。(なお、 OESB
はCenter for Integrated Plan of Operations: CIPO
と呼ばれる場合もある)。OESB
は、首相を長とした閣僚級の意志決定機関の事務局として、東部臨海開発計画の 投資事業決定について、ある程度の調整能力を発揮した。なお、入札、施工監理、貸付実 行の手続など実際の事業実施に関しては、全て各実施機関にて行われた。
3 同鉄道の運用は信号・通信施設が完成する以前より開始されたために、運用開始は約2年の遅延に留ま っている。
タイ国有鉄道(SRT)
本評価対象の鉄道
2
事業の借入人かつ実施機関であるSRT
は、同事業の実施にあたって、副総裁を委員長とする作業委員会を設置し、事業を監理した。実際の事業実施は、土木技 術局(現在の建設局)が土木・軌道工事を担当し、信号・通信局が信号・通信施設工事を担 当した。
これら
2
事業の実施にあたっては、東部臨海開発により同時平行で実施されていたDOH
やIEAT
の事業との調整が必要など、難しい面があった。また、SRT にとって円借款を利 用した新線建設は東部臨海開発関連の3
事業が初めて(過去に他部局による車輌調達事業の 実績有り)で手続きへの不慣れさもあったと思われる。しかしながら、前述のとおり、事業 の大幅な遅延には、内部事務手続きの迅速化など、改善の余地があったと思われる。(2) コンサルタント
本評価対象の鉄道
2
事業とも、詳細設計は同事業以前に行われていた関係で、コンサル タントは、入札補助および施工監理のために雇用された。サタヒップ・マプタプット鉄道 では、詳細設計を行った本邦コンサルタントと現地コンサルタントの共同企業体が、随意 契約で雇用された。クロン19
・ケンコイ鉄道では、土木・軌道敷設工事と信号・通信施 設工事に分けて国際競争入札によりコンサルタントを選定した。その結果、土木・軌道敷 設工事には、本邦コンサルタント、現地コンサルタント、イタリア国籍コンサルタントの 共同企業体、信号・通信施設工事には、本邦コンサルタントと現地コンサルタントの共同 企業体が雇用された。いずれの事業も、工期の遅延はコンサルタントに起因するものでは なく、実施機関であるSRT
は、コンサルタントのパーフォーマンスは良好だったとの評価 を行っている。(3) コントラクター
本評価対象の鉄道
2
事業とも、国際競争入札により、コントラクターを選定している。サタヒップ・マプタプット鉄道では、タイ国籍の企業が受注した。クロン
19
・ケンコイ 鉄道では、土木工事・軌道敷設工事はタイ国籍企業とフランス国籍企業の共同企業体が、信号・通信施設工事はオーストラリア国籍企業が受注した。いずれの事業も、工期の遅延 はコントラクターに起因するものではなく、実施機関である
SRT
からは、コントラクター のパフォーマンスは良好であったと報告されている。2.2 運営・維持管理にかかる評価 2.2.1 運営・維持管理体制
本事業の運営は、他の鉄道路線と同様に、SRT の運行局(Traffic Department)が担当してい る。また、維持管理については、図