第５章 健康危機管理
第１ 節 感染症対策
近年、感染症に関する状況は大きく変化しています。その一つが、エボラ出血熱、エイズ、
C 型肝炎
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など新たに姿を現した新興感染症
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や、結核、マラリアなどのように既に克服し たと考えていたにもかかわらず、近年、姿を変えて現れてきた再興感染症
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の存在です。ま た、航空機による大量輸送や国際交流の増大が進む中、アフリカの奥地など、日本から遠く離 れた地域で発生した感染症であっても、直ちに日本に侵入してくる可能性が増大しています。
一方で、近年の医学・医療の進歩、下水道の普及、公衆衛生水準の向上などにより、患者 や家族の人権に配慮しながら感染の拡大を防ぐ対応が可能となってきており、患者や家族の 人権の尊重や行政の公正透明化への要請に応じた対応が求められています。
これらの背景の下、平成 1 0 年にこれまで感染症対策を担ってきた伝染病予防法、性病予 防法、エイズ予防法を廃止・統合し、新たに新しい時代の感染症対策を担う「感染症の予防 及び感染症の患者に対する医療に関する法律（感染症法）」が制定され、平成 1 1 年に施行さ れました。それ以後も、S A R S （重症急性呼吸器症候群）
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の流行、新型インフルエンザ等 の流行、M E ＲS （中東呼吸器症候群）
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の感染拡大、エボラ出血熱の感染拡大等を受けて、
それぞれ同法律の改正が行われました。
さらに、国では、国民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある新型、再興型の感染症に備え るため、平成 2 4 年に「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が制定され、平成 2 6 年 1 月には「埼玉県新型インフルエンザ等対策行動計画」が策定されました。本市においても平 成 2 5 年 3 月に「所沢市新型インフルエンザ等対策本部条例」を制定し、平成 2 6 年 1 1 月 には「所沢市新型インフルエンザ等対策行動計画」を策定するなど、感染症対策の体制を整 えています。
◇ 小項目分類の考え方
感染症の大流行を防ぐためには一人ひとりが感染を予防し、拡大させないことが何より重 要です。そのためには、正確な情報を迅速に収集し、市民に適切に提供することにより、感 染（拡大）防止の取り組みを促すことが求められています。
感染症対策では、小項目を（１）国・県等の取り組みの情報収集・情報提供、（2 ）新型イ ンフルエンザ等対応とし、対策を推進していきます。
新 型 インフル エンザ 等 対 策 連 絡 会 議
新 型 イ ン フ ル エ ン ザ 等 対 策 会 議
新 型 インフル エンザ 等 対 策 本 部 会 議 新 型 インフル エンザ 等 対 策 有 識 者 会 議
… 未 発 生 の 段 階 か ら情 報 収 集 ・情 報 提 供 及 び連 携 、 連絡体制を確保することを目的とする。
… 海 外 流 行 、国 内 発 生 時に市 内 の 発 生に備 えた対応 について協議する。
… 政府対策本部による緊急事態宣言があった場合、また 流 行 の 状 況 に応 じ対 策 会 議 か ら移 行 。感 染 まん延 を 見越した対策を強力に推進することを目的とする。
… 専門的な知識を有する者、関係機関の職員等により、 市内の発生に備えた対応について協議する。
第 1 節 感染症対策
〔現状〕
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律（感染症法）」第 3 条第 1 項には、国と地方公共団体の責務として、「感染症に関する正しい知識の普及、感染症 に関する情報の収集、整理、分析及び提供」等が規定されています。
平成 2 6 年におけるエボラ出血熱の海外での発生、蚊を媒介とした感染症であるデング 熱
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の流行等を受けて、市民の感染症に対する関心が高まっています。
〔本市の主な取り組み〕
保健センターや市内の学校等では、市民生活、学校生活に重大な影響を及ぼすおそれが ある季節性インフルエンザ・感染性胃腸炎・食中毒等の予防方法等について指導や啓発 活動を行っています。
狭山保健所から定期的に寄せられる情報（週報）を通じて、感染症の発生動向を把握し、
