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事業実施にかかる評価 2.1.1 事業範囲

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(表−9)顕示比較優位指標の変化が顕著だった品目(タイ 1982−1987年)                   1982年     1987年

2.  分析と評価

2.1  事業実施にかかる評価 2.1.1 事業範囲

①肥料用バースの建設中止

マプタプット工業団地内に建設される予定であった

National Fertilizer Co. ltd.(以下「NFC

社」)用の肥料工場が実施延期となったことから、同工場の関連貨物を取り扱う予定であっ た肥料専用の

2

バースの建設が中止された。これに伴い当バース隣接水域の浚渫も中止さ れている。

同肥料工場は、当初円借款による建設が予定されていたが(1982 年借款契約締結)、1988 年に当面事業を見送ることが

NFC

社の取締役会で決まり、1992 年に当該円借款は借款契 約発効および貸付実行の期限を迎え、貸付実行のないまま終了している。

その後、NFC 社の事業再構築を受け、肥料工場建設事業は再開し、専用のバースを含む 工場が民間からの資金調達により建設され、1998年

5

月から操業を開始した。円借款を使 用した肥料工場の建設延期は、肥料の国際市況の変化などを踏まえ事業が数次にわたり見 直された結果であり、妥当なものであったと思われる。そのため、これに付随した肥料用 バースの建設が中止されたことはやむを得ないものであった。

②流体バースの建設追加

12

次円借款アプレイザル時には、石油化学関連の流体貨物専用バースは、ステージ

2

と して計画されており、円借款対象外であった。流体貨物は、当面の間、多目的バースおよ び肥料用バースにて取り扱い、将来、取扱量が増加した時に専用流体バースの整備を行う 計画であった。

しかし、本事業が再開された

1988

年までには、NPC―1 と呼ばれるタイ石油公社(PTT) と民間企業の合弁事業である第

1

期石油化学コンプレックスの建設(マプタプット工業団地 内に立地)が軌道に乗り3、さらに、NPC−1同様官民合弁による第

2

期石油化学コンプレッ クス(NPC−2)の計画も現実化しつつあった。これら事業による石油化学関連の流体貨物の 急増が予測されたため、流体貨物専用の

2

バースが円借款対象に追加された。追加にあた って、国際協力銀行(以下、本行)は現地調査や駐在員事務所を通じた情報収集に努め、石 油化学工場の進出状況、操業状態、石油化学関連貨物の需要予測などを精査し、IEAT と 数度にわたる協議を行った上で追加の妥当性を確認している。

実際に流体バースは、バース占有率で見て

35〜45%(1997

)とおおよそ適正水準で利用

されていること、および、多目的バースは同占有率約

80%(同年)

と過密状態にあることか ら、流体バースがなければ、石油化学関連の流体貨物の取り扱いに大きな不都合があった と考えられ、流体バースの追加は妥当な判断であった。

③東側埋め立て地、同埋め立て地護岸工事の中止

航路東側に建設される予定であった工業用埋め立て地(5.9 百万

m

3

)、および同埋め立て

地東岸の護岸工事(2.5km)は、円借款対象から除外された。これは、同埋め立て地に立地す ることが想定されていた船舶解撤業の立地が見送られたためである。

後に、石油精製所などが同埋め立て地への立地を決めたため、IEAT の独自事業として 東側埋め立て地は建設された4。なお、円借款対象とはなっていなかったものの、当初計画 で予定されていた東防波堤の建設は、東側埋め立て地が、立地する石油精製所の要望によ       

3 NPC−1の建設着工は198611月、操業開始は198910月。

4 この埋め立て地のさらに東側に隣接して、IEATによる新しい埋め立て地が199811月の現地調査時 点で建設中である。

り、海側へ長く張り出す形に拡大されて建設されたため、防波堤の必要がなくなり、建設 されなかった。

④陸上施設の建設追加

道路、給排水施設、建築物などの陸上施設は、第

12

次円借款アプレイザル時には、借 款の全体資金枠との関係から、パッケージ

2

として翌年の第

13

次円借款での採り上げを 念頭に、第

12

次円借款対象からは除外された。その後、東部臨海開発計画の凍結を経た 後に、陸上施設も含めた港湾施設を緊急に整備する必要性から、第

12

次円借款対象に追 加されたものである。

(3) 円借款対象外の資機材調達

円借款対象であった船舶とガントリークレーンのほか、フォークリフト、モービルクレ ーンなどの荷役機械や、トレイラー、トラクター、消防車などの車両が、バースの運営・

維持管理を委託される民間企業もしくは

IEAT

自身により調達されることが予定されてい たが、これら荷役機械および車両については、多目的バースおよび流体貨物専用バースの 運営・維持管理をそれぞれ委託されている民間業者である

