第6章 所沢市国民健康保険医療費適正化への取り組み
第1節 所沢市国民健康保険医療費適正化への取り組み
第1 節 所沢市国民健康保険医療費適正化への取り 組み
「所沢市国民健康保険特定健康診査等実施計画(平成 2 5 年度〜平成 2 9 年度)」では、平 成 2 3 年度の医療費に占める生活習慣病(がんを除く)の医科医療費の割合は 2 3 .6 % となっ ており、内容を見ると、腎不全(5 .6 %)、高血圧性疾患(5 .4 %)、糖尿病(3 .4 %)、虚血性 心疾患(3 .0 %)と続いています。また、生活習慣病の 1 人当たり医科医療費についてみて みると、0 歳〜3 9 歳までの階層と 7 0 歳〜7 4 歳までの階層を比較すると、約 2 8 倍となっ ています。
このように、特定健康診査による疾病の早期発見と生活習慣病リスクの把握、特定保健指 導等による生活習慣の改善は重要であり、生活習慣病予防を通して健康長寿と医療費適正化 に取り組んでいます。
本市では「所沢市国民健康保険特定健康診査等実施計画」において、平成 2 9 年度までに 達成すべき目標値として、特定健康診査の受診率を 6 0 % としています。また、「第 5 次所沢 市総合計画後期基本計画」においても、平成 2 9 年度までに達成すべき目標値として、特定 健康診査の受診率を 6 0 % 、ジェネリック医薬品の利用率を 7 0 % としています。
本節では、本市の現状と医療費適正化に向けた取り組みを整理し、引き続き、市民への周 知を図っていきます。
◆ 国民健康保険の被保険者数及び保険給付費の推移
平成24年度 平成25年度 平成26年度 保険給付費※ 1 23,050,964 千円 23,383,075 千円 23,484,765 千円 被保険者数※ 2 99,046 人 97,759 人 95,850 人
一人当たり 保険給付費
232,730 円 239,191 円 245,016 円
〔資料:国民健康保険課〕
※ 1 保険給付費… 療養給付費、療養費、高額療養費、移送費、診療報酬審査委託費、葬祭費、
出産育児一時金の合計
※ 2 被保険者数… 年間平均被保険者数
【参考】後期高齢者医療制度の被保険者数及び費用額の推移
平成24年度 平成25年度 平成26年度 医療額※ 27,186,059 千円 28,839,091 千円 30,468,638 千円 被保険者数 30,694 人 32,504 人 34,087 人
一人当たり 医療費
885,712 円 887,247 円 893,849 円
〔資料:国民健康保険課〕
※ 医療額… 現物給付(医科、歯科、調剤、食事・生活療養、訪問看護療養費、柔道整復)で計算
第 1 節 所沢市国民健康保険医療費適正化への取り組み
〔現状〕
本市の総人口に占める 6 5 歳以上人口の割合( 高齢化率) は平成 2 3 年の 2 0 .8 % から平成 2 6 年には 2 4 .1 % に増加しています。また、7 5 歳以上の割合は、平成 2 3 年には 8 .6 % でしたが、平成 2 6 年は 1 0 .1 % となり本市の高齢化は急速に進行しています。
平成 2 3 年度の本市の国民健康保険医療費に占める生活習慣病(がんを除く)の割合は 2 3 .6 % となっています。また、所沢市国民健康保険における一人あたりの保険給付費は 年々増加の傾向にあり、後期高齢者医療の医療費も増加しています。
厚生労働省では、平成 2 5 年 4 月に平成 3 0 年3月までにジェネリック医薬品
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の数 量シェア 6 0 %を目標とする「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」
を策定し取り組みを進めています。さらに、平成 2 7 年 6 月には、平成 2 9 年中に 7 0 % 以上、平成 3 0 年度から 3 2 年度末までに 8 0 % 以上とする新たな数量シェア目標を掲 げ、ジェネリック医薬品の使用促進を図っています。
〔本市の主な取り組み〕
ジェネリック医薬品の利用率を上げるため、平成 2 5 年度から取り組みを進め、平成 2 5 年度末の利用率は約 4 9 .7 % 、H 2 6 年度末では約 5 7 .2 % と向上しています。
保険証やお薬手帳に貼れるジェネリック医薬品利用希望シールの配布、また、国民健康 保険に加入中で対象となる方へ「ジェネリック医薬品に関するお知らせ」(医療費差額 通知)を送付してジェネリック医薬品に関する周知啓発を行っています。
埼玉県が平成 2 6 年 1 0 月から実施している「生活習慣病重症化予防対策事業
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」に国 民健康保険のモデル市町村として参加し、糖尿病重症化予防対策を実施しています。
市で実施している特定健康診査
