• 検索結果がありません。

ネットワーク情報システム研究分野

第 1 章 ネットワーク研究部門

1.2 ネットワーク情報システム研究分野

1.2.1 スタッフ

職名 氏名 専門分野

教授 中村 裕一 情報メディア工学 助教 尾関 基行 情報メディア工学 助教(兼任) 小泉敬寛 情報メディア工学

1.2.2 研究内容紹介

1.2.2.1 中村 裕一

人間どうしをつないでくれるメディア,人間を見守るメディア,教えてくれるメディア,気づいてくれるメディ ア,ものごとを簡単に説明してくれるメディア等,様々なメディアを実現するための基礎理論,基礎技術,またそ の実装について研究を行っている.

メディア(画像・映像・音声・言語)の知的処理・認識: メディアに様々な機能を持たせるためには,画像,音 声等の認識技術を援用することが必要となる.コンテンツのインデックス情報を自動獲得するための認識技 術,適切なデータ提示を行うために人間(メディアの利用者)のおかれた状況や世界の様子を観測するため の認識技術等である.そのために,人間の動作や発話を処理し,どのような動作をしているか,何をしよう としているか,どこを指さしているか,何に注目しているか等を自動認識する研究を行っている.

新しいメディアの創成,マルチメディア技術: 知識の流通や独習等を高度にサポートすることを目的とした新し いメディア創成の研究を行っている.映像メディアとの対話を可能にするために,様々な視点から複数のカ メラで自動的にシーンを撮影するコンテンツ自動撮影,映像に付与するためにインデックスやメタデータを 取得するための画像や音声の自動認識,ユーザの質問に対話的に答えるためのインタフェース構築に関する 研究等を行っている.題材としては,会話,プレゼンテーション,教示実演等を扱い,会話シーンの自動撮 影・編集システムの構築,プレゼンテーション映像の自動編集規則の設定とユーザインタフェースとしての 評価,「さりげなく作業支援を行なう」のための物体・作業動作認識とユーザインタフェースに関する研究等 を行っている.

遠隔講義・会議支援技術,記憶共有支援技術: メディア技術の実応用に関する研究を進めている.その一つの応 用分野として,遠隔会議・講義の環境が世の中に普及しつつあるが,ユーザはその環境に必ずしも満足して いない場合が多い.我々は,新しいネットワーク技術や認識技術を用いて,新しい遠隔コミュニケーション 環境,例えば,必要なモダリティ(音声・画像・映像)やその質を講義や対話の状況に応じて選択する機能,

いつでも遠隔会議に途中参加できるようにするための会議要約を行う機能の研究等,いくつかの研究を始め ている.また,個人の行動を記録して記憶の想起や経験の共有に使うための研究も行っており,膨大な映像 記録から効率よく関連するデータを検索する手法等を手がけている.

1.2.2.2 尾関 基行

人間を見守り,働きかけ,情報発信を促すような場をつくりだす情報メディアを実現するために,情報学の見地 から,人間と情報メディアのノンバーバルインタラクションをモデリングする研究を行っている.

生徒に対して教師が教示する際,正しい手順に沿うように指示するだけでは生徒からの自発的な情報発信は得 られない.教師に必要とされているのは,生徒からの情報発信を促すような場の雰囲気をつくることのできる能 力である.優れた教師は,生徒の内部状態(楽しさ・興味・理解度等)を上手くコントロールすることで,生徒か ら新しい発想や視点を引き出す.このことは,コンピュータやロボットによる教示エージェントにおいても同じく 重要である.そこで本研究では,人間(生徒)の内部状態をコミュニケーションモデルに取り入れ,場の雰囲気 を良い状態に保ちながら人間の情報発信を促進することのできる教示エージェントの実現を目標としている.

現在はこのために,まず教示エージェントとセンシング環境を構築している.教示エージェントについては,

OpenGLを用いたCGエージェントおよびSony AIBOを用いて,首のジェスチャ(視線,頷き,首振り等),腕の

ジェスチャ(挙手,指差し等),簡単な喜怒哀楽の表現等,基本的な教示動作と感情表現ができる教示エージェン トを構築した.センシング環境については,人物からの表出情報(発話・動作・仕草・表情)およびタスク進行状 況を観測・認識するために,画像処理で安定した出力が得られるものはカメラを用い,そうでないものはセンサ 類を積極的に使って構築を進めている.

1.2.2.3 小泉 敬寛

人間の体験・経験を情報支援,記憶補助,経験共有等に利用可能なメディアを実現するために,その記録の獲 得から検索,要約,表示手法についての研究を行っている.

身に着けたカメラなどの各種センサを用いてありのままに記録することで,その人の体験・経験を長時間記録 する個人行動記録あるいはライフログと呼ばれる記録が提案されている.しかし,得られるデータは,そのまま では余りに膨大な量になり,素早く必要な情報にアクセスすることが難しくなる.そこで,効率的な検索や要約 を可能にする必要がある.

記憶や記録をたどる最も有効な方法の一つは,強く関連する情報を芋づる式に引き出すことである.本棚と本,

冷蔵庫とペットボトルのような強い関連性は,物理的な隣接性のような形で表れる場合が多い,そこで本研究で は,個人行動記録から物理的環境や人間の行動からそのような関連を検出し,得られた関連性を用いた検索手法 を提案している.また,作業に関する指示や応答などの対話情報を活用することで,対象の説明や名称などのイ ンデックスを付与したり,「部屋の暖かさ」や「次にどこへ行く」といった情報を補足することを試みている.

