• 検索結果がありません。

断面修復層に求められる性能

ドキュメント内 博 士 論 文 (ページ 39-43)

第 2 章 既往の技術,文献

2.3 コンクリート防食技術に求められる基礎的な性能

2.3.3 断面修復層に求められる性能

既往の塗布型ライニング工法では,断面修復層が耐荷性能を担っている。

「断面修復層に求められる性能は,健全な躯体コンクリートと一体性が得られ,防食被 覆層の素地として防食被覆材料と良好な適合性を確保できることである。

具体的に,これらの要求性能を満たすためには,

① 既存コンクリートとの良好な接着性を持つこと。

② 高強度・高密度で収縮性・浸透性が小さいこと。

③ 水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の生成量が少なく耐硫酸性が良好なこと。

④ 施工姓が良好なこと。

などの材質特性を持つ,断面修復材料の適用が望ましい。

また,耐硫酸性が良好な材料は,防食被覆層のピンホールなどの欠陥箇所からの硫酸 の浸透による腐食抑制や防食被覆層を浸透した硫酸に対して,断面修復材料による所要 期間のコンクリートへの保護機能などの耐久性にも寄与する。」1)

「断面修復工の設計仕様は,次に示すとおりである。」1)

「イ 断面修復の厚さは,欠損したコンクリート断面の厚さ(消失部分)にコンクリート 劣化部の厚さを加えたものとし,部位又は部材別に定める。

ただし,セメント系材料を薄塗りした時のドライアウト(急速な乾燥)等による硬化 物性の低下防止及び防食被覆層の安定した接着支持層を形成するため,断面修復の厚さ は最小の厚さを10㎜とし,5㎜単位を標準とする。」1)

「断面修復材料の厚付け施工により次に示すような物性の低下が予想されるため,設計 に当たっては留意する必要がある。

① 単位面積当たりの断面修復材料の自重(約 60~140㎏/㎡)が大きくなることによ り,接着力が低下する場合がある。」1)

「③ 接着力の低下,ひび割れや浮きの発生が進行すると,断面修復材料の剥離にまで 至る場合がある。」1)

このように,断面修復層の既設コンクリートからの剥離を防止し,耐荷性能を確保す ることが求められる。

コンクリート改修技術マニュアル(処理施設・管路施設編)1)では,断面修復層の要 求性能指標として表2.6が示されている。

表2.6 断面修復材の要求性能指標1)

性能項目 要求性能 備考

曲げ強度

材齢: 3 3.0 N/mm2 以上 JIS R 5201-1997 n=3 材齢:28 7.0 N/mm2 以上 同上

圧縮強度

材齢:3 25 N/mm2 以上 JIS R 5201-1997 n=6 材齢:28 45 N/mm2 以上 同上

接着性 材齢:28 1.5 N/mm2 以上

(コンクリート下地) 引張試験 n=3 長さ変化率 (補修用モルタル)

材齢28日 0.1% 以下 JIS A1129-2001 n=3

耐酸性

5%の硫酸水溶液に28日間浸漬した

時の重量変化率が±10%以内である こと。

供試体:φ7.5×15 n=3

硫酸浸透深さ

5%硫酸水溶液に28日間浸漬した時

のフェノールフタレイン非呈色深さ 3.0mm以下であること。

供試体:φ7.5×15 n=3

施工性 一回の塗り厚:2cmが可能なこと。 n=3

1) 断面修復材は,公的機関の試験,又は立会い試験において,上表の品質規定に合格したものとする。

なお,試験成績証明書は,発行日より2年間を有効とする。

2) 硫酸水溶液は,7日ごとに交換する。

3) ※印の試験は,「参考資料5.断面修復材の試験方法」による。

※参考資料 接着性,施工性の試験方法について1),2) (1) 供試体1)

ア 供試体の材質・寸法

供試体の材質・寸法1)

試験項目 材質 寸法 (mm) 備考 接着性試験

(コンクリート下地 との接着性)

コンクリート普通平板 300×300×60 JISA5371:2004附属書2(規定) 舗装用平板(略号:N,呼び:300) 施工性試験 コンクリート普通平板 300×300×60 JISA5371:2004附属書2(規定) 舗装用平板(略号N,呼び:300) (2) 接着性試験(コンクリート下地との接着性)1),2)

コンクリ―ト普通平板を,温度 20±3℃の水中に 24時間浸漬して取り出し,布で水 分を抜き取り,10 分以内に製造業者の定める使用方法により調合・撹拌した断面修復 材料を直ちにスぺ―サー一杯に充填し,こて等で厚さ20mmになるように施工したもの を供試体とする。供試体の個数は,3個とする。また,1供試体より5か所の付着強度 を求めその平均値を付着力とする。

使用機器は,鋼製引張用ジグの装着が可能なもので,引張力を試験面に対して垂直に 加えることが可能で測定能力4kN以上の引張試験機とする。

試験法は,以下の通りである。

① 試験面にエポキシ樹脂系接着剤を用いて鋼製引張用ジグ(40×40mm の接着面を有 するもの)を軽くすり付けるようにして接着させ,接着剤が硬化するまで粘着テー プ等を用いて動かないように固定する。

② 接着剤硬化後,鋼製引張用ジグの周囲に沿って電動カッターを用いて切りこむ。な お,防食被覆層および断面修復部の接着強さを試験する場合には,コンクリートに 達する深さ(防食被覆層または断面修復部の施工厚さ以上)まで切り込まなければ ならない。

③ 鋼製引張用ジグに試験機を取り付け,一定の速度を保ちながら,引張力を加えて最 大引張荷重を求める。接着強さは,下式によって計算し,小数点以下1 桁の位を丸 めて示す。

接着強さ(N/mm2)=T/1600 ここに, T:最大引張荷重(N) (3) 施工性試験1)

コンクリ―ト普通平板を,温度 20±3℃の水中 に 24 時間浸漬して取り出し,布で水分を抜き取 り,10分以内に製造業者の定める使用方法により 調合・撹拌した断面修復材料を直ちにスぺ―サ一 杯に充填し,こて等で厚さ 20mm になるように施 工したものを供試体とする。供試体の個数は,3個 とする。

スぺ―サーを取り外したのち,直ちに供試体を 垂直に立て24時間静置後,たれ,すべり,はがれ が生じていないことを目視により確認する。

供試体製作の要領図1)

ドキュメント内 博 士 論 文 (ページ 39-43)