(2) 生活排水用の集中的な二次処理施設への支援においては、当該国の同セクターの全体 的な状況を把握したうえで、プライオリティに応じて実施していく(首都圏や既存地方
1. 事業概要と主要計画/実績比較 1.1 事業地
1.4 主要計画・実績比較 1.4.1 事業範囲
1.4.3 事業費
単位:百万円、百万バーツ(B) 計画(第13次
アプレイザル時)
実績 差異
外貨 内貨 外貨 内貨 外貨 内貨
合計 (円)
合計 (B)
本行分 (円)
合計 (円)
本行分 (円)
合計 (B)
本行分 (円)
合計 (円)
本行分 (円)
合計 (B)
本行分 (円) 土地造成 112 21 0 320 316 52 0 208 204 31 0 道路・橋
排水路 小計
384 227 611
88 93 181
0 0
0 809 805 134 0 198 194 △47 0
浄水設備 配管等 小計
717 244 961
71 38 109
0 0
0 752 740 78 0 △209 △221 △31 0
下水処理場 配管等 小計
2,240 76 2,316
160 31 197
880 0
880 824 797 91 880 △1,492 △1,519 △105 0 そ の 他 建 屋
等
242 151 21 764 762 111 21 522 520 △40 0
プライスエスカレ 予備費
0 424
67 66
0 0
0 0
0 0
0 0
0 0
0
△424
0
△424
△67
△66 0 0
小計 4,666 792 901 3,469 3,420 466 901 △1,197 △1,246 △326 0
コンサルタント 358 44 0 244 244 39 0 △114 △114 △5 0
総計 5,024 836 901 3,713 3,664 505 901 △1,311 △1,360 △331 0
事業費総計 (百万円)
9,590 6,110 △ 3,480
内本行分 (百万円)
5,925 4,565 △ 1,360
出所:PCR、ヒアリング
注 :1) 第13次アプレイザル時点の為替は5.5円/バーツ。実績値の為替は87-93年の平均4.75円/
バーツ。
2) 焼却炉の費用はその他建屋等に含まれる。
3) 外貨分実績が本行分実績を上回っているが、これは本体工事完了後にIEATが独自に行なった追 加工事分(2期分)が含まれているためである。
2. 分析と評価
2.1 事業実施にかかる評価 2.1.1 事業範囲
本事業では、1985 年の第
12
次借款アプレイザルの後、タイ政府が東部臨海開発計画全 体を一時凍結した。その後、1986 年12
月に本事業の再開がタイ政府により決定され、凍 結期間中の経済状況の変化、および工業団地への入居需要の変化に対応するため、1987 年 の第13
次借款アプレイザル時までに、タイ政府およびIEAT
により、事業範囲の見直しが なされた。その後、第13
次借款アプレイザル時には(第12
次借款資金により)実施中であ った詳細設計での検討結果を受けて、さらに若干の見直しがされている。見直しされた主 な項目は、輸出加工区の開発面積、浄水場の設備能力、および下水処理施設の設備能力で ある。(1) 工業団地の開発面積
工業団地の開発面積の推移は表
2.1
のとおりである。表
2.1 レムチャバン工業団地の開発面積の推移
項目 第12次借款 アプレイザル時
第13次借款 アプレイザル時
詳細設計
整地作業 288ha 368ha 569ha
一般工業区 224ha 224ha 280.3ha (1期:204.5ha) (2期: 75.8ha) 輸出加工区 64ha 112ha 139.4ha (1期: 57.4ha) (2期: 82.0ha) 官庁・商業地等 0 32ha 30.2ha (1期: 30.2ha) (2期: − ) 道路・緑地帯等 − − 119.1ha (1期:105.3ha) (2期: 13.8ha)
合計 288ha 368ha 569.0ha (1期:397.4ha)
(2期:171.6ha) 出所:PCR、IEATヒアリング
凍結期間中における輸出志向企業のタイへの進出増加を受け、これら企業の新規工業団 地への入居需要に対応するために、輸出加工区の面積が、第
13
次借款アプレイザル時ま でに、第12
次借款アプレイザル時のほぼ倍に変更された。さらに、工業団地の面積およ び開発手順について、第13