必要に応じて広報・ホームページ等を通じて周知しています。
新型インフルエンザ等対策行動計画に関する周知を図るため、広報やホームページに掲 載するとともに、平成 2 7 年度にはパンフレットを作成しています。
〔保健・医療関係団体の主な取り組み〕
感染対策研修会（狭山保健所）… 関係機関向けの感染対策の講演や指導、実演・実技指導
交通機関等の発達に伴い、感染症の感染が拡大する速度や感染地域の広さが以前に比べ 飛躍的に増大しています。このため、感染防止に有効な情報等については、正確かつ迅 速であることが求められます。
感染症への先入観や、正しい知識の欠如により、患者やその家族に対する風評被害やパ ニック等が引き起こされてしまうおそれがあるため、人権に配慮した正しい知識等を周 知していく必要があります。
感染症を予防するためには、一人ひとりが日頃から感染予防に取り組み、周囲への配慮 や感染拡大の防止についての意識を持つことが重要です。
感染症は、それぞれに感染の経路や引き起こす症状等が異なるため、それぞれに異なる 予防方法や感染時の対処方法をとる必要があります。
新しい感染症の流行等に対処するために、感染症法の改正等が行われた場合、速やかに 改正に応じた対応が必要です。
（１）国・県等の取り組みの情報収集・情報提供
１ 現状・主な取り組み
２ 課 題
【関係機関との連携強化に努めます】
国や県等の発信する情報を基に、感染症等発生の際だけでなく、平常時から正確かつ最 新の情報の収集を行っていきます。また、感染拡大時に迅速な状況把握が可能となるよ う、関係機関との連携強化に努めます。【情報収集及び体制の整備に努めます】
感染症の流行時には、国や県の発信する情報等を収集し、流行の推移や地域、また、感 染症の特性や適切な予防対策等、市民へ正確かつ迅速な情報提供を進めます。
感染症法の改正等が行われた場合、速やかに改正に応じた対応をとれるように、情報の 収集及び体制の整備に努めます。【収集した情報を正確かつ速やかに提供します】
感染が拡大した際には、感染症の特性や感染時の症状、感染力の強弱や有効な予防方法 について、正確で速やかな情報の収集及び市民への周知を進めます。【個人でできる対策の啓発を行います】
手洗いや咳エチケット等、感染症予防対策について、広報、ホームページ、パンフレッ ト等により周知啓発を進めます。
【感染症に関する正確な情報を収集するように努めましょう】
手洗いや咳エチケット等、感染症予防対策について、広報、ホームページ、パンフレッ ト等で必要な情報を把握しましょう。
【自らが意識を持つことで感染症の拡大を防ぎましょう】
手洗い、咳エチケット等の実施や適切な予防接種等、感染症に罹患しないための予防対 策を励行するとともに、感染時には周囲の人への感染を防ぐことが大切であるという意 識を普段から持つようにしましょう。【感染症に対する正しい知識を持つようにしましょう】
感染症の流行時には、市やその他公的機関の発信する最新の情報を積極的に収集し、予 防対策や感染拡大の防止、感染時の対処について適切に取り組むようにしましょう。
感染症はそれぞれに特性が違うことを理解し、感染症に関する正しい知識を日頃から収 集するとともに、自身の健康状態や感染症の流行状況に応じて適切な予防対策等をとれ るよう心掛けましょう。
３ 今後の市の方向性
４ 期待される市民自らの取り組み
第 1 節 感染症対策
〔現状〕
新型インフルエンザ
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等は未知の感染症である可能性が高いため、予防方法や治療方 法が確立されていない場合があります。そのため、深刻な健康被害とこれに伴う社会的 影響をもたらすことが考えられます。
〔本市の主な取り組み〕
平成 2 5 年 3 月に「所沢市新型インフルエンザ等対策本部条例」を制定しました。
平成 2 6 年 1 1 月には、「所沢市新型インフルエンザ等対策行動計画」を策定し、新型イ ンフルエンザ等の発生・流行の際に適切な対応ができるよう備えるとともに、平成 2 6 年 1 2 月に「所沢市新型インフルエンザ等対策有識者会議条例」を制定しました。
新型インフルエンザ等が発生した場合、世界的な大流行（パンデミック）を引き起こす 恐れがあります。流行のピークを遅らせ、かつ流行のピークを小さく抑えることが重要 です。
新型インフルエンザ等の流行時においても、一定水準の行政機能を維持することができ るよう努める必要があります。
新型インフルエンザ等の発生・流行時において、新型インフルエンザ等対策に関わる事 業者や公務員等へ行う「特定接種
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」、住民に対して行う「住民接種」を円滑に実施で きる体制の整備が必要です。
（２）新型インフルエンザ等対応
１ 現状・主な取り組み
２ 課 題