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の結果に応じて、生活習慣改善のための特定保健指導
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を実施しています。
レセプト(診療報酬明細書)点検等により、医療給付の適正化に努めています。
国民健康保険の保険者としてジェネリック医薬品の利用率向上を進め、安定的な運営を 行うことが必要です。
疾病及び疾病リスクを早期に発見し、適正な受診につなげることで重症化を予防するこ とが重要です。
「所沢市国民健康保険保健事業実施計画(データヘルス計画)
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」(平成 2 8 年度策定予 定)による、効率的な取り組みが重要です。
1 現状・主な取り組み
(1)所沢市国民健康保険医療費適正化への取り組み
2 課 題
【ジェネリック医薬品の利用促進、特定健康診査等の受診率向上、特定保健指導の実施率向上と 普及啓発を進めます】
所沢市医師会、所沢市歯科医師会、所沢市薬剤師会と連携して、ジェネリック医薬品の 利用促進、特定健康診査等の受診率の向上、特定保健指導の実施率向上、普及啓発を通 じた疾病予防を推進し、医療費適正化に努めます。
【生活習慣病重症化予防対策事業を進めます】
所沢市国民健康保険加入者については、引き続き特定健康診査結果等のデータから、糖 尿病重症化リスクの高い医療未受診者・受診中断者を抽出し医療に結び付けていきます。
また、糖尿病性腎症が重症化するリスクの高い方には生活指導を行い、人工透析への移 行を防止する事業を実施します。
【適正な医療給付の確保に努めます】
増加傾向にある国民健康保険の保険給付費については、引き続きレセプト(診療報酬明 細書)点検等により、適正な医療給付の確保に努めます。
【所沢市国民健康保険保健事業実施計画( データヘルス計画) に基づく取り組みを進めます】
健康・医療情報を活用して作成したデータヘルス計画(平成 2 8 年度策定予定)に基づき、
保健事業の実効性を高めていきます。
【特定健康診査等を受診しましょう】
年に 1 度は特定健康診査等を受診し、ご自身の健康管理に役立てましょう。また、健診 結果によっては、速やかに医療機関を受診したり、特定保健指導を受けて生活習慣の改 善につなげましょう。
【ジェネリック医薬品の利用について意識しましょう】
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分で製造した薬で、一般的に開発費用 を抑えられるため、先発医薬品に比べ薬価が安くなる傾向にあります。同じ有効成分で 薬代の負担を抑えられるジェネリック医薬品の利用について意識してみましょう。
【健康の維持・増進に取り組みましょう】
自身の健康について関心を持ち、生活の質を向上するため、健康管理を意識し、栄養バ ランスの良い食事、適度な運動など、身近に行えることから取り組んでみましょう。
3 今後の市の方向性
4 期待される市民自らの取り組み
◆ 計画期間における目標指標(第1節 所沢市国民健康保険医療費適正化への取り組み)
( 1) 所沢市国民健康保険医療費適正化への取り組み
指 標 名 単位 現状( H 2 6 年度) 目標( H 3 1 年度) 国民健康保険特定健康診査の受診率 % 3 7 .7 6 0 .0 以上 疾病予防対策の推進に関する取り組みの成果を測る指標です。
現状は、平成 2 6 年度の特定健康診査の受診率です。
目標は、「所沢市特定健康診査等実施計画( 第 2 期) 」にて平成 2 9 年度末までに 6 0 % を目 指すと定めています。引き続き平成 3 1 年度末までに 6 0 % 以上の数値を目指すものです。
指 標 名 単位 現状( H 2 6 年度) 目標( H 3 1 年度) 国民健康保険ジェネリック医薬品の利用
率
% 5 7 .2 7 0 .0 以上 ジェネリック医薬品の利用状況を示す指標です。
現状は、平成 2 5 年度に国が示した利用率の算出式( ※ ) を基に算出したものです。
目標は、厚生労働省の「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ( 平成 2 5 年 4 月 5 日) にて平成 2 9 年度末までに数量シェアを 6 0 % 以上と定めておりますが、所 沢市国民健康保険としては平成 2 9 年度末までに 7 0 % 以上を目指すと定めています。引 き続き平成 3 1 年度末までに 7 0 % 以上の数値を目指すものです。
※ 利用率の算出式:ジェネリック医薬品の利用率=[後発医薬品の数量]/([後発医薬 品のある先発医薬品の数量]+[ 後発医薬品の数量] )
( 厚生労働省「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」より)