次借款アプレイザル時には実施中であった詳細設計において 引き続き検討され、若干の面積の変更を経た上で、工業団地整備を企業の進出状況に応じ1
期・2
期の二段階で行うこととされた。このうち、円借款は
1
期分を対象とするが、整地作業、浄水場、下水処理場については、2
期分も含めた全体分を対象としている。道路、配水管、下水路などの2
期分は、1 期分 の入居状況を見ながらIEAT
が自己資金で整備することとなった(2期分は1996
年完工)。1998
年の評価現地調査時点において、一般工業区、輸出加工区ともに入居状況は概ね満 杯となっており、工業団地面積の増加は妥当な判断であったと評価される。(2) 浄水場および下水処理場の設備能力
浄水場および下水処理場の設備能力の推移は表
2.2
のとおりである。表
2.2 浄水場および下水処理場の設備能力の推移
単位:m3/日 第12次借款
アプレイザル時
第13次借款 アプレイザル時
詳細設計
浄水場 46,000 35,800 27,000
下水処理施設 45,500 33,200 20,500
出所:JBIC資料、PCR、プログレスレポート
第
12
次借款アプレイザル時の浄水場設備能力は、レムチャバン工業団地に加えて近隣 に新たに整備される住宅団地への上水供給も含めて設定されたものであった。事業凍結期間を経た第
13
次借款アプレイザルまでには、工業団地を住宅団地に先行して建設するこ ととなったため、住宅団地への上水供給は本事業対象から外された。また、第
12
次借款アプレイザル時の浄水場設備能力は、JICAのF/S
をもとにしていた が、同F/S
では、日本の工業団地における経験から単位あたりの上水需要を99-110m
3/ 日/ha として、レムチャバン工業団地の上水需要量の予測を行っていた。これを、第13
次借款アプレイザル時には、一般工業区についてタイの他工業団地の実績にもとづき見直 しており、単位あたり80m
3/日/haとして上水需要を予測している。これらの検討の結果、第
13
次借款アプレイザル時において浄水場の能力は46,000m
3/ 日から35,800m
3/日に縮小された。その後、詳細設計の段階で、既にレムチャバン工業団地へ入居を決めていた企業が浄水 ではなく原水を直接購入することにしたことなどを受けて、さらに浄水場の能力が
27,000m
3/日へと変更された。
なお、下水処理場の設備能力についても、浄水場の能力の縮小に合わせて縮小されてい る。
これら浄水場、下水処理施設の設備能力の縮小は、いずれも現状に合わせた検討にもと づき行われたものであること、また、後述のとおり、実際の上水供給量、下水処理量とも に、処理施設の設備能力内に収まるものとなっていることから、妥当な変更であったと思 われる。
(3) 焼却炉
廃棄物処理施設については、第
13
次借款アプレイザル時には、詳細設計の中で必要な 施設について検討することとされていた。詳細設計による検討結果を受けて、約10
トン/日の処理能力の焼却炉が建設された。
2.1.2 工期
本事業の本体工事完了時期は、当初計画と比較し、1 年間遅延している。具体的には、
事前資格審査(P/Q)や本体工事契約手続きなどの入札手続きの段階で
3
ヶ月遅延した。ま た、詳細設計で整地作業の対象面積が拡大したことを受けて、入札段階で工期が21
ヶ月 から24
ヶ月に延長されたが、実際の工期は30
ヶ月かかり、延長後の予定工期と比べて6
ヶ月(当初計画比では9
ヶ月)遅延した。工期が伸びたのは、当時のタイにおける建設ブームでセメント、パイプ等の建設諸資材 の調達に支障がでたことと、雨期を考慮すべき工程管理がスムーズにいかなかったためと 報告されている。本事業を受注したのは本邦企業連合であったが、実質的には土木分野で の実績が余りない企業一社が単独で事業を推進する体制であったため、土木工事が主体の 本事業建設の遅れを取り戻すことができなかったと考えられる(本邦企業連合は、この遅れ のために遅延損害金の支払いを余儀なくされた)。同様の事態を回避するためには、企業連 合での応札の場合、構成員会社の役割分担も入札評価の対象とすることを検討していく必 要があると思われる。
なお、工事の遅延により、完工以前に一部企業が入居することとなったが、入居企業か ら工事遅延に対して大きなクレームがつくこともなく、入居企業の操業に大きな支障は起 きなかった。