1.8.1 改組について
産官学連携をより一層進め,研究成果の普及・活用の促進や知財の潤滑な取り扱い,共同研究の一層の推進,国 際的な産官学連携の促進などを図るため,国際イノベーション機構(IIO)及び国際融合創造センター(IIC)など 関連組織は,平成19年7月1日に改組され,産官学連携本部(SACI)及びその統括のもと実務を行う産官学連携 センター(ICC)が設置された.それに併せて「知的財産ポリシー」及び「発明規程」が改定され,情報知財活用 室は,『産官学連携センター ソフトウェア・コンテンツ分野』として,大学に登録された著作物の管理及び活用を 図ることとなった.
1.8.2 サービス内容について
「知的財産ポリシー」及び「発明規程」が改定されたことに伴い,『有償でソフトウェア等の著作物を学外にラ イセンスする場合』などについては,特許等の発明に準じて取り扱うこととなった.
届出の対象となる著作物は,大学で開発されたソフトウェア,デジタルコンテンツ,及びデータベースであり,
(1)関連する発明が大学に承継された場合,(2)本学の資金又は本学で管理している研究費の成果物として開発さ れた著作物を学外に有償でライセンスする場合,(3)本学の資金又は本学で管理している研究費で外注した著作物 を学外に有償でライセンスする場合,(4)職務著作(著作権法15条)に該当する場合,には原則として著作物を ソフトウエア・コンテンツ分野に届出ることになった.
ソフトウエア・コンテンツ分野では,大学で開発されたソフトウェアやデジタルコンテンツが社会で有効に利 用されるべく,ライセンス活動を行っている.これまでも学内の様々な部局で開発された著作物を学外にライセン スした実績があり,特許やマテリアルとともに知財サイクルの柱を形成している.
1.8.3 サービスの提供体制について
○構成員
氏 名 職 室長(兼) 河原達也 教授
室員 中川勝吾 顧問弁理士 室員 田中かおり 事務補佐員
○ソフトウェア・コンテンツ分野 発明評価委員
氏名 所属部局 部署 職
竹村 匡正 医学部附属病院 医療情報部 講師
田畑 修 大学院工学研究科 マイクロエンジニアリング専攻 教授 奥乃 博 大学院情報学研究科 知能情報学専攻 教授 学内 高橋 豊 大学院情報学研究科 システム科学専攻 教授 専門家 ○ 河原 達也 学術情報メディアセンター 電子化・デジタルアーカイブ
研究分野 教授
角所 考 学術情報メディアセンター マルチメディア情報研究分野 准教授 大山 泰宏 高等教育研究開発推進 高等教育教授システム
センター 研究開発部門 准教授
白藤 立 産官学連携センター 知的財産室 准教授
学外 河本 欣士 IRD国際特許事務所 シニア
専門家 コンサルタント
1.8.4 サービスの提供状況について
○平成19年度に届出のあった著作物一覧 管理番号 著作物の名称
届出日 登録日 契約状況
(=決裁完了日)
C024 プラネタリウム特別番組「宇宙と細胞に
物語をみつけました!」 2007/3/29 2007/5/10 未
C025 Rievec2007 2007/5/7 2007/5/15 未締結
(契約には至らず)
C026 メロディーと歌詞の高精度な時間的対応
付けプログラム 2007/7/6 2007/8/27 締結済み C027 水理水文モデル構成システム(OHyMoS)
及び要素モデル 2007/7/19 2007/7/30 締結済み C029 栄養指導教育システム 2007/9/12 2007/10/26 締結済み C030 レベルセット法に基づく構造最適化プロ
グラム 2007/11/20 2007/12/13 交渉中
○平成19年度ライセンス実績一覧
管理番号 著作物の名称 契約締結日
C007 Movie:Development of the Human Embryo 2007/3/20 (*1) C012 テールサスペンションテスト用画像解析ソフトウェア 2005/9/26 (*2) C026 メロディーと歌詞の高精度な時間的対応付けプログラム 2007/9/13 C027 水理水文モデル構成システム(OHyMoS)及び要素モデル 2007/12/20
C029 栄養指導教育システム 2007/11/1
C002 電話音声認識用音響モデル 2007/10/16 C020 メロディーと歌詞の時間的対応付けプログラム 2007/4/30
*1契約締結は平成18年度だが,入金は平成19年度
*2ランニングロイヤリティー
平成19年度のライセンス件数:7件,ライセンス金額総額:13,597,500円
1.8.5 調査・啓発活動
○ 他大学における著作物の取扱い調査及び他大学に対する啓発活動
国立大学を中心とする他大学における著作物の取扱い現状を調査するとともに,京都大学における著作物の管 理及び活用状況を紹介した.また,大学が抱えている著作物を取扱うにあたっての問題点及び課題について意見 交換を行った.
また,京都大学における著作物のライセンス件数及び金額は他大学に比べて多いことから,他大学から京都大 学における著作物の管理及び活用に関する問合せ又は来訪要請がなされている.ソフトウエア・コンテンツ分野 では,他大学からの問合せ又は来訪要請には可能な限り対応することとし,対応時には京都大学における著作物 の管理方法,活用事例,及び契約時の注意点などを紹介している.岐阜大学及び群馬大学に対しては,京都大学 で使用しているソフトウェア使用許諾契約書(雛形)を提供し,京都大学におけるライセンスについての考え方 及びライセンス交渉の進め方を紹介した.
・訪問大学: 東京農業大学 産官学連携・知的財産センター
・訪問日時: 2007年7月11日14:30-15:30
・対 応 者: 教授 小島 寛明
知的財産部マネージャー 客員教授 丁子 裕 産官学連携研究員 客員准教授 矢野 卓哉
・訪 問 者: 中川 勝吾
・訪問大学: 東京工業大学 産学連携推進本部
・訪問日時: 2007年7月12日14:00-15:00
・対 応 者: 本部長代理 特任教授 香取 和之 技術移転部門長 特任教授 関谷 哲雄 産学連携コーディネーター 木村 勝己
・訪 問 者: 中川 勝吾
・訪問大学: 東京大学 産学連携本部
・訪問日時: 2007年7月23日10:30-12:30
・対 応 者: 産学連携本部長 教授 藤田 隆史 産学連携研究推進部長 教授 太田 与洋 特任教授 本間 高弘
・訪 問 者: 河原 達也,中川 勝吾
・訪問大学: 早稲田大学 研究推進部
・訪問日時: 2007年7月23日14:00-15:30
・対 応 者: 産官学連携コーディネーター 三島 克彦 産学官研究推進センター 門脇 賢太郎
・訪 問 者: 河原 達也,中川 勝吾
・訪問大学: 筑波大学 産学リエゾン共同研究センター
・訪問日時: 2007年8月22日13:00-14:30
・対 応 者: 知的財産室長 教授 菊本 虔 知的財産係長 柳橋 一幸
・訪 問 者: 中川 勝吾
・訪問大学: 広島大学 産学リエゾン共同研究センター
・訪問日時: 2007年9月20日15:00-17:00
・対 応 者: 知的財産マネージャー 植田 栄治
・訪 問 者: 中川 勝吾
・訪問大学: 奈良先端科学技術大学院大学 産官学連携推進本部
・訪問日時: 2007年10月7日11:00-12:30
・対 応 者: 産官学連携コーディネーター 萩原 史朗 産官学連携推進本部 高畑 裕美
・訪 問 者: 河原 達也,中川 勝吾
・訪問大学: 名古屋大学 赤崎記念研究館2階 産学リエゾン共同研究センター
・訪問日時: 2007年11月8日15:30-17:00
・対 応 者: スーパーバイザー 石野 巌 マネージャー 増田 光徳
知的財産マネージャー 山田 基美子
・訪 問 者: 中川 勝吾
・訪問大学: 九州大学 ベンチャービジネスラボラトリ3階
・訪問日時: 2007年11月27日10:00-12:00
・対 応 者: 学術研究員 特任教授 岸本 泰洋 法務担当 小川 隆
アソシエイト 坪内 寛 国際法務担当 佐藤 弘基
・訪 問 者: 中川 勝吾
・訪問大学: 東北大学 未来科学技術共同研究センター2階
・訪問日時: 2007年12月11日10:00-12:00
・対 応 者: 知財管理室長 高橋 敏則 特任准教授 赤堀 浩司
東北テクノアーチ 産学連携マネージャー 霜山 陽亮
・訪 問 者: 中川 勝吾
・訪問大学: 北海道大学 事務局新館4階
・訪問日時: 2008年1月28日10:00-11:30
・対 応 者: 課長補佐 岸田 勝己 特任講師 小川 晴也
・訪 問 者: 中川 勝吾
・来訪大学: 東京大学 産学連携研究推進部
・来訪日時: 2007年12月6日16:00-18:00
・来 訪 者: 特任教授 本間 高弘
知的財産統括主幹 重森 一輝
・対 応 者: 河原 達也,中川 勝吾
・来訪大学: 群馬大学 研究・知的財産戦略本部
・来訪日時: 2008年1月17日13:30-15:00
・来 訪 者: 客員教授 永田 晃一
・対 応 者: 中川 勝吾
・来訪大学: 大阪大学e-Learning開発グループ
・来訪日時: 2008年1月17日16:00-17:30
・来 訪 者: 特任講師 百武 幸子
・対 応 者: 中川 勝吾
○ セミナー・イベント活動
2007年9月8日に早稲田大学で開催された「UNITT2007」に中川勝吾がパネリストとして参加し,大学におけ る著作物の管理及び活用についての考え方や問題点について意見交換を行った.
・セミナー名 「UNITT2007著作権分科会」
・開催日時 2007年9月8日10:00-12:00
・開催場所 早稲田大学 西早稲田キャンパス8号館
2008年2月20日に京都大学百周年時計台記念館国際交流ホールで開催された「ICTイノベーション2008」に
『京都大学産官学連携センター』としてブースを出展し,来訪者に対して産官学連携について紹介した.
・イベント名 「ICTイノベーション2008」
・開催日時 2008年2月20日13:00-17:30
・開催場所 京都大学百周年時計台記念館国際交流ホール
1.8.6 今後の業務計画について
平成19年9月に「知的財産ポリシー」及び「発明規程」が改定されたことを学内に周知するパンフレットを作 成し,全教員に配布した.また,著作物に関する問合せがあったときには,ソフトウェア・コンテンツ分野にお ける著作物の管理及び活用について説明している.しかしながら,まだまだ学内における周知が不足していると 考えているので,Webサイトの充実やパンフレットの再配布などを検討する.特に情報学研究科の教員への浸透 が重要と考えられるので,同研究科とメディアセンターで共催する産学連携イベントである「ICTイノベーショ ン-2009」の企画・運営に従事し,情報知財に関する周知の徹底と知財の発掘を図る.
また,教員の意向をライセンス契約に反映させるために,著作物が開発された後ではなく,著作物が開発される 当初から教員(著作者)と連携を取りながら権利処理及びライセンス活動を行うように努める.
1.8.7 中期計画期間中の活動の自己評価今後の業務計画について
情報知財活用室は,国立大学法人化後の京都大学における情報知財の効率的な管理及び効果的な活用を行う基 盤の確立をめざして,京都大学知的財産企画室・知的財産部・産学連携本部の協力を得ながら活動を行ってきた.
法人化当初の「京都大学知的財産ポリシー」及び「京都大学発明規程」において著作物の項目が設けられ,「当面 取り扱い対象とする著作物をデータベース・プログラムとデジタルコンテンツとし,著作者から著作財産権の管 理を大学において行うことを望む届出があった場合に」登録・管理する方針が確立された.これに基づいて平成 16年度より,京都大学における知財のうち上記著作物を扱う学術情報拠点として活動を開始した.拠点の発明評 価委員会を発足させるとともに,情報知財を登録・管理するシステムの運用を開始した.また,許諾契約につい ても試行錯誤しながら進めた.当初の知財ポリシーには「管理を大学で行うことを望む場合」とあるが,実際に は「許諾契約を大学で行うことを望む場合」に登録してもらっているのが実情に近いものであった.
平成19年度にはこれまでの活動をふまえて,全学的に知財の取り扱いを産学連携の観点から見直すことになり,
上記の知的財産ポリシー・発明規程ともに抜本的な見直しがなされたが,情報知財については,「有償で外部にラ イセンスする場合には原則届出」という方向に強化された.組織についても全学的に再編されたが,改称された
「ソフトウエア・コンテンツ分野」では,常勤の研究員1名と事務補佐員1名が配置されている.このような体制 で,毎年1千万円を超えるライセンス活動及び学内外の啓発・広報を行っており,特許やマテリアルと比較して も,より効率的な運営で,知財の一つの柱を形成しているといえる.またこのような著作物を対象とした知財活 動は全国的にもモデルケースとなっている.