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まとめ

ドキュメント内 博 士 論 文 (ページ 185-188)

第 4 章 本防食被覆材の補強効果の検証

5.3 まとめ

(1) 非線形有限要素解析による再現解析

非線形有限要素解析により,無筋コンクリート製円形マンホールに対する本防食被覆 材の補強効果及び補強メカニズムを明らかにした。また,ひび割れ発生から破壊に至る までの挙動や応力負担,破壊状態を数値解析によって表現し,補強効果を定量的に評価 した。以下に本章で得られた知見を示す。

① 本防食被覆材の補強効果

無筋コンクリート製円形マンホールに本防食被覆材を塗布した場合,試験結果と 同様に数値解析においても補強効果が明らかになった。また,塗布厚が厚いほど補 強効果は大きく,コンクリートのひび割れ開口の進展を抑制することで,部材の破 壊耐力向上に寄与することが明らかになった。

② 防食被覆材の破壊メカニズム

コンクリートと比較して,本防食被覆材の材料特性は低弾性・高引張強度である ため,初期ひび割れはコンクリート部で発生し,そのコンクリート部のひび割れ開 口が進展することで,本防食被覆材にひび割れが発生する。また,本防食被覆材の ひび割れは,コンクリートのひび割れ開口の進展の影響を受けて,本防食被覆材と コンクリートの境界面から断面の中心側に向かって進展していくことが明らかに なった。

③ 塗布厚による破壊挙動の変化

本防食被覆材の応力負担状況より,本防食被覆材は鉄筋コンクリート構造物の鋼 材と同様の働きを担っているものと考えられる。しかし,既設断面に対して塗布厚 が薄い場合,本防食被覆材のひび割れ発生後,直ちに破壊する場合がある。これは,

本防食被覆材の破壊荷重が,コンクリートのひび割れ発生荷重を下回っていたため であると推察される。

(2) 本防食被覆材塗布厚の設計方法の提案

本防食被覆材を塗布した無筋コンクリート構造物の破壊時の力のつり合いは,鉄筋コ

に必要な本防食被覆材の塗布厚を算出した。

いずれの場合も劣化部位の除去量(厚み)に対して,本防食被覆材の塗布量(厚み)

が小さいにもかかわらず,新設マンホールと同等以上の耐力(側方曲げ強さ)が確保で きることが明らかになった。

マンホールの標準内径は90㎝と極めて小さい。加えて,テレビカメラ調査や管路の 更生工事などにおける作業空間,資機材投入空間などとして,従来以上に広い空間が求 められる中,本防食被覆材は,マンホールの内部空間の拡大が可能であることから,マ ンホールの長寿命化に加え,維持管理性の向上にも貢献できる。さらに,下水汚泥の資 源化拡大にも貢献できる。

<参考文献>

1) Shi, Z., Ohtsu, M., Suzuki, M., and Hibino, Y. (2001). “Numerical analysis of multiple cracks in concrete using the discrete approach.” J.Structural Engineering, 127(9), pp.1085-1091.

2) 中野雅章,師自海:ひび割れ幅に基づく変状トンネルの作用外力推定に関する数値 解析手法,土木学会第66回年次学術大会概要集,pp.167-168,2011年

3) 土木学会:コンクリート標準示方書(設計編),p.38,2012年

4) 東藤貢:ポリマーブレンドの破壊特性と破壊メカニズム,日本接着学会誌,vol.43 No.11,p.453,2007

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