Thai Prosperity Terminal(以下

「TPT 社」

)、および Thai Tank Terminal(以下「TTT

社」)が調達している。また、レーダーなどの 港湾管理運営機器が

IEAT

自身により調達されることが予定されていたが、実際に

IEAT

自身により調達がなされている。

これらの資機材は、マプタプット工業港の機能上、重要なものであり、円借款対象とな った資機材とあわせ、同港の効果発現に貢献している。

マプタプット工業団地

本事業の詳細設計は、第

10

次円借款の「東部臨海開発事業(E/S)」で実施されており、

本事業に供与された第

12

次円借款アプレイザル時までには、アプレイザルが可能な程度 まで設計が進んでいたものの、設計が完成してはいなかった。

12

次円借款アプレイザル以降の詳細設計による検討を受け、道路の延長や各施設規模 などに若干の修正がなされている。浄水場の規模については、当初

10,000m

3/日で計画さ れていたが、工場の進出状況に合わせ二段階で整備することとされ、最初の

5,100m

3/日 の施設のみが円借款対象として整備された。また、工業用の下水処理場についても、当初

4,000m

3/日で計画されていたが、同様に工場の進出状況に合わせ二段階で整備することと

された。その結果、曝気槽などの土木工事については

4,000m

3/日の流量に対応するもの が円借款対象として整備されたが、ポンプなどの機材については当面必要な

2,400m

3/日 の処理能力に対応するもののみが円借款対象として整備された。

円借款対象の工業団地の事業範囲は、第

1

期石油化学コンプレックス関連企業と肥料工 場が立地を予定していた場所のインフラ整備を対象としていたが、その後、第

2

期石油化 学コンプレックスなどの立地を受け、本工業団地の開発は円借款対象の範囲を超えて拡大 しており、企業数の増加に伴って、IEAT がそれぞれの施設を円借款対象の事業範囲を超 えて拡張している。

2.1.2 工期

マプタプット工業港

土木・建設工事は、当初計画と比較し、約

3

年間遅延している。遅延の要因は、マクロ 経済安定化を目的に対外借入計画を見直すために、1985 年

11

月にタイ政府が東部臨海開 発計画を一時凍結したことにある。マプタプット工業港については

1988

1

月に事業再 開が決定された。凍結期間は約

2

年間だが、凍結後に状況変化に応じた事業範囲の見直し が必要となったことなどにより、全体としては約

3

年間の遅延となったものである。なお、

土木・建設工事の工期自体は、当初計画より短縮されている。

資機材調達については、当初計画と比較し、調達品目により、1 年強から

2

年弱遅延し ている。遅延の要因は、コントラクターの選定期間が伸びたことによる。資機材調達はも ともと事業の後半に予定されていたため、凍結の影響は受けていない。コントラクター選 定期間の延長は、IEAT が選定作業の内部手続きに時間を要したことに加え、円借款にて 機器調達を行う前提として求められていた借款対象外の機器調達手段を確保すること

(IEAT

の港湾管理運営機器調達の閣議承認、バース運営受託企業による荷役機械の調達を

委託契約に明記)に時間を要したことにある。調達品目のうち、タグボートについては、応 札価格が想定価格を大幅に上回ったために、再入札が実施されたことによりさらに選定期 間が伸びている。なお、機器の調達・据付け期間はほぼ当初計画どおりであった。

マプタプット工業団地

工業団地については、当初計画と比較し、約

2

年間遅延している。遅延の主な要因は、

工業港同様、東部臨海開発計画の一時凍結である。工業団地の事業再開は、工業港に先ん じて

1987

2

月であり、凍結期間は

16

ヶ月であった。コントラクターの選定期間や工事 期間自体もやや遅れているものの、いずれも半年未満の遅延であり、事業遅延の最大の要 因は開発計画の一時凍結であった。

2.1.3 事業費

マプタプット工業港

土木・建設工事費は、当初計画に比べ約

3

割程度の実績となった。工事費減少の主要な 要因は激しい受注競争と急激な円高にあると思われる。具体的には、土木・建設工事の国 際競争入札で、P/Q 応募

51

社、同通過企業

19

社、応札

8

社と激しい競争が展開され、

競争による大きな価格低下圧力があったものと思われる。また、第

12

次円借款アプレイ ザルが行われた

1985

年から工事契約が締結された

1989

年までには急激な円高が進行して おり、これによる工事費の円換算額が低下したことも大きい。

土木・建設工事の契約額は、1,782 百万バーツ(外貨分、内貨分の総額)だが、第

12

次円 借款アプレイザル時為替レート(1985 年:1 バーツ=9.1 円)で換算すると

16,216

百万円であ り、当初計画

26,302

百万円との差額である

10,086

百万円(計画の約

38%)の減少は受注競争

の結果と考えられる。また、同契約額を契約時の為替レート(1987年:1バーツ=4.9円)で換

算した

8,732

百万円と、第

12

次円借款アプレイザル時レート換算額との差額である

7,484

百万円(計画の約

28%)の減少は急激な円高によるものと考えられる。

なお、事業範囲の変更は、事業費を押し下げる要因となったもの(肥料専用バース、東側 埋め立て地、同埋め立て地護岸の中止)と事業費を押し上げる要因となったもの(流体貨物

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