1.2.3 2007 年度の研究活動状況

人間を活動を支援するためのエージェントの利用,およびそのためのインタラクション,個人行動記録とその 応用,メディア技術を用いた会議の記録と会議の支援等のテーマについて研究を行い,次節で述べるような研究 発表を行った.本分野の研究としてはまだ十分に立ち上げが済んだ状況にはなっていないため,今後一層の研究 発表を行っていく予定である.

主な研究費獲得および参加状況としては,下記にあげた科研費3件(代表者)の他に,科研費特定領域研究分担 者としての参加,情報学研究科のグローバルCOEの研究分担(フィールド情報学)等があげられる.

また,メディアセンターにおける活動としては,センター推進研究として,タイルドディスプレイの開発を担当 をしており,大規模ディスプレイによる種々の可視化,また,そのためのユーザインタフェース,さらにそれを用 いた種々のアプリケーションを手がけている.2007年度は,その基本部分(ディスプレイ部分)の設計を行い,メ ディアセンター南館1階に設置した.

1.2.4 研究業績(著書,論文等)

1.2.4.1 著書

(著者,タイトル,著書名,編者,開始〜終了ページ,発行年)

Yuichi Nakamura, Video Content Acquisition and Editing for Conversation Scenes, in ”Conversational Informatics:

An Engineering Approach”,T.Nishida(Editor), Chapter 12, Wiley, 2008

1.2.4.2 学術論文

(著者,タイトル,論文誌名,巻,号,開始〜終了ページ,発行年)

該当なし

1.2.4.3 国際会議(査読付)

(著者,タイトル,論文誌名,巻,号,開始〜終了ページ,発行年)

Zhiwen Yu, Motoyuki Ozeki, Yohsuke Fujii, Yuichi Nakamura, “Towards Smart Meeting: Enabling Technologies and a Real-World Application”, Ninth International Conference on Multimodal Interfaces (ICMI 2007), pp.86-93, 2007

Zhiwen Yu, Yuichi Nakamura, Seiie Jang, Shoji Kajita, Kenji Mase, “Ontology-Based Semantic Recommendation for Context-Aware E-Learning”, 4th International Conference on Ubiquitous Intelligence and Computing (UIC 2007), pp.898-907, 2007

M.Ozeki, Y.Miyata, H.Aoyama Y.Nakamura, “Human Support Improvements by Natural Man-Machine Collabo-ration – Object recognition through interactions with an artificial agent –” Proc. of Human-Centered Multimedia (HCM) in conjunction with ACM Multimedia 2007, pp.95-101, 2007

Zhiwen Yu, Norman Lin, Yuichi Nakamura, Shoji Kajita, and Kenji Mase, “Fuzzy Recommendation towards QoS-Aware Pervasive Learning”, The IEEE 21st International Conference on Advanced Information Networking and Applications (AINA 2007), pp. 604-610, 2007

Daqing Zhang and Zhiwen Yu, “Spontaneous and Context-Aware Media Recommendation in Heterogeneous Spaces”, IEEE 65th Semiannual Vehicular Technology Conference (VTC2007-Spring), pp. 267-271, 2007

1.2.4.4 国内会議(査読付)

(著者,タイトル,会議録名,巻,号,開始〜終了ページ,発行年)

尾関基行,宮田康志,青山秀紀,中村裕一,“作業支援システムのための人工エージェントとのインタラク ションを援用した物体認識”, 画像の認識・理解シンポジウム(MIRU),pp.81-86,2007

1.2.4.5 その他

研究会等 (著者,タイトル,研究会誌名,巻,号,開始〜終了ページ,発行年)

前田俊一,小幡佳奈子,尾関基行,中村裕一,“料理を対象とした仮想アシスタント 〜 説明者から料理の知 識やコツを引き出す人工エージェント〜”,信学技報MVE2007-74,Vol.107, No.454, pp.33-38,2008-1

前田俊一,小幡佳奈子,尾関基行,中村裕一,“仮想アシスタント:映像コンテンツ取得を補助するエージェ ント”, 信学技報MVE2007-55,Vol.107, No.242, pp.103-108,2007-10

小泉敬寛,中村裕一,“個人視点映像からの隣接性を用いた物体探索”,信学技報MVE2007-32,Vol.107,

No.130,pp.55-60,2007-7

青山秀紀,尾関基行,中村裕一,“さりげない作業支援のためのユーザ状態のアクティブな認識 〜 エージェ ントを介した作業支援のためのインタラクションモデル 〜”,信学技報PRMU2007-31,Vol.107,No.115,

pp.25-30, 2007-6

全国大会等 (著者,タイトル,予稿集名,巻,号,開始〜終了ページ,発行年)

尾関基行,木下寛明,宮田康志,松本泰章,中村裕一,“feelcode:手認識とHMDへの映像表示による行為・

映像・記憶の連想”, 第3回デジタルコンテンツシンポジウム,CDROM 4-2,2007.

1.2.5 外部資金の獲得状況等

(教員名,助成種別,委託者・相手方,研究テーマ,助成金額,期間)

中村裕一,日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究(A),マイクロインタラクション技術を核とした技と体 験の支援・教示メディア, 12,610千円, 2007〜2010年度

中村裕一,文部科学省科学研究費補助金 萌芽研究,多様なコミュニケーションと知識の集積を支援するフィー ルド教育メディア構想, 1,500千円, 2007〜2008年度

中村裕一,寄附金(財団法人 経済広報センター),遠隔講義による教育支援の助成, 